「睡蓮」

 

僕の周りに見えるものは 真実ではないのだと

若々しいキャンバスに向かい続け

求めるものは 最期まで 変わらなかった

水の中 風の音 空の色 光と影

ひかりと時間  ひかりと命

狂おしいほど溢れ出る  この やさしさ

 

 

僕は佇み 太陽は高く昇り やがて沈みゆく

与えられる世界は 段々と細くなるだろう

案の定 陽を背に立つ君の顔は よく見えない

時が過ぎると共に 水面を白い靄が覆う

とうとう   夜が来る・・・

 

 

───だけど   どんな眼鏡でも見ることのない世界は

   絶望だろうか

   紫も水色も赤も全て 溶けてしまえ

   本質だけが 生まれる

   ほんとうだけが ひかりを生み出す

   

   風はいつも 僕を拾いあげる

   君はいつも 丘の上で微笑む

   僕はいつも ただ一人ここに居る

   僕はいつも

                  ・・・いつも ひとりだ

 

 

今でも ありありと思い浮かべることができる

混沌とした池に咲く 鮮やかな花

静かに凛と生きる 小さな花

それだけが ひかりを放っている───

 




      
「Dedicated to C.Monet」