「涙」 強くないと生きていけない そう思っている私に あなたを受け入れる余裕なんて ナイ。 だからもう  諦めて? 失うよりも酷く ただ居るというだけで 静かな世界に切り取られた僕では 触れても温度など感じずに 宙に置き去りにされた 問いかけに 目をそっと 伏せるだけで ぬくもりの中で眠りにつけると 思っていたのに 揺れた視線は肩先を抜けて 今では あなたが見えない 夜気に当てられた上着 最終列車 咽返るほどの煙草の残り香 ケータイの着信音 手鏡と口紅 恋愛の小道具としては 最高だね 足りないのは 決定的な貴方 とても大事な最後のお別れを 出来なくて私は むしろ 良かったと思っていたのです。 ふと 思いついた時にだけ 貴方に浸って ふと 泣きたい時にだけ 散々涙して それで良いのだと 思っていたのです。 思っていたのに。 それだから私は今 貴方に 帰れないでいるのですか? 手紙の最後を 「では またね」 と結べる事の 幸せさ 気付くのが遅すぎた私 一文字一文字から溢れ出る貴方 「後悔」は貴方を傷つけるでしょうか───