●悪い食事・良い食事/新潮文庫
○食事のよし悪しを一目で見分ける法
ビフィズス菌が優勢であるか否かで、健康が左右されるわけだが、それを
簡単に知る方法がある。便を見るとわかるのだ。ビフィズス菌が優勢になると
腸内が酸性に傾き便が黄褐色になる。反対に有害な腐敗菌が多くなると、
アルカリに傾いて便は茶褐色から黒褐色になる。黄色い便は柔らかくて量が多い
けれども、黒くなるとかたくなり、量が減ってくる。この違いを生み出すのは
食事である。黄色っぽい便になるのは良い食事で、黒っぽい便にするのは悪い
食事である。ではどういう食事が便を黒くするかというと、肉と砂糖の比率の
高い食事が最も黒くする。それを栄養素に分解すれば、「高脂肪低繊維食」という
ことができるだろう。一方、便を黄色っぽくするのは、精製してない穀類、豆類、
野菜、果物など、自然態の植物性食品の比率の高い食事である。これは「低脂肪
高繊維食」ということができる。
○悪い食事が「当たり前の食事」になるのは
食物繊維と経済の成長のあいだには密接な関係があり、国内総生産が増えると
それに反比例して食物繊維の摂取量が減ってくるのである。これは世界85カ国
の統計が示している事実で、国境も民族もなく、経済的に豊かになると食物繊維
がだんだん摂られなくなる。食物繊維を不足させる食事は非常に悪い食事と思って
よい。問題は経済的に豊かになると、誰もがその悪い食事をとるようになり、
誰もがとっているのだから、別に悪くないはずだと思うようになることだ。そして
悪い食事が「普通の食事」「当たり前の食事」になってしまう。こわいのはその点
である。経済的に豊かになると、なぜ食物繊維が不足してくるのかというと、精製
したり加工したりした食品を多くとるようになるからである。
○中性脂肪を減らす三つの鉄則
アメリカの農務省は、全所得層の母親(19歳〜50歳)と子どもたち(1歳〜
5歳)について毎年、食事の調査を行っているが、それによると大多数の人は
次の七つの栄養素の摂取が十分でないことがわかっている。
ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム、鉄、葉酸、亜鉛、ビタミンE。
この7つの栄養素のうち、ビタミンB6とマグネシウムの不足は腎臓(ジンゾウ)結石
だけでなく胆石のリスクも高める。避妊用のピルが常用されている国では、女性の
胆石発病率は男性の2倍から4倍にもなっている。また胆石患者は健康体の人に比
べて血清中の中性脂肪値の高いことが知られている。適切な食事によって中性脂肪
を下げることが、胆石の根本的な治療になるが、脂肪の酸化が胆石のできる原因の
1つなので、抗酸化栄養素と呼ばれるビタミンA、E、C、βカロチン、セレニウ
ムなどの摂取不足が胆石患者に共通しているわけである。またマグネシウムとビタ
ミンB6、この2つの栄養素が十分に存在していると胆石が結晶するのを防いでく
れるのである。
もう1つの問題である中性脂肪は、次のような食事をすると減るのである。
1.砂糖を含めて精製した食品をとらないようにする。
2.オート麦を含めた精製していない穀類を十分にとる。
3.動物性脂肪をとらない。
この三点に要約される。