笠間・ミニ穴窯ニュース5

2004・10月 笠間・ミニ穴窯初窯報告

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 去る10月2日(正確には1日の夕刻から)に3日にかけて、去年から作ってきたミニ穴窯の初窯(焚き)を行いました。10月1日の夕刻に現地到着後、午後11時に火入れして、3日の午後2時までの39時間の窯焚きとなりました。

 今回の焚きは、テストもかねて窯の可能性を計る目的で行いました。何せこのタイプの窯は初めてですので焚いてみない事には何も分からない、というわけで始めの一歩を踏み出すことになったのです。約4mの長方形のトンネル窯の傾斜は約30度。天井部分が取り外しでき内部の仕切りはありませんが中央付近の左右の側面に色見穴を設けてあります。今回左の色見穴に熱伝対を差し込んだ関係でその付近に仕切りを設けました。又最奥の天井部分からも熱伝対を差し込み計2ヶ所の設置となりました。焚き口は固定で、その下にバーナー口、ロストル口とあります。今回の作品は小物ばかり約100点を奥の棚組みと燃焼部火前灰被りに置きました。煙突は煉瓦不足の為まだ低いままなので、ナミコトタンを丸めて突っ込みました(煙避けと引きを強くする意味で)。


 炙り段階ではバーナーを使用し、400度前後まで上げ(翌朝10時頃)その後1時間ばかり薪を併用して燠を貯めてから薪のみにしました。
 その後順調に800℃まで上がったのですが、温度上昇の停滞が始まったので、雰囲気変える意味とテストの意味で色見穴からの脇くべをしてみることにしました。結果として奥の温度は上がったのですが燃焼部の引きが悪くなって糞詰まり情況に陥ってしまい、これから延々と800度前後の停滞が続くことになってしまいました。原因は、中間の仕切りの狭間穴が狭くなったせい(もともと狭かった上に棚組みと作品が穴をふさぎ煉瓦一丁分もない広さになってしまっていた)と考えられ、八方手を尽くしましたが温度は上がらずお手上げ状態でした。
 最終日(3日)の夜半に入り思い切って中仕切りを取りはずす荒療治を行うことになり、暫くの間薪投入をやめ、窯全体の温度を犠牲にしてなるべくはずし易い状態に落ち着かせました。仕切りの上の天井煉瓦をはずし、固定した仕切りの棚板を鋏で引き上げるのですが熱伝対が数センチのところに固定してあるので慎重を期す必要があります。どうにか工夫して仕切りを取り外すことに成功したのですが、窯の温度は急激に下がりかなりの時間ロスを余儀なくされましたが、以後火道が開けた窯内部はぐんぐんと温度を上げ、数時間のうちに1000度を超え、1100度までは難なく上げる事ができました。しかしこれ以降、引きが良すぎて(直通の煙突と同じ)1200度に上げるにはかなり難しい状況が続き、燠が焚き口に溢れそうな程にたまりまくっても、一向に1200度突破の気配は見えません。お昼近くに1180度、これが限界と見て、ねらして午後2時終了としました。

温度グラフ予定場所

 

 今回の反省点は中仕切りの狭間穴の大きさと煙道に続く狭間穴(倒炎式ですので床面に下向きである)の上部空間の温度(炎が上に回らず下方向に直通となる)が上がらないこと。中仕切りをとった後もこの傾向は変わらないことから、最奥に炎の流れを変える工夫が必要であり、中仕切りの位置や大きさも工夫が必要であること。狭間穴や煙道には物を置かない事(やはり引きに影響が大きい。特に1200度前後の温度帯で顕著になる)。
 今回の窯焚きで、シンプルな窯の構造が色々な事を教えてくれたとともに基本の大切さを再認識させられた。これだから窯焚きは面白く止められない。苦労のし甲斐があるというものだ。


 翌週の10日(日)の夕方より窯開けをした。。厳重に雨対策をしていたトタンを取り除くと窯本体が見えてくる。まだ窯はほんのり暖かく以外に保温性が良いので驚いた。回りをきれいに片付けた後、奥から天井煉瓦を取り外していくと内部があらわになる。やはり全体に温度不足のようで焼ききれていない様子がすぐにわかったがこれは分かっていたことなのでそれ程落胆はなかった。
 全て天井煉瓦を取り除いた後、温度計を取り外し内部を少々掃除してから、手前から作品を取り出していく。

 やはり1100度位では焼ききれていない。燃焼部火前の転がしの数点にそれなりの物はあったが、何にせよ温度が上がりきっていないのでそこそこ。奥の棚のものは全て高温素焼きで、もう一度本焼する必要がある。炎は最奥の上部手前で下に引かれているので、最奥の上部の焼きが甘くなっていた。又、各棚組みの一番下の段は温度が上昇しきっていないようだ。この状態はかつての本窯(悠友窯)の初窯に似ている。やはり温度が上がりきらず同じような焼加減だった。この後窯の改良をして現在はそこそこ焼けるまでになったのだが、このミニ穴窯も同じような道を歩むことになるのだろうか。とにかく問題点が分かってきたので対策を講じて次回の焚きに臨みたいと思う。