Rarara Rururu

〜特別教育委員会第一会議室にて〜 「碇よ、これでは問題がありすぎるのではないのか?」 「ふ、問題ありあませんよ。冬月校長。」 「それに私達に選択肢はあまり多くは残されていないのです。」 「しかたあるまい・・これを通すか。」 「よろしくお願いします」 「君達二人にかかったら何も言えんな」 「おほほほほ」 強面の男と魔性の美貌を持つ女・・か・・一体どうなることやら。 第三東京市立第一中学校校長冬月コウゾウは手渡された封筒にチラッと視線をやりながら先を思いやった。 第1話 特別クラス

がやがやと、さわがしい昇降口前。 当然だ。新学年のスタート、つまりクラスが発表されているのだから。 自分のクラスを見たらさっさとどけば良いものを仲の良い友達の行き先をチェックしたりと中々の混雑振りだ。 シンジは、出来るものならばこのような人ごみは避けてとおりたいものだったが そういう訳にも行かないと覚悟を決めて飛び込んだ。 数分後。混雑からよろよろと押し出されたシンジは多少あせっていた。 「ない・・・・」 おかしい。自分の名前が発見できないのだ。 騒ぎから少し離れて考えてみる。 2−1から6までの全てをみてきたのに・・ない。 見落としたのだろうか? だが碇シンジの『い』などなかなか見逃すのも難しいと言うもの。 ふと、変な会話が耳に飛び込んで来た。 「おい、みたかよ、今年の2−7すごいぜ!」 「2−7?そんなのあるのか?」 「今年は増えたらしいぞ、多分転校生が多かったからだ。」 ああ、そう言うことね。 シンジは納得した。てっきり去年と同じ6組までだと思って見落としたのだろう。 再突入を試みる。 そして、それを発見したとたんシンジはちょっぴりおどろいた。 手書きだ・・・・・。このクラスだけ。 しかもえらくしょぼい。 ざっとクラスメートをみてみる。 カタカナが多い・・。外人がたくさん? しかし名前を詳しく読み取ることもかなわぬまま人ごみの中シンジは流されてしまっていた。 「おお、シンジ!」 「トウジ!・・とケンスケ!」 クラスに入りまず発見したのは去年の親友鈴原トウジ。 それと、トウジの親友と言うことで違うクラスながらも多少面識のあった相田ケンスケだった。 「よかったー・・なんかこのクラスの名簿見た時に不安になっちゃってさ・・」 「そうや、なんやえろう舌かみそうな名前ばっか並んでおって大変やで」 「いやいやいやいや、彼らは芸術だよ!」 そう言ってケンスケは怪しげにあたりを見回す。 彼は、世間の言うところのカメラ小僧。 そろそろもうワンランクアップしてカメラオタクになろうとしている。 美 男子・女子を取り、コレクションにすると同時に販売。 被写体には、時に利益の部分を渡し、時に鉄拳によってその肖像権を得ている。 数分後、HRによってあの手抜き名簿が担任葛城ミサトのせいであること発覚。 と同時に、クラスメートが全てそろったところをみまわしてみると なんとも奇妙なクラスであることが分かった。 何が奇妙か?・・・全てがだ! クラスに所属するそれぞれの生徒は、自分がその一部分を担っているとも知らずに なんとも変わったクラスに入ってしまったと嘆いていた。 こうして、2−7、裏名 第三東京市:特別指定クラス の初日が始まった。 「担任の、葛城ミサトです。Nice to meet you!」 バチッとウインクを決める。 クラスは半分に分かれた。 それぞれの思いを端的に示すならば、 ・うるさい(はで) ・いかすっ! である。 シンジはどちらかと言えばにぎやかな先生は得意ではなかった。 もうちょっと落ち着いた感じの先生だったら このクラスも多少ましになったのかもしれなかったのに・・。 シンジにはこのクラスがどこまでもぶっ飛んでいきそうな予感がしていた。 この陽気な先生は、自己紹介しても面白くないからーっと 親睦会を開くことにした。(どちらもどちらだが・・) 給食の時のように机を班の形に並べて雑談して頂戴という簡単なものだが。 シンジの班にはケンスケがいた。かれは女子とにこやかに雑談している。 意外と、豊富な知識で話題があり、盛り上がっているようだ。 シンジはといえば、目の前に座っている水色の髪の毛をした赤い眼の少女が ずーと視線をはずしてくれないので困っていた。 見詰め合う二人・・。 と言うよりは、レイにがんつけられて慌てているシンジという構図だった。 どうにもこうにも居たたまれなくなったシンジは、遂に声をかけることにした。 「こ、こんにちは。」 一瞬ケンスケの動きが止まる。 (シンジ・・こんにちは、はないだろう。そんなんじゃ女のこの気は引けないぜ!) その一瞬後には何もなかったようにまた弾丸トークをはじめたが。 綾波レイは、まだシンジを見つめていた。 挨拶に対しては多少反応があったが、しかし挨拶を返してくれるほどではなかった。 (ふーむ・・) シンジは困っていた・・・が、開き直った。 鈴原トウジは知っている。開き直ったシンジは何をしでかすか分からないと。 そして、シンジは決めた。見つめ返すことに。・・僕は、負けない! 真夏の太陽が気温をじりじりと、しかし確実に上げていっている中 クラス内のざわめきとはまったく別世界の熱い戦いが始まった。 親睦会は、そのまま休み時間へと突入した。 目的は果たされ、仲良くなったここそこの生徒達は雑談にふけっている。 ・・一角を除いては。 しーーーーん。 激しく散る火花。真剣なまなざし。 観戦者達も息を呑んで戦いの行方を見守っている・・・訳がない。 ただ興味本位で見ている。 綾波レイと、碇シンジの硬直した見つめあい。 そこに愛があるのかは実のところ分からない。 2つの机をはさんで結構な距離があるし、二人とも熱っぽい視線とは何か違う気がした。 いや、シンジの方は多少熱っぽかったかもしれないけど。 この沈黙は、突然次の授業のチャイムが鳴ったときに破られた。 綾波レイが机の向きを変え始めたのだ。当然次の授業の為に。 その様子を見てシンジもふっと息を吐いた。 そしておもむろにレイに近づいて右手を差し出した。 「Good game. また続きは今度ね」 ごく自然に言ってのけたシンジに一瞬目をぱちくりさせたレイだったが。 とりあえず差し出された手を握り返しておいた。 普通のクラスであれば、とてつもないファーストインプレッションを与えるような出来事だが 周りを見れば分かるように、どえらい奴らが集まったこのクラスでは 些細な出来事であったりした。 勝負は、これから! つづく
一言:短くてごめん。 これからも短いです・・。
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