<PAGE 8>

「トミクラです。」

「か・・川添智久です。」

 

この仕事を紹介してくれたコタロー君に時間と場所を教えてもらって、

面接してもらう事になったんだ。

 

しっかしキンチョーするよぉ・・・

さっきから生ツバばっか飲んでるし。もちろん冷やアセも大量に出てるし。

おっかなそうな人なんだよ。ものスゲー恐い。

なんてゆーの?オーラ?ビシビシくるんだよね。

 

その後、初めてメシに連れてってもらったんだ。

「なんでも好きなモン喰え」の言葉に

「じゃあ、カツカレー赤スパ付き大盛りで!!」

「・・・・絶対喰えよ」

 

後で考えると、この時トミクラさんは

『なんて遠慮しないヤツなんだ』と思ったと思う。

でも「絶対喰えよ」って言った時、ニヤってしてた。

 

毎日目が回りそうな程忙しいけど

音楽に触れてるって事が、今のオレにはほんと嬉しいんだ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「おい、トモヒサ!メシ喰いに行くぞ。」

トミクラさんはこうやってちょくちょくメシ喰いに連れてってくれるんだ。

今まで行った事のないような店ばっかりで

飯がジャガイモだけだった時とかマジ嬉しいんだよね。

オレはいつもより元気に返事してついて行った。

 

「ここのカキアゲはほんとにウマいんだ。だからどんどん喰えよ」

スタジオの側にある食堂だ。表にはタクシーがたくさん停まってる。

ウマイぞ、ここは。

待つ事10分。

おお〜!来た来たァ〜!うまそ〜!

この感激が分かるかなぁ?

はぐっ!(うわっ!!)

はぐはぐっ!(うンめぇ〜!)

はぐはぐはぐッ!(もはや無言)

 

「・・・サ・・・・トモヒ・・・おい・・・」

オレの食べっぷりを唖然として見てたトミクラさんがなんか言ってる。

「なんふかぁ?(なんスかぁ?)」

オレはあまりにウマさににっこりして聞いた。

「オマエ・・・メシ喰いながら鼻血出すなよ」

「!!!」

ホ・・ホントだ。

なんか詰まってるような気がしてたんだ。

トミクラさんはそっぽむいたまま肩を震わしてる。

にっこり笑ったハナから血が出てるオレの姿は

さぞかしマヌケだったろう。

 

我慢しきれなくなって爆笑してるトミクラさんを後目に

鼻血を拭きながらオレは食い続けた。

 

笑われてもいいんだ。カキアゲ丼ウマかったから。

 

STORY 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

 

 

 この小説は一部事実を元にしたフィクションです。

このサイトのいかなる映像・文章も転載を禁じます。