■転換性障害
いわゆるヒステリーのことですが、現在ではヒステリーという言葉は使われません。
昔ヒステリーと言われていた言葉には3つの意味があり、ヒステリー性格、ヒステリー症状、ヒステリー神経症と言うものです。
ヒステリー性格とは小児的、未熟的、感情不安的、非暗示的、自己中心的、演劇的、誇張的、自己顕示的などの性格をさすものです。大まかにまとめると、
- 未熟性(幼稚っぽい)
- 感情易変性(感情が変わりやすい)
- 自己顕示性(目立ちたがり屋)
です。
ヒステリー症状を疑う特徴としては、症状に象徴的な意味があったり、疾病利得、疾病への逃避、満ち足りた無関心などの存在があります。
疾病利得とは、病気になることで特をすることで、これには2つのタイプがあります。
一つ目は、病気になることで、自分の内的な葛藤を意識の外に置くことで、しばらくの期間ストレスから逃げられる特です。
もう一つは、病気になることで他人からの同情や援助、愛情を受けられると言うものです。
満ち足りた無関心とは、疾病にかかっていると言うことに満足し、それほど悲観的であったり、ショックの様子が薄いと言うことです。
さらに、ヒステリー症状は仮病との鑑別が難しくなってきます。
ヒステリー症状の訴えは、わざとらしくオーバーで、他人が見ていないと症状が消失したりします。
- 症状
最もよく見られる症状として、動けなくなる、手が動かない、声が出ないなどの「運動麻痺」そして、手足や顔の感覚がなくなるという「感覚麻痺」があります。
- 感覚症状…無感覚症と知覚異常がよく見られます。特に手足で見られることが多く、手や足が靴下や手袋をしたような範囲で感覚がおかしくなったり、きちっと体の半分だけがおかしくなったりします。(神経学的にはそういうことにはなりません)また、特殊な感覚器官、つまり、眼や耳に症状が出ることがあります。眼だと、トンネルのように真ん中が見えなかったり、半分が見えないと患者さんは訴えます。 その割に、傷を負ったり、転んだりもせずにきびきび歩けるのは不思議です。
- 運動症状…異常な動き、歩行障害、筋力低下、麻痺などです。大きな振戦や筋肉のけいれん、チックなどがあらわれます。歩行障害では立てなかったり歩けなかったりします。こういった例でも滅多に転倒しません。
診断基準は以下の通りとなっています。
- 神経疾患や身体疾患を疑うような症状が一つ以上存在する。
- 症状の発症に強い葛藤やストレスが関係している。
- これらの症状は意図的に作られたものではない。
- 色々調べてみても、十分に説明が付かない。
- これらの症状によって社会的、職業的などの障害を起こしている。
- 他の疾患が見あたらない。
- 原因
先に書いたように、内的な葛藤の抑圧によるもので、不安が身体症状へと転換したものです。転換性障害の症状は葛藤と象徴的な関係を持っています。患者は症状によって自分に特別な配慮と治療を必要としているのだと訴えることができます。
- 経過と治療
およそ90〜100%の人は初発症状から2、3日〜1ヶ月以内に解決されることが多いです。75%の人は転換性障害を繰り返すことはなく、25%はストレスのある時期にまた繰り返します。ほとんどの場合は自然に治りますが、支持的療法や行動療法によって早く治すことが可能です。ストレスが原因だとか、心の病気だと患者に告げることで症状が悪化したり、治療に抵抗性を示すこともあります。抗不安薬なども有効です。
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