鬱ってます? 鬱(ウツ)病とはこんな病気らしい
人生の中で一回も鬱状態を経験したことがないと言いきれる人がいたら、よほど物事を考えない人か、或いはよほど達観した人ということになります(らしい)。ほとんどの人がそうではないので、多かれ少なかれ鬱状態は体験しているはず(らしい)。しかし、大半の人が体験している鬱状態でも状態に差があることは確かです(らしい、以下略)。 鬱状態になる原因は日常的にいくらでもあります。しかし、多くの場合は病気にまで至りません。襲い掛かる異常事態に対し、これを正常に戻そうとする復元力が精神においても働き、無意識のうちにも不安を押さえ込んで何とか落ち着きます。 ところがどんなことをしても解消不可能できないほどの強い鬱状態になったり、解消する前に次々と鬱状態を引き起こすような事態が重なると、人間の持つ復元力の範囲を超えることになり、解消不可能になります。鬱病とは、このようにして鬱状態が長く続き、普通に社会生活を送ることが困難になった状態です。 普通、私達の気分は一日のうちでも様様に変化し、なにか一定の原因によってユーウツになっても、その直後にうれしいことがあったりしてユーウツな気分から解放されます。このように短い周期の中で感情のバランスをとっていて、その中での感情はまさに一過性のものでしかありません。しかし、ときによってはこの一過性であるべき感情の周期が、一定期間持続することがあります。ユーウツな気分が一定期間持続し、その気分に伴って、社会生活を送ることに困難を生じるようになったとき、それを鬱病と呼びます。
「鬱病なんて贅沢病だ。食うに困っていれば鬱病にかかる暇なんてない」 こうした間違った概念の為に、鬱病患者を自殺に追い込むことは良くあることです。「人間を害するほかのどんな病気より、鬱病から由来する苦しみのほうが大きい」と精神医学者のクラインは指摘しています。 この鬱病が最近になって多発し、注目されているところから現代病のように思われていますが、実は古代ギリシャで既に知られた病気でした。医学的に取り上げられたのは本格的には19世紀末になってからで、近代精神医学の祖と言われるクレペリンが「躁鬱(ソウウツ)病」という言葉を使ったことが始まりです。 「躁鬱病」はユーウツになったり(ウツ状態)、はしゃいだり(ソウ状態)という感情の病的変化が良くなったり悪くなったりを繰り返しはしても、人格、人間性は保たれている病気のことです。「躁鬱病」の中にも、ウツ状態だけを繰り返す単極性鬱病と、ウツ状態とソウ状態の両方を繰り返す両極性鬱病とがあり、その二つは分類して考えられます。躁鬱病は精神分裂病と並んで二大精神病になっています。
一口に鬱病といっても、様々有ります。一般的には内因性鬱病と、神経性の鬱病に分けて考えます。内因性鬱病とは、外因性の原因(脳に加わった物理的変化)がまったくなく、心理的な側面におおいに関係しているものです。原則的に脳波、されには死亡後の脳検査によっても何一つ病変も見とめられない病気ということが出来ます。原因は、様々ありますが、すべて心理的な葛藤が引き起こす障害ということができます。 神経症性鬱病とは、抑鬱神経症のことです。反応性鬱病と呼ぶことも有ります。神経症とは一般的にノイローゼと呼ばれるものです。反応性、とよばれるのも、何かの外部的要因が心に反応して起こるために名づけられたものです。 内因性鬱病と神経性鬱病の相違点をあげていきます。まず、内因性鬱病のほうがウツ状態が深刻です。内因性うつ病の場合には、午前中はより気分が悪く、夕方には持ちなおすことが多いのですが、神経性鬱病に日内変動は見られません。不眠という点では同じ症状を訴えますが、内因性鬱病では早朝覚醒で、2,3時間眠ると目覚め、その後眠れないというパターンが多いですが、神経性鬱病の場合、眠れないといっても入眠困難なだけで、実際は良く眠っている場合が多いです。
内因性鬱病にかかると、まったく無気力になり、治癒願望すらもなくなりますが、神経症性うつ病では、治癒願望が非常に高く、自己症状を分析し、積極的に治療に取り組む意欲を持っています。しかし、最近はこの二つをはっきりと見分けることは非常に困難になっています。
精神分裂病の症状の中には、内因性鬱病の症状と非常に似通っているものがあります。さらに、分裂病の初期症状は抑鬱症状から始まることが多く、区別に大変に難しいものです。その区別は、人格の変容、現実に対しての拒否、自閉的、了解不可能な対応があるかどうかで判断します。また、分裂病は思春期、青年期に発病することが多く、内因性鬱病は中年から老年に多く発病します。さらに、分裂病は性格的に非社交性が多く、内因性鬱病は、社会適応的な性格を持ちます。
すべての鬱病は必ず治る病気であり、予後も良好で痴呆や人格的なくずれを示すことは全くありません。ですからその時期に適切な治療をうけさえすれば、後遺症を心配する必要は全くないのです。 しかし、鬱病にかかると全く無気力になりますから、周囲の人から見ればまさに怠け病としかうつりません。ここが大きく問題となるところで、なまけているとして叱咤激励すると逆効果になり自殺に追い込むことにさえなってしまいます。【鬱病患者を殺すには、ナイフはいらない。ただ頑張って、と言えば良い】という言葉があるくらいです。 それまで生真面目だった大人が急に無気力になった場合には割と気がつくものですが、若者の場合には、周囲はどうしても叱咤激励しがち。しかし、最も悩んでいるのは本人であり、自分でも自分に鞭打ちながら努力しての結果なのですから症状の経過をよく知って正しい対処が望まれます。これからは主にウツ状態が深刻な内因性鬱病について書いていきます。 どうも気力がなく、生活がだらだらし始め、これまで興味を持ってやっていたことでも、全くやらなくなったりします。好んでみていたテレビにさえ関心を示さなくなります。誘われたり強制されると出かけることも有りますが、多くの場合長続きしません。仕事や勉強を「しなければならない」という気持ちは有るのでなんとか自分に鞭打ってがんばりますが、ぼんやりしている時間が多くなり、学校や会社を休みがちになります。 周囲の人が励ましたり、叱ったりすると、反抗的になったり、涙ぐんだり、自分の過去の灰色さを回想し、自暴自棄的な行動をします。 食欲もなくなりますが、食べられないということはありません。悪夢を見て寝汗をかくことも有り、睡眠は早朝覚醒型で2,3時間で目を覚ます、というのが特徴です。
ユーウツ感がひどくなり、いらいらも増大。一日の中で何回も気分変動がありますが、総じて午前中は気分が悪く、夕方になると持ちなおす傾向があります。周囲の人に迷惑をかけて悪いという思いが強く、そのために辞表を出したりする場合もあります。 自分に対する嫌悪感が強く、自分はどうしようもない人間であると思いこみ、劣等感も強くなります。前途に全く希望が持てず、食欲、性欲もなく、人前に出ることを嫌い、自殺を企てることもあります。この時期になると、身体的不調も強くなり、極端な体重変動などが出るため精神疾患であることに気がつくことが出来ますが、精神病の偏見から、本人も家族も専門医の診察を嫌うことが多いといえます。
抑鬱状態が激しく、妄想が強く、不眠と食欲不振のため、起きているより寝ている時間のほうが長くなります。顔色も悪く、やせ細ったりして周囲のものが油断した隙に発作的に自殺を実行する、ということが多くおこります。自殺をしなくても、脱水症状や肺炎などを併発し、それが原因で死にいたる場合もあります。
3の段階が終わると、逆に徐々に回復に向かいます.しかし、本人の気分からすれば最悪の状態とあまり変わらないのです。 気分がいいときと悪い時の落差がおおきいために、最悪の状態よりも絶望感が強くなり、この段階で自殺することが最も多いのです。 もともとまじめな性格の人がおおいため、少し回復しただけでもすぐ社会復帰したがるので、周囲の人たちが理解を持って見守り、アフターケアを重視することが必要になります。この時期を経てようやく気分の振幅も少なくなり、自身も取り戻してきます。しかし、まだまだ疲れやすく、なにをやっても長続きしない状態が続きます。 この各段階には明確な境界線はなく、諸段階の持続期間も一週間のこともあれば、何ヶ月かかることも有ります。さらに、典型的段階を経ることもなく、第一段階から回復に向かう、軽症の鬱病の場合もあります。いずれにしても、必ず治る病気ですので、周囲の人も自信を持って対処することが大切です。 っつーことらしいです。 早起き心身医学研究所所長 税所弘さんらによると。 |