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こんな感じな時もある
By 大貫ユエ |
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二人分の飲み物を用意して自室に戻って来た大石は、水槽を覗き込んでいる英二の後ろ姿を見ると、唇を緩めた。
手にした二つのマグカップを机の上に置き、英二の側に寄ると背中から抱きしめる。 「英二……」 低い声で囁くと、英二の身体が微かにピクリ動いた。 大石は笑いながら、低い声で囁く。 「ヤらせろよ」 あからさまな言葉に、英二の頬が瞬間的に染まった。 「俺はそんなつもり無いかんな」 英二はギュッと目を閉じると首を横に振った。フワリと外はねさせた髪が、大石の頬をくすぐる。 「じゃあ、何でここに来た? 今日は俺しかいないって知っててここにいるクセに」 大石はクスッと笑う。 「それにさ……本当は英二だって、好きなんだろう? セックスするのがさ……」 大石が笑いながら尚も囁いて、耳に息を吹き込むと英二の肩が跳ねた。 「そんなこと」 無い。と、言おうとして遮られる。 「無い? そんな筈は無いよな? いつも入れられて感じてるじゃないか。実はもう勃ってるんじゃないのか?」 大石の手のひらが英二の身体を這い出して、英二は俯いて目を閉じると息を吐き出す。 「イヤだ!」 パン! と、乾いた音を立ててその手を叩くと、英二は大石から素早く身を離した。 「じゃあ、何でここにいるの?」 大石は叩かれた手をゆっくり撫でながら、薄く笑い続ける。 「ヤらせろよ、英二。何なら、力づくでも俺は構わないけどね」 「お、大石……?」 いつもの大石とはまるで違うその言動に、英二は困惑の表情を浮かべながら首を横に振った。 「俺……帰るわ」 驚きに強張ってしまった身体を動かして、自分のバッグを掴むと英二は身を翻す。 だが、素早く腕を掴まれた。 「待てよ、英二」 大石は英二の前に回り込むと、 英二に見せつけるように自らの唇をペロリと舐めてみせた。 「英二はこっちの方がお好みなんだ?」 「ばっ……よせよ! 大石」 「止めないよ」 英二に向かって伸ばされた腕が、制服のシャツの襟元を掴む。 「よせよっ!!」 英二の声と、無理に開かれたシャツのボタンが弾け飛んだのは当時だった。呆然と、散らばって転がるボタンを見る英二に聴こえたのは小さな笑い声。 「止めないよ、英二」 大石は英二の身体を力づくで床に倒した。 大きな物音を立てたがこの家にいるのは二人だけなので、大石は気にせずに自分の身体の体重と腕力で英二の動きを封じ込めてしまう。 押さえ込まれても必死にもがこうとする英二の表情が、大石を余計に煽る。 「ヤダヤダッ!!」 「本当に?」 「ヤダってば!! 大石の変態!! ムッツリ!!」 「お褒めに預かり光栄です……」 「バッカじゃねーの? 褒めてなんか無いっての!! その動き回ってる手を離せっての!!」 声を張り上げて顔を背けた拍子に露になった英二の首筋に、大石は唇を落とす。 「あっ……」 大石の触れた場所は、英二の感じる箇所。 思わず洩らしてしまった声を自分でも聞いてしまうと、英二は顔を真っ赤にして唇を噛んだ。 「ここ、イイんだ?」 わざと英二の羞恥を煽るように、大石は尋ねる。 「…………」 「黙っててもわかるよ。今まで英二と何回もヤッてんだから」 「…………」 首筋、耳朶を甘噛みされて英二の動きが弱々しくなってくると、大石はボタンの無くなったシャツを開き露にされた胸に指を這わせた。 「ヤッ……だって……」 「イヤじゃないだろう?」 制服のズボンの上から英二を撫でて、大石は手のひらに感じた感触にダメ押しに囁いた。 「英二の、勃ってるよ……」 「っ……言うなっ……」 英二はキッと大石を睨み付けるのだが、うるうるとし始めた大きな目で睨まれても可愛いだけである(大石ヴィジョン)。 「英二、おまえ……本当は誘ってるんじゃないの? そんなエッチな顔して」 「……………」 「英二、本当は好きなんだよ……こんなことされるのが」 薄い胸の色付いた突起をいきなり強く摘まれて、英二の身体が大きくしなった。 「やっ……だ……っ」 大石を何度も受け入れたことのある身体は、簡単に火を灯されていた。 口からこぼれる拒絶の言葉も途切れ途切れになって行き、やがて室内に響き渡るのは英二の掠れた喘ぎ声と濡れた音だけ。 「英二、気持ちイイ?」 「……うっ……ん……」 熱い波にのまれた英二は、大石のされるがまま。 着衣を全て取り払われ、両脚を深く折られ、大石を身体の内に受け入れる。 堅く閉じられた瞼。 半開きになった唇から洩れる声と吐息。 大石は満足げに英二を見下ろした。 「大石ぃ……出来たぁ?」 英二はベッドに寝転び頬杖をつきながら、床に座って自分に背を向けている大石に声を掛ける。ベッドの持ち主である大石は、振り返ることもせずに視線は自分の手元に向けられたままである。 「ん……もうちょい………おっ、出来た出来た。お待たせ」 「おー、ご苦労ご苦労」 大石は糸を止めて根元を鋏で切ると、ふぅ……と、息を吐き出し、針と糸、鋏を小さな箱にしまい込んだ。 「ほら、英二」 大石が手にしたシャツを英二に手渡すと、英二は受け取ってまじまじと眺める。 「うわぁ……ちゃんと綺麗に付いてる。大石って器用」 「ボタン付けくらいなら、なんとか出来るよ。それにしても、さっきはシャツまで破いたかと思って、ちょっとドキッとしたんだけど……破れてなくて良かったよ」 英二は少しばかりダルそうに身体を起こすと、ボタンを付けられたばかりのシャツを羽織った。 「ねえ、大石」 「ん?」 大石は箱を自分の机に引き出しにしまうと、英二の側に座る。 「ノリノリだったんじゃん?」 「えっ……? そ、そうだった? まあ、その……俺は凄い興奮しちゃって言うか……」 「大石のエッチ」 「え、英二だって、いつもより早かったじゃないか」 「わーっ!! 言うなよ、そんなこと」 英二の頬がうっすらと赤くなる。 そんな英二が大石を見上げ、英二を見下ろした大石と目が合った。 『今度はどうする?』 『次はどんな感じでする?』 二人同時に同じような問い掛け。
END
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