MD(MiniDisc)トラブル公開

MDデッキの選び方
2006.4.22更新(RZ-RH1で従来MDメディアからもPCへの高速楽曲 転送可能に


MZ-RH1が、事実上の決定版Hi-MDデッキとなるか

 ソニーが2006年3月23日に発表した、Hi-MD Walkman MZ-RH1は、Hi-MD録音された楽曲のみならず、従来MDにSP/LP2/LP4で録音された曲であっても、SCMSに制 約される事無くWindowsPCへ高速転送でき、WAVファイルに変換できるという、過去のソニーの商品仕様からは、実現不可能と思われていた新機能を 搭載しました。これにより、従来MD関連規格 に録音済みの音楽データをPCに汎用性ある形で取り込む所要時間は劇的に短縮される(従来MD1枚あたり従来は1-5時間以上も要していたのが、たった 14分程度に)事となります。従いまして、過去のMD資産の再生目的で単体MDデッキを新規購入する意味は、殆ど無くなったと言っても過言ではな いでしょう。MZ-RH1は、MD規格に死蔵されていた各自の音源の再活用を促すこととなり、Hi-MD規格による非圧縮録音モードに期待したような層の 購買意欲を、かつて無いほど高める事でしょう。

 ソニーの開発関係者は、
>Hi -MDのデッキ自体がジェネラルなものではないので、コンポの上にドライブとして置いて使うようなシーンも想定した
とMZ-RH1の外装設計に関して発言しており、このポータブル機が、事実上の決定版Hi-MDデッキとなる可能性が高いでしょう。
 それにしても、ソニーのコピー制御に関する方針転換には、ソニー関係者の以下の発言にも見られるように、
>MD もHi-MDになって大きく進化しましたので、パソコン周りのオーディオ機器として、
>違法コピーに配慮しつつも、昨今のデジタルコピーの許容度に合ったところを目指した


劇的なものがあり、従来オーディオ型のハード主導の商品展開を率先した、オンキョーは完全に割を食った形となりました。


新規格Hi-MD対応デッキ発表されるも・・・

 Hi-MD規格が登場し、悲願であったリニアPCM録音(16bit 44.1kHz)がMD機器でも可能となりました。そして、意外にもオンキヨーが最初にHi-MDによ るリニ アPCM録音を可能とした単体MDデッキやミニコンポを発表しました。

ただしオンキヨーの単体Hi-MD対応MDデッキMD-133MD-105FXに はデジタル音声出力が有りません。

新規格Hi-MDが普及せずソニーが生産を早急に打ち切ってしまった場合、従来MD機器ではHi-MDを再生できないため保険が必要です。MD- 133 やMD-105FXは、音声データを取り出して汎用性有るCD-Rなどに並行保存するという、保険となるバックアップ行為が不可能ですから、録り直しので きない録音には勧められません。

 それに対し、FR BシリーズX-B8は1BOXコンポでありながら、唯一光デジタル音声出力が可能とも考えられ、大いに期待しました。
 しかし、ソ ニーのMP3再生対応Hi-MDウォークマン 新機種発表と同日(2005.3.2)に、オ ンキヨーのHi-MD機器は全て発売延期とされてしまいました。

 2005年7月現在、Hi-MDモードで録音されたディスクから音声をデジタル データとして取り出 すに は、ソニー製Hi-MD機器とWindowsPC専 用ソフトである「SonicStage Ver.2.1」以降を介する方法しかありません(SonicStage Ver.3.2への更新を、強く勧めます)。


Hi-MDからSPDIF出力は出ません

 その後、オ ンキヨーはX-B8の発売予定日を4月29日とすると共に、Hi -MD対応「FR」NシリーズX-N9・X-N7・FR-N9を発表しました。

特に注目に値するのが、FR-N9です。この機種はX-N9・X-N7からスピーカを省いたCD/MDチューナーアンプでありながら、

●音声出力:光デジタル1系統、ライン2系統 (TAPE、CDR)
●音声入力:光デジタル1系統、ライン3系統(LINE、TAPE、CDR)

と大変充実した仕様となっています。

 しかし、店員様のご協力のもと、X-B8の実機を2台用意し、光デジタル入力と光デジタル出力を接続して実験してみましたところ、光デジタル出力 が出ていたのは出力側のX-B8の入力がCDになっていた間だけでした。出力側のX-B8の入力をMDに切り替えた時点で、光デジタル入力側のX-B8の デジタル入力表示は点滅し、デジタル出力は切られていました。X-B8自身でCDからコピーしたHi-MDおよび、従来MDの再生も試しましたが、いずれ も光デジタル出力はされませんでした。

 要するに、一連のオンキヨー製Hi-MD内蔵コンポの光デジタル出 力は「CD-OUT」に過ぎず、Hi-MDはおろか、従来MDすらデジタル出力されません。期待は空振りに終わりました。2005年7月付 けの「FR総合カタログ」では、「光デジタル端子入力1/出力1(CD信号のみ)装備」とはっきりダメ出しされています。オンキヨーは、 SonicStage Ver.3.2で表面化し、RZ-RH1で従来のSCMSの制約すら対PCには解除するに至った、ソニーのHi-MD機器に対する機能制限の方針転換に翻 弄されたと言わざるを得ないでしょう。


Hi-MDの販拡のためには、やはりHi-MDデッキが必要

 SonicStage編を読まれた方には明らかなように、SonicStage Ver.3.2で、Hi-MDからPCへの転送回数制限が解除されました。

 一 方で、電池 駆動録音機の競合製品としましてロー ランドの「R-1」があります。R-1はコンパクトフラッシュに音声データを記録し、USBマスストレージとして650MBのファイルを2分程度 でパソコン(USB2.0 HighSpeed対応のWindows & Macintosh)に転送できます。

 ローランドの「R-1」はDATしか選択肢が無いとされてきた、電池駆動による、メディア交換出来ない状況での、CD同等以上の音質での1時間半 以上連 続録音を頻繁に行いたいのであれば、現時点での最適解です。生録用 途で比較した場合、現在のHi-MD機器よりR- 1は遙かに魅力的な商品です。特に1メディアへのCD音質での連続録音可能時間の差は規格の差に由来しますから、現行Hi-MD機器ではいかんと もしがたいでしょう。

 それでもPCに頼らずに、確実に動作する専用機でHi-MDから音声専用CDレコーダでCD-R作成することが出来れば、現状よりはHi-MDか ら遙か に簡単確実に録音データを並行保 存できます。そのためにデ ジタル音声出力を持つSCMS準拠のHi-MDデッキを、早く発売して欲しいものです。



終焉を迎えた、据え置き型従来MDデッキ

 一方、従来MD方式の単体MDデッキの生産完了はケンウッド・デノンと続き、ソ ニー自身もMDS-JA333ESを含め生産完了とし、MDS-S500とMXD-D400を残すのみとなっています。この状況では各社が単品の MDデッキを発売する可能性は、極めて低くなっていました。

ソ ニーは2005年4月20日に、Hi-MD非対応かつ、デジ タル音声出力という仕様の従来MDデッキ、MDS- JE580を発表しました。この新製品の内容から判断しますに、ソニーから据え置き型Hi-MD対応MDデッキが新発売される可能性は、限りなく ゼロに近いと言ってよいでしょう。

据え置き機でのアナログ音源録音にはむしろ、東芝製DVDレコーダー(RD- Style)の使用をお勧めします。RDシリーズはデジタル音声出力端子を装備しており、上位機種では入力系統別の録音レベル調整まで有ります。 タイマーに至っては録音機とは別世界で2ヶ月32プログラム可能です。
HDD&DVDレコーダーでは東芝のみ、最高レート以外でもリニアPCM音声が設定でき、映像レート1.4Mbps+音声レートLPCMで録画す ることで、DVD片面にリニアPCM音声で3時間半程度の連続録音が収められます。


 どうしても今単体MDデッキを買うとすれば、過去に録音した従来MD(MD LPやNetMDを含む)の再生が主たる用途となるでしょう。
そして、もはや単体MDデッキは機種を選べるほど発売されていません。

「アナログ音声出力での再生重視」実売4万円以下MDデッキ

パイオニア:MJ-D5(MJ-N902はカタログから削除)

http://www.pioneer.co.jp/catalog/ht/mj-d5.php

 

「デジタル音声出力での再生重視」実売4万円以下MDデッキ

外づけDAC(AVアンプなど)を使う場合、もしくはMDから別規格にダビングする場合など

ソニー:MDS-S500(店頭予想価格は3万円前後)

http://www.ecat.sony.co.jp/audio/hi-fi/products/index.cfm?PD=15622

 ATRAC用DSP TYPE-Sの搭載によりMD LP収録されたディスクの再生時にも、高精度のデジタル出力が得られます。



 パイオニアの単体MDデッキは、心臓部(メカ・ATRAC・ADC・DAC)がMJ-D7からMJ-N902まで全く同じです。それだけ、コスト ダウンによる再生能力の低下が少ないです。ただし、DM7080と比較してしまうとMJ-D7(これも生産完了)アナログ音声出力でも奥行き方向の再現力 が乏しいです。

 MJ-D7はMJ-D5の前作で、交換可能な極太電源コードとメカニズムの防震ケースを備えていました。D5はこれらの装備がなくなりD7より落 ちますが、機能の増加と低価格化を考えると致し方ないところです。MJ-D5の落ち具合を私は確かめていませんので、一度確認した上でお選び下さい。

 「デジタルNR」という同社カセットデッキ譲りの機能があり、ノイズが多く録音されているディスクを再生時に聞き易くできる点も評価できます。 DACモードで「デジタルNR」を他の機器の再生時にも流用できる点は上手な商品設計です。ただし、MJ-D7ではデジタル音声出力には「デジタルNR」 は無効です。

 パイオニアのコンポ全般の問題として、ヘッドホン端子の出力が極めて小さくなっています。ヘッドホンで聴く用途には向きません。



 ソニーは2002年6月にATRAC/ATRAC3 DSP TYPE-Sを搭載した据え置き型MDデッキ、MDS -JE780(生産完了)を発売しました。TYPE-SはMD LP再生時にブロックフローティング演算を行うことで、従来は切り捨てられていた微小な音も再生可能となり、ソニー従来モデルに比べ約6dBノイズを低減 したという最新のDSPです。ただし、TYPE-S独自の音質改善効果が発揮されるのはMD LP収録ディスクの再生時に限られます。TYPE-Sは録音に関してはATRAC DSP TYPE-Rと同等であると説明されています。

 MDS-S500やMDS-JE580はMDS-JE780から引き続き、ATRAC/ATRAC3 DSP TYPE-Sを搭載しています。また、Hi-MD機器も従来MDモードでの録再時にはATRAC/ATRAC3 DSP TYPE-S対応となっています。



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