MD(MiniDisc)トラブル公開

MDの不幸な出生


 MDの出生に関する以下の証言を考えれば、MD規格自体が音質面での「足枷」をはめられていたことは自ずと明らかです。


「MDは音質が悪くなくてはならない」

 これが、MDを企画したソニー大賀典雄氏の証言です。小学館文庫の「ソニーの法則」276ページに問題の発言があります。ソニーには87年の時点で音楽CD-Rを作れる技術がありました。しかし、「CDをレコーダブルにしたら、レコード産業は全部我々の敵になってしまう」という大賀氏の政治的判断によって「CDより音質がある程度悪くなければならない」MD規格が決められました。

 さらに、初代MD(MZ-1)を設計した末富達人氏は、「DCCとの競争があったので、とにかく先にMDを出してシェアを獲得しなければならなかった。」「大賀さんが、「完成度は満たさなくても出せ」といっても」

などと証言しています。


悪評は「必然」

 MDでは、小型化しながらCDと同じ演奏時間を確保するために「ATRAC」と呼ばれる不可逆音声圧縮を行って記録データ量を節約しています。しかし、実は発売当初のMD機器(ソニーMZ-1,ZS-M1,MDS-101など)に搭載されたATRAC Version1では、MD規格本来の記録情報量の半分しか使っていなかったのです。

 当時は十分なエラーレート(書き込み信頼性)が確保できなかったため、読み書きの失敗に備えて同じデータセットを2組、書き込んでいました。これは、コンピューターにたとえれば、同じファイルを2個保存することに相当します。同じ面積に、より長い分数録音するために高い精度を求められる、74分ディスクの販売開始がハードの初登場から半年も遅れたことも、当時の録音用MDメディアの品質が相当苦しかったことを反映しています。

http://www.minidisc.org/minidisc_faq.html#mdquality

によりますと灰色のソニー製初期ブランクMDにおいて、内周部のブロックエラー発生頻度が高いという測定結果が出ています。

 この結果、CD比で記録レートが「1/10圧縮相当」となっていたことに加えて、ATRAC Version 1では信号処理幅・演算精度がMD規格の最大値を満たしておらず(16bitX16Bit)、ADC/DACが最低グレードであったことなど悪条件が重なり、MD規格登場当時の音質面での評判は散々でした。これはDCCの商品化に先んじるため、未完成な状態のまま無理に製品化を行ったためです。

参考資料

「テクニカルラボ」の「ATRACの変移」にてVer1に言及

http://www.puwa-net.com/minidisc/

初期のATRACに関する英語での情報(Ver1-3.5)

http://www.minidisc.org/minidisc_faq.html#Q9


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