ピーターパン   ★★★

2003年 アメリカ
 監督 P・J・ホーガン
 脚本 P・J・ホーガン,マイケル・ゴールデンバーグ
 出演 ジェレミー・サンプター,ジェイソン・アイザックス
    レイチェル・ハード・ウッド,リュディビーヌ・サニエ他
公式HP:http://www.sonypictures.jp/movies/peterpan/

お話大好きな夢見少女ウェンディーは、ある晩、
 空を自由に飛び回る不思議な少年に出会う。
 ピーターと名乗る少年に誘われるまま、ウェンディーは
 二人の弟と共に「ネバーランド」へ旅立つ。そこには
 彼女が弟達に話して聞かせていた「お話」の世界
 そのままの大冒険が待っていた――。

永遠の少年「ピーターパン」と言や、
ファンタジー界の住人の中でも
屈指の知名度を誇るセレブのお一人。
過去に何度か映画化もされとりますが、
本作はかなり原作に忠実につくられているみたいです。

本作の最大の見所はピーターパン役の少年
ジェレミー・サンプターの萌え萌えな表情――
ではなくて、ワイヤーアクションを用いた飛行シーンでしょう。
「(絵)本から飛び出したような」という比喩がありますね。
あれを実際の映像で表現しようという趣向らしく、
なかなか愉快な画がぽんぽん飛び出してきて楽しめます。
風味としては、「ド迫力な空中浮揚」とか
そういうエキサイティング系の演出ではなくて、
あくまでもファンタジックなアトラクション系。
TDLのライドにでも乗っている感じと言いましょうか。
また、この「飛ぶ」という要素は、
ピーターパンに欠かすことの出来ない超重要な要素ですが、
ワイヤーアクションとCGという、近年お馴染みの技術によって
気持ち悪いくらいの滑らかさ(誉め言葉)を実現しとります。

なにせ本作はお伽噺ですからね、
マトリックスばりの反重力アクションを決めても
不思議なくらい違和感を感じないんですよ。
なワケですから、画面を縦横に飛び交う
ピーターパンの姿を追うだけで、
重力から解放されたふわふわした躍動感が
そこそこ楽しめたりするのです。

そういう「夢」めいた面白さに加え、
「恋と冒険」の揃ったストーリーでありながらも、
ラストはほんのりと苦い。
それはやはり、永遠の少年ピーターパンが、
実はネバーランドの囚人にすぎないという側面を
きっちりと押さえているからなんですね。
背中に哀愁を乗せて飛ぶ少年、ピーターパン。
ファンタジーとはいえ、「あり得ないこと」を望んだ者が
辿らねばならない悲惨な末路……。

良質のファンタジーが常にそうであるように、
本作でも夢とか冒険とかいうのは、
基本的にそうした「苦み」を隠すための
糖衣みたいなもんなんですなあ。
ちなみに「苦み」なんて子供にゃ毒だ、早すぎる!
ってんで甘いモノだけにしちゃったのがディズニー。
ディズニー化させなかっただけでも、
かなり製作サイドの良心を感じさせます。

ワンピースやコナンもいいですが、
たまには本作のような「非ディズニー」の
古典ファンタジーでもいかがでしょ?

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