動物看護士の仕事内容
獣医師とその奥さんでやり繰りしている動物病院も沢山ありますが、近年のペットブームの中、大きな規模の動物病院も珍しくなくなりました。
ある程度規模の大きな病院では沢山のスタッフが勤務します。
獣医師、動物看護士、受付事務、トリマー。
システムや診療の流れに違いはありますが、どちらも動物を治療する動物病院として何ら変わりありません。

動物看護士はそれぞれの病院によって、立場や役割が異なります。
それは院長の方針や、スタッフの数により動物看護士に求められる能力 (仕事内容)が違ってくるからです。
大半の動物病院での動物看護士の仕事内容は、診療の補助入院動物の看護が主とされるでしょう。
スタッフの多い病院では、役割が分担されている場合もありますが、スタッフの少ない規模の小さな動物病院では、獣医師の仕事以外は全て引き受けなければいけなかったりもします。
それに併せて雑用的な仕事も沢山ありますが、それもまた重要な仕事の一つです。

また、飼い主に対してしつけの相談や、飼育相談に対するアドバイスを出来るような動物看護士を求める動物病院も多くなってきました。
豊富な知識を得る為に、幅広い視野を持ち、積極的にセミナーに参加したり、常にアンテナを立てておく必要があります。

例として、私が専門学校を卒業した後に就職した、某動物病院の動物看護士の仕事を具体的に挙げてみましょう。
◆診察の補助 動物の保定、診察や処置の準備・後片付け、血液・尿・便などの検査、X線撮影の補助、薬浴、処方する薬の調合・分包
◆受付事務 電話の対応、カルテの作成・コンピューター入力、カルテ管理・整理、薬品や処方食などの在庫管理・発注、金銭出納帳の記入、未収金の管理・回収、精算
◆手術の準備 手術器具やドレープ・術衣などの滅菌
◆手術の助手 手術の補助・器具出し
◆入院動物の看護 一般状態のチェック、朝夕の投薬・処置、ケージ掃除、強制給餌
◆健康預かり動物(ホテル)の世話・管理 一般状態のチェック、朝夕の散歩・給餌、ケージ掃除
◆雑用的な事 院内の掃除、検査機器の簡単なメンテナンス、入院動物のタオルやバスタオル・ドレープや術衣などの洗濯、供血犬、猫の世話・管理
◆全ての作業を行う為の準備・後片付け
飼い主さんへの対応や新人教育
タイムスケジュール
AHTの表向きな仕事 AHTの裏方仕事
8:15〜 スタッフ出勤
入院動物の世話・管理
昨日のカルテ整理
薬品や処方食等の発注
入院動物の朝 の処置
健康預かり(ホテル)犬の散歩
供血犬、猫の世話
9:00〜 午前の診療開始
外来受付
診療の補助
動物の保定
血液・尿・便などの検査
X線撮影
処方する薬の調合・分包
外来が途切れた時や暇をみて院内の掃除、検査機器の簡単なメンテナンス、入院動物のタオルやバスタオル・ドレープや術衣などの洗濯に励みます。
12:00〜 手術
助手・麻酔管理
往診
往診の補助
発注した薬品や処方食を業者が納品。
必要なものがあれば発注。
必要物品の買出しや郵便物の発送。
DM管理・発送。
院内の掃除、検査機器の簡単なメンテナンス、入院動物のタオルやバスタオル・ドレープや術衣などの洗濯に励みます。
供血犬、猫の世話
4:30〜 入院動物の夕方の処置
健康預かり(ホテル)犬の散歩
5:00〜 午後の診療開始
外来受付
診療の補助
動物の保定
血液・尿・便などの検査
X線撮影
処方する薬の調合・分包
外来が途切れた時や暇をみて院内の掃除、検査機器の簡単なメンテナンス、入院動物
のタオルやバスタオル・ドレープや術衣などの洗濯に励みます。
8:00〜 シャッターを閉める
金銭出納帳の記入
レジの金銭整理
帰宅
院内の清掃
診察以外は動物看護士の仕事でしたので幅広い仕事内容の病院であったのではないでしょうか
スタッフは獣医師2名 動物看護士3名の病院でした。
これらのように、実際に体を動かして行う仕事の他に、動物看護士は獣医師と飼い主の間を繋ぐ重要な役割を果たしています。

どんな仕事でもそうですが、決して、楽しいだけの仕事ではありません。
命と関わる仕事・・・日々辛い事満載です。

一般的に勘違いされやすいのは「毎日動物と触れ合えて楽しそうな仕事」と云う事です。
実際に触るのは動物ですが、決しておとなしくて綺麗で可愛い仔犬や仔猫ばかりではありません。
病院ですから、攻撃的で危険な動物や、見た目ゾッとするような、血だらけ、寄生虫だらけの動物もやって来ます。
動物の扱いを間違えれば怪我もしますし、糞尿まみれ、肛門腺まみれになる事もあり、決して衛生的な仕事でもありません。
危険な薬剤も使いますし、放射線も扱います。
生活のリズムも不規則になりがちです。


よく、仕事をしていて「動物が好きなのね」なんて言われますが・・・それは、第一条件でしょうが、それだけでは勤まらないのです。

割り切らなければいけない事も沢山あって、「純粋な動物好き」には勤まらないのではないか・・・とも思われます。
また、動物だけを相手にしていればよい仕事ではなく、飼い主さん(クライアント)とのコミュニケーションも大切な仕事です。
なので、動物が好きであっても、人間が苦手であれば辛い仕事であると思います。

色々苦労が多い分、やりがいもある仕事です。
知れば知るほど味のある職業です。
決心して勤め始めたら、すぐに辞めたりせずに長く続けて頂きたいです。
2002.7.13