cool! アイズワイドシャット   ★★★

う゛〜ん。159分という長丁場を
一分もダレることなく持続させるのは流石だし、

音楽の使い方やそのタイミングも素晴らしい。
随所に見られる光の使い方、とりわけ顔のライティング
(最も分かり易いのは序盤にトム・クルーズと対話する時の
元顧客(?)の令嬢や
旧友をまるめ込む時のトム・クルーズで、
これらのシーンでは能のようにライティングによって

役者の演技以上に雄弁にその人物のその時の心理を
浮かび上がらせることに成功している)

には、もうほんとにすっげえなぁって感じなんだよね。
だからこの作品、確かに技術面では
最高水準に到達しているかもしれない。

けれど、この中で描かれる哲学にソウルを感じられるかと聞かれれば、
あたしゃ感じられませんでした。全く。
中盤までは知的な緊張感が漲っていて凄く良いのに、
中盤以降になると緊張感は維持されるんだけど
違う種類に変質しちゃう。

その結果、終盤の物語の運びも雑な感じがして、
相対的に問いに対する掘り下げが不十分のまま
提示される結末には釈然としないものが残ってしまいました。
出だしが個人的に好きな方向だっただけに、
あたし的には酷い肩透かしを食わされた気分でしたね。
それにしても、ニコール・キッドマンのあの裸体。
あれはもう誇張抜きで肉体美の結晶です。(断言!)
「近寄りがたい」とか「神々しい」といった形容詞を
ごく自然に使える裸体を見せられたのは
初めてのような気がしますね。

ほんの一瞬(恐らく十秒かそこら)なんだけど、
息を呑んじゃいました。

これに較べたら(較べるのも馬鹿げているけれど)
巷に溢れ返っている芸術と僭称するヌード写真なんぞ
お下劣以外の何物でもないよね。

 
MessageTo Index

アルマゲドン    ★★★★B級度120%
(はB的観点からの評価)

1998年 アメリカ
 監督 マイケル・ベイ
 脚本 ジョナサン・ヘンスレー,ジェフリー・エイブラムス
 出演 ブルース・ウィリス,ビリー・ボブ・ソーントン,
    ベン・アフレック,リブ・タイラー,スティーブ・ブシェーミ他
特別出演? 松田聖子

巨大隕石が地球に接近していることを察知した
アメリカ政府が、独自にその対応を協議した結果、
最も実現可能な作戦は爆弾を
隕石の内部に設置するというものだった。
本作は、爆弾を設置するための穴を掘るために選ばれた、
世界一の掘削技師、ハリー・スタンパーとその仲間達の物語。

いやぁ、とんでもない映画ですねぇ。
薄っぺらい人物造形に、無茶な展開
それをノリとCGで誤魔化している、とでも言いますか。
とにかく演出がとんでもなくあざといんですよ。
とりわけ宇宙に旅立つ間際から以降のあざとさったらないですね。
状況だけをポンっと提示した上で、
その場の雰囲気だけを描いて
何かを表現しているように見せかけているという恐るべき手法、
その連続なんですわ。
だから実質的には何も表現していないに等しいのに、
雰囲気だけは妙に伝わって来るんで、
反射的に心が反応してしまうんですよねぇ。
騙されても仕方ないような気がします。

・・・とまともに書くとこんな感じになるわけですが、
本作はB級のシナリオに
大金を注ぎ込んで大作に仕立てたのは明らか。
溢れるB級テイストを味わわなきゃ損、損。
とりわけ、宇宙に出てからの展開なんか、
まるで生理学に基づいたように
無節操に続発する問題が都合良く解決されちゃって、
殆どギャグ・コント大会。
だから、テンション上がり放しで、
エンディングへとなだれ込んでいく本作は
最高のB級映画と呼ぶに相応しい。
親馬鹿スティーブン・タイラーの絶唱も、
怖いくらいマッチしすぎで言うことなし!
登場する人物も粒が揃ってる。
ブルース・ウィルスの不思議な正義漢ぶりを筆頭に
お約束のような熱血漢、故に変なテンションのベン・アフレック、
やっぱり奇人役のスティーブ・ブシェーミも最高っす!
ロシア魂を見せつけてくれるロシア人宇宙飛行士も捨てがたい。
リブ・タイラーの薄情さ、切り換えの速さに至っては
感動的
ですらあります。
また、CGもアニメチックで凄いんです!
2機のシャトルが小隕石群をかいくぐって・・・
って出来ねぇっつの、そんなこと。
でもアニメにはお約束だから許す!
・・・こんなんばっかりで無茶しすぎなのは明らかなんですが、
そこがまた馬鹿っぽくていいんだなぁ。

こうして観ていくと、
地球の危機に選ばれた者達が立ち向かうというストーリー、
荒唐無稽な展開、そして要所を押さえたテーマソングの挿入・・・。
といった本作の基本線、
そう、これって日本のアニメ・漫画の定型なんですよね。
(注:いや、アニメ・漫画を否定するつもりはありません。
クォリティの高い作品があるのは解っていますが、
一般論的な意味で言ってるんですよ。)
アメリカ人のリアリズムが許さなかったのかどうかは知りませんけど、
もしこれで主人公が少年だったら、まんまアニメですよ。
だから本作に関して「アメリカ至上主義が〜」
なんて言うのは、全くのナンセンス。
だって昔からアニメじゃどんな地球的危機でも、
それを救うのは日本人ばっかりだったんですから。
「マトリックス」が日本のアニメ・漫画へのオマージュであるなら、
本作はそれらへの対抗意識によって撮られた、そんな気がします。
「ジャパニメーションがなんぼのもんじゃい、
 ハリウッドだって負けちゃいないぜっ!!」
ってな感じでしょうか。
こう考えると、かっての日本人のスーパーアイドルである松田聖子
あのような国辱的なシーンで起用されているのも十分得心がいきますね。
(↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑それは考えすぎだってば)
でも所詮二番煎じだから負けてんですけど(笑)。

MessageTo Bclass Index

ヴァージンスーサイズ   ★★

本作は近所に越してきた、
魅惑の5人姉妹を巡る追憶の物語。

本作の予告編を観た方は多いと思いますけど、
あたしもそれにぱくっと食いついた口でして。

あの予告編と、「ヴァージンスーサイズ」というタイトルから、
あたしはセンシティブな10代の
女の子の感覚的な揺らぎのようなものを
描いているのかなと思っていたんですけど、
さにあらず、本作は余り5姉妹を主体として捉えないんです。
あくまで基本となるのは、
語り手が捉えた客体としての4姉妹像なんですね。
その意味では確かに語り手と
5姉妹の距離感は明確なんですけど、
かえってそれが作品と観客との距離感になってしまっているんです。

本作が描こうとしているのはノスタルジー。
結局4姉妹もこのノスタルジーの1部なんですね。
にもかかわらず、本作からはノスタルジックな気分が
感染してこない
んですよねぇ。
ただ、その気配を伝えるだけで。
これは恐らくノスタルジーのコアとしての
4姉妹が余りに突出してしまい、
その周辺(時代の雰囲気とか・・・)の描写が薄いからでしょう。
唯一それを補完している「音楽」も
じっくり聴かせる曲が少なく、使い方が実に中途半端。

全般的に無難なところでまとめてあるだけに
最後まで観させられたけれど、
作品自体に「これっ!」という取っ掛かりとなるところが無く、
独特の雰囲気を醸しだしている映像だけ
スッと入ってきてスッと抜けていってしまった
という印象しか残りませんでした。
致命的な欠陥があるとは思わないけれど、
なんだか「色」が乏しい作品ですね。

Index