股関節形成不全

正常な股関節のレントゲン写真
(ジニーの股関節、OFAに提出した写真)

股関節形成不全は、一般的に大型犬に多い病気ですが、イングリッシュコッカースパニエルにも見られる病気です。重症の場合は激しい痛みを伴い歩行不全となりますが、軽症の場合は気が付くほどの症状の出ない場合もあります。股関節形成不全は単純な遺伝の型を持たず(いつくかの異なる遺伝子によって決まる)、両親共に正常であっても子どもに発病が見られる場合もあります。また、股関節形成不全になるかどうかは食事や外部要因も影響します。

股関節形成不全の診断はレントゲン写真により行われます。
正常な場合は左の写真のように大腿骨のボール型の頭がソケットへ隙間なく収まっています。
重症の股関節形成不全を発病している場合は、大遺骨のボール型の頭がソケットから外れ出ています。
イングリッシュコッカースパニエルにおいては、パーティカラーよりもソリッドカラーの方が股関節形成不全の発生が高いようです。が、股関節形成不全はイングリッシュコッカースパニエルにおいて、すべてのカラーで存在しています。
繁殖をする全ての犬は、股関節形成不全と言う遺伝病を少しでも減らせるように、レントゲン検査を受けるべきだと思います。
アメリカにある専門機関OFAにおいては、股関節の正常な状態をEXCELLENT,GOOD,FAIRの三段階で表しています。


参考HP・・・The Cocker Spaniel Club
       The English Cocker Spaniel Club of America, Inc
       



膝蓋骨脱臼

後肢にある膝蓋骨(膝のさら)が正常な位置から外れた状態を言います。
膝蓋骨脱臼には内側にはずれる内方脱臼と外側にはずれる外方脱臼があり、その発生頻度は圧倒的に内方脱臼が高い。
すべての犬種に発生がみられますがが、とくに内方脱臼はヨークシャーテリア、ポメラニアン、トイプードル、ミニチュア・プードル、シーズー、チワワなどの小型犬種に多く、外側脱臼は、大型の犬種にまれにみられる傾向にあります


原因は、先天的と後天的に分けられます。
先天的にものは生まれた時から周囲の筋肉や骨の形成異常や靭帯の付着部の異常等があり、成長とともにこれらの異常が進行し膝蓋骨の脱臼を招く結果となります。後天的なものは、打撲や落下などによる強度の外傷性が原因で膝蓋骨の周囲の組織が損傷したり、骨に関する栄養障害等によって骨の変形が生じ、膝蓋骨脱臼となる場合もあります。

症状は、無症状のものから歩行困難となる場合まであり、グレード1からグレード4まて゜の4段階に分類されています。

グレード1 膝蓋骨は正常に位置にあり、足を伸ばして膝蓋骨を指で押すと脱臼するが放すと自然に元に戻ります。無症状無症状の場合が多いがスキップ様の歩行をすることもあります。
グレード2 膝蓋骨は不安定で膝蓋骨を曲げていると脱臼したり跛行したりするが、指で膝蓋骨を押すと元にもどる。日常生活に支障は無いが、骨の変形が進み、数年後には膝蓋骨を支える靭帯が伸びてグレード3へと移行してしまう。
グレード3 膝蓋骨は常に脱臼状態で、指で押せば戻るがすぐに脱臼してしまう。多くは膝関節を曲げたまま歩行するので顕著な跛行が見られる。大腿骨や脛骨の変形も明らかになってくる。
グレード4 膝蓋骨は常に脱臼し、指で押しても戻らない。大腿骨や脛骨の変形もさらに重度となり犬は患肢を曲げうずくまった姿勢で歩行するか前肢に体重をのせて患肢を浮かせたように歩行する。

以上のように程度の差はありますが、各グレードに共通して疼痛、腫脹、患肢の挙上などがみられます。先天的の場合は習慣的に脱臼し疼痛がほとんどない例もあります。病状が長期化する膝蓋骨に関連する筋肉の萎縮を呈する場合もあります。

膝蓋骨脱臼は、先天的なものでは遺伝疾患と考えられています。
膝蓋骨脱臼を発症してしまったら、床などをすべりにくいものにする等の工夫が必要です。(発症していなくても、関節の疾患予防、骨格を正常に形成し保つ為には、すべらない工夫とクッション性を重要視することが必要です)

軽度の場合、筋肉を鍛えることにより改善されることが多いですが、加齢と共に筋肉が弱まり再び症状を示すようになる場合もあります。
重度の場合、手術を受けることにより改善できます。

膝蓋骨脱臼は小型犬に多いとされていますが、中型犬のイングリッシュコッカースパニエルではありますが、後ろ足の2本でピョンピョン飛び跳ねることの多い犬種ですので充分に注意する必要があると思います。

全く無症状の場合も触診でわかりますので、健康診断の時に膝の触診も受けて欲しいと思います。

繁殖をする場合、発症犬は使わないようにしてください。