ゼブラーマン2 漫画版感想

まず最初に。自分は映画版「ゼブラーマン2」は鑑賞しておりません。
よって比較することはできません。
(ただ、DVDなどになったら観たいかなー……とは思っていたり)


さてこのシリーズは山田版「ゼブラーマン」の直接の続編ですが、
初っ端から前作で救ったはずの妻と娘を失うという衝撃の展開で幕を開けます。
そして主人公、新市が昔好きだったカナさん(
相変わらず若い!!若過ぎる!!)さえも失ってしまいます。
そんな絶望的な状況から始まるこのマンガ、こういう展開はツカミとしてはOKだと思います。
グイグイ引き込まれるというか! いいですね、これ!

ただ、前作の新市の頑張りが見事に無駄になってしまっているので、
前作ファンからすれば賛否両論になってしまうかもしれません。
(もっともどういう展開にしても続編は賛否両論になりますし、
作中の描写から見ても、おそらく山田先生はそれを承知のことでしょう)

ちょうどこのあたりは社会的背景も入った感じですね……
秋葉原の無差別殺人事件を連想させる印象です。



さて今作は劇中劇「ゼブラーマン」の後番組の主役、南純一と、
ゼブラクイーン(かつて山田先生が描いた「ゼブラクイーン」とはまた別人)の二人が
事実上のダブル主役として話が展開されていきます。
このクイーンの正体は後になって判明しますが、
前作にも登場していた人物で、ちょっと驚きのキャラです。
まさか彼女が再利用されるとは。びっくりしました。


そしてある時間になれば人を襲ってもOKのゼブラタイム。
このゼブラタイムのおかげで景気は上向き、犯罪は減るのですが……

「まともになれない10%の人間を消すことが全体の幸せと安定をもたらす」
との発想のもと、ゼブラタイムは執行されます。極端な考えですね。

おかげで、悪いやつだけではなく、
いじめられっ子や型破りな人間は次々と排除されてしまうことに……
と、このあたりは山田先生の著作「非属の才能」の主張に近いものを感じます。
あれほど露骨ではありませんが、「非属の才能」の主張に賛同できなかった人は、
このあたりのくだりに「ん?」と思うかもしれませんね。


そして後半になると「ゼブラブラック」が登場します。
この敵の正体は……
まぁ重要なネタバレになるのでここは伏せますが、
このゼブラブラックもまた苦悩を抱えた人間の一人です。

薬を飲んで一時的に心を消し、黒に(自分自身でむりやり)染まった人間です。
それでも彼は完全に過去を忘れたわけではなく、
時折トラウマに悩まされながらも、しかし薬に頼ったりして、
ゼブラブラックとして暗躍を続けるのです……
このくだりは実際に読んでみないとわかりませんが、心が痛くなります。
山田マンガ、ここに健在という感じです!


終盤。最終話は非常に濃い話。
前作主人公、初代ゼブラーマンも帰ってきます。
「何が白で何が黒なんだ?」
苦悩を繰り返してきた初代ゼブラーマンだからこそ言えるセリフです。
このあたりは実にどんよりとした空気で、しかし地味に熱い展開です。


最後の最後、初代ゼブラーマンはその役割を終えます。
文字通り、終えるのです。
どういう終わり方をするのかは実際に見てもらったほうがいいと思いますが、
きっちりと白黒はついたのか、というとちょっと疑問です。
事件そのものは一応の白黒がついた。
でも世の中の白黒はまだまだついていない。
だからこそ、初代は二代目にゼブラーマンを託したのだと僕は思います。
自分がつけられなかった白黒を、次の世代につけてほしいと託す……
それは最後の二代目ゼブラーマンのセリフにある通りです。

「思いも……連鎖するもんな…… 続いて……行くもんな……」

このセリフで「ゼブラーマン2」は終わります。


最後になりますが……
「人は誰でも間違える。間違えたらやり直せばいい」
劇中劇の「ゼブラーマン」のセリフです。
山田先生の過去の作品「ゴールドパンサーズ」にも似たような問答がありましたが、
今回のテーマはこのセリフに集約されているのではないかと思いました。

さて全体的に見れば、よくこの内容を1巻でまとめたなと思います。
非常にテンポが良く、ドラマ的にも続きを期待させながらぐいぐい引っ張っていきますので、
読んで損はない良作だと僕は思います。オススメできます!
ただ、最初のほうにも書きましたが前作の主人公の頑張りがほぼ無駄に終わってしまっているので、
そんな続編は見たくない、前作のハッピーエンドのままがいい、という人は、
あるいは見ないほうがいいかもしれません。
(前作の世代のキャラは一部を除いて実に不幸になっていますので)


以上でゼブラーマン2の感想、おしまいです。

白黒つけるぜ!!


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