エッケルズ、ロバート・E

「EQの顔 ロバート・E・エッケルズ」 EQMM1987、三月号

P10 最初に手にしたミステリーが何であったか、それを覚えていないほど、ミステリーとの出会いは早かった。七歳頃には、シャーロック・ホームズの全集を読み終えていました。

「ベルマンの肖像」 池央耿訳、EQMM1987,三月号

P112 ただし、これでシャーロック・ホームズの向こうを張った気にならないうちに、私から一つ忠告しておく。

江戸川乱歩

「悪魔の紋章」 KER11 S54

P266 林は昨年或る私立大学の法科を出たばかりの、まだ二十五歳の青年であったが、探偵小説を愛読したあまり、未来のシャーロック・ホームズを夢見ている男で、小池、木島の二人の先任助手が殺人鬼の毒手にたおれたことも承知の上、志願して博士の助手となったのである。

P267 いや、そういうとっぴな企ての裏に博士のどんな深い知恵が隠されているのかと思うと、未来のシャーロック・ホームズは、うれしさに身内がゾクゾクするのであった。

P291 僕のわるい癖でしてね、筋路を話さないで、突然、結論からはじめるものですから、僕の頭の中の論理を御存知ない皆さんは、まったく感情的な暴言のように感じられるのです。

「悪霊」 KER9 S51

P25 「君は探偵好きだったね。コナン・ドイルの影響を受けて心霊学にはいってきたほどだからね。

P31 そんな子供だましのトリックが、トリックの専門家である探偵小説家を、コナン・ドイルを欺き得たとは考えられないではないか。

「暗黒星」 KER12 S54

P53 名探偵明智小五郎は、書斎の肘掛椅子にグッタリともたれこんで、無闇に煙草を吹かしながら、考えごとにふけっていた。あたりには、煙草の煙が濛々と立ちこめて、部屋じゅうが靄に包まれているように見えた。

「偉大なる夢」 KER13 S54

P106 わたしは数学の計算によって、あてはまらないものを一つ一つ取除き、そのあとに残ったただ一つのものを、表から裏から側面から吟味したのです。そしてこうでなくてはならないという最終の論理を組立てたのです。

「黄金仮面」 KER6 S54

P171 「ええ、しかし、おそらくシャーロック・ホームズだって、僕と同じ失策をやったでしょう

P217 夜は用心深くしめきったガラス窓と黄色のブラインドを通して、彼の読書する影が、表通りから眺められた。

   (中略

 アフリカの猛獣狩りではあるまいし、自動車の中から、いくら人通りが少ないといっても、東京のまん中の電車通りで、一体全体何を撃つつもりなのであろう。(中略)弾丸はみごとに命中した。ブラインドに映る明智の影がグラグラと揺れたかと思うと、いきなり机の上にバッタリ倒れてしまった。

P238 「それを褒められては汗顔だ。あれは君、シャーロック・ホームズの用いた古い手なんだぜ。蝋人形さ

P265 明智は寝室に飛びこんだかと思うと、五分ほどのあいだに自動車の運転手といった風体に変装して出てきた。羊羹色になった黒セルの夏服、よごれた鳥打帽、大きな塵よけ目がね、赤革の長靴といういでたちだ。

「鬼」 KER8 S54

 (BRUCの列車トリックを使用

「怪奇四十面相」 KER25 S54

P101 名探偵、明智小五郎の名声は、この大とり物によって、いやがうえにも高くなり、「透明怪人」をとらえた、日本のシャーロック・ホームズとして、西洋の新聞にも、明智のてがらばなしが、大きくのせられたほどです。

「怪人二十面相」 KER23 S54

P70 「明智君、きみは、ぼくが想像していたとおりのかたでしたよ。最初ぼくを見たときから気づいていて、気づいていながらぼくの招待に応じるなんて、シャーロック・ホームズにだってできない芸当です。ぼくはじつにゆかいですよ。なんて生きがいのある人生でしょう。ああ、興奮のひとときのために、ぼくは生きていてよかったと思うくらいですよ」

P85 (EMPTでホームズの蝋人形を使ったが、明智はそっくりな男を窓ぎわに坐らせて、二十面相の手下をあざむく

「影男」 KER14 S54

P170 死体消滅の方法としては、こういうのもあります。タンクの中へ硫酸を満たして、死体をその中に漬けて溶かしてしまうのです。骨もなにも、あとかたもなく溶けてしまいます。昔アメリカにホームズという極悪人があって、死体溶解のタンクを備えた立派な殺人御殿を建て、大勢の人を溶かして金儲けをしたことがあります。ばかばかしいようですが、実際にあったことです。むろん警察に発見されました。

P232 (RETIのトリックでガス室で殺人をしようとする

「吸血鬼」 KER7 S54

P61 「三谷さん、あなたは『六つのナポレオン』という探偵小説をご存知ですか。ナポレオンの石膏像を、片っぱしからたたきこわして歩く男の話です。みんなその男を気ちがいだと思っていたところが、その実はナポレオン像の一つに、高価な宝石がかくしてあって、男はそれを見つけるために、同じ型の石膏像を、次々とたたきこわして歩いたというのです」

P137 「西洋の探偵小説じゃあるまいし、人形の替玉がなにかの役にたちますかね」

「恐怖王」 KER8 S54

P79 「で、あなたは、賊がD百貨店で  あんな雑踏の場所で、この奇妙な結婚式を挙げると思うのですか」

 走る車中で、蘭堂はまるでドクトル・ワトスンのような、間の抜けた質問をしなければならなかった。

「蜘蛛男」 KER5 S53

P39 畔柳博士は日本のシャーロック・ホームズともいうべき、民間の犯罪学者で、兼ねて素人探偵でもあったが、ホームズのように、なんでも引き受けるという半営業的な探偵ではなく、ほんとうの道楽から、その筋でてこずっているような大事件に限って、助言を与えるというふうであったから、法曹界、警察関係の人たちに知られているほどには、一般的に有名ではなかった。よほど気に入った事件でないと引き受けもしないし、来訪者に会いもしなかった。だが、一度引き受けた事件は、必ず解決して見せるところや、博士の人となりが一種の奇人であったところは、小説中のホームズそっくりといってもよかった。

P40 風采をいうと、背は高い方で、足の不具な点を除けば、どこやらシャーロック・ホームズに似ていた。頭はあんなにはげ上がってはいなかったが、長い毛を無造作にモジャモジヤさせていたし、顔は痩せた面長で、無髯で、しかめた眉の下の大きな射るような眼、長い鼻、一文字に結んだ薄い唇などが、イギリスの名探偵そのままに、氷のような冷静と剃刀のような叡智を示していた。

「化人幻戯」 KER14 S54

P17 「探偵小説には秘密結社を扱ったものも多いでしょうね。たとえばコナン・ドイルの『五粒のオレンジの種』ですか、あれ僕、中学時代に英語の教科書で読みましたよ」

P17 アメリカのK・K・K、クー・クルックス・クランですね、あれなんか今でも残党がいるようですが、例の眼と口だけをくり抜いた白い三角のトンガリ帽子のような覆面に、白いガウンを着て、結社員相互の顔をまったくわからないようにして、秘密の地下室かなんかに集まって、人殺しの会議をひらくやつですね。ああいうものは探偵小説としては面白くないのですよ」

P18 「僕の友だちには、こんなばかなまねをするやつは絶対にありません。だから薄気味がわるいのですよ。ドイルの『五粒のオレンジの種』を思い出したのですよ」

「人身御供の白羽の矢ですね」

P32 ただ、「五粒のオレンジの種」とつぶやいて、おそれおののいていたあの晩の姫田の土気色の顔が、目の前に浮かんでくるばかりであった。

P74 庄司武彦は、ふとルパン物語の「巨人対怪人」という表題を思い出していた。大河原元候爵は外貌も内容も巨人に違いないし、明智は怪人ではないが、やっぱり巨人の面影があった。「巨人対巨人だな」と異常な興味をもって、二人の対談を眺めた。

「三角館の恐怖」 KER13 S54

P161 シャーロック・ホームズは、常に人の意表を突くことを愛するものである。しかし、そうはいうものの、森川には相手の意味が、まるでわからないのだから、仕方がない。ワトソンに甘んじるほかはない。

P163 つまり、犯人は足跡をつけたのはいいが、家にはいる方法がなかったのだ。さあ、ホームズ先生、これをどう説明する」

P179 「五里霧中だよ」

「ハハハハハハ、いつかシャーロック・ホームズも、そんなことを言っていたっけね。そして、ほんとうはちゃんと犯人を知っていた。ただワトソンづれに、打ちあけないだけなんだ」

「僕は超人じゃないよ

P217 篠警部は、これだけの説明で、すっかりわかったつもりでいたが、ワトソン先生の森川弁護士には、まだわからなかった。

P219 例によって、名探偵は、ワトソンにはわからない何事かを考えているらしく見えた。

P228 警部の言い分は常識的には納得できなかったけれども、相手は時に常識を超越する天才だから、ワトソンの森川としては、その天才を信頼するほかはなかったのだ。

P243 「ウーン、そうか。実にうまく考えたもんだな」

 森川は再びワトソン役に甘んずるほかはなかった。

「十字路」 KER15 S54

P87 しごく簡単な、しかも最も安全な死体の隠し場所があるのですよ。実は或る探偵小説で読んだのですが、実際にも、その方法を使った犯人がなかったとは言えません。

   (中略

「古井戸ですよ」

「少年探偵団」 KER23 S54

P173 (「緋色の研究」のように、二十面相は予告日までの日数を目立つところにはっておく

「青銅の魔人」 KER24 S54

P99 男がさげていた光るものは、全部懐中時計だったのです。何十個という鎖つきの時計を両手にさげ、ポケットにねじこんでいたのです。

P121 「諸君は知らないがね、イギリスに私立探偵の大先生がいるんだ。シャーロック・ホームズ先生っていうんだよ。このえらい先生が、やっぱり、君たちみたいなチンピラやおとなの浮浪者を助手につかって、悪者をつかまえたことがあるのさ。そのイギリスの探偵団の名は『パン屋町のごろつき隊』ていうんだ。このごろつき隊が、とてもえらい手がらを立てたものだから、世界中に知れわたって、みなにほめられてるんだぜ。だからさ、チンピラ別動隊だって、ちっとも悪い名じゃないよ」

P157 さてマンホールがどこにあるかと聞かれても、ちょっと思い出せないものだ。毎日かよっている学校の階段のかずがいくつあるか、だれも知らないのと同じわけだよ。

「大暗室」 KER9 S51

P287 さらにその隣には、フランス革命時代に流行したという「水攻め」の器械が備えてある。十字架を地上に横たえた形の木製の台があって、その上に人をくくりつけ、身動きできぬようにしておいて、地獄の獄卒の一人が大きな水瓶を持ち、他の一人は皮製の巨大な漏斗のようなものを持ち、その漏斗の先を縛られた人の口にさし入んで、上から限りなく水を注ぎ込むという責め道具である。息をする暇もなく、胃袋と腸の許す限り、いやついにはそれらが破裂するまでも、水を飲みつづけなければならぬのだ。私たちは、その皮の漏斗を見せつけられて、あまりの無残さに、思わず身震いしないではいられなかった。

「探偵小説「土曜會」通信(2)昭和二十二年三月二日」 GJ1975,5月号

P98 リチヤード・ヒユーズ氏

    (中略)

非常な探偵小説愛好者且つ犯罪研究家で″小ワトソン″の筆名で″ワトソン博士事件簿″と云ふ犯罪実話の著書がある。本国に於いては同好の人々とシヤーロツキアンのクラブを作つてをられた由で在京中も同志と共にアメリカの″ベーカー街クラブ″(ホームズ同好会ともいふべき著名のクラブ)の日本支部を作るのだと云つてをられた。

「何者」 KER6 S54

P107 もっともっと不思議なことがあった。

 それは結城家の下男の、常さんという老人のそぶりである。彼も騒ぎを聞いて、われわれより少しおくれて書斎へかけつけたのだが、はいってくるなり、何を思ったのか、弘一君のまわりを囲んでいた私たちのうしろを、例のさらいた窓の方へ走って行って、その窓際にペチャンとすわってしまった。(3STU)

P120 弘一君はシャーロック・ホームズみたいに、結論を隠したがる。これも彼の日頃のくせである。

「人間豹」 KER10 S54

P99 名犬シャーロック (小見出し

P100 「あ、ちょっと待ってくれたまえ、君の家のシャーロックも一緒に乗せて行こう。是非あいつが必要なんだ」

 明智が、出発しようとする車をとめて叫んだ。

「よし、お前。シャーロックを連れておいで」

 恒川氏は一ことも反問しないで、明智の言うがままにした。この名探偵が必要だといえば、必要にきまっているのだ。間もなく恒川夫人手ずから一頭のシェパードを引き出して、車にのせた。名犬シャーロックは少しも騒がず、何かの予感に緊張の面持で、主人恒川警部の両膝のあいだにうずくまった。シャーロックは生まれつき嗅覚がするどい上に、恒川氏の仕込みを受けて、その名にふさわしい探偵犬に仕上げられていた。これまでにも、警部を助けて手柄を立てたこと一再ではなかった。

「君は何か見込みをつけているのかい。シャーロックなど連れ出して」

 車が走り出すと、恒川氏がやっとそれを尋ねた。

「ウン、この犬が役に立つか立たないか。それが僕の運命のわかれ道だ。もしシャーロックが不用だったら…ああ、僕はそれが恐ろしいのだよ」

  (このあとシャーロックはクレオソートの臭いを手掛かりに人間豹をおいかける

P125 「それが変なのよ、あんた。まるで顔も姿も見せない人ですもの。あたしの所から三度の御飯を運んで行くでしょう。それをね、だまって台所の障子をあけて、板の間へ置いて帰るのよ。そうしてくれっていう固い約束なのさ。しばらくしてお膳を取りに行くでしょう。すると奇麗に中身がなくなって、空のお櫃とお膳が、ちゃんと元の場所に出してあるのよ」

「まあいやだわねえ。そして、お前さん、その人を見たことがあるのかい」

「それがないんだよ。最近引越してきた人は、まあ立派な紳士だったんだけれどもね。どうもその人じゃないらしいの」

「ぺてん師と空気男」 KER15 S54

P209 わたしは黒い服装のよく似合う、痩せ型の、メフィスト的好男子のかれに、超人シャーロック・ホームズのおもかげを偲んでさえいた。

P239 伊東探偵はシャーロック・ホームズをまねて、パイプをくわえたまま、その前を行ったりきたりして、みんなの顔をジロジロ眺めた。

P248 「あらっ、これなに、このビッグ・ボウ・ミステリっていうの。ザングウィルなんて人しらないわ」

 そのころは、むろん、まだ「ビッグ・ボウ」の翻訳は出ていなかった。

「ドイルの初期と同じ時代の古い作品だよ。面白いよ。心理的密室トリックの先祖だね。ザンクウィルというのは、そのころ有名だった左がかった普通の小説家だ」

「へえ、面白そうね。読んでみようかしら」

「「君のうちにもあるよ。本棚のドイルの前あたりに置いてあった。黒い小型本だから、すぐわかるよ」

P261 替玉が窓から顔を見せて、手をふるなんて、シャーロック・ホームズの『掬屋敷』だよ。伊東はあの探偵小説から着想したのかもしれない」

「「本陣殺人事件」を評す」 「横溝正史読本」(小林信彦編)所収 KB S54

P218 作中にも断ってあるように、この着想はドイルの『ソア橋事件』(その源はグロース『予審判事必携』の実例、ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』にも之が使用されている)から来ているが、それを密室と結びつけたことろに作者の創意がある。

「魔術師」 KER5 S53

P181 素人探偵と恋愛。どうも変な取り合わせだ。ドイル卿はかつて、ある映画俳優から、ホームズに恋をさせてくれと申しこまれて、ひどく困ったことがある。それほど、探偵と恋とは縁が遠いのだ。

「目羅博士」 KER8 S54

P12 「ドイルの小説に『恐怖の谷』というのがありましたね」

 青年は唐突にはじめた。

「あれは、どっかのけわしい山と山が作っている峡谷のことでしょう。だが、恐怖の谷は何も自然の峡谷ばかりではありませんよ。この東京のまん中に、丸の内にだって恐ろしい谷間があるのです。

「緑衣の鬼」 KER11 S54

P124 「君は探偵じゃないから、別にそれが落度というわけではないけれど、その感情がいけないんですよ。探偵という職業には、或る種の情熱は禁物です。その情熱が今の手品師の強い電灯と同じはたらきをすることがあるのです」

「妖虫」 KER8 S54

P205 「会ったことはありませんけど、手柄話はいろいろ聞いています。日本のシャーロック・ホームズといわれている人です。警察の手におえない事件を、片っぱなしから、この人が解決しているといってもいいほどです。ただ、非常な変り者で、よほど気に入った事件でないと引き受けないそうですが、

P253 (探偵三笠竜介、DYINのトリックを使用

P278 (ENGRの釣り天井のトリック

I  I  I  I  I え I   I  I  I 補追 I

どこにでもいるシャーロック・ホームズ