「 火線の三人兵」(一誠社、12月)
題名の中編と短編を収録している。
「火線の三人兵」
中国戦線において日本軍が苦戦しているところで、負傷した小杉上等兵の所にいる支那兵がいた。捕虜にしてみるとそれは実は子供の頃に誘拐されて支那に売られた花崎二郎という日本人の少年だった。連隊長は二郎を日本に帰してやろうとしたが、二郎は自分は日本軍に敵対していたのだから国賊で、家にはかえれないという。二郎は軍の通訳になって満州に従軍した。馬占山を追跡する部隊にくわわったが、結局馬占山軍を全滅させたものの、馬占山の生死は不明であった。
「花崎二郎の冒険」
「火線の三人兵」の続編。二郎は馬占山の生死を確かめに、スパイとなった。敵の勢力範囲にのりこみ、呉大人を捕らえて馬占山がまだ生きていると白状させる。敵の反撃や狼の群れにおそわれながら無事二郎は生還する。さらに二郎はスパイの秋山大作の部下となり、満州に骨をうずめる覚悟をする。
「城を洗ふ支那軍」
峯太郎が第二革命時、南京を略奪する支那軍から道子とともに逃れた話。
「呆れの国探偵記」(少年倶楽部」昭和4年6月号)
国中がばかばかりをよそおって、隣国の侵略をあきらめさせたという寓話。
「小指一本の大試合」(「少年倶楽部」昭和6年1月号)
日本人内村が横暴なアメリカ人を柔道でこらしめる。
「運動場の泥」(昭和2年「少年倶楽部」5月号)
小学生石川が不注意で加藤先生の目に泥をはねてしまい、先生は目がわるくなってしまう。その加藤先生が自動車事故に遭い、それを助けようとした級友高木もけがをしたことに石川は深く後悔する。
「弱虫の熊退治」(昭和6年「少年倶楽部」7月号)
弱虫の正雄は熊に出会って腰を抜かしたひょうしに持っていた鉄砲の弾が急所にあたって熊をしとめることができた。
「秘密の墳墓」(昭和2年「少年倶楽部」11月号)
家康は実は真田幸村に殺されて妙国寺に埋葬されたという言い伝え。
「四つの卵」(昭和5年「少年倶楽部」11月号)
貧しい家の房三は買ってきた四つの卵を食べずに鶏に育て、大きな養鶏場を開くまでになった。
【書名】 火線の三人兵
【著者名】 山中 峯太郎/著
【著者名】 筒井 直衛/装幀・挿絵
【出版者】 湯川弘文社
【初版年】 1939/06/10
【叢書名】 少年少女読物文庫
【ページ】 286p
【大きさ】 20*14cm
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