1 各種ACVの分類と浮揚原理
1.1 ACVに不可欠な特性
下記の特性が必要です。
a. 経済性(抵抗の小さい事)
乗り物として、与えられた重量に対して、前進のための推力がなるべく小さい必要があります。これは搭載馬力に直接影響するので重要です。右図は種々の乗り物の揚抗比(重量/推力)を縦軸に、速度を横軸に取ったものです。排水型の船は揚抗比が非常に大きいが速度が60km/h以上になると極端に悪くなります。高速で航空機や鉄道ほどの揚抗比になるものはありませんでした。図のピンク色の区域を空白の三角形と言います。この空白の領域を埋めるものとして水中翼船、ホバー・クラフト等が出現してきたわけです。
b..上下安定性
乗り物が水面等から一定の高度を保って走行するためには、高度が増えると浮揚力が減り、高度が下がると浮揚力が増える特性が必要です。これをヒーブ安定性と言います。
c. 姿勢安定性
ピッチングとローリングに対し自動的な安定性が必要です。併せて姿勢安定性と呼びます。
1.2 ACVの分類と浮揚原理
大きく分けると、下記の4種類があります。
A プレナム・チャンバー型(Plenum Chamber Type)

第1図のように簡単な構造ですが、浮揚の性能が悪いため経済性が悪く、あまり実用されていません。
第 1 図
B 周辺風流型(Peripheral Jet Type)
第2図のように乗り物の周辺から下方に吹き出したジェットが、円弧を描いて外に流れ出します。そうすると円弧ジェットに働く遠心力の分だけ、乗り物下面の空気圧は大気圧より高くなり、揚力を発生します。
ホバークラフトと言うと通常このタイプを意味します。この中には空気ジェットは前後のみあって、左右の端版は喫水型の船、つまり双胴船のようなタイプもあります。
広く実用されていますが、100km/h程度以上の高速が出せない欠点があります。最後のタイプはSES(Surface
Effect Ship)とも呼ばれています。
第 2 図
C ラム・ウイング(Ram Wing)
第3図に示すように飛行機の翼と同じで、前進による風の力で浮揚します。地面に近い所を飛行するとヒーブ安定性が発生することと、飛行機の翼と異なり正方形に近い形状でも空気抵抗が小さくなる特徴があります。高速が出せるのが特徴です。ただ低速では空気揚力が働かないため、飛行艇の艇体のように、ある程度の大きさのフロートが必要となります。
第 3 図
D 動力型ラム・ウイング (PAR : Power Augumented Ram wing )
第4図に示すようにラム・ウイングの前方にプロペラを置き、プロペラの後流を翼の下に吹き込むタイプです。このようにすると、静止時から大きな空気揚力が得られるため、フロートを小型化できるのが特徴です。高速時の特性はラム・ウイングと大差ありません。この形式には下記の動力の種類と、推力の方向を一定にするか、低速では頭上げ高速では水平と変更させるかにより、非常に沢山の種類が考えられます。
[動力の種類]
プロペラ、 ダクテッド・プロペラ 第 4 図
ダクテッド・ファン ジェット・エンジン