新規格Hi-MD対応デッキ発表されるも・・・
Hi-MD規格が登場し、悲願であったリニアPCM録音(16bit
44.1kHz)がMD機器でも可能となりました。そして、意外にもオンキヨーが最初にHi-MDによ
るリニ
アPCM録音を可能とした単体MDデッキやミニコンポを発表しました。
ただしオンキヨーの単体Hi-MD対応MDデッキMD-133、MD-105FXに
はデジタル音声出力が有りません。
新規格Hi-MDが普及せずソニーが生産を早急に打ち切ってしまった場合、従来MD機器ではHi-MDを再生できないため保険が必要です。MD-
133
やMD-105FXは、音声データを取り出して汎用性有るCD-Rなどに並行保存するという、保険となるバックアップ行為が不可能ですから、録り直しので
きない録音には勧められません。
それに対し、FR
BシリーズX-B8は1BOXコンポでありながら、唯一光デジタル音声出力が可能とも考えられ、大いに期待しました。
しかし、ソ
ニーのMP3再生対応Hi-MDウォークマン 新機種発表と同日(2005.3.2)に、オ
ンキヨーのHi-MD機器は全て発売延期とされてしまいました。
2005年7月現在、Hi-MDモードで録音されたディスクから音声をデジタル
データとして取り出
すに
は、ソニー製Hi-MD機器とWindowsPC専
用ソフトである「SonicStage Ver.2.1」以降を介する方法しかありません(SonicStage
Ver.3.2への更新を、強く勧めます)。
Hi-MDからSPDIF出力は出ません
その後、オ ンキヨーはX-B8の発売予定日を4月29日とすると共に、Hi -MD対応「FR」NシリーズX-N9・X-N7・FR-N9を発表しました。
特に注目に値するのが、FR-N9です。この機種はX-N9・X-N7からスピーカを省いたCD/MDチューナーアンプでありながら、
●音声出力:光デジタル1系統、ライン2系統
(TAPE、CDR)
●音声入力:光デジタル1系統、ライン3系統(LINE、TAPE、CDR)
と大変充実した仕様となっています。
しかし、店員様のご協力のもと、X-B8の実機を2台用意し、光デジタル入力と光デジタル出力を接続して実験してみましたところ、光デジタル出力
が出ていたのは出力側のX-B8の入力がCDになっていた間だけでした。出力側のX-B8の入力をMDに切り替えた時点で、光デジタル入力側のX-B8の
デジタル入力表示は点滅し、デジタル出力は切られていました。X-B8自身でCDからコピーしたHi-MDおよび、従来MDの再生も試しましたが、いずれ
も光デジタル出力はされませんでした。
要するに、一連のオンキヨー製Hi-MD内蔵コンポの光デジタル出 力は「CD-OUT」に過ぎず、Hi-MDはおろか、従来MDすらデジタル出力されません。期待は空振りに終わりました。2005年7月付 けの「FR総合カタログ」では、「光デジタル端子入力1/出力1(CD信号のみ)装備」とはっきりダメ出しされています。オンキヨーは、 SonicStage Ver.3.2で表面化し、RZ-RH1で従来のSCMSの制約すら対PCには解除するに至った、ソニーのHi-MD機器に対する機能制限の方針転換に翻 弄されたと言わざるを得ないでしょう。
SonicStage編を読まれた方には明らかなように、SonicStage Ver.3.2で、Hi-MDからPCへの転送回数制限が解除されました。
一 方で、電池 駆動録音機の競合製品としましてロー ランドの「R-1」があります。R-1はコンパクトフラッシュに音声データを記録し、USBマスストレージとして650MBのファイルを2分程度 でパソコン(USB2.0 HighSpeed対応のWindows & Macintosh)に転送できます。
ローランドの「R-1」はDATしか選択肢が無いとされてきた、電池駆動による、メディア交換出来ない状況での、CD同等以上の音質での1時間半 以上連 続録音を頻繁に行いたいのであれば、現時点での最適解です。生録用 途で比較した場合、現在のHi-MD機器よりR- 1は遙かに魅力的な商品です。特に1メディアへのCD音質での連続録音可能時間の差は規格の差に由来しますから、現行Hi-MD機器ではいかんと もしがたいでしょう。
それでもPCに頼らずに、確実に動作する専用機でHi-MDから音声専用CDレコーダでCD-R作成することが出来れば、現状よりはHi-MDか
ら遙か
に簡単確実に録音データを並行保
存できます。そのためにデ
ジタル音声出力を持つSCMS準拠のHi-MDデッキを、早く発売して欲しいものです。
終焉を迎えた、据え置き型従来MDデッキ
一方、従来MD方式の単体MDデッキの生産完了はケンウッド・デノンと続き、ソ
ニー自身もMDS-JA333ESを含め生産完了とし、MDS-S500とMXD-D400を残すのみとなっています。この状況では各社が単品の
MDデッキを発売する可能性は、極めて低くなっていました。
ソ
ニーは2005年4月20日に、Hi-MD非対応かつ、デジ
タル音声出力無という仕様の従来MDデッキ、MDS-
JE580を発表しました。この新製品の内容から判断しますに、ソニーから据え置き型Hi-MD対応MDデッキが新発売される可能性は、限りなく
ゼロに近いと言ってよいでしょう。
据え置き機でのアナログ音源録音にはむしろ、東芝製DVDレコーダー(RD-
Style)の使用をお勧めします。RDシリーズはデジタル音声出力端子を装備しており、上位機種では入力系統別の録音レベル調整まで有ります。
タイマーに至っては録音機とは別世界で2ヶ月32プログラム可能です。
HDD&DVDレコーダーでは東芝のみ、最高レート以外でもリニアPCM音声が設定でき、映像レート1.4Mbps+音声レートLPCMで録画す
ることで、DVD片面にリニアPCM音声で3時間半程度の連続録音が収められます。
どうしても今単体MDデッキを買うとすれば、過去に録音した従来MD(MD LPやNetMDを含む)の再生が主たる用途となるでしょう。
そして、もはや単体MDデッキは機種を選べるほど発売されていません。
パイオニア:MJ-D5(MJ-N902はカタログから削除)
http://www.pioneer.co.jp/catalog/ht/mj-d5.php
「デジタル音声出力での再生重視」実売4万円以下MDデッキ
外づけDAC(AVアンプなど)を使う場合、もしくはMDから別規格にダビングする場合など
ソニー:MDS-S500(店頭予想価格は3万円前後)
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/hi-fi/products/index.cfm?PD=15622
ATRAC用DSP TYPE-Sの搭載によりMD LP収録されたディスクの再生時にも、高精度のデジタル出力が得られます。
パイオニアの単体MDデッキは、心臓部(メカ・ATRAC・ADC・DAC)がMJ-D7からMJ-N902まで全く同じです。それだけ、コスト ダウンによる再生能力の低下が少ないです。ただし、DM7080と比較してしまうとMJ-D7(これも生産完了)アナログ音声出力でも奥行き方向の再現力 が乏しいです。
MJ-D7はMJ-D5の前作で、交換可能な極太電源コードとメカニズムの防震ケースを備えていました。D5はこれらの装備がなくなりD7より落 ちますが、機能の増加と低価格化を考えると致し方ないところです。MJ-D5の落ち具合を私は確かめていませんので、一度確認した上でお選び下さい。
「デジタルNR」という同社カセットデッキ譲りの機能があり、ノイズが多く録音されているディスクを再生時に聞き易くできる点も評価できます。 DACモードで「デジタルNR」を他の機器の再生時にも流用できる点は上手な商品設計です。ただし、MJ-D7ではデジタル音声出力には「デジタルNR」 は無効です。
パイオニアのコンポ全般の問題として、ヘッドホン端子の出力が極めて小さくなっています。ヘッドホンで聴く用途には向きません。
MDS-S500やMDS-JE580はMDS-JE780から引き続き、ATRAC/ATRAC3 DSP
TYPE-Sを搭載しています。また、Hi-MD機器も従来MDモードでの録再時にはATRAC/ATRAC3 DSP
TYPE-S対応となっています。
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