GREEN PARK


          ソレハ突然ノ・・・・・・
                    突然ノ・・・・・・・・



  しとしとと、やわらかく雨が降る。
                          突然の、雨。


  こんな日に限って、待ち合わせは公園だったりして。
  失敗したな、と和久は思う。その上15分も遅刻。息を切らせて駆け込んだ公園の入り口はもうぬかる
んでいて、わずかに泥が飛び跳ねる。


                                            けして冷たくはない、6月の雨。
                                    しとしとと、やわらかく降る6月の雨。
                                                                    突然の・・・・・・







  公園のベンチ。
       大時計の下。
                                                     彼はいた。

  かすかに天を仰ぎ、
         両手を大きく広げ、
     空から落ちてくる、霧のような水飛沫を体全体に浴びて。


  やわらかく閉じた瞳
  やわらかく閉じた唇
             やわらかく
                                            やわらかな表情。


       ごく自然に、美しいと思った。
  普段は眼鏡に遮られている瞳の、
    そこここについたこまかいしずくに飾られた長いまつげも。
  紅をさしたかのようにあざやかな彩の唇も。


             まるで、
                       まるで天使がそこに
                 いるような。


   そして、ゆっくりと、
             天使が、
      黒い天使が  目を開ける。









「・・・・・・・・・・・・・い」

「苦しいっつってんだろ和久!離せっ!!」
  脇腹に鈍い衝撃。
  続いて足の上に激痛。
「いってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!?」
「あったりまえだっ、殴られて足踏まれて気持ちよかったら変態だっつーのっ!!」

  目の前にいたのは、怒れる黒髪の天使だった。

「あ・・・・あれ??」
「ったく、20分も遅刻した上いきなり抱き着いてきやがってなに寝ぼけてんだよっ!!」
「・・・・・・早希・・・??」
「それ以外の誰に見えるんだよ、お前、目ェ腐ったのかっ?」
「あー、いや・・・・・その、まあ、なんだ・・・・・・やっぱりなんでもない・・・・・・・」
「気持ちわりィなあ、まったく。」


  早希が目を開けたとたん、白い翼でもはえて飛んでいってしまう。
    そう思った。なーんて。
「・・・・・・・いくらなんでもなあ・・・・」
         いえるわけがない。


                                      突然降り出した雨は、
                                               何時の間にかやんでいた。

                                         おぼろげな、虹だけを残して。







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