ジュゼッペ・ベルーゾ案




アンリ・マリー・コアンダが設計した円盤機の3面図


ところで、コアンダ効果で知られるルーマニアのジェットタービン技師 アンリ・マリー・コアンダは、第2次大戦中ドイツ軍に従事させられ、ジュゼッペ・ベルーゾ案に酷似した円盤を設計していたといわれています。
上の図がそれで、外観は同一の物としか思えない程よく似ているのですが、 図に示される様に、内部の構造は、やや異なっていたようです。

コアンダにより設計されたこの円盤は、 12基のユンカースJumo(ユモ)004ターボジェットエンジン(推力900kg)を搭載を予定していました。
それらのエンジンは全て、円盤中央から放射状に1基ずつ配置され、 エンジンの尾部には、先端が3本に分かれた排気ノズルが取り付けられていました。

離着陸や飛行法はベルーゾ案と同じです。

このコアンダの円盤は実際には製作されず、わずかに縮尺模型による風洞試験が行われたのみだったそうです。

その理由としては、この機体が動力に12基もの004エンジンを必要とした点が挙げられています。




コアンダ円盤への搭載が予定されていた、ユンカース社製Jumo004エンジン(上)
Jumo004エンジンを搭載した、アラドAr234爆撃機(中央)とメッサーシュミットMe262戦闘機(下)



このJumo004エンジンは、 それ以前に、メッサーシュミットMe262戦闘機やアラドAr234爆撃機等の実用機に搭載されていたエンジンとして知られ、 殊に大戦末期、連合軍による激しい空襲を受け、 著しく工業力の低下していたドイツでは、これらの実用機にさえ不足しているエンジンだったのです。

また、当時の未発達なジェットエンジンは、既に枯渇しつつあった燃料を短時間で膨大に消費する事も、考慮に入れなければならなかったでしょう。





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