「まぼろし」

視線を上げてガラス越し                                       

軒を叩く雨の音

揺れ踊る葉の緑 鮮やかに

在りし日のピアノの音

声を掛けようと振り向いて

動く空気の影

気付く静かな部屋

あなただけがいない

思い出す ただ一人

雨の昼下がり───