動燃事故追加ファイル#1

地下貯蔵施設からまたも放射能漏れ!
埼玉県所沢市高濃度ダイオキシンデータ隠蔽事件
長崎市松崎町水銀水質汚染データ改竄事件


タブーペルー空母ヤクザ脳死カルト酒鬼薔薇神戸事件動燃カラ不正ミステリ林檎

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東京万華鏡 事故は語る――原子力界の異常な安全感覚5/18/98 桜井淳(技術評論家)
動燃東海 屋外貯蔵ピット ズサン管理 アーカイブ
福井新聞 高速増殖炉もんじゅ情報|日本共産党嶺南地区委員会 (福井県敦賀市若葉町)原発事故

1997年9月17日水曜日作成

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1998年10月12日月曜日更新

8月26日、動燃東海事業所(近藤俊幸理事長)でまたもや放射能漏れの事実と、その外部に対する隠蔽ないし放置が行われていたことが発覚した。

「廃棄物屋外貯蔵ピット」と呼ばれている地下施設内部に水が溜り、そこに貯蔵されていた廃棄物入りのドラム缶から低レベルウラン放射能が浸水によって事業所施設内に漏れていたというのだ。しかも動燃は昭和57年に点検したきり蓋をして、それ以来この事実を15年間気づかないまま放置し、あるいは黙認し現在に至ったというのだ!!

一応施設内に止まったとされる放射能は低レベルとはいえ、基準の1万倍を越えるものだった。それが15年も漏れ出していたとしたら…。「ずさんな管理」を越え、呆れ返るとはこの事だ。民間病院、工場、研究所の劇物、劇薬、病原菌の様なものでももうちょっと慎重な外部漏洩管理が周知徹底点検されるべきというくらい、小学生にも分かることではないか。それを、何時周囲に漏れ拡散蓄積するかも知れない「放射能」を管理する者の危機体制が、このざまだ!「**に刃物」より危険である。

科学技術庁はこうした事態を今の今迄、実質的な検査点検を怠り、書類審査だけでいわば公認ないし黙認してきたわけで、その監督責任が厳しく問われなくてはならない。

必ず下部組織の方が、経験を積みたたき上げた知識や実力、下からコントロールする陰の実務実権を握っており、上部の監督官僚管理組織は、それに天下りで乗っかっている実務経験のない学校出のお坊ちゃん、平安官位ひな壇に正装して座っているだけのお飾りにすぎないという日本の組織構造がここでも、実現していたと考えられる。いわば、激しく動く下の担ぎ手の肩の上に乗っているきれいな御神輿に憑依した天下りオカミに、近代的な意味における、下部組織の点検実証、指導監督、危機管理テストが実行できるわけはない。

日本の組織の、勝手に動き出すアモルフなアミーバのような下部組織に対するhead(の指導力、主体責任)の欠如には戦前の軍事行動からも定評があるところである。

上層部の監督や書類審査は、下の方から上がって来、お膳立て催促された書類にこことここに判を押してくれればいいんです、といわれたままお墨付きの盲判を押すだけだからである。正に紙上だけの検査=御札に上から下まで双方が合意の上満足しているのである。

これに賄賂、飲食、接待でもつけば完璧な談合腐敗文化構造の完成である。天下りするオカミ、御札に賽銭、まいないをやって巫女(料亭女将オカミ)の下で共食神人交歓酒盛り談合宴会を催し、下々の願事をかなえてもらうというのが揺るぎ無い日本の精神伝統文化だからである。

いざとなれば、下は、何と言っても判を押して認可したのは上層部だ、と責任をお墨付きの文字に転嫁出来るし、上は上で、まさかこんな事態になっているとは、と部下への厚い信頼を裏切られた何も知らない人の良い上司の演技で乗り切れるからである。

この相互責任転嫁消失体制は、憑依寄生天下りするだけで指導点検監督しない――従って信頼するだけで無知であり責任がないフェティッシュたる日本の天下りカミ(オカミ、官僚)と、カミを下から思うように操りお墨付きにより自己を正当化して崇拝し、いざというときにはそのカミに責任を押し付けて被害者面をする人(下々、民)との古代フェティシズム伝統的関係から来ていると思われる。

折しも、公安調査庁から、破防法適用を免れたオウム真理教の活動が今年の1月頃を境に活発化していることを危惧するニュースが伝えられているところだが、ここまで社会問題になっているのになお現実に放射能を辺りに漏らし続け隠して懲りないこの動燃という組織は、再びサリンを作るかもしれないオウム以上に危険な存在なのではないのか。

このような反社会的組織は即刻、破防法適用並みに、国民の総意によって職員全員の解雇、解散、組織解体のうえ、動燃職員を要注意リストに加え再活動防止点検監視体制下に置くべきである。

26日には監督官庁である科学技術庁が、翌27日には、事態を重く見た茨城県と放射能漏れ連絡協定を動燃と結んでいる周辺14市町村が施設外部の放射能漏れ等を調べる立ち入り検査に入った。(後記)

28日には1993年から現在まで5年間に渡って、動燃はこの「廃棄物屋外貯蔵ピット」に浸水していることを理由に改修防水工事計画予算を計上、国から下りた9億円余りを実際には計画通りには使用せず、大半の8億分はプルトニウム研究等他の用途に流用していたことが分かった。

地上に建築施設を建て、一旦廃棄物の入ったドラム缶をそこに移し、地下ピットコンクリを浸水しないよう補修改造してからまた元に戻すというのが当初の計画だったらしい。

その架空工事計画を監督官庁の科学技術庁には、予定通り着工しているかのように、5年間虚偽の報告を続けていたのである。

その挙句が、この15年間の放射能垂れ流しと、国と国民に対する虚偽報告の積み重ねだ。地下貯蔵ピットのコンクリ壁の下、僅か2m下には自然地下水脈が流れているという。

ピットのドラム缶から染み出した放射能汚染水が15年の間にそこにまで届いて水の流れが繋がっていたらどうするのだ!(後記)

29日動燃側が'93年10月の時点で、ピット施設のひどい浸水、ドラム缶腐食状況を写した証拠写真が出てきた。4年前に事態を明らかに知っていながら、これに対して何らの対策も講じることなく科学技術庁にも報告しなかったばかりか、却って予算を獲得し改修工事計画が進んでいるとの完全な虚偽報告をしていたのである。(後記)

9月5日には、東京の動燃本社がこういう事態を完全に把握して居ながら、予算が獲得しやすいという理由で、そのままに放置し、全組織を挙げて隠蔽工作、緘口令を敷いていた事実が明らかになった。(後記)

9月16日日立製作所から、その建設、補修を手がけた島根原発ら原発18基において、国に報告すべき配管溶接温度記録に意図的な改竄の事実があったことを認める発表があった。

実際に溶接作業をした下請け会社が、原発の現場で規定溶接温度に達しなかった場合、後から別の配管で採ったデータを用意してこれと付け替えて記載していた疑いが持たれている。その改竄に使用した配管が、通産省の立ち入り検査で見つかったのである。

TVの映像に写されたその日立下請け配管溶接工場の様子は、とても経済大国の命運が掛った先端技術事業を果たせるような責任ある施設とは見えない。

失礼ながらある程度工事管理技術水準がずさんでも「まぁまぁ」で何とかなる土建鉄板溶接、水道工事を請け負うどこかの町工場位にしか見えないのである。

全国に散らばった原発の、配管という放射能循環部に故意に放置されていた溶接不良が、マンション窓フェンスの溶接不良のため寄り掛った住民がそのまま落下した三面記事死亡事故程度で済むはずはない。(後記)

9月26日にはasahi.com同日の記事「原発の虚偽データ報告、日立側がデータ改ざん誘導」によれば、立ち入り検査を行った通産省・資源エネルギー庁から、「日立製作所の関連会社、日立エンジニアリングサービス(茨城県日立市)の現場担当者が、熱処理作業にあたった電気工事会社、伸光(同市)に虚偽の報告をするように誘導していたことが発表された。

更に引用すると、

「日立エンジニアリングサービスの現場担当者は、熱処理の温度記録が乱れていると、社内の品質検査や国の検査に引っかかる可能性があると判断。1982年ごろから、温度記録を確認したあと、伸光に対して折れ線グラフが途切れている記録は、きれいなグラフに作り直すよう誘導していたという。

熱処理自体については、日立エンジニアリングサービス、伸光の担当者は適切に行ったと証言している。」 (ボールド引用者) その他この問題については、

原子力資料情報室 「特集」コーナー動燃配管熱処理に関する虚偽報告

科学技術庁 原子力施設における配管溶接部の焼鈍データ問題について

通産省資源エネルギー庁による14基、248ヶ所のデータ改ざん問題調査報告資料97/9/27赤旗記事

新潟日報虚偽報告・柏崎原発は74カ所(97/9/19)

を参照されたい。原子力発電に関する、類似だがより深刻ともいえるデータ改竄事件が発覚した。

asahi.com98/10/8 原電工事が使用済み核燃料輸送容器の試作品データを改ざん

 使用済み核燃料を、青森県六ケ所村に建設中の再処理施設に初めて輸送した際に使われた輸送容器の製造にかかわった原電工事(本社・東京、塚田浩司社長)が、試作品の試験データを改ざんしていたことが7日、明らかになった。容器内放射線遮へい材にかかわるもので、科学技術庁は「今回の搬送では安全性に問題はなかった」としているが、事態を重くみて輸送容器すべてについてデータを洗い直すことを決めた。容器承認の取り消しに発展する可能性があり、27日に予定されている六ケ所村への2回目の輸送が遅れることも考えられる。

 改ざんされたのは、三井造船と神戸製鋼所が1996年3月につくった試作品。中性子遮へい材の樹脂は、原電工事の社内規定でホウ素濃度が0.909%以上必要だが、規定を満たさず、最も低いものは0.841%だった。

 遮へい材の充てん、品質管理、検査を請け負った原電工事の担当課長が、実際にデータを分析した日本油脂(本社・東京、宇野允恭社長)に改ざんを求め、日本油脂が書類を書きかえた。原電工事の担当課長は改ざんを認めたというが、理由はわかっていない。2日に実施された六ケ所村への初搬入に使われた輸送容器2基は、三井造船の試作品をもとに下請けの日本製鋼所(本社・東京)が製造した。

 会見で原電工事と原燃輸送は改ざんを陳謝したが、「安全上は問題ない。容器はこのまま使えると考えている」と強調した。

 輸送容器は、原子炉等規制法に基づき、原燃輸送が科技庁から設計承認を得て製造、その後容器承認を受けている。試作品データはこれらの承認に直接必要な条件ではないが、科技庁原子力安全局は「設計承認を与えた容器とは違う容器ができた可能性がある」として、調べる方針だ。

 データ改ざんは、内部告発を受けた報道機関が原電工事などに問い合わせたことがきっかけでわかった。

 

asahi.com98/10/10 実物容器もデータ改ざん、使用済み核燃料輸送容器

 使用済み核燃料の輸送容器に関するデータ改ざんが、試作品だけでなく、実物でも行われていたことが9日わかった。試作品同様、原電工事(本社・東京、塚田浩司社長)の担当課長が改ざんを指示していた。科学技術庁は改ざんされたデータをもとに容器承認を与えており、原子炉等規制法違反の疑いもあるとみて調べている。事態を重くみた科技庁は、第三者による検討委員会を設置することを決めた。事実確認ができるまで輸送容器の使用を認めない方針で、27日に予定されている青森県六ケ所村への2回目の輸送が遅れるのは確実だ。

 実物のデータ改ざんは、原電工事と容器の発注元の原燃輸送(本社・東京、中島光夫社長)が同夜、記者会見して明らかにした。まだ調査中だが、4カ所の改ざんが見つかったのは、試作品で改ざんがあったメーカーのものではなく、日立造船が1996年12月に製造した容器。原電工事は遮へい材部分を請け負っていた。

 遮へい材として入れる前の検査で、水素とホウ素の濃度がいずれも規定より低かった。試作品で改ざんを指示した原電工事の担当課長が、データを分析した日本油脂(本社・東京、宇野允恭社長)に対し、規定に合うように書き換えを命じ、材料証明書には改ざんされた数字が書き込まれたという。 (ボールド引用者)

***

このように、生命に関わる問題について公共機関が知り得た重大な情報を、地域住民、一般市民に対し秘匿、隠避し、あまつさえそれを加工、ねつ造して発表していた事例は動燃だけに限ったことではない。

97年9月5日に、埼玉県所沢市(斎藤博市長)において、厚生省がこの12月より緊急避難的に設定した80ng/立方mという基準(1年以内にクリア義務)を、150倍も上回る1万2000ngの高濃度ダイオキシン類がごみ焼却施設から検出され県にも報告されていたにもかかわらず、そのデータが非公開となるよう所沢市が隠蔽工作していた事実が判明したのである。

ngとは‘ナノグラム’と読む10億分の1gを表す単位で、ここに公開された値は、自然には存在しえず人類が生み出した地上最悪の毒物と言われるダイオキシンにとって、アメリカ軍がベトナム戦争で枯れ葉剤空中散布した濃度かそれ以上のものである。直接一時的に煙に混じって人体に空気中から入り込む量よりも、むしろ、一旦雨と共に近くの河川に溶け込み、海にすむ魚の体内に次々と高濃度に蓄積され、それを食べる人間へと至る環境食物連鎖のほうが親の母乳異常、生殖器障害を生み、次世代に、催奇性奇形児を増加させる等の点で、危険が大きいといわれる。

'88年ベトナムから来日、分離手術に成功した「ベトちゃん、ドクちゃん」のような下半身が一つの奇形は、このアメリカ軍が投下した枯れ葉剤によるものといわれている。しかも、その散布のための基地を提供していたのは日本の沖縄だった疑いが濃いのだ。

ダイオキシン最前線−1−ベトナム取材で戦慄〜枯れ葉剤の催奇形性告発

沖縄タイムス マングローブ植林計画(3)破壊に“加担”した沖縄

厚生省ダイオキシンのリスクアセスメントに関する研究班中間報告(本文)

新日鉄グループ 九州テクノリサーチ ダイオキシンについて

 

全農林労働組合筑波地方本部食研分会青年部社会問題研究チーム 今、そこにある恐怖! 

テレビ朝日The Scoop Internet特集「広がるダイオキシン汚染・遅すぎた規制に苦悩する自治体」

生ゴミ処理場の「肥料づくり・土づくり」ファミテック農園ダイオキシン関係新聞報道記事

武田尚志環境問題(ダイオキシン、環境ホルモン、リサイクル等リンク)

【参考資料】98/2/3asahi.com東京湾の海底に全国の半年間分のダイオキシン

東京湾の海底に堆積(たいせき)している発がん性物質ダイオキシンは、全国で1年間に排出される総量の約半分(毒性換算)にのぼることが、横浜国立大の益永茂樹教授(環境化学)らの研究でわかった。現在、日本人が人体に取り込むダイオキシンの多くは魚によることから、ごみ焼却炉改善による摂取量減少の効果が出るまでには、かなりの時間がかかりそうだ。

 益永教授らは、200種類以上あるダイオキシンについて、東京湾内7カ所で海底の泥を分析。その結果、ダイオキシンが主に排出された過去35年間で、湾全体には、最も毒性の強い種類に換算して約2200グラムのダイオキシンが蓄積していることが判明。

 内訳は大気からが約45%、農薬からが約31%、残りは不明。

 1970年代初めまで大量に使われていた農薬の一部には、不純物としてダイオキシンが含まれ、川を通じて湾に流入したらしい。 (ボールド引用者)

98/2/25asahi.com宍粟環境美化センター周辺で135倍のダイオキシン


 厚生省の全国調査でダイオキシン類の濃度が最高だった宍粟環境美化センター(兵庫県宍粟郡千種町)の間近の土壌や川底から、環境庁が非汚染地区の基準とする試算値の135倍、270ピコグラム(1ピコグラムは1兆分の1グラム)のダイオキシンが測定されたことが24日、わかった。「周辺環境への影響は軽微」とした県の調査に疑問を持つ住民団体「止めようダイオキシン宍粟住民連絡会」が独自調査の結果を公表した。同連絡会は近く県に追加調査を求める。

 調査地点は同センターから400メートル以内の3カ所。環境庁は汚染されていない土壌のダイオキシン濃度の試算値を1グラム当たり2ピコグラムとしており、同センターの風上150メートルの河川底土で試算値の135倍の濃度を検出した。センターの風下200メートルと400メートルではそれぞれ260ピコグラム、100ピコグラムだった。3地点とも人は住んでいない。

98/3/6毎日新聞<ごみ処理>最終処分場の約3割538施設に欠陥−−厚生省調査

 全国の一般廃棄物最終処分場(埋め立て処分場)のうち、3割近い538施設で遮水シートを張るなどの防止対策がなくダイオキシンなど有害物質が外部に染み出る恐れのある欠陥施設であることが6日、厚生省の全国調査で分かった。設置者の市町村が無届けで建設したケースが多いが、罰則規定もないため、現在でも多くの施設で改善されないままごみの搬入が続いている。同省は地下水の汚染など具体的な被害状況は一切把握しておらず、法の不備と行政のずさんな管理体制が浮き彫りになった。 

 主に家庭から出る不燃物や、ごみ焼却場からの焼却灰が搬入される一般廃棄物最終処分場は現在、全国に1901施設ある。

 処分場の管理に関しては廃棄物処理法が施行される1971年以前は全く規制はなく野放しの状態だったが、71年以降は「処分基準」ができ、「地下水の汚染防止」という抽象的な表現ながら規制が始まった。さらに77年からは厚生省、環境庁による「共同命令」が通知され、都道府県への設置届け出と、底部や側面にシート張るなどの遮水工事や浸出液処理設備などを設けることが義務付けられた。

 今回、厚生省が都道府県を通じて行った調査で、法律施行前、処分基準のみの期間で合わせて458施設で欠陥が判明。77年以降建設された1125施設では処分基準、共同命令の両方に違反するのが80カ所あった。この結果、欠陥施設数は全体の28%にあたる538施設に上った。

 最も欠陥施設の多いのは北海道の102カ所、次いで鹿児島72カ所、新潟の30カ所と続いている。

 厚生省によると、処分基準と共同命令に違反している80処分場のうち、市町村が都道府県に届け出を行わず設置したのが9割に上った。さらに、届け出内容と実際の設備が異なる虚偽報告もあり、公然と不法がまかり通っていた形。しかし「法律では罰則規定がない」(同省環境整備課)こともあって野放しの状態になってきた。

 欠陥処分場に対する今後の対策について、市町村は(1)処分場を新たに確保する(2)基準に適合した他市町村や民間の施設に搬入する――などの方針を打ち出しているが、数年先の実現を目標にするものが多く、改善は先延ばしになっているのが実情。また地下へ有害物質が染み出すことで起きる生活用水の汚染など具体的な被害について、厚生省は「今後、都道府県を通じて調査を進める」と説明するにとどまった。

 また、同日の調査では焼却灰が「野積み」された場所が、茨城や栃木、三重、長崎など11県で19カ所あることが分かった。 【宮澤 勲】

(ボールド引用者)

98/3/20asahi.com母乳中のダイオキシン、乳児摂取時に許容量の7倍も

 埼玉県が県内の女性100人から採った母乳中のダイオキシン濃度の調査結果が19日、明らかになった。母乳中の脂肪1グラムに含まれるダイオキシン類は、最も毒性の強い種類に換算すると、平均15ピコグラム(ピコは1兆分の1)で、乳児が1日に摂取するダイオキシン類の量は、国が示した安全のための指針値の7倍以上になる計算だ。専門家は「国外のこれまでの調査結果に比べて高いとはいえないが、母乳が広い範囲で汚染されていることが分かる」と指摘している。

 100人を対象とした母乳中のダイオキシン濃度調査は、国内で最大規模だ。

 調査は昨年11月から今年1月まで実施した。25歳から34歳の女性を対象に、コプラナーPCBを除くダイオキシン類について結果をまとめた。母乳脂肪1グラム中、最高で76ピコグラム、最低で2.8ピコグラムだった。平均値は、1986年から89年にかけて世界保健機関(WHO)がドイツで調査した28から37ピコグラムや、カナダでの16から23ピコグラムより低かった。

 一方、母乳1グラムあたりの濃度は県平均で0.6ピコグラム。乳児は体重1キロあたり1日に120グラムの母乳を飲むとされ、今回の調査ではダイオキシン類72ピコグラムが含まれる計算になる。厚生省が示した1日の耐容摂取量である1キログラム当たり10ピコグラム以下を大幅に超えた。

 同様の調査は、国立環境研究所(茨城県つくば市)が1995年度に仙台、横浜市などに住む26人を対象に調べたことがある。このときはコプラナーPCBを含めた母乳のダイオキシン類は、脂肪1グラム中、平均で21ピコグラムだった。

98/4/8asahi.com母乳中のダイオキシン濃度、20年前と比べると半減

 猛毒の発がん性物質ダイオキシン類の母乳中に含まれる濃度が、1970年代前半に比べて約半分に減っていることが7日、厚生省の調査でわかった。濃度は1日体重1キロあたりの成人の摂取許容量の7倍程度になっているが、厚生省は「赤ちゃんは母乳を一生飲み続けるわけではなく、現段階では何らかの影響が出ている証拠はない」としている。

 厚生省が発表したのは、母乳中のダイオキシン類に関する調査の中間報告。23年分の年次推移調査と、埼玉、東京、石川、大阪の4都府県の調査を97、98年度にわたって続けている。

 年次推移調査は、大阪府公衆衛生研究所に凍結保存されている73年から96年(87年を除く)までの母乳を使った。毎年19人から39人(平均28.2人)の母乳を混合して分析した。

 それによると、最も濃度が高かったのは74年。ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)を合わせたダイオキシン類の濃度は、脂肪1グラムあたり32.1ピコグラム(1ピコは1兆分の1)だったが、年々下降傾向で、96年は16.3ピコグラムと半減した。

 4都府県調査は、20代後半、30代前半の女性各2地点5人ずつの第一子出産直後の母乳が対象。まだデータがすべてそろっていないが、産後5日目の母乳に含まれるダイオキシン類(PCDDとPCDF)の平均濃度は1回目が脂肪1グラムあたり17.4ピコグラム、30日目の2回目が15.2ピコグラムだった。

98/4/17asahi.com 焼却場敷地内の池の泥から高濃度ダイオキシン

 大阪府豊能郡能勢町の焼却場「豊能郡美化センター」敷地内の池の泥から、猛毒物質のダイオキシンが1グラム当たり2万3000ピコグラム(ピコは1兆分の1)検出されたことが、16日分かった。焼却場に隣接する府立能勢高校の農場で2700ピコグラムが検出されたことが昨年11月に明らかになったが、過去最悪とされたこの数値を大幅に上回った。焼却場を運営する能勢町と豊能町でつくる豊能郡環境施設組合(管理者・南殿利正豊能町長)が、財団法人・関西環境管理技術センターに委託して再調査していた。

 昨年、高濃度のダイオキシンが検出された農場のクリ林から南方へ約5キロにわたって、48カ所で土壌を中心に調査した。その結果、焼却場の煙突から約100メートル離れた池の底の泥から2万3000ピコグラムが検出された。土壌では、焼却場南部の法面(のり・めん)から8500ピコグラム、4地点の水田土壌で55―110ピコグラムが検出された。

 ダイオキシンは排ガスに対する規制はあるが、土壌汚染の危険性について国の基準はない。厚生省によると、ドイツでは40ピコグラムを超えると農業利用の制限、100ピコグラムだと幼児の遊戯の制限、1万ピコグラムだと土壌交換が必要という。

 今回の数値は、焼却場から離れるほど低くなっている。同組合が依頼した「ダイオキシン対策検討委員会」(委員長=武田信生・京大大学院工学研究科教授)は17日、大阪市内で会合を開き、詳しい汚染の原因と対策を話し合う。

 

98/4/20asahi.com「豊能郡美化センター」がダイオキシン検査前に運転調整

 大阪府豊能郡能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」が昨年、厚生省の指示に基づいて排出ガスの濃度を測定した際、ダイオキシンの排出量が少なくなるよう燃焼の仕方をその時期だけ変更させていたことがわかった。センターの関係者によると、燃焼方法を変更させたのは昨年1月と5月の測定日の数日前から。約3日間、灯油バーナーで炉内を空だきしたうえ、測定当日にはダイオキシンが発生しやすいとされる塩化ビニール品などを取り除いて燃やしていたという。炉内に残るダイオキシンをできるだけ除去し、低い測定値にしようとしたとみられる。しかし、いずれの測定値も、厚生省が緊急対策を必要として定めた数値を上回っていたうえ、厚生省への報告も遅れていたことがすでにわかっている。

(ボールド引用者)

98/6/2 asahi.com ダイオキシン汚染、組合が濃度測定時の操作認める

 高濃度のダイオキシンが大阪府能勢町のごみ焼却場「豊能郡美化センター」周辺の土壌から検出された問題で、厚生省は1日、施設の設置者である豊能郡環境施設組合と焼却炉メーカーの三井造船などの事情聴取から、組合や三井造船が排ガス中のダイオキシン濃度測定の際、燃焼をよくするために灯油を使うなど意図的な操作をしていたことが明らかになったと発表した。

 組合などからの回答によると、排ガス中のダイオキシン濃度を測定した昨年1月29日には、ごみをごみ袋から出して焼却炉に投入していた。焼却炉の立ち上げにも灯油を使い、通常よりも時間をかけてごみを入れる前の炉内温度を高くするなど、ダイオキシンの発生を抑えようとしていたことがわかった。電気集じん器の入り口の温度も通常よりも低い280度に操作されていた。

 また、昨年5月の測定日には、同様の操作のほか、時間あたりの焼却量を通常運転の3分の1程度に抑えたほか、2炉のうち1炉では灯油だけを燃焼させていたこともわかった。

 さらに、組合は、6年前にダイオキシン対策のための施設改造を三井造船側に打診したものの、多額の経費がかかることを理由に、工事を断念していたことも今回初めて明らかになった。

[毎日新聞'98年5月13日] <ダイオキシン>千葉の病院焼却炉から高濃度検出

 千葉市内の病院の敷地内で使用されてきた廃棄物焼却炉内の焼却灰から、1グラム当たり1万9000ピコグラム(ピコは1兆分の1)という高濃度のダイオキシン類が検出されていたことが、13日までに明らかになった。焼却炉の焼却灰汚染としては、これまで分かっている中で最大レベル。周辺住民は「病気を治す病院が、有害物質を作っていたとは」と反発を強めている。

 この焼却炉は同市若葉区加曽利(かそり)町の医療法人社団誠馨会加曽利病院(150床)にある、処理能力が1日5トン未満で法的に設置許可を受ける必要がない小型焼却炉。病院は住宅地の中にあり、数年前から、周辺住民が「生理的に受けつけられない異常なにおいがする」などと訴えていた。

 昨年春ごろから苦情が激しくなり、ダイオキシン汚染が社会問題化したこともあって、病院は同年7月、焼却炉の使用を止め、11月に住民の要請を受けて炉内に残っていた焼却灰のダイオキシン類分析調査を行った。その結果、焼却灰から1グラム当たり1万9000ピコグラムのダイオキシン類が検出された。

 病院によると、焼却炉では紙おむつを含め主に紙類を燃やしていたという。

 香川県・豊島(てしま)で、焼却灰などからなる廃棄物層から3万9000ピコグラムが検出された例があるが、一つの小型焼却炉の焼却灰からこれほど高濃度の検出が分かったのは初めて。ダイオキシン汚染が問題となった埼玉県所沢市の産廃焼却炉の4300ピコグラムも大幅に上回っている。

 住民の一人は「地域に密着した医療を目指す病院が、汚染物質を出し、逆に病人を作りかねない状況だったとは、モラル的にも許せない。早急に健康調査を」と訴える。

 一方、同病院の小林孝夫事務長は「検出されたのは高い値ではなく、住民の健康に何の問題もない。焼却炉を止めたのは世の中の流れだったから」と話す。

 ダイオキシン研究者らで作る環境NPO「ダイオキシン問題を考える会」の笠原秀紀代表は「小型焼却炉の汚染実態が表面化するのは非常に珍しいが、これほどひどいとは驚いた。それなりの原因物質を燃やしていたということだろう。小型焼却炉は何の規制も受けず、各地に膨大な数があり、全国に広がる汚染の深刻さがうかがえる」とする。 【宇田川 恵】

 宮田秀明・摂南大薬学部教授の話 たいへんな高濃度の焼却灰といえる。焼却灰がこれだけ汚染されているなら、ダイオキシンは煙などとともに周囲に飛び散った可能性は非常に高い。

 

[毎日新聞'98年6月4日] <ダイオキシン>血液から最高濃度 茨城のごみ焼却場住民

 茨城県新利根町にある竜ケ崎地方塵芥(じんかい)処理組合・城取清掃工場周辺の住民を対象にした血液検査で、高濃度のダイオキシン類が検出された。4日、調査結果を発表した摂南大(大阪府)の宮田秀明教授(環境化学)らの研究グループによると、最高値は血液中の脂肪1グラム当たり約460ピコグラム(1ピコは1兆分の1)で、欧米を含めた通常環境での最高濃度(約50ピコグラム)の約9倍に達した。ごみ焼却場周辺に限定した血液検査は初めてで、各地のごみ焼却場のダイオキシン問題に影響を与えそうだ。

 京都市内で4日開かれた環境化学討論会で発表した。宮田教授によると、同工場の周辺2キロ以内に住む20〜80代の60人を対象に一昨年3月に実施した。この日発表したのは、分析が終わった18人(男性13人、女性5人)分で、男性の平均は80ピコグラム、女性は149ピコグラムだった。

 最も濃度が高かった女性は、毒性の最も高い種類に換算した値で血液中の脂肪1グラム当たり463ピコグラムだった。男性の最高は200ピコグラム。18人中14人が、事故など特殊なケースを除いた通常環境での最高濃度とされる約50ピコグラムを上回ったという。

 また、これまで報告されている血液中のダイオキシン類の平均濃度は20ピコグラム前後となっており、今回の18人は全員が上回っていた。宮田教授は「燃焼管理の悪い清掃工場の排ガスなどで汚染されたと判断できる。過去の外国の例からすると、1000ピコグラムを超えるといろいろな障害が出てくるが、今回の濃度で健康影響がどのくらいあるかは不明。これから詳しく調べる必要がある」としている。

 同工場周辺では、昨年6月、土壌1グラム当たり最高約250ピコグラムのダイオキシン類が検出された。周辺住民は同年11月、ダイオキシン類による健康被害を訴え、工場を運営する同組合(管理者=串田武久・茨城県竜ケ崎市長)に、工場の操業停止などを求める行政訴訟を起こしている。 【高木昭午、高山純二】

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母乳汚染問題については

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『5万分の1の地球』食糧基地は安全か−私たちの空気・水・土及び

98/4/3牛乳のダイオキシン調査「焼却場近くで高濃度」中野畜大教授が発表


武田尚志Environment母乳に含まれるダイオキシン問題について

98/5/4asahi.com厚生省の外郭団体、ダイオキシン測定業務で登録制度

 厚生省の外郭団体、財団法人廃棄物研究財団(山村勝美理事長、東京都新宿区)がダイオキシンの測定業務をする会社の登録制度を設け、1社あたり500万円の登録料を受け取り、これまでに22社から総額1億1000万円を得ていたことが、朝日新聞社の調べでわかった。登録制度の発足にあたって、厚生省が、都道府県知事あてに、測定に登録業者を使うことを求める通知を出しており、自治体が委託した分析調査では登録業者による独占的な態勢ができていた。このため非登録業者らから「業界の自由競争を阻害する」「独占禁止法に触れるのではないか」などの声が相次ぎ、これを受けた形の厚生省の指導で、2年前に登録制度が廃止された。その後、分析料が低く抑えられるようになったという。

 廃棄物研究財団は、一般廃棄物の処理に関する調査や、処理のための技術開発のために国や自治体、民間企業が出資し、厚生省の元水道環境部長の山村氏が理事長を務める。

 登録制度ができた1991年当時、欧米ではダイオキシンの猛毒性が大問題になっていたが、日本国内での研究は十分進んでいなかった。分析会社も数社しかなく、その必要性が指摘されていた。

98/6/11asahi.com談合の疑いでダイオキシン測定業者を検査

官公庁が発注するダイオキシンの測定業務をめぐり、測定分析の会社が研究会を作り談合を繰り返していた疑いが強まり、公正取引委員会は11日、測定会社など約30カ所を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。

 立ち入り検査を受けたのは、「廃棄物処理に係るダイオキシン類測定分析技術研究会」に加盟している東レリサーチセンター(本社・東京)、ユニチカ環境技術センター(同・京都府)、島津テクノリサーチ(同)などのダイオキシン測定業者。

 関係者の話などによると東レリサーチセンターなどは、厚生省の外郭団体、財団法人廃棄物研究財団の登録業者だったが、登録業者だけで自治体からの受注を独占していると非登録業者から反発を受けたため、研究財団は登録制を廃止。東レリサーチセンターなどは1996年に研究会を発足させた。研究会の目的は測定技術の向上だったが、この場で談合を繰り返していた疑いが持たれている。

 ダイオキシン調査は2年前から需要が急増。分析価格は昨年から研究会のメンバーを中心に、30万円から35万円で固定している。

(ボールド引用者)

asahi.com98/9/18 大手5社、20年以上前からごみ焼却施設の談合

 地方公共団体が発注するごみ焼却施設の建設をめぐる談合疑惑事件で、公正取引委員会が立ち入り検査した日立造船(本社・大阪市)や三菱重工業(同・東京都)、タクマ(同・兵庫県尼崎市)など大手5社が、1975年前後に「五社会」などと呼ばれる組織をつくり、談合とみられる会合を定期的に繰り返していたことが、関係者の話で分かった。調整役は日立造船の役員で、5社が回り持ちで施設を提供し会合が開かれていたという。公取委はこうした会合で、事前に受注予定者や落札価格を決めていた疑いがあるとして、談合の実態解明を進めている。

 関係者によると、談合とみられる会合に参加していたのは日立造船、三菱重工業、タクマのほか、NKK(本社・東京都)、川崎重工業(同・神戸市)の計5社で、プラントメーカーの中ではごみ焼却施設建設の先発組。

 関係者によると、会合は、73年ごろから始まった。77年ごろからは、自治体などの発注に合わせて定期的に実施されるようになったという。会合は当初、「五社会」と呼ばれ、このあと、「環衛会」などに変更した。会合の調整役は最大手の日立造船の役員が務め、場所は5社が回り持ちで東京都内にある各社の本・支社や保養所を使ったという。

 5社の会合に参加していないプラントメーカーも、別の談合組織をつくっていた疑いがもたれており、公取委の立ち入り検査を受けている。 (ボールド引用者)

 

asahi.com98/9/21 焼却炉談合、数年前から11社で新組織

 地方公共団体が発注するごみ焼却施設の建設をめぐる談合疑惑事件で、日立造船(本社・大阪市)など大手5社によって繰り返されてきた談合とみられる会合に、数年前から同施設建設では後発組の6社も参加していたことが関係者の話で分かった。大手5社と後発6社の計11社による会合は「環衛α(アルファ)会」などと呼ばれていた。11社の受注実績は、地方公共団体が発注する同施設の9割以上を占めることから、公正取引委員会は業界ぐるみで事前に受注予定社や落札価格を決めていた疑いがあるとして、談合の実態解明を進めている。

 関係者によると、談合とみられる会合に参加していた11社は、日立造船、三菱重工業(本社・東京都)、タクマ(同・兵庫県尼崎市)、NKK(同・東京都)、川崎重工業(同・神戸市)の大手5社。それに、荏原(同・東京都)、石川島播磨重工業(同・東京都)、住友重機械工業(同・東京都)、神戸製鋼所(同・神戸市)、クボタ(同・大阪市)、三井造船(同・東京都)の後発6社。

 11社に対しては公取委が17日に独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査している。

 20年以上前から繰り返されていたとされる大手5社の会合が「五社会」や「環衛会」などという名称だったのに対し、11社の会合は6社分をαで表し、「環衛α会」などと呼ばれていたという。

 会合の調整役は五社会と同様に日立造船の役員が務めていた。この役員は、大手5社の会合が発足した1975年前後から参加し、20年以上にわたり会合をしきっていて、業者間では「天皇」などと呼ばれていたという。 (ボールド引用者)

この日立というのはグループ11社の総務部連絡会内に「十」と「一」で「士(さむらい)会」を持ち、これによって「海の家」等総会屋への利益提供を横並びで決めていた談合体質構造を温存し、原発の虚偽データ報告、データ改ざん誘導まで行っていた企業である。

98/7/24 asahi.comダイオキシン調査委託の会社に脅迫状
 ごみ焼却場近くの牧場で採れた牛乳や乳製品がダイオキシンに汚染されていた問題で、帯広畜産大の中野益男教授の委託で濃度を測定していた西日本の環境調査会社に、「これ以上の支援は貴社にマイナスとなる恐れがある」という匿名の脅迫状が届いていたことがわかった。

 先月26日付の消印のある脅迫状には「安全な水準にある牛乳について世の中を騒がせ、酪農乳業界に多大な被害を及ぼした。仮に牛乳の規制値ができても貴社にだけは分析を依頼しないという酪農乳業界の声があり、反社会的な行為とみなされている。これ以上の中野教授への支援は、貴社にマイナスとなる恐れがある」とあった。

 中野教授は今春の学会で、乳脂肪1グラム当たり4.6ピコグラム(1ピコは1兆分の1)という数値を国内で初めて発表し、注目を集めていた。中野教授の研究室にも、学会発表の後、「なぜ牛乳の汚染だけを取り上げて公表したのか」と迫る手紙や脅迫まがいの電話が相次いでいた。

 この会社の役員は「環境汚染を消費者に隠すことの方が、よほど反社会的な行為ではないか」と話している。

98/4/3牛乳のダイオキシン調査「焼却場近くで高濃度」中野畜大教授が発表
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NHKの調査では、千葉県のように235g/年のダイオキシンが検出されたところも有り、暫定基準値さえクリア出来ない焼却施設等は全国で110箇所に上っている。

80ng/立方mという厚生省基準ですら、1ng以下等のヨーロッパ諸国の環境基準に比べれば、重い腰をあげたばかりでまだまだの暫定にすぎないもので、5年以内に厚生省でも1〜10ng以内をクリアすることを目指しているほどなのである。

この所沢市のデータは、市が自主的に実施したダイオキシン測定によって、'92〜'94年までの間、所沢市 東所 沢和田の東部清掃センターの焼却炉2基から10〜220ng、林の西部清掃センター同3其から360〜1万2000ng濃度が検出されたというもの。

その後の改修工事、焼却法の管理、ゴミの分別によって、'96年の調査では暫定基準値以内に下がってきてはいるが、'97年5月になって、情報公開制に基く報道機関の要請により、以前の調査結果を公開する必要に迫られた市は、あまりにも高いダイオキシン濃度の数値結果に慌て、事実を報告した埼玉県と、その報告をしていなかったことにする口裏合わせを行っていたことがこの9月5日に発覚したのである。

埼玉新聞'97年9月6日付けによれば、

県西部地区のダイオキシン汚染問題で、同市では全国初のダイオキシン規制条例を制定したほか、行政と市民総ぐるみで市民会議を結成、ダイオキシンの規制運動を展開しているだけに、市民や市議会は「数字も問題だが、それ以上に、データを公にせず、隠ぺいした市の姿勢に怒りを覚える」と市政に対する不信感を募らせている。

(中略)

市議会は9月議会初日の5日午前、市側に報告を求めた。午前11時50分から開かれた全員協議会で、内野幸雄清掃部長は「報告義務がないので県には報告していない」と説明。高野英二助役も「部下から報告を受けていたかもしれないが、調査結果は記憶にない」などと答弁していた。

 しかし午後5時ごろ、「謝罪したい」と市側からの申し入れで再度全員協議会が開催され、県に対する報告の事実がなかったことにしていたことが明らかになった。高野助役は「県から『報告の事実はなかった』という方針でいくことを伝えられていたが、午後になって県が方針転換したので申し訳なかった」と謝罪した。

 さらに、高野助役は「1万2000ナノグラムという非常に大きな数字だったので、市民を不安に陥れるのは問題と思った」と隠ぺい理由を説明したほか、市長に助言した上、部下に県から報告書を持ち帰らせたことを明らかにした。

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さらに重大なことには、9月10日に「厚生省や環境庁などが発表している日本国内のダイオキシン類測定値と比較し、東部、西部の両センターの焼却炉5基の排ガスや集じん灰中のダイオキシン類濃度は高いレベルにある」とする'94年の「業者報告書の総合評価」が存在したのに関わらず、市が協議会に提出した資料にはそこだけが実際には欠落していた事実が明らかとなり、市側の隠蔽工作に当たるのではないかとの疑惑も表面化した。埼玉新聞97/9/11付け参照

9月12日には、市が測定時だけ活性炭噴霧装置を設置する偽装工作を行い、ダイオキシンを吸着して数値を下げた数値を厚生省に報告して、その後はまたはずしていた事実が明らかになった。

埼玉新聞97/9/13付けを引用する。

 同市清掃業務課によると、昨年10月22日から24日までの3日間、同市林の西部清掃センターの焼却炉3基に活性炭噴霧装置を設置して作動させた上で、ダイオキシン濃度を測定した。この結果、排ガス中の濃度は暫定基準内の0・77─17ナノグラムとなり、この測定結果を厚生省に報告していた。

 活性炭噴霧装置は電気集じん器の手前の煙道に設置し、煙道を通過するばい煙に活性炭を噴霧し、ダイオキシンを吸着するシステム。排ガス中のダイオキシン濃度で、約30ナノグラムの低減効果があるとされている。

 同市は測定期間後、この装置を取り外した。今年8月から3基の焼却炉に常設。本格稼働している。

 同課では「95年ごろからこの装置の設置を検討していたため、その試験のつもりで測定の数日前に設置した。本来ならば、装置を取り外した後の測定もすればよかったが、予算的な問題もあったのでやらなかった」と釈明している。

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埼玉新聞98/5/24 主婦ら3人 市長を告発へ

 所沢市長が市営の一般廃棄物焼却施設からダイオキシンなどの有害化学物質を排出させ続けたため、子宮内膜症などの健康被害に遭ったとして、同市下安松内の主婦(48)ら三人が五月二十六日にも、斎藤博市長を「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」違反の疑いで浦和地検に告発する。

 告発状などによると、斎藤市長は同市営東部清掃事業所(同市東所沢和田)と西部清掃事業所(同市林)について、排出ガスから一立方メートル当たり最高一二〇〇〇ナノグラム(ナノは十億分の一)と厚生省の暫定基準の百五十倍に当たる高濃度ダイオキシン類が検出された一九九二−九四年の測定データを公表せず、大気汚染を防ぐ手だてを取らないまま排出を続けさせた。このため、両事業所周辺に住む告発人らに気管支ぜんそくなどを含む多くの健康被害を出した。

 子宮内膜症は動物実験などによりダイオキシン類との因果関係が指摘されており、四月に市が実施した血液中のダイオキシン類含有量調査でも、告発人の主婦の血中濃度が他の調査対象者と比べても高い値を示していることから、健康被害は排出ガスが原因としている。

 告発人の一人の男性(71)は「九六年に厚生省が実施した全国の清掃工場のダイオキシン類排出調査でも、測定時だけ(ダイオキシン類の排出濃度を低くする効果のある)活性炭を焼却炉に投入するなど、斎藤市長の市民に対する背任行為は明らかだ」と話した。

 


これ以外の詳細な埼玉新聞報道は、埼玉県内のダイオキシン問題を読まれたい。

ダイオキシン公害の町所沢より情報を発信し、その現状を訴える

助けて!所沢!ダイオキシン!及びその所沢清掃事業所測定データ

当事者所沢市によるところざわ情報館ダイオキシン特集

さらに、'97年暮れあたりから、翌'98年にかけ、長崎市松崎町三方山産廃処分場から流れ出たと思われる水銀による水質汚染データを、検査監督情報公開する立場にある長崎市が組織的に隠蔽、改竄していた同様な事件が、クローズアップされてきている。

以下に、KTNテレビ長崎 今日のニュース :ザ・ヒューマンからのバックナンバー報道を引用する。

 

97/7/28産業廃棄物問題・市の姿勢を問う


長崎市がきょう行った産業廃棄物最終処分場の立ち入り検査は、厚生省通達を無視して市が事前に日程を通知していたことが分かり市の対応に批判の声が出ています。

長崎市環境部がきょう立ち入り調査を行ったのは、西彼杵郡外海町と琴海町に隣接した長崎市松崎町の山中にある三方山処分場です。広さおよそ20ヘクタールの最終処分場は、昭和50年に認可された所で、長崎市内の業者が下水道汚泥の肥料化や医療機器を含む産業廃棄物の管理埋め立てなどを行っています。

この処理場が神浦ダムの上流にあることから、市民団体から調査と指導を求める声があったため、長崎市が行ったきょうの立ち入り調査では、焼却炉下の地下水や神浦川上流のサンプルを採取しました。ただこの調査は事前に業者に電話で通知されていて、実質5日間廃棄物の搬入はストップ状態で、安全な水を守る会では調査マニュアルもなく正確さを欠くと市の姿勢を批判しています。これに対して長崎市では、正確なヒアリングを行うため事前通知した、今後は改めていきたいと話しています。



97/12/16長崎市水質データ改ざん?で告発


西彼杵郡外海町の神浦ダム周辺の水質問題で、一部基準値をこえた結果がでた水質調査データを長崎市が改ざんして市議会などに「異常なし」と報告していた疑いが浮上しました。この問題で市民2人がきょう長崎市の濱崎水道局長を長崎地方検察庁などに虚偽公文書作成などの罪で告発しました。

告発したのは長崎市の竹内隆さんと垣越正俊さんの2人です。告発状によりますと、長崎市が神浦ダムとその上流で継続して行っている「三方山流域水質試験」のことし7月3日の調査結果で、総水銀値が環境基準を越える値を示していましたが、濱崎水道局長が市職員に命じて基準値内の値に改ざんさせ、ことし10月の市議会総務委員会に提出しました。そして竹内さんたちの情報公開請求に対しても改ざんしたデータを示したとして、きょう長崎地方検察庁と長崎警察署に虚偽公文書作成と偽造公文書行使の罪で告発したものです。

竹内さんたちは、複数の市職員の証言を得ていて、告発内容は事実に間違いないとしています。これに対して長崎市の濱崎水道局長は改ざんについての市職員の証言についても「ありえないこと」と全面的に否定しました。


97/12/24水質データ改ざん


市民から告発された長崎市の水質調査データ改ざんについて、伊藤市長は改ざんが行われていた事実をきょう開かれた市議会の全員協議会で認め、陳謝すると共に関係者の処分をする考えを明らかにしました。

長崎市の水質データ改ざんについては、市民2人に虚偽公文書作成などの罪で告発された事から長崎市が内部調査をして、結果を議会に報告する事になっていました。きょう開かれた市議会の全員協議会で伊藤市長は職員20人余りを調べた結果、10月31日の総務委員会の協議会に市環境部が提出した三方山周辺の水質検査資料の内1カ所について、総水銀の量が環境基準内になるよう改ざんされていたと報告しました。

データの改ざんは結果が一過性の数値であるかどうか経過を観察する必要があり、公表は市政にいたずらに混乱を招くと判断し、環境部長の指示で行われたと市長は説明しました。伊藤市長は、又改ざんがデータの用紙の貼り替えやパソコンデータの差し替えなど組織的に行われていた事も明らかにしましたが、市民の告発を受けた水道局長の関与は否定し、舩本昌人環境部長から辞職願いが出ている事を明らかにしました。

今日は全員協議会の後奥村市議会議長が市長に対し市民の信頼を回復するため努力するよう要請したのに対し市長は職員の規律に万全を期したいと答え陳謝しました。

 

97/12/26長崎市環境部長諭旨免職


市民から告発された長崎市の水質調査データ改ざんについて、長崎市は改ざんを指示していた環境部長を諭旨免職とすることを発表しました。

今日夕方行われた会見で江口助役は舩本環境部長が行った行為は市民や議会の信頼を裏切った許せない行為だとした上で、市政の混乱を招くとの判断から行ったことを考慮して、公務員の処分としては2番目に重い諭旨免職処分とすることを発表しました。

舩本環境部長は10月31日に総務委員会の協議会に提出した三方山周辺の水質調査資料を改ざんするように指示しており辞職願いを提出しています。江口助役は助役を含む管理監督者と改ざんに関わった職員の処分については警察の捜査の結果を待って決定したいとしています。

 

98/1/8長崎市の水質データ改ざん地点近くから水銀


西彼杵郡外海町の神浦ダム周辺の水質調査で、長崎市がデータを改ざんしていた調査ポイント近くの小川から国の環境基準を超える数値の総水銀が市民団体の独自調査で検出されました。この市民団体はきょう長崎市に対し詳しい原因究明を早急に行うよう要請しました。

総水銀が検出されたのは長崎市民の水ガメ神浦ダムの上流域に位置している長崎市松崎町の三方山流域の小川で、北西側には民間の産業廃棄物処分場があります。この調査は「西彼杵半島の海山川を守る会」が行ったもので、江崎則博事務局長がきょう長崎市に早急に原因を究明するよう文書で要請しました。守る会によりますと去年11月18日に調査を行い、大阪の環境研究機関に分析を依頼した結果、国の環境基準を超える1リットルあたり0.0006rの総水銀が検出されたほか、鉛やヒ素の数値も基準値を超えていたということです。

西彼杵半島の海山川を守る会江崎則博事務局長今回の調査ポイントは長崎市でも去年11月から定期的に水質調査を行っている小川で、守る会では今月23日までに今後の対応について回答するよう求めています。

 

98/1/22長崎市が水質検査データ公表

長崎市の水がめ神浦ダム上流部にある産廃処理場周辺の水質調査で、これまでにあわせて14回にわたり水質環境基準を上回る総水銀値が検出されていたことが明らかになりました。きょう、調査データを公表した伊藤市長はデータ改ざんに始まる一連の不祥事について自らの減給処分を発表し陳謝しました。

長崎市松崎町にある民間の産廃処分場周辺の水質調査をめぐっては、長崎市のデータ改ざんや事実隠しが次々と明らかになっていて、伊藤市長はきょう長崎市議会の各派代表者会議でこれまでの調査結果を公表しました。公表されたのは、去年7月から12月までに行われた29カ所の水質調査の結果で、産廃処分場に近い4つの地点で、あわせて14回にわたって水質環境基準を上回る総水銀値が検出され、最高値は環境基準の3倍を超えています。

さらに、伊藤市長は神浦ダムについてダムの底の土壌検査を第三者機関に委託して行う方針を示し、データ改ざんに始まる一連の問題について市長自身と担当助役の減給処分を明らかにしました。一方、長崎市議会では各派代表者会議と議会運営委員会で臨時議会を招集するかどうかを話し合い調査特別委員会の設置については各派で検討することになりました。

市民の請求に資料公開せず

この問題で市民が求めていた公文書がきょう開示されましたが、警察が捜査中であることなどを理由に内部調査の資料は公開されず、市の対応に不満の声が上がりました。

公文書の公開を求めていたのは長崎市に住む2人の男性で市内にある産業廃棄物処分場周辺の水質調査結果が改ざんされていた問題について、市の聞き取り調査の資料を公開するよう求めていました。これに対して市側は今日警察が捜査中であることなどを理由に内部調査資料の開示を拒み、12月に市長が議会に対して行った陳謝文が示されるにとどまりました。

しかし一方で議会に対してはデータを公表し処分まで示したため一人一人の市民に対する市側の対応には疑問をなげかけています。今回、事実関係に対する内部調査が全く公開されなかったため二人はあらためて市の情報非公開処分に対し異議申し立てを行いました。市側はこれを受理しています。

98/3/3水質データ改ざんで職員処分

長崎市が神浦ダムの上流にある産業廃棄物処分場周辺の水質データを改ざんしていた問題で、改ざんに関わった市職員6人が今日付けで戒告などの処分を受けました。

長崎市の園田総務部長は今日付けで改ざんに関わった市環境部の職員5人を戒告処分に、市環境試験所の職員1人を訓告処分にしたことを明らかにしました。長崎市環境部が、異常な総水銀を検出した神浦ダム上流の水質データを去年10月の市議会総務委員会で環境基準内に改ざんして報告していた問題では、前の環境部長が諭旨免職処分をうけ、改ざんを黙認した江口前助役が先月辞職しています。そして今回処分をうけた職員をあわせ、8人が公文書偽造などの疑いで書類送検されていて、伊藤長崎市長も市政を混乱させた責任をとり、先月から3ヶ月間自らの給与を5分の1減給しています。

長崎市では改ざんに関する市の処分はきょうでひとまず終了するとしていますが、水の汚染源とみられる産廃処分場の環境対策など根本的な水質浄化はまだこれからの課題です。



(以上ボールド、赤字、行替え引用者)

 

市民を不安にさせるのが問題ならば、公共機関が虚偽を優先させて良いのか?不安を虚偽の口実にできるか?

社会的信用を、虚偽で獲得しようとするのは詐欺というものである。しかも公共機関がそれを口にするのは、「この公共機関は詐欺組織である」と言っているようなものである。

日本の「情報公開審査部門」は「対外隠蔽ごまかし部門」なのである。

 

「知らぬが仏」「秘すれば花」という文化伝統があるところでは成仏安楽死「ぽっくり寺」のための情報操作統制が正当化される。

真実の重さと罪の深さに耐え切れる精神の成熟こそが大人には求められるのである。それに耐え切れない未成年には、常に気休めと幻想=情報統制が与えられる。

度重なる「不祥事」に対し「世間に大変な迷惑をかけ申し訳ない」という日本人の紋切り型お詫び声明は、罪を認めるものではない他に、裏を返せば、世間に迷惑にならないように事の最初から内々に秘匿隠蔽してしまえば――つまり関係者全員がグルになって口裏を合わせる緘口令言語統制さえすれば闇から闇へとなかったことにでき、悪いことをしたことにはならないという、まじないコトバ呪術により薄い表面だけ繕う絶対信頼に基く権力の決定的腐敗へと導く問題を始めから抱えている。

インフォームドコンセントどころの話ではない。死に至る病に対してのみならず、国家、組織の存否にかかわる危機的状況においても、実情と真実を何も知らずに騙されたまま偽りを信じて死んでいった方が「身のため」幸せとされるのである。
「知らない方が幸せ」「悲惨で醜悪な現実=真実を知るくらいなら、いっそウソ、美しいウソの方がいい、真実よりも美しい虚偽を選ぶ」痴人の幸せ、「真実を知ったもの、知りすぎた者には死んでもらう」これが日本における、一億総白痴化反知性主義、情報統制、隠蔽、虚偽報告の正当化の伝統とし現在も生きている。

「どうせ私をだますなら、だまし続けて欲しかった」 (「おんな心の唄」)

だまされているうちは、幸福なのである。

「知らぬが仏」

一つの嘘=バブルがシャボン玉のように弾けてしまったら一刻も早く

「誰かうまい、嘘のつける、相手さがす」(「そして神戸」)のは、だまされた被害者の方である。

破産した事実をそのまま国民に知らせるのは忍びない、生きる力、労働意欲を喪失させ、社会を混乱させるから虚偽を優先させ、うまい嘘をつき騙しておこう、儲かっていることにしようというのは、日銀短観大蔵省発表のやり方である。軍部主導の大日本帝国が亡びた時のように大蔵省主導のバブル経済そのものが底無しと言われている金融不良債権の額を真実・情報を国民に知らせぬ事でかろうじて保たれている偽りの信頼関係ではないか。科学技術庁動燃のナトリウム漏れ事故に対する秘密隠匿主義もこれとどこが違うか。この根底には生命のかかった病気についてすら医師が患者に真実を出来るだけ知らせないでおくのが人間的で良いとする、日本の反インフォームド・コンセント偽りの信頼関係を自ら選択する「知らぬが仏」、「民は由(依)らしむべし、知らしむべからず」(論語8・9)の強力な文化伝統がある。「誰かうまい嘘のつける相手さがす」のは被害を受ける側の方だからである。

ではこうも言えるのではないのか。

放射能漏れ、被爆した事実をそのまま国民に知らせるのは忍びない、生きる力、労働意欲を喪失させ、社会を混乱させるから虚偽を優先させ、うまい嘘をつき騙しておこう、安全に稼動していることにしようというのは、動燃発表のやり方である。

10月17日「もんじゅ」のナトリウム漏れを起こす原因となった温度計以外にも、130本中実に22本の温度計に、問題があることが調査により確認された。その内訳は

3本……設計ミス

1本……使用データミス

18本……強度不十分

とされている。

11月15日には「ふげん」から重水50cc漏れる事故が発生したかと思えば、11月20日にはウラン鉱石からレーザー光線によってウラン235を取り出す研究をしている日本原研(日本原子力研究所) 東海研究所ウラン濃縮研究棟原子蒸気実験室において、午前1時15分ごろ粉末ウランガ酸化して発火したとみられるウラン発火事故が起った。

入り口付近に置いてあった 直径約30センチ、高さ約50センチの低レベル放射性廃棄物保管用紙製バケツ十数個が燃えており、東海村消防本部と原研職員が砂と水をかけて消火にあたり3時40分、鎮火した。

これらの紙製バケツは放射性物質を扱う管理区域内で使った手袋や天然ウランのくずをふき取ったぞうきんなど可燃性廃棄物を一時保管する容器で火災現場にあった20個のほとんどが燃えていたという。

 この4日間に実験室から使用済みウランを取り出す際に生じたウランくずは、、核燃料保管庫に収納することが法によって定められているが、20日に収納する予定で部屋に置いたままだった。

 紙バケツのそばには、実験装置から取り出したウラン入り金属缶11個が置いてあったが、そのうち1個のふたが開いていたという。


幸いこの火災事故は大事に至らず、被爆の事実や放射能漏れもなかったというが、科学技術庁への通報は1時間遅れ、地元関係には2時間遅れが生じた。

日本原研では'89年5月にも、核燃料貯蔵庫で天然ウランくず入り容器が自然発火する同様なウラン発火事故も起っていたという。


原研は11月28日、事故報告書を県や村に提出した。 asahi.com11月29日付けによれば、

 報告書では、密閉されたステンレス製容器内に入れてあったウランくずが何らかの原因で発熱し、圧力が高まって噴き出し、近くにあった低レベル放射性廃棄物入りの紙製容器上に散らばり発火した、と推定している。発火元と見られているステンレス製容器に入っていたウランくずだけが、ウラン濃縮試験装置を解体する際に冷却水でぬれたことも確認されたとしている。原研は、水が発熱反応にかかわった可能性もあるとみて調査している。

という。つまり、ウランが水と反応して発火した可能性を認めたということだ。


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