英文 M.O.M. (Minutes of Meeting; 打ち合わせ議事録)の書き方

1 : 何日か経った後で書いても、打ち合わせ当日のつもりで書くこと。              TN00572A.gif (3542 バイト)

打ち合わせ中に書き上げ、最後に当事者同士のサインを交わして持ち帰るのが理想的だが、実際は後日、内容を振り返りながら書くケースも多い。

後日まとめる段になると、時制のベースを打ち合わせの時点とするか、M.O.M.を書く時点とするか迷うことがあるが、M.O.M.の時制は、その場に居合わせた気持ちで処理する。

例:

「AAAは、10月末まで図面AAのRev.4をBBBに提出します。」

これなどは、その場で決めた約束であり、Rev.4ができるのは未来のこと故、助動詞willを使って書く。

訳例; AAA will submit the drawing AA Rev. 4 to BBB by the end of Oct.

注意; by the end of Oct. byでなく、untilを使うのは間違い。よく見かけるミス。

by : 〜までに 「10月末までならいつでもOK」
until : 〜まで継続してずっと 

2 文体について

M.O.M.用の特定な文体というものはない。

打ち合わせ中の内容に合わせて、以下の主だった文体を使い分けることになり、混在することもある。

(1) 技術的な説明をしている場面

一般的な技術説明文の文体で書く。客観的な事実を述べる場面では、当事者同士を文面に出さず、無生物を主語にした受け身形の文が多くなる。

(2) 支払い、物の受け渡し、Scope of work、等契約に関わる内容

こうした内容に触れる場面では、契約文書風に書かなければならない。

ここを曖昧な文体のまま手を抜くと後々面倒なことになりかねない。

助動詞shall を使った文体が必要になる。

「法律の shall」とも呼ばれる shallは、法的強制力を文章に付加する強い言葉(助動詞)。

shall は作為義務、shall notは不作為義務

shall 使用の階層例; 立場が上の者が配下に対する義務を課するケース

Licensor, client, owner

Licensee, contractor


Vendor, Subcontractor

            例;あるclientが、contractorに対して指示する場面ならば;

                        Contractor shall design the area-A.

                            (契約者はarea-Aの設計をするものとする。)といった文章が想定される。

    (3) 打ち合わせ中の約束ごとではあるものの、法的強制力云々までこだわる必要のない場面

               単なる意志未来のwillを使って、
                    
  
                 AAA will ...... といった文体でよい。

                        (これらでは、約束したことを文面に反映させただけであり、それを履行しなかったとしても、                           感情的なしこりは別として賠償云々までは発展しない。)

3 連絡事項に関わる表現:

    「〜について連絡します」

        inform of

        advise of

        notify of

        informよりadviseの方が丁寧な響きがある。notifyは「通知する」に近い。
        社内でよく見かけるミスは、ofの付け忘れ。
        この ofは、「〜について」の意でaboutregardingに近い機能を果たしている。

        例: 相手に対する約束:
  
                AAAは、その寸法公差について今月末までにBBB(会社,or人)に連絡します。」
  
                 AAA will inform BBB of the dimension tolerance by the end of this month.

4 所見を述べる場面

    「AAA〜と理解している」
        AAA understand that S + V . の構文。

ここで留意すべきは、understandしているのは当方であって、相手がそれを認めているか否かは別問題である点。

        当方の提示内容に対して相手が認めた場合は、
        BBB(相手) agreed (or, accepted) that S + V . と明言。

                    acceptの意味合いは、積極的に同意して受け入れること。

5 打ち合せ中に行った技術説明を記録する場面

        こうした場面は、一般的な技術説明文の文体で書く。客観的な事実を述べる場面では、

        当事者同士を文面に出さず、無生物を主語にした受け身形の文が多くなる。

        例; Wind speed is measured by an anemometer.
                    (風速は風速計で計られる。)

 

この場合、風速を計るのは人間であるが、誰が計るかは重要でないため人間が主語として登場しない。 これが、一般的な技術文書で受け身形が盛んに登場する理由である。

しかしながら、種々のテクニカルライテイング参考書では、技術者は受け身形を使いすぎる(日本人のみならず、欧米人も)と頻繁に指摘される。

この理由は、本来英文は平叙文がノーマルな姿であり、受け身形はそれを補完する、言わばリリーフピッチャーのようなものである、というところにある。

故に、文章が本来持つパワー(説得力)を発揮するためには、平叙文で書くほうが常道なのだという論理である。

                    例; (燃料の爆発が内燃機関に動力を供給する。)
                            この文章を英訳するなら、
                            Power of an internal-combustion engine is generated by fuel explosion.
                                という受け身形でも書けるし、間違いではない。
                                だが、パンチが効いていない。 パンチを効かせると、
                            Fuel explosion powers an internal-combustion engine. となる。

6 議事録中の助動詞の役割

議事録の中で技術説明をする場面では、一般の技術文書の文体で書くが、その際、助動詞の役割に焦点を当てると、決して無視できないポンイントがある。
   

ものごとの発生する確率を文章に吹き込むのが助動詞の役割でもある。 それを確かめる良例が以下にある。

    1. 以下の用語の定義は、ANSIのなかで正式に採用されているものである。

        Danger を筆頭に危険・緊急の度合いが徐々に減って行っている。この定義文それぞれでは、

        助動詞が Key pointとなっている。太線の助動詞に注目してみよう。

DANGER indicates(示す) an imminently(切迫し) hazardous(危険な) situation which, if not avoided(もし避けられなければ)will  result in(〜に陥る) death(死) or serious injury(重傷).

WARNING indicates a potentially(潜在的に) hazardous situation which, if not avoided, could result in death or serious injury.

CAUTION indicates a hazardous situation which, if not avoided,  may   result in minor or moderate injury.

NOTICE should be used for hazards that  may  result in property damage only.

IMPORTANT designates an operating tip(情報) or maintenance suggestion.

以下、助動詞(will/would,may/might, can/could, must, should, ought to)が一般的な工業文 (説明文、研究発表、 論文、雑誌記事、等)で使われた時の確からしさを示す。

        別の例で見ると;

Air pollution(助動詞)affect our health.

大気汚染が健康を害する確からしさは;

...affects our health. 100%(平叙文)
...must affect our health. ほぼ100%
...will affect our health. 90 - 100%
...would affect our health. 80 - 90%
...ought to affect our health. 80 - 90%
...should affect our health. - 80%
...can affect our health. 40 - 50%
...may affect our health. can
could の中間
...might affect our health. can could の中間で、mayよりソフトに響く
...could affect our health. 20 - 30%

7 支払い、Scope of work、等を取り決めた内容を記録するときには、shallを使った文章にする。

これで法的強制力を文章に与え、たとえ一議事録といえども契約書と何ら変わらない効力を持たせることができる。

例:

(1)AAA shall pay to BBB a royalty of one dollar on each voltmeter.

AAA BBBに電圧計一個につき1ドルのロイヤリテイーを支払うものとする。

(2)"The manufacture" shall mean the manufacture and assembly of CCC Corporation's heat exchanger.

manufacture(製作)とは CCC社の熱交換器製造と組み立てを意味するものとする。
もう一つ、契約上の特権(privilege)、権限(right)を表わすmayがある。

このmayは、「〜かもしれない」ではなく、「〜してもよい」の意で使っている。

In case of complete unavailability of the operator, the master or the person responsible for the site may authorize an operator holding the operation certificate.

(そのオペレ−タ−が業務を全く行えなくなった場合、その現場の長あるいは責任者は、操作許可書を持つオペレ−タ−に業務を代行させてよい。)