Artemis Sampler 参考文献
タブーペルー空母ヤクザ脳死オタク、カルト酒鬼薔薇神戸事件動燃カラ不正ミステリ林檎

Visitorアンケート参考文献リンクHost

それぞれの分野に暗い人向けにかなり気まぐれに付けたもので、専門的なものでも、網羅的なものでもありません。読書案内だと思って下さい。記載年号は日本語初版を表します。

1997年7月10日木曜日 更新 スタート・ページへ

本を調べたい時や、読みたくなってきた時にはこちら。


無料で書籍の検索が出来ます。

紀伊国屋書店インターネット店 丸善 三省堂BOOK急便
図書館流通センター 国会図書館 データベース古書検索

ヤクザ関係



ヤクザ D・Eカプラン+Aデュプロ 第三書館 1991  

数少ない関連書目の中で、戦後日本の地下帝国と現代に生きるヤクザの動向についてアメリカのジャーナリストが書いた、事実上信頼できる典拠の一つ。貴重な写真も見逃せない。「日本でだけは出版できない」といわれたこの書から是非一読することをお勧めする。K・v・ウォルフレンの指摘に驚いているようでは、この著作には腰が抜けかねない。

日本の地下帝国 鎌田 慧 第三書館 1993  

上掲書と併読することで日本の裏社会の構造が透視出来るようになる貴重な小冊子。日本のジャーナリストの健在ぶりを示すこの書にして、アメリカ人の書いたそれより貧弱に見えるのは、如何に戦後日本人が自己の現実を直視してこなかったのかを明確に現わしている。外国の説を無節操にあてはめてきた日本の社会学者は、このジャーナリストの見た、ヤクザが実権を握っている現実から現代日本社会論を組み立てるべきである。

ヤクザ 朝倉喬次 現代書館 1990  

折口信夫や武智鉄二のヤクザ論を紹介するなど、歴史的民俗史的ヤクザの本質及びヤクザの血の儀式、仕来たり、について上掲二書にはない新鮮な視点が光る。

やくざの生活 田村栄太郎 雄山閣 1964  

「本書は、日本にただ一書しかない「やくざ」の研究書である」と今や伝説的な存在となった著者が自負する個性的なスタイルの先駆書。特にテキヤ、闇市につながった高市(祭の縁日)、博打関係、江戸時代の有名なやくざ列伝に強い。

博徒と自由民権 長谷川 昇 平凡社ライブラリー 1995

日本においては、自由民主党右翼がいざとなったらヤクザを動員するように西洋モドキの近代自由政治が草莽隊=博徒の力で盛り上がったことを大島渚を首謀とする名古屋事件を例にして実証しようとした歴史家の労作。経済基盤も野村のようにヤクザなら、日本政治の権力基盤もヤクザによって支えられていることを示す、かつて中公新書で出ていたものの新版。

ヤミ市幻のガイドブック 松平 誠 ちくま新書 1995

戦後日本社会の基盤となった、ヤクザ=テキヤ資本主義、闇市の実態が小さいながらも、要領よくまとめられている。巻末の参考文献、ヤミ市年表も利用価値が高い。

敗戦日記 高見順 文春文庫  

東京大空襲とその後の焼け跡、闇市を、東京に生活しながら直に体験した作家のリアルな日記。

みんなの寅さん 佐藤忠男 朝日文庫 1992

戦後日本の生んだ最大の大衆ヒーローが何故テキヤのキャラクターでなければならなかったのか、上掲書と合わせ読むことによって始めて理解できる。 テキヤとはヤクザになりきれない落ちぶれた、全国を放浪漂白遊行する日本の憑依シャーマチスティックな神「マレビト」の商業的一形態である。「座頭市」も含まれるその原型は「水戸黄門」にある。日本の大衆は民主主義と法を護ろうとする市民より、浜田幸一と、阿部譲二と鶴田浩二、勝新太郎、高倉健、菅原文太、渥美清、横山やすしらを支持し愛してきたのではないか。少なくとも、法を遵守して餓死した学者より、ヤクザとテキヤとパンパンの焼け跡闇市でGHQ配給流れに寄生して生き延びる方を選んだ絶対多数者(みんな)によって戦後日本が作られてきたのは事実であろう。みんなで渡れば恐くないと、法より闇を選ぶ大衆みんなが野村証券をトップとする日本経済を赤信号を無視してここまで育ててきたのである。


美空ひばりと日本人 山折哲雄 PHP文庫 1984

男がテキヤ「寅さん」なら女の戦後日本人が生み出した代表格は「大博打打ちの姉御」(加太こうじ)である。未だに「極道の妻たち」がヒットしているように、日本の芸能人は男ならヤクザとテキヤ(スサノヲ)、女ならアネゴと女郎(アマテラス)がお似合いと相場が決まっているのである。

ひばりファンを自任する良く知られた宗教学者の山折によれば日本人を評価する分析軸として、「知性」40%、「含羞性」30%、と並んで「ヤクザ性」30%の3つをあげる方法を紹介し、これに「感服」している。あとがきでこの「ヤクザ的な論理」に「学者ですら、ヤクザ的、演歌的気質が、少なくとも30%も入り込んでいる」と駄目押ししていたのが、当時バブル経済の一翼を担った、長銀総合研究所理事長の地位にいた竹内宏であった。

日本人の論壇501人 より一部引用
竹内宏 長銀総合研究所理事長 一九三○年静岡県生れ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行に入り調査部長、常務、専務を経て現職。
一見難解な経済事象を実体験や足を使った調査で平易に解説する。名声を博したのは「パチンコ産業論」で、根っからのパチンコ好きが幸いして、ふとしたきっかけで発表したこの論文が好評を得た。七○年代前半のことで・・(後略)

フェアプレイと競争ルールを遵守する国際社会にこれから日本人が「寅さん」と「ひばり」のような戦後のヤクザ的文化遺産を携えながらも、金融ビッグバンを成功させ進出していこうとするならば、現地の一般市民が印篭の前にひれ伏さないのを不思議がる海外に出た水戸黄門のような呪物アナクロニズムの悲哀を味わうことになろう。

脳死と臓器移植関連

脳死/脳死再論 立花 隆 中公文庫    

日本で最も早くから医療現場におけるいいかげんな脳死判定と臓器移植について警鐘を鳴らし続けてきた著者の意欲的な書。いつもながらのジャーナリズム精神が注ぎ込まれ時代をリードしている。

人権宣言集 高木八尺 他編 岩波文庫 1957

生きている人間の権利はどうやって獲得されてきたのか熟読する価値が、脳死による臓器移植が法的に認められようとしている現在ますます出てきたといえる。

神秘主義mysticismとオカルト文化関係

プラトン全集 プラトン 各種邦訳あり  
エアネデス プロティノス 中央公論世界の名著  

基本図書。

心理学と錬金術 C・G・ユング 人文書院 1976  

数多いユング邦訳署の中でも代表的な著作。以下ありふれたものを列挙してみる。

変容の象徴 C・G・ユング 筑摩書房 1985  
空飛ぶ円盤 C・G・ユング 筑摩書房 1993  
意志と表象としての世界 A・ショーペンハウアー 中央公論世界の名著など    

神秘主義は非合理主義に決まっているという歴史的誤解が始まる分岐点に立つ極めて不幸な人物の主著。偉大なる数学神秘主義者ピュタゴラス以来ミステリを創始した同時代のPoeがそうであったように、神秘主義こそ非合理を、合理で解決統合出来る唯一の立場なのである。ピュタゴラスの弟子プラトンは勿論ライプニッツもニュートンもスピノザも保っていたその統合性が、彼以後ヴィトゲンシュタインとニーチェ(とフロイト)というように真っ二つ(または3つ)に分裂、卑小化されてしまったのである。

ツァラトゥストラかく語りき、権力への意志など F・ニーチェ 中央公論世界の名著他多数    

今世紀、一般にも読み継がれている唯一の哲学書といわれ、フロイト、ユングからヒトラー、ハイデガー、シーゲル&シャスターによるアメリカン・コミック・ヒーローの元祖‘Superman’までその影響は計り知れない。特に、E・フィルポッツやヴァン・ダインにおいてその権力=道徳=超人思想がミステリにおける連続殺人者の異常な人格を創造する上での思想背景となったことは見逃せない。

薔薇十字の覚醒 F・イェイツ 工作舎 1986

近代を用意したルネッサンス・ヨーロッパ精神史に脈々と流れるオカルトの水脈を掘り当てた画期的業績。

戦後日本と天皇制関連


憲法と天皇制 横田耕一 岩波新書 1990  
遺族と戦後 田中伸尚 他 岩波新書 1995  
日本の政治宗教 宮田光雄 朝日選書 1981  
慰霊と招魂 村上重良 岩波新書 1974  
天皇の祭祀 村上重良 岩波新書 1977  
戦争責任・戦後責任 栗屋憲太郎 他 朝日選書 1994  
天皇の官僚 本澤二郎 データハウス 1996  
教育亡国 林 竹二 ちくま学芸文庫 1995  

日本の邪馬台国、縄文時代からの伝統である「祭政一致」についての分析は戦後になっても極めて貧弱であり、それは憲法違反の疑いがある国家公務員の靖国神社公式参拝、地鎮祭参加強制、慰霊碑建設・玉串料公費支出について「政教分離」「信教の自由」原則に反するこの伝統に基づいた土俗憑依シャーマニズムウロボロス中空社会の敗者死者祖霊崇拝による怨念的反抗「一揆」であることを日本人が未だに自覚していないことにも表われている。

「空、カラ」不正腐敗はこの中空文化構造から必然的に生ずるのである。猪瀬直樹の「ミカドの肖像」で使っているアイディアはユング心理学者の河合隼雄が「中空構造日本の深層」で提出した中空ウロボロスイメージの応用である。上山春平の「凹型文化」あるいは折口信夫が「殻、貝、ホカイ」などの中空容器 に注目した論考を書いているのが先駆であろう。カラの容器、玉(手)箱に外魂が寄りつくというのが、トヨタマ姫=浦島太郎からの憑依シャーマニズムの基本原理だからである。

これ以上詳しく知りたい方は「中空」と明記の上ここにメールをどうぞ。参考文献などをお知らせします。

死と再生の秘儀mystiqueなき現代人の母胎回帰願望

進歩の終焉 G・Sステント みすず科学ライブラリー 1972  

近代を用意したファウスト人間がニーチェ=シュペングラーの世代で亡び、その後からビートニク、ヒッピーが台頭して科学と芸術の終焉を迎えざるをえないことを比較的早い時期に予測した分子生物学者の、目立たないままになっていた書。彼によればそれはまるでゴーギャンが逃げ込もうとしたタヒチ島のようなポリネシアレジャーリゾートランドにおける黄金時代だという。戦後日本ヤポネシア列島のバブル母胎に実現されたのが結局それではないのか。ホテル王黒幕小佐野、ヤクザ稲川会、観光客や芸能人もハワイ進出を果した。タヒチでは原住民が勝手に麻薬を用いていたという。

幼稚化の時代 ジョナス&クライン 竹内書店 1972  
永遠の少年 M-L・フォン・フランツ 紀伊国屋書店 1982  
機械と神 L.ホワイト みすず書房 1972  
父親なき社会 A.ミチャーリッヒ 新泉社 1988  
子供たちの復讐 本多勝一 編 朝日文庫 1986  

「青春を返せ、人生を返せ!」と叫んで家庭内暴力をふるう子供を父親が殺した「開成高校生殺人事件」(1977)、「祖母殺し高校生自殺事件」(1979)についての裁判記録、新聞雑誌記事、対談、インタビューなど多方面からの当時の声を資料として集め、それらを「子供たちの社会に対する復讐」という視点でまとめ警告を発した日本では先駆的な書。この警告は、ほぼ10年を経過しても'96年11月東京の父親による中三長男金属バット殺害、そして'97年の神戸小学生連続殺傷へと、中学生にまで年齢をおとして繰り返されるまで無視されてきた。

胎児の世界 三木成夫 中公新書 1983  
ドグラ・マグラ 夢野久作 文庫多数あり    
生命の不可思議 E・ヘッケル 岩波文庫 1928  
哺育器の中の大人 岸田秀 文春文庫    

解剖学者の生命記憶「ノスタルジア」プラトンの言う想起(アナムネーシス)の旅は、ポリネシアからはるか、進化系統樹を辿って母胎に眠る胎児ネオテニーの世界へと至る。「胎児よ、胎児よ、なぜ踊る。母親の心がわかって恐ろしいのか」 ‘Cry Baby Cry’――Mother Goose &The Beatles

1968年にA・C・クラーク とS・キューブリックの予言した、スターチャイルドの宇宙的胎内回帰に終わる「2001年」まであと数年ではないのか。そしてそこにはR・シュトラウスの、神なき世界における「ツアラトゥストラはかく語りき」が流れていたのである。SFの中興の祖H・G・ウェルズは「タイムマシン」でこうした機械環境母胎回帰による退化に終わるものとして人類の未来を描いていた。そして「ブレードランナー」(P・K・ディック原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)で一躍ありふれたものになった、スラム化した暗黒都市と、そこにたむろする、モッブグループ、レプリカントの群れの未来イメージはH・ボスの描いた「中世の秋」の地獄絵に回帰する…さらには悪魔の巣窟ソドムとゴモラ、ゴグとマゴグ、大いなる母胎バビロンの亡びへと。。戦後の闇市への回帰はここリムネットの「スキヤキタワー」でも繰り返されている。これらすべてをG・キリコは80年程前にそのマヌカンで透視していたのだ。

「この世界ではあなたが創造主(ゴッド)」となるフラクタル3Dシーナリー生成ソフトVISTAPROのキャッチコピーに「このソフトを使ったら、君は新しいイメージの世界に夢中になるだろう」というA・C・クラークからS・キューブリックに宛てたメッセージが使われていたのは偶然ではない。

「2001年宇宙の旅」の真相 SF MOVIE DATA BANKKubrick on the Web

Orange ClockworkStanley Kubrick's Clockwork Orange

ミステリmystery関係――mysteryには「神秘劇、秘儀」の意味があったのをお忘れですか?

ポオ小説全集 E・A・ポー 創元推理文庫 1974
僧正殺人事件 S・S・ヴァン・ダイン 創元推理文庫 1959
黄色いなめくじ H・C・ベイリー 〃世界短編傑作集5 1961
特別料理 S・エリン 早川書房 異色作家短編集2  
娯楽としての殺人 H・ヘイクラフト 編 研究社 「推理小説の美学」 1974
推理小説の詩学 鈴木幸夫 編 研究社(上掲書姉妹編) 1976
推理小説論 ボアロー&ナルスジャック 紀伊国屋書店 1967
幻影城(上・下) 江戸川乱歩 講談社「乱歩全集15」  

旧式だが、一応の基礎知識を仕入れるために、ここに記されている程度のことはわきまえてから推理小説について論じることが望まれる、スタンダード。「江戸川乱歩」が「エドガー・アラン・ポー」の当て字であることなど知らなくても良いが…。

三人の記号 U・エーコ、T・A・シービオク編著 東京書籍 1990

Poeの創造した歴史上初めての名探偵A・C・デュパンと行動主義心理学にも影響を及ぼしたプラグマティズム探求理論の祖、C・S・Peirce、そして知らぬ者のいない名探偵ホームズに共通する推理方法論を、一時流行した記号論の立場から論じようとした新しい書。著者の一人エーコは自ら「薔薇の名」などを書いて有名になったミステリオタクの記号論学者である。共作はこうなるという見本でそれほど新鮮でもないし、面白くもないが、中では歴史学者C・ギンスブルグの書いたフロイトとモレルリなどの共通項の指摘は具体性があり一読の価値がある。

「探偵」とは、アリストテレスの「分析論」以来続いてきた、哲学者、学者、探求者の近代的形態の一つであり、決して大衆的なものではないことは、この道筋上にラッセル、クーン、ポパーやヒンティッカ、ファイアアーベント、ラカトシュなどの科学論理学者、科学史家の営為が続けられてきたのを知るだけでも一瞥できるだろう。

物語の迷宮 山路龍天 他 有斐閣  

日本で出たものの中では恐らく、マニア向けに自閉する数多い旧弊の殻を打ち払い、学者でもある愛好者が最も学究的な立場から推理小説の現代社会に持つ意味と価値を真剣に論評しようとした先駆的な書。但し、三人ともフランス文学出身で当然のことながら、ギリシャ神話やカフカ、ボルヘス、夢野久作の迷宮との比較など推理小説の詩的な面しか扱っていない。


以下時間ができ次第、解説をつけ増補していくつもりですが、とりあえずここまでにします。





このページのトップメニューに戻るには、キイボードの‘home’を押して下さい。

スタート・ページへ