林檎は食われて生き残るか?
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IE4.0体験記はこちら。
| 全般に渡る最新資料として、毎日Daily Mail Computing、ZDNet News Page Oneは有用。特に後者は、ここで挙げたDEC Alphaから撤退記事(10/28バックナンバーも閲覧可)はもちろん、米司法省 vs.MS,Sun vs. Microsoft,IE 4.0リリース,Appleクローン戦略など大きな問題にはまとめて特集を組んでいるので参照されたい。 |
| 1997年9月16日火曜日作成 | 1998年11月24日火曜日更新 |
8月7日、ビッグニュースが飛び込んで来た。
Apple社戦略アドバイザーのスティーブ・ジョブズが5日から米ボストンで開催されているマックワールドEXPOの基調講演で発表したところによると、マイクロソフトが、経営上の危機を迎えていたアップルの株を大量に購入(1億5千万ドル)し、会社を資金援助救済する代り技術提携するというのだ。
毎日Daily Mail
Computing配信によるその米6日発表提携内容は次の通り。
1)マイクロソフトは、マックプラットホーム用の「マイクロソフト・オフィス」製品群、インターネット・エクスプローラ、その他のツールを将来バージョンとして開発、出荷する。(今後5年間)
2)アップルは、マイクロソフトのインターネット・エクスプローラをマックOSにバンドルし、将来のOSのデフォルトブラウザーとする。
3)両社は広範な相互ライセンスを行い、マックプラットホームの先端技術部分で、より密接に協力していく。(今後5年間)
4)アップルとマイクロソフトは、Javaバーチャルマシン、その他のプログラミング言語でそれぞれ互換性を保証するため技術面で協力する。
5)マイクロソフトは、アップルへのサポートとして、アップルの議決権のない株式を取得する形で1億5000万ドルを出資する。(マイクロソフトは3年間は株式を他に委譲しない)
****
現在世界市場での基本OSソフトシェアは、マイクロソフトWindows(いわゆるMS-DOS)96.5%に対して、Mac OS 3.5%とその危機はかなり以前から囁かれていたものだが、伝説の人スティーブ・ジョブズも復帰し一時持ち直しているとも聞いていたのでここまでやるとは思わなかった。今回彼と共に、MSの宿敵、ラリー・エリソンOracle会長・CEOが人事交代に伴ない役員に参画したというのが面白い。
ジョブズは、暫定だがAppleのCEOに就任したらしく、良くも悪くも、一社の中でエリソン&ジョブズ&ゲイツという信じられないような個性の激突する呉越同舟力関係の行方が今後のApple経営に大きく顕れてくることだけは間違いない。(ジョブズが要のバランス役だろうが)(後記)
下手をすると今後の世界PC市場はマイクロソフト一人勝ち吸収合併の連続になるかもしれない。
私は一年程前のDOS/V購入計画時点から、「何故Macを選ばなかったのか」という一文でMacの不利と危険性を書いていたので「なるほどな」と思う程度だが、古くからのMac信奉者はこれにはショックだろう。
以下にその文を無修正で再録する。(青字強調だけは現在付けたもの)
96秋の時点で何故わたしがMacを選ばなかったのか
A.Macは意図したのではないにせよ、結果的に競争相手や、他へ乗り換える選択の余地のない一メーカー独占(独創?)市場となっている。これは私の日頃言行で示している主張に反する。
すなわち一度Macを買ってしまうとDOS/V機のような複数メーカーからの選択、互換性がなく(日本では最近わずかながらアキアなどMac互換メーカーが現れたがDOS/Vの比ではない)、プリンタ、ノートPC、PDAなど他周辺機器マルチメディアの選択枝及びパーツの交換拡張性、自作の可能性にも劣っているか欠ける。
Mac同士の価格競争もないのでオープンプライスとはいえ、全体に同レベルのDOS/Vより価格帯が高いわりに新技術モデルチェンジ投入が遅れ、ひとたびMacが生産停止あるいは倒産すればMacメディアを抱えて個人ユーザーは路頭に迷う。事実Appleは'96上半期までにどん底の株価をつけていた。アナログで行くNHKのハイビジョンも、VHSに対抗してβ方式に固執しDVDでも苦杯をなめたソニーの二の舞を演ずることはないとは言い切れない。
互換機については、アメリカで代表格クローンとも言われたパワー・コンピューティングが今年'97年9月2日、OSライセンス問題がこじれてAppleに買収され、パワー・コンピューティング社はWindowsメーカーへと転身したかと思えば、11日にはMacの心臓Power PCの供給元であるモトローラが、Mac互換機ビジネスから撤退すると発表、残るは台湾に親会社のあるUMAXだけになってしまった。
'98年2月2日の毎日Daily Mail Computingによれば、このパワー・コンピューティング社は資産を売却し廃業を待つばかりという。
UMAXには8日、Mac OS8のライセンスが与えられることになったが、IBM PC/AT互換規格プラットフォームに相当するMacのCHRP(Common Hardware Reference Platform)ライセンスは含まれていない。 アジア市場でなら本家のシェアと食い合うこともなさそうだからということらしい。
このアメリカUMAXから、'98年1月6日、200MHzのPower PC604e、32MBメモリ、3GBHDD、24倍速CD-ROM、10/100Base-Tイーサネット、Matrox Mystique220 4MBを搭載したビジネス向けMac互換機Super MacJ710/200が1595ドルでこの2月に登場すると発表があった。
日本での古くからの互換機メーカー、パイオニアでさえ12日までに、MacからのOS8ライセンス許諾が遅く痺れを切らした格好でOS8搭載CHRP互換機の発売を来春に延期したという事態にまでなっている。
市場原理に反してまでに自社OS公開ライセンス許諾を拒むその世界互換性への「頑なさ」こそ、Macが自らの首を絞め経営を苦しくしている当の原因なのでないか。
独創的な芸術家、孤高の職人気質は、インターネットコンピューティングのような地球規模通信メディアの世界においては残念ながら、アナクロニズム的なマイナス要因としてしか働かないのである。
これで互換機さえ出していないが、OpenDoc、CHRPで技術提携しているIBMまで手を引くということになったら・・・。(後記)
そしてついに10月8日には「マックOSのライセンス供与問題で、米アップルは8日までに、米IBMとパイオニアに対して、マックOS8のライセンス供与を拒否。IBMとパイオニアのマッキントッシュ互換機市場からの撤退は決定的になった。」との報道が入った。
'97年1月に参入したばかりのアキアは「マック互換機からの撤退は考えていない。IBMが撤退するのを受け、現在アップル本体、またはユーマックスとの交渉を行う方向で検討している。11月中には何らかの方向性をユーザーに説明したい」(9日発表)とのことだ。(後記)
この部分を書くにあたって、毎日Daily Mail Computing中の記事を参考・引用した。特に、関係各社にリンクが張られてあって直接調べられる'97・8月7日(ジョブズの基調講演英文全文にもリンク)、9月9日、12日、10月8日付けのバックナンバーを見ることをお勧めする。
Appleのライセンス問題についてより詳しい内部事情が、ジョブズ自身の社内E-メールからどういう経路なのか「ジョブズメモ」としてリークされ、ネット上に公開されている。(ZD Net MacWeek SEPTEMBER 5, 1997 )
それによれば、Mac OSをクローンメーカーにライセンスする絶好の機会が1980年代後半に存在したのにかかわらず,これを逸したことが現在でもAppleに「亡霊」の如くつきまとい後悔しているとのことだ。
しかしどう見てもこうしたリークはルール違反なので、これ以上の言及は避ける。
また現在のAppleという会社の経営状態を知るには、次の「世界的に信用の高い」アメリカの格付機関スタンンダード&プアーズによる、10/17日付けの評価が参考になろう。「ひとたびMacが生産停止あるいは倒産すればMacメディアを抱えて個人ユーザーは路頭に迷う。」というのは杞憂ではない。片や、MSはといえば今年もゲイツが世界長者番付一位になったそうだ…いやはや。
(以下 注)も含め「Macお宝鑑定団」 10/23記事より引用)
前回B→今回B-
会社格付けB→B-
無担保優先債CCC+→CCC
劣後債アウトルック:ネガティブ
注)格付けは対象会社が発行する社債の償還能力を示す一つの意見です。ちなみに「B」(シングルBフラット)は将来的に会社がつぶれる可能性が非常に高いという段階で、マイナスがつくと更に悪いです。「CCC」(トリプルCフラット)は殆どその債券の元本が返ってくる可能性はないという意味です。
その後の発表を見ても'97年12月11日 報道では、
インターナショナル・データ・コーポレーション(International
Data Corporation)が今週発表した、第3四半期のパソコン出荷台数の最終報告によると、アップルは米国での市場シェアで5位から8位に転落した。IDCはこれを、人々がアップルの未来に懐疑的になっているためとしている。
CNET BRIEFS NEWS.COM「アップルのシェア、またも縮小」
世界市場では、Appleは'96年の全体で第4位、5.5%のシェアから、第9位、3.3%に、アメリカPC市場においては'96年第3四半期の7%から'97年同期の4.4%にそれぞれ下落した。アメリカ市場全体は約20%の成長を遂げているにも関わらず、Appleの出荷台数は1996年第3四半期の49万台から1997年同期の36万5000台に減る26%の落ち込みを記録した。
世界的に見れば、市場全体では16%成長しているのに、Appleの出荷は前年同期の93万9000台から64万8000台と31%の減少だという。云々、云々、まさに目を覆いたくなるような惨状だ。
Appleの名誉のためにも、ここに、'98年1月6日発表による、5四半期ぶりの黒字決算があったことを報告する。この4500万ドル以上の利益は、粗利益率の向上とリストラによる経費の節減、13万3000台が出荷されたPower MacG3シリーズ、オンラインApple Storeの好調などによるものだという。
B.Macに一日の長があるプロ仕様のDTP、CAD印刷グラフィックス、3DCGのような優位性は、いずれ崩れて来るのは時間の問題である上、未来のPCの命運を分ける、汎用性互換性のある通信におけるDOS/Vの優位性には置き換えがたい。
すでに独壇場であったAdobeシステムズのソフトやフラクタル・デザインの人体3DCGソフトPoserがWindows対応版で出ている他、STRATA STUDIO PROのような高度な3DCG作成ソフトに対抗するWindows NT用の3DSTUDIO MAXも既にある。これから現れるMMX技術でDOS/V側がこの分野でだけおとなしくしていると思ったら大間違いだろう。
常に二番手から始めるが、そのうち創始者よりuniversalな構想を打ち出すことによって、トップの座を奪うと言うMS戦略は、巨人IBMに対するDOSやUNIX、OS/2の時から変わらない。
AppleのMacについても今や追いつき、OSはもちろん、そのCopland、Cyberdog、OpenDoc構想は完全にNTとI・Eとが追い越している状態である。Cyberdog、IBMも加わっているOpenDocについては、サポートはするが今後の開発ヴァージョンアップは中止と、Macの方から投げ出した格好である。
Internet WWWブラウザ競争でもI・E3.0は先行のNetscape Navigator3.0に追いついている。I・E4.0が追い越すのは目にみえている。
なぜならコンピュータで重要なのはハードではなくソフト、特にネットワークソフトであることを、MSはその社名が表すように誰よりも知っており、Cairoへ至るNTはUNIXを差し置きそれを握る唯一の鍵だからである。
(中略)
こうした捉え方は結局、未来のPCネットワーク社会構想へと我々を導く。すなわち、将来PCがどのような形になろうとも、社会から孤立したものは滅びざるをえない。MSはそれを最も意識したからこそ成功して来たし、これからの成功もそれに懸かっているといえる。
(中略)
このWintel連合Cairo構想に対真っ向から対抗するMac版が、鼻息の荒いOracle(ラリー・エリソン会長)を中心としIBM、Sun Microsystems、Netscapeも加わったいわゆるNC(Network Computer)連合である。
すなわち、Netscape NavigatorとJavaだけをコンテナプラットフォームとして後はすべてのプログラムをネットワークからダウンロードするMac 500ドルPCをNetwork Computerの中心に据えることによって、Cairo勢の浸透を食い止めようとするものだ。もちろんこの構想はOSをMacだけに問わないことによって、Cairoを駆逐してしまう可能性も秘めている。
Macの長所と言われて久しいソフトにおける独創的な芸術家、孤高の職人気質は、それが美術デザインCG関係ユーザーの熱い支持(ジョブズ講演によれば80%のシェア、学校教育分野でも強く60%)にも繋がっていたのだが、インターネットコンピューティングのような地球規模通信メディアの世界においては残念ながら、アナクロニズム的なマイナス要因としてしか働かないのである。
私としては密かにWintel連合に対するこのNC連合の巻き返しを予想していたのだが、事態がこうなるとMSの世界戦略通り、Mac OSはもちろんだがNetscape Navigatorも、Javaはおろか、デジタルプラズマTV、ネットフォン、ゲームもすべてUniversal基準コンテナプラットフォームとしてのCairo=Sweeper(WindowsNT5.0、I.E5.0、ActiveX、MMX、DirectX)テクノロジーサーヴィスの中の一つの選択可能なプログラムにsweepされて呑み込まれてしまうことになりかねない。
もちろん、NCJava連合の底力を怖れたからこそ、MSが将来のシェア保持、獲得のための対Mac布陣を今から打っておく必要があったという、まったく逆の見方も出来るわけである。
とにかく、この提携2)によると、今後Macのマシンにはすべて、無償のI.Eがデフォルトブラウザとしてバンドル販売されることになっており、いわゆる、NetscapeとMSの2大ブラウザ戦争はこれで決着がついたといって良いだろう。I.EにはそれまでのNetscapeユーザーの貴重なリソースであるブックマークを、乗り換えやすいように、そっくり「お気に入りメニュー」にインポートして取り込む仕掛けまでつけられているのだ。
この点について、'98年1月6日のMacOS8.1マイナーアップグレードと共にアナウンスされたマックワールドエキスポでの新展開によると、今回提携によるデフォルトブラウザーとして搭載されるのはIE4.0ではなくて、IE3.01であり、同時にNetscape 4.04も添付されるという。
MSが開発し、これまでβ版だったMac用IE4.0は、司法省との裁判で係争問題がこじれている状況も反映してか、Mac OS8.1への搭載には間に合わなかったようだ。同日発表した最終版IE4.0はMSサイトからダウンロード可能になっているとはいえ、Macユーザー市場はこのままだと当初予想とは違い、かなりNetscapeに水をあけられそうだ。
Mac用IE4.0は、MSにより'98年2月18日から無償配布された。
問題は
提携3)両社は広範な相互ライセンスを行い、マックプラットホームの先端技術部分で、より密接に協力していく。(今後5年間)
である。
これからだけでは何とも即断できないが、やがてI.EはブラウザとしてはOSの中に――多分、MacOSの内部にさえも??――コンテナとして吸収消滅することによって、ブックマークを取り込んでしまうように、どのマシンを買おうがユーザーはそれと気づかないうちに大気の如くMSコンテナに取り込まれてしまうかも知れない。
提携4)アップルとマイクロソフトは、Javaバーチャルマシン、その他のプログラミング言語でそれぞれ互換性を保証するため技術面で協力する。
UNIXを基本プラットフォームとしてきたJavaについてもこれと同様に、Sunからそのライセンスを受けたMSが自社の対抗馬ActiveXテクノロジーの中に吸収してしまう戦略を敷いていると聞く。インタープリタ言語のJavaがプラットフォームを選ばない代りに必然的に持つ欠点である処理速度の遅れを、NT始め各プラットフォームに特化したコンパイル言語のActiveX+I.E上で稼動することで飛躍的に向上させようというのだ。
133MHzの同じ環境ではIE上のJavaは、NC上のJavaのおよそ10倍の速さで稼動するという。
MSはコンテナとしてJavaではなくDynamic HTMLを選んだのだともいわれている。
これについては、Sun Microsystems側が、自社で定める100%クロスプラットフォーム互換(自称世界)標準規格Pure Java(100%Java キャンペーン;コーヒー市場の争いみたいだが、これにはIBM、Netscapeも噛んでいる)を含むライセンス契約をした117社中、ただ一社だけ誠実に履行していないものがある。それはMSのI.E4.0とJava用ソフトウェア開発キットSDKJだ、(これらが上述のMS戦略からは当然と言うべきか、互換性テストにパスしなかったらしい)としてこの10月7日に提訴に踏み切った経緯がある。
10月28日にはMSがSunに対し逆提訴した。
この闘いは、Macの存亡どころではない。無償バンドルでOS毎に開発配布普及するMS I.Eコンテナとクロスプラットフォームで浸透するJavaとの世界ネット市場制覇のかかった一騎打ちなのだ。食うか、食われるかである。
ここに浮かび上がってくるのはMicroSoftSとSun Micro,すなわちMS vs. SMの構図である。
むしろ、MSはこの対Java戦略をにらんだ上で弱体化したAppleを取り込もうとしているともいえるのである。
この予想を裏付ける動きが'98年3月11日に相次いで現れた。MSとAppleとの間に交されたこの提携により、MacOS用に今まで別々に開発されてきた‘Java
VM’を統一するというのである。この変化による最大の目的は、JavaアプリケーションからOSのネイティブサービスを呼び出すためのMSのAPI「J/Direct」が組み込まれることであり、ここにおいて私の書いた通りJava高速化が実現される代りに、クロスプラットフォームPure
Java連合の楔をなす重要な一角が、崩されることになったのだ。
98/3/12毎日Daily Mail
Computingは次のように論評した。
Javaをライセンスしている米サン・マイクロシステムズは、Javaの互換性を維持するため「100%ピュアJava」キャンペーンを展開している。しかし、マイクロソフトは一貫して、「Javaは単なるプログラミング言語で、互換性は重要でない」という姿勢をとり続けている。このため、サンはマイクロソフトの動きをJavaの統一性を損なうものとして、マイクロソフトを商標権の侵害で訴えている。
現実的にJavaの実行環境の圧倒的多数はパソコンであるため、「J/Direct」を使った高速なJavaプログラムがウインドウズとマックOSで動作するようになれば、開発者は「J/Direct」を選択するようになりそうだ。Javaをウインドウズ専用の開発言語として取り込み、自らのコントロール下に置こうというのがマイクロソフトの狙いとみられる。
(ボールド引用者)
さらに、'98年3月24日にはHP(ヒューレット・パッカード)もSunとは独自に家庭組み込み機器用JVMを開発し、MSがこのライセンスを受けWindows
CE用にサポートすると発表した。
ZDNet News'98/3/25 JavaSoft社長が語る“HP問題”トップ会談はそれほど有効?を参照。
ここに、下に述べるようなMac、Unixまでを取り込むシトリックスの「ウィンフレーム」拡張が加わるのである。
また
98/3/12asahi.com Silicon Valley Report によれば、
Windows用のJava開発ツールロスで開催のインターネットワールドで発表
asahi.comリポーター 岩切 勉(ロサンゼルス)
米マイクロソフトは米時間の3月11日、ロサンゼルスで9日から開かれているスプリング・インターネット・ワールド98で、ウインドウズ用のJavaプログラムを簡易に行える開発ツール「VisualJ++」を大幅にバージョンアップさせた次期バージョン「VisualJ++6.0」のベータ版と、ウインドウズ固有の機能を呼び出すための新クラスライブラリー「WFC(Windows
Foundation Class)」を発表した。
同社によると、開発者はビジュアルなインタフェースでプログラムを作成できるため、開発期間が大幅に短縮できるといい、ウインドウズ・プラットホームの力を最大限引き出すことができるとしている。ベータ版は、同社のウエブサイトからダウンロードできるようになった。
また同時に、ViewSoftなど数社がWFCのライセンスを取得していることも発表された。
Javaは、サンマイクロシステムズによって開発され、一度書けばどのマシン上でも動かすことができることが売り物の言語。今回発表のツールを使うと、ウインドウズ固有のファンクションを呼び出すことができるため、ウインドウズ上では高度な機能を盛り込んだり、高速動作するプログラム開発が可能になるが、他のOS上では動かないJavaプログラムができる可能性が出てくる。
サンはこれまでも、マイクロソフトの製品の「Javaの互換性」を問題にし、法廷での争いが続いている。今回の発表で、サンとマイクロソフトのJavaをめぐる争いがさらにエスカレートするのは必至だ。
***
この件に絡み、米サンノゼ連邦地裁で'98年3月24日に、'97年10月からSunのJava商標権訴訟で訴えられていたMSに対し「Java互換」ロゴ使用禁止を命ずる仮命令が出された。これによってMSはIE4.0、及び(上にも記したSDKJ?)Java用開発キット、Webサイト等で“100%
Pure Java”互換ロゴが使えなくなることに同意し、実質的なSunの勝訴となった。
この決定は私のようなMS寄りの者から見ても妥当なもので、明らかなライセンス違反の次元であるからそれ自体特に問題ではない。ロゴが使用できないからと言って、上述のMS戦略には何ら影響しないとすら言えるからだ。一旦JavaがIE+ActiveXコンテナに取り込まれてしまったら最後、Mac OSにも食い込み100%に近いPCシェアを誇るようになったWindows勢にとって100% Java互換性は元々必要ではないのである。Javaそのものが使用禁止、ライセンス取り消しになるというのでもない限り・・・MSは「ロゴを捨て、シェアを取る」であろう。
ZDNet '98/3/25 Anchor Desk Javaが勝てる分野,必ず負ける分野 を参照。以下の仮命令は、ある意味でMSの望むところに行き着いたものと言えよう。
毎日Daily Mail Computing98/11/18 サンのJava訴訟で、マイクロソフトに製品修正命令
Javaの使用にあたり、米マイクロソフトが商標権を侵害しているなどとして、米サン・マイクロシステムズが提訴した裁判で、米連邦地裁サンノゼ支部は17日(米国時間)、マイクロソフトに対し、同社のJava利用ソフトを90日以内にサンの互換性テストに合格させるよう求める仮命令を出した。マイクロソフト側はこれに対し、受け入れを表明した。
Macのインターネット戦略の根幹を成すはずだったCyberdogは中止に追い込まれたらしい。
これによってAppleはMSに食われてしまうという反応も出たようだが、答えは、一部はそうであるが、一部は違っている。
MS細胞に食われエデンの園からでることによって、運動性ミトコンドリアの如くMacは生き残るのだ。旧知の仲のビル・ゲイツに対しAppleを救うためスティーブ・ジョブズの方からこの提携を持ち掛けたという感触さえある。株を購入したとはいえ、議決権を持たないことにより、MSがMac OSそのものを改変することは出来ない。
ある意味では、MSのOffice関連の技術提携(Mac Office 98)を受けるため、自社経営を含めてビジネス面に弱点を抱えていたAppleの方が有利な取引をしたともいえなくはない。
いってみれば、Mac OS、Netscape Navigatorも、Java、(デジタルプラズマ)TV、ネットフォン、ゲームもすべて亡びはせずにMS Cairo=Sweeperの一部として取り込まれ生き残る可能性すら出てきたのではないか。今回の株式取得、技術提携は、だからその表立った動きの始まりを告げる第一歩にすぎないと見るべきだろう。
いわばMSはこれらの会社、メディア、ソフト、プログラムとは根本的に一つ上のレヴェルに君臨し規格統合する管理者的存在(喩えAppleサイドから悪の帝国、‘Big Brother’と言われようが)となるのである。MSの統合、傘下のもとにこれらの会社の個性が生かされ、そのなかから一つを選び出すのはエンドユーザーの指向と意志にかかるという時代になるのだ。
| 〔追記〕シリコンバレーの方では、AppleはMacにおけるWindows
NTの稼動を目論んでおり、そのためCPUもモトローラのPowerPCを見限り、Pentiumを採用するというまことしやかな噂が流れている。MSのつぎ込んだ1億5千万ドルはそのための研究開発費用だというのである。が〜ん! Macweek Online 98/5/20 Windows NTを動作させることができるプロセッサボード「OrangePC
550」 しかしもしこの話が本当なら、IEがデフォルトバンドルされ、Windows NTの動くPentium Macというのは旧Macユーザ-の引継ぎ救済に役立ち、結果としてMSの独占体制をさらに強めることになるという以外どこにその存在意義があるのだろうか??? |
アメリカを代表する三大ネットワークTV局の一つ、NBCはすでにMSと組んで、‘MSNBC’というデジタル・高品位TV(Digital HDTV)ケーブル放送を目指した取り組みを開始している。アメリカでは'98の末までに、Digital HDTVが本格放送に入る準備が急ピッチで整えられつつある。
日本では'94年郵政省の江川放送行政局長による「世界の流れはデジタル方式」との見直し発言――一夜にして撤回――で大問題になったNHKの先行アナログ方式ハイビジョンが却ってそのアナクロ足枷となり、当初予定通り放送衛星BS‐4の寿命が切れる2007年へとアメリカの10年程遅れにされていた。
デジタルマルチメディアの世界で10年の遅れは致命的である。
'98年1月8日からアメリカで開催された家電業界の明日を占うCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)においても、ケーブルTVのアメリカトップ、TCI網SetTopBox(STB)にWindows CEが搭載される見込みが明らかにされた。STBというのはケーブルTVの端末受信部に当たるケースで、これにより将来アメリカの家庭で500万台以上がWindows CEにより将来のインターネットなど双方向多チャンネルマルチメディアデジタルコンテンツを享受することになるという。
これに対して、ライバルのSun Microも9日、同じくTCIがSunのPersonal JavaをSTBに採用、650万から1000万台に普及するはずと伝えたばかりだからまさにここでもMS vs.MSの熾烈な闘いが繰り広げられている。
'98年1月14日には、秋から開始される郵政省主導の日本のデジタルTV地上波放送実験に、トヨタと、MSが参画を表明した。トヨタは、カーナビに止まっている現状から、高度道路交通システム(ITS)などの情報通信技術はもちろんTV放送、wwwまでの「移動体向け放送」を車に取り入れて行こうとする戦略の一つとして、言わずもがなのMSもPCとTVとの融合を推進する実験段階から入ってくるとなると、迎え撃つ東京、大阪、名古屋など地元民放とNHK、電機メーカーなどで造る「実験実施協議会」もうかうかしていられない状況だ。2000年が実用サービス開始の目処である日本の市場はその頃どうなっているのか。
'98年1月8日からアメリカで開催された家電業界の明日を占うCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)においても、SMのスコット・マクネリ会長とMSのビル・ゲイツ会長共に自動車に搭載する小型移動PCを紹介、この市場でも争う構えだ。SMはもちろん、Javaベースの‘Network Car’、MSはWindowsCE2.0ベース;音声コマンド;無線通信可能の‘AutoPC’である。AutoPCはこの8日、さっそくクラリオンがそのプロトモデルを発表し、アメリカで6月に1300ドルで販売予定という。
このような家電業界展示ショーでの基調講演にまでSMのスコット・マクネリ会長とMSのビル・ゲイツ会長が現れ、互いに火花を散らすのが何ら不思議とは思われないという時代に我々は生きているのである。
日本のデジタル衛星通信、放送業界では、衛星Superbirdによる法人向け衛星通信サービスの「宇宙通信株式会社SCC」(DirecPCシステム運営;DirecTVを'97末に予定)、個人向け衛星通信「日本サテライトシステムズJSAT」、この秋1周年を迎えた日本衛星放送のパイオニア「日本デジタル放送サービスPerfecTV!」(PerfecPCサービス開始で通信分野にも進出予定)が揃ってWindowsでサービスをしているが、MacOS対応については未定か検討中という返事が返ってくるという事情は、何を意味するかいうまでもあるまい。
一方、L・マードックのオーストラリア ニューズ社、孫正義のソフトバンクが中心となり設立、後から加わったソニー、フジTVも均等出資経営のBS「J SkyB」では、'97年12月25日、社長にソニーの卯木肇会長が就任することに内定、ソニーも出資しているPerfecTVとの合併交渉の進展も絡んで、経営はソニー主導で行われる可能性が強くなってきた。孫正義は非常勤取締役になるという。
J SkyBが'98年春に進出を予定しているCS業界は、これによって既存のDirecTV、PerfecTVと合わせた3社で300チャンネル前後の競争になると予想されていたのだが、J SkyBとPerfecTVの合併交渉が順調に進めば、業界再編の鍵をソニーが大きく握ったことになる。
’98年2月3日、このPerfecTVとJSkyBとが年内4月を目処に合併すると発表、5月から本放送に入るという。合併後の社長にはPerfecTVの三田宏也社長が就任、会長にJSkyBの卯木肇社長が就く。
この合併したSKY
PerfecTVは'98年5月1日から放送を開始した。
あるいは規制緩和で国際通信市場進出を控えTelligentと提携したNTTもそうだが、先ごろ国内電話事業者シェア3位の日本テレコムが国際電話のITJと合併したりと、その21世紀情報化に伴なう業界再編成に向けての生き残りをかけた動きは急速に早まってきているといえる。
11月11日には2位のKDDがトヨタ系列の日本テレウェイを吸収合併するとの発表があり、同日、アメリカではMCIとWorldComが史上最大の規模で合併しAT&Tにつぐ第2位の地位を獲得したと報じられた。(後記)
例えば、政府からの価格設定等規制を受けない特別第二種電気通信事業者であるリムネットが開始したインターネット電話「リムフォン」は、現時点においてすら、国内通話3分60円(以降20円/分但しサービスエリアは札幌、東京、横浜等6ヶ所及びその隣接地域に限定)、対アメリカ、カナダ全域国際通話3分90円(以降30円/分)と、これら既存電話業界の21世紀目標を先取りした低料金を実現しているのである。
'98年2月5日、上記合併をしたWorldComが自社通信設備を保有して事業展開する「第一種電気通信事業」の認可を郵政省に申請、国内と国際通信サービスを日本で提供すると発表した。またイギリスのブリテッシュ・テレコム(BT)およびカナダのテレグローブも近く一種免許の取得を申請する予定といよいよ、外資通信事業の日本上陸進攻が音を立てて開始された。
PCディスプレイにもできるプラズマTVについてはNECが'97年2月に「プラズマX」(型名PDC-42V1)を発売、この12月から'98年2月長野オリンピックに向け矢継ぎ早に、42型(厚さ89mm)、33型(ディスプレイ)、50型新モデルPXシリーズ発売予告し業界トップを狙っている。
家電業界、電話通信放送事業者はPC業界特に、MSの動向を無視しては一歩も動けない試練の時代なのである。
CESような家電業界展示ショーでの基調講演にまでSMのスコット・マクネリ会長とMSのビル・ゲイツ会長が現れ、互いに火花を散らすのが何ら不思議とは思われないという時代に我々は生きているのである。
(後記)
おそらく生き残るためにゲーム業界とNINTENDOもそういう選択枝を取らざるを得ないだろう。
さらに私の「このPCの履歴と記録2」脚注1から引用すると、
但し最近は(MSは)任天堂と提携を結び日本進出を図り、DirectX技術によって、ただ一つだけ日本に奪われているゲーム産業分野でのシェアを一挙に制覇しようと狙っている。
業界の時代は明らかに、任天堂(NINTENDO64)、セガ(Saturn)、ソニー(Play Station)の3社間に全く互換性の無い玩具メーカー製造のゲーム専用機競合から、高性能化コストダウン著しくインターネット対戦も出来る3DゲームPC(PC97規格で150MHz以上のシールドケース、MMX3Dアクセレーション、家庭用テレビ出力MPEGU、USB、IEEE1394対応EntertainmentモデルいわゆるEPC97として発表されたもの、MS Wintel連合はこの後継にMac NC連合のNetwork Computer 500ドルPCに対して、より家電に近いSIPC〈Simply Interactive PC〉を予定している)に向かっているが、その鍵を握るのがハードに関係なくどの会社のゲームソフトでも稼動できるWindowsのDirectX及びインテルのMMXであることをマイクロソフトは知っているのだ。
若い才能を集めた人気ソフトクリエイト会社がこれら玩具メーカー3社からPC対応へと動き、ひとたびこの流れが起きてしまえば、ゲーム専用機は駆逐され自動的に日本はおろか世界のゲーム市場はすべてMSの手中に落ちてくるのである。
この動きに対抗しようとするのが先ごろ行われたセガとインターネット端末PiPPin at Markを持つバンダイとの合併であり[これは直前になって突如解約された(後記)]、Wintel連合Cairo構想に対真っ向から対抗するMac版が、鼻息の荒いOracle(ラリー・オルソン会長)を中心としIBM、Sun Microsystems、Netscapeも加わったいわゆるNC(Network Computer)連合である。
すなわち、Netscape NavigatorとJavaだけをコンテナプラットフォームとして後はすべてのプログラムをネットワークからダウンロードするMac 500ドルPCをNetwork Computerの中心に据えることによって、Cairo勢の浸透を食い止めようとするものだ。もちろんこの構想はOSをMacだけに問わないことによって、Cairoを駆逐してしまう可能性も秘めている。
おそらく今後の3Dゲーム市場は、Macの出る幕はなく、どちらにせよQuake等で良く知られたゲーム専用エンジン搭載DOSあるいは一般には速度を上げたDirectX+Windows勢がコンシューマゲーム機市場に侵入してくるであろう。(DirectXには未だ互換性という面でかなりの欠陥があるが。OSのメインストリームはやがて消え行く16bitWindows95-98ラインから、ゲームにおいてすら32bit以上のWindowsNTベースにシフトしてこよう。)
これはゲームだけに限られた指向ではない。単にゲームが一般のPCソフトやハード革新普及の先陣を切ることが多いというだけだ。なぜならば、ゲームの本質は‘シュミレーション’であり、万能シュミレーションこそコンピュータの本質だからである。Mac十八番の静止画像のCG制作よりも、ハイエンドサーバ機による科学技術計算を含めて、瞬時に画像をアニメイトさせるリアルタイムシュミレーションディスプレイ表示こそがPCの本領なのである。そしてこの道を進んでいるのがDOS/V機なのである。
10月24日には、intelが、PentiumUベースでアーケードゲーム機市場に参入とのニュースが入った。
サッカー、フライトシューティング、ドライブ、そしてお待ちかねQuakeの4機種である。
標準化の結果、1台のマシンに複数のゲームをインストールできる▽同じハードでゲームの入れ替えが可能▽インターネットを使った対戦ゲームが可能▽パソコン用ゲームへの移植が簡単に出来る
等の利点を持つという。
インターネット対戦もできる最新ゲームソフトがデジタル通信衛星から直接家庭用端末シールドPC=マルチプラズマTVに電波でダウンロードされ、決済は電子マネーで支払われる事になる日も近い。その時ゲームを受け、決済も可能にするセキュリティを備えたプラットフォームになりうるのはまたもや、インターネット通信戦略を欠いたMacではなく、DOSやI・Eしか有り得ぬことは明白である。
こうしたPC勢に対抗し、追撃をかわそうと任天堂は'97夏からスーパー、ローソン店頭において国内1600万台以上普及しているスーパーファミコンのゲームソフトを書き込み、リライトできる「フラッシュメモリーカセット」 サービス方式を始めた。しかし世界を相手に各ゲームメーカーの本格的3D対戦シュミレーションゲームが可能なNCやSIPCが登場したらどうするのか。
これを発展させたLawson
のマルチメディアステーション Loppi(MMS)は、流通業界端末の先端を切るものである。
一説によると、ソニーと任天堂の狭間で一人割を食ったセガがMSとのPC連携ソフト開発に動き出したとも言われている。セガの陰には、MSとは競合しないソフトバンクが控えている。巷では、'99年に登場するはずのセガは、一気にCPUに日立128bit ,グラフィックにはNECの新開発Power Vrを採用し、通信モデムも搭載する3万円以下のWindows CEベースマシーンとなる、などと囁かれている。但し未確認。(後記)
'98年1月23日、セガは、「セガサターン」の次世代ゲーム機をアメリカMSと共同開発していることを認める発表を行った。2〜3ヵ月先に正式発表が予定されているその機種は「ウインドウズCEをベースに開発、家庭用ゲーム機用ソフトとパソコン用ソフトの相互移植が容易になるという。後継機は情報処理能力は業界最高水準で、表現能力が大幅に向上するとしている。」というから、上述の噂は、かなり信憑性が高いということだ。
'98年5月21日、セガは、この予告されていたおおよそ噂通りのスペックを持つゲーム機‘Dreamcast’を正式に発表、発売は11月20日とした。
ZDNet
News 98/5/22 セガの“夢のマシン”はMSとWindows
CEにとって重要
'94年発売以来'98年1月には国内出荷が1000万台を突破し、家庭用ゲーム機市場で独走状態を続けるソニーのプレイステーションに、'98年1月20日、公正取引委員会から取引業者への値引き販売を禁じ、再販を制限した事に対し独占禁止法違反での排除勧告が出された。1月28日発表によれば北米地域でもプレイステーションの'97年10〜12月販売台数は380万台に達し、'95年9月に販売を開始してから出荷累計は870万台に達した。2月6日には世界売り上げ3000万台を突破、シェア過半数宣言をした。
毎日Daily Mail Computing98/1/30「中古ソフト巡り、”ハード”な闘い」 公取委がプレステソフト販売でSCEに排除勧告 参照。
そこへ、12月25日またまた、老舗の大手ASCIIが、'98年1月に95億7000万円の第三者割当増資を受けることを条件にCSK=セガグループ傘下に入るという業界再編のニュースが入った。'98年3月期には151億円の特別損失を計上するとも言われ、経営はかなり切迫していたらしい。
'97年5月に今をときめくバンダイとの合併交渉に失敗したセガとしては、ここで、ダービースタリオンなどで当てているASCIIのゲーム、撤退したとはいえこれまで蓄積したネットワーク事業ノウハウを取り込み、不調を一気に挽回したいところだ。
'98年3月13日セガは、'88年上場以来初めての決算の不振からアメリカ法人の再編による事実上のアメリカゲーム市場からの撤退を明らかにした。先月就任した入交昭一郎新社長の下で、自身がトップを務めていた米国市場での失敗から体制の建て直しを図る。
5月23日には、社外取締役として三枝成彰、秋元康、角川書店の角川歴彦社長、ベルシステム24の園山征夫社長の4人を迎える、と発表した。
MSを中核としたPC業界が、TV家電業界、ゲーム業界、通信放送業界あるいは、出版印刷新聞業界とそれぞれ連動することによって、PCに近いTV、ゲーム機に近いPC、電話無線通信機器に近いモバイルPC、三菱Pedionのような書籍に近い超薄型ハンドヘルドPCあるいはその逆のTVに近いPC…等々が商品化されてこよう。おそらくこうした商用端末機シェアにはWindows
CEが投入されて来るはずである。
CESような家電業界展示ショーでの基調講演にまでSMのスコット・マクネリ会長とMSのビル・ゲイツ会長が現れ、互いに火花を散らすのが何ら不思議とは思われないという時代に我々は生きているのである。
これに対するJava陣営も、'98年1月26日、SMがJava技術の包括的ライセンスをモトローラに対して供与することを発表した。Java技術をモトローラの製品に搭載することで、さまざまな機器をネットワーク対応にするとともに、モトローラの半導体製品、スマートカード、自動車向け機器、ワイヤレス機器、コンピューターなど、あらゆる製品にJava技術を採用、販売、配布し、組み込み機器、通信分野での経験と技術をJava環境に生かすことができるという。
'98年3月27日、サンフランシスコで開催中のJavaOne最終日にソニーが自社デジタルAV機器用として、SunからPersonalJavaをライセンスすると発表。この他、Sunはケーブルテレビ会社のTCI、スウェーデンの電話会社エリクソンなどとJavaのライセンスを結び、MSとの一騎打ちに備える構えだ。
'98年4月7日には、このソニーが、MSとのデジタル音響・映像製品の開発に関しての技術提携を公表、いよいよ家電とコンピュータ業界との連携は世界標準化へ向けて加速している。
こうした戦略を持つMSに答える形でいち早く提携を結ぶことに成功したソニーは、これによって、TV(PC-AVディスプレイ;WebTV用端末も含む)、カーナビ、デジタル携帯電話、カメラ、CD、電子ブックプレイヤー(データディスクマン)を中心とした情報家電、プレイステーションという世界No.1コンシューマゲーム機、J SkyBとPerfecTVを取り込んだCS・BS放送、一時出遅れたが現在好評なVaioブランド始めとするPC、DVD、HiFD等周辺機器メディア製品、若年層に一番人気のwwwプロバイダSo-net、そして今回のネットワークPCの独占的巨人MSとの提携と、未だ流動性が高い電子マネー以外の主要な点を押えたことになる。
このソニーのデジタルメディア攻勢にたまらず、松下電器産業も'98年4月1日、今秋にもBSデジタル放送参入を計画している民放4系列会社に出資することになった。ソニーと共にCSで合併したJ SkyBとPerfecTVに出資しているフジテレビはこの対象から除かれている。
'98年4月8日、IntelはMSとPCにおけるインタラクティブTVを実現させる統合プラットフォームつくりで合意し、 WebTVfor
Windowsの中にIntelのソフト、Intercastが組み込まれWindows98内に統合されサポートされる見込みである。この意味については、以下を参照。
さらに今回WindowsCEの一つのバージョンOSとしてMSが発表した自動車用の‘AutoPC’と電子手帳やPDA用の‘PalmPC’が注目される。
CESでは、上述したようにクラリオンがAutoPCの、カシオがシャープのザウルス、3Comとも競合するPalmPCの、米IGSがCEベースのテレビ用セットトップボックスのプロトタイプをそれぞれ出展した。また、DECは自社組み込み型CPUStrongARMに完全対応するWindowsCE2.xを'98年4〜6月期にリリースする見込みを表明したが、これは先にAutoPCに対してDECがCPUメーカーとしてサポートを発表したことに関連すると見られる。
この他、対するJavaはクレジットカードのVISAインターナショナルがSunのJavaカード採用を明らかにしたという電子マネー界の大きな動きなどについて、'98年1月の時点における状況概説は
「家電とパソコンの融合に向けた標準的プラットホーム」の需要に対するマイクロソフトの戦略は、これまで同社がパソコンでとってきた戦略を家電分野にも持ち込もうというものだ。つまり、すべてのOSをマイクロソフトが支配するということだ。
と、MS戦略を分析する
毎日Daily Mail Computing98/1/16「CESで明確になったパソコンの家電化」(下)注目集める新タイプOS 」を見られたい。(後記)
'98年3月1日にはAppleが発売して4年になるPDA‘Newton’からの撤退を表明した。ASCII DOS/V ISSUE'98年6月号記事によれば、「皮肉にも、そのNewtonの生産終了と期を同じくして、モバイルコンピュータがブレイクする兆しを見せ始めている」この大きな失敗の3つの理由のうち
Newtonが失敗した原因のひとつは、AppleがNewtonをMacやDOS/Vマシンのアクセサリとしてではなく、スタンドアローンの機器として発想した、そのコンセプトの誤りによる。‘PC Technology UPDATE’by Michael Slater
(ボールド引用者)
後の二つは、高価格と、サイズの大きさ、だそうだが、Cyberdogといい、OpenDocといい、創始・宣伝者自らがある日突然、経営上の都合でサポートを投げ出したように中止してしまうAppleという会社の持つこの態度こそ、当初から使い続けてきたユーザーの信頼を根底から揺るがすものではなかろうか。いかにスタンドアローンとはいえ、情報機器、OSの場合、そのユーザー被害は甚大である。
ひとたびMacが生産停止あるいは倒産すればMacメディアを抱えて個人ユーザーは路頭に迷う。
常に二番手から始めるが、そのうち創始者よりuniversalな構想を打ち出すことによって、トップの座を奪うと言うMS戦略は、巨人IBMに対するDOSやUNIX、OS/2の時から変わらない。 Macが消えた今回のPDA市場でも、独自のOSプラットフォームを持たない残る先行者3ComのPalm Pilotに対しWindows CEは同じ戦略に出ている。
こうした捉え方は結局、未来のPCネットワーク社会構想へと我々を導く。すなわち、将来PCがどのような形になろうとも、社会から孤立(スタンドアローン)したものは滅びざるをえない。MSはそれを最も意識したからこそ成功して来たし、これからの成功もそれに懸かっているといえる。
(後記)
9月22日にはコンパックからこれを裏付けるように、Windowsベースの166MHz-MMX、32MB SDRAM、1.6GB HDDシールドケース「ネットPC デスクプロ4000Nシリーズ」が19万を切る価格で発売された。リムーバブルドライブはない反面、USBポート2基、イーサネット10/100対応、NT4.0プレインストール,マイクロソフトのZAW(Zero Administraton Initiative for Windows)をサポートするため分散コンピューティング環境での集中管理を実現できビジネスシーンには不足することのないコストパフォーマンス内容となっている。
これに先だつ6月17日、NY PC EXPOに向けて発表のあったAT互換PCメーカー12社による「ネットPC」モデルのいち早い商品化と見られる。
HP(ヒューレット・パッカード;ホームページの略号‘HP’は、だから使うなとかいわれているが、固有企業名とネット上の普通名詞のどちらが優先するか!?)、NEC、IBM、三菱、ゲートウェイなども加わった「ネットPC」の動きは、500ドルPCを標榜するMac側のNC「ネットワーク・コンピュータ」に先手を打ったもので、いわゆる「1000ドルPC」とも競合することになる。 コンパック以外の各社詳しいスペック予定などは毎日Daily Mail Computingバックナンバー6月17日付けを見られたい。
但しMSのこのNetPC構想〔もしくは端末機能に絞ったThin Client Windows Terminal構想〕は、ここに出てきたソフト一括管理システムZAWとビジネス社会におけるコスト削減要求TCO(Total Cost of Ownership),及びWindowsNT5.0サーバネットワークの三位一体完成時において始めてその真価が問われ、NC連合のNetwork Computerと真正面からぶつかる事になろう。
この点については、'98年1月26日および28日の毎日Daily Mail Computing「ネットワークコンピュータに未来はあるか」(上)
新ターミナルに追い上げられるNC構想 (下) 2分するネットワーク管理者の評価
を参照されたい。(後記)
実はSOHOイントラネットのような分散ビジネス環境にWindwsNTはDCOMサーバとして対応開発され浸透していく可能性がある。 たびたび引用される「インターネットのことは忘れろ」という言葉は、この可能性にMSが懸けつつあることを示唆しているものと言えよう。
’98年1月26日シリコン・グラフィックス(SGI)とアイオナ(Iona)は、MSから、UNIX上で優勢なCORBA(Common Object Request Broker Architecture)の対抗馬 としてのCOMをライセンスした。以下に98/1/27毎日Daily Mail Computingを引用する。
***
SGIは、自社のUNIXである「IRIX」にCOMを組み込み、今年中ごろまでには利用可能にする予定。SGIのサーバーとウインドウズクライアントでソフトウエアコンポーネントをやり取り出来るようにする。アイオナはCORBAを利用可能にするミドルウェア「Orbix」の会社だが、COMをOrbixに組み込み、COMとCORBAの相互運用を可能にする。
COMはウインドウズ環境でしか使えない点を批判されてきたが、ウインドウズの圧倒的なシェアを背景に、UNIXなど、他の環境でもサポートされていくことになりそうだ。
***
回線速度の関係上、当面はこうした一つの企業内イントラネットでのみ、分散COM(DCOM)をホストコンピュータで管理しソフトを提供するというビジネス型が続き、それが最低でも10MbpsというケーブルプラズマTV回線や光ファイバ通信で速度の問題を解決したインターネットを通じ家庭用に廻ってくるだろう。
従来から検討されてきた既設電話ケーブルを利用しての高速通信xDSLにはあまり期待出来ない。
但し、'98年1月26日にADSL(非対称デジタル加入者線)について、、コンパック、インテル、MSなどパソコン業界大手、多くの電話会社、ネットワーク機器、モデム機器の会社の多くが参加したUAWGが結成され、'98年度内にユニバーサルADSL策定に動き出したとのニュースが入った。
プロバイダーから利用者向きの通信速度を従来の7Mbから1.5Mbpsに抑えることで、モデム価格を引き下げ、音声とデータ通信を共存させる結果、ユーザーが1本の回線に接続するだけで、データ通信中に電話利用もできる
インターネットにつなぎっぱなしの環境が、安価に実現されるとしている。
10月9日にはイギリスNORTEL社が,一般に普及している電線を通信回線用に使用できる新技術を発表、大きな話題となった。従来不可能の原因とされた雑音の除去問題が画期的に解決されたためらしい。実現すればISDNの10倍の速度が得られる上、世界中にある既存の電線を使うため架設コストはゼロで済むといういいことずくめな方式である。一般家庭のPC端末普及にはこの電線方式が爆発的起爆材となるかもしれない。(後記)
***
しばしば上述のMSの戦略は経済的視点からは市場を独占するものとして排斥されがちである。しかしこうした事態はカトリック=普遍が赴くところ、全ての分野で世界標準、Universalizeする時にはいつでも行われてきたことなのである。
ある分野においてフェアな自由競争により結果的に普遍が支配することによって始めて、選択の自由も実現し、そのなかでのみ各自の個性が生かされることになるからである。
競争の自由が保証されるということは、同時に「独占の可能性」という危険が発生することをも必然的に意味している。独占する可能性が始めから有り得ない事が決定している社会生存競争、他者に先駆けて独占することを目指さないシェア競争はありえないからである。各社スタート時点で独占を目差すからこそサバイバルを懸けたシェア拡大競争になるのである。
不正な手段を使わず、力による強制もせず市場原理に従って、良い製品、サーヴィスが提供されユーザーの圧倒的支持を受けさえすれば、民主主義がその多数決原理によってナチスのようなファシズムを合法的に生み出すのと全く同様、何時でも資本主義市場では、一夜にして一製品、一会社の一人勝ちによる結果的独占が完全に合法的に起りうるのである。
だからこそ、資本主義社会では、競争のない社会主義では存在する意味がない、独占を監視、警告する独占禁止法と委員会が常設されているのである。
競争以前から独占をするのなら、アメリカの旗印反トラスト独占禁止法に触れようが、自由競争の結果として現れたシェアの独占はある程度認められなければならない。(Appleが倒産したら、MSはこれに抵触し、分割されるのを怖れたので今度の提携に応じたのだ、という見方もあるが…)
世界普遍と言われている西欧が決めたサッカーゲームのルールに対して西欧の独占だ、横暴だとその越権行為性を嘆く者はいない。では誰が統一ルールを決定するのか。それが誰であろうと決定した者がある程度の独占者的傾向を持つことは避けられないのである。
そして統一ルールのないところ、そこでプレイするプレイヤーに個性が生まれることは有り得ない。違ったルールリーグに属するプレイヤー同志は比較すること自体が無意味になるからである。
これが一種の強制であり、独占だという不満は、(科学的)決定論に対して常に繰り返されて来た人間的自由の存在からの主張と相似であるように思われる。決定論ではなくともいいが、科学による正確なシュミレーションがあって始めて人間的な選択の自由が存在するのであり、自由は、たとえ決定論的であってすらその推論に敵対矛盾するものではないからである。
始めから力や策略で独占するのなら、寡占状態は愁うべきであろうが、今日あるMSの世界制覇は、世界のユーザーの自由な支持以外の力によるものではない。この96%を越えるシェアは、あたかも今日の世界で社会主義が風前の灯火となるまでに自由社会が圧倒しているのと符合するかのように、世界ユーザーが自由市場で支持した結果なのである。
特に経済商品分野では忘れられがちなこの原則の価値は、情報コミュニケーションメディアという汎用性互換性が命ともなる市場では最も重大である。
成熟したコンピュータ製造産業において必要なのは、創成期では不可欠だった独創的な芸術家、孤高の職人気質ではなく、それを誰にでも公開して広めるビジネスマンの資質である。
世界を相手にする会社は趣味や職人の勢いで続けられるものではない、ということをThe Beatlesの時と同様Appleがもう少し自覚していればこんなことにはならなかったはずではないか。
言い換えれば、世界市場で闘うべく運命づけられている会社に、ギルド的芸術を求めるのは無い物ねだりというべきなのである。
いわば、Macは独創的な画家が一般客に画材を売る画商まで始めてしまったヴェンチャー企業創成期の矛盾を現在でも引きずっているのである。
商品には出来るだけ中性的一般的な特性を持たせたうえ、特許、ライセンスを一定期間が過ぎたら公開して互換性を高め複数メーカーで競争させる。その商品を使用して創作する独自な個性創造的な部分にまで創始者は口出しはせず、カスタマイズするのはユーザーに任せるのというのが自由市場ビジネスで成功する鉄則である。
やたらに口うるさく客のすることに指示命令を出したがる頑固な主人のいる食堂が、たとえ他にチェーンフランチャイズ店ライセンス公開しない秘伝の味では勝っても世界ビジネスとしては失敗であるというのは常識であろう。
そういう町食堂の存在は好みのうるさい少数派に選択の幅を広げるという点でむしろ有り難いことですらあるし、また、ある会社でしか入手できない特殊な画材、絵の具で描いた絵が、ある分野での創造性を引き出すということも十分ありうるのだから、それほど社会的に困ったことではない。
料理、画材や冷蔵庫は他社と互換性はなくてもその作品、マシンの性能さえ良ければ一向に困らないかもしれない。しかし、電話やメディア、PC同志でデータ、プログラム、ソフトが交換、グループワークできないとか、特別なエミュレータ仕様乃至コンバータ、ハードが別途必要だというのは致命的なのである。
〔MacでWindowsソフトを稼動させるエミュレータとしては、Real
PC,Virtual PC,SoftWindows等があるが、1万から3万近い出費がかさむ。〕
いくら高速で走れるからといって、フォーミュラカーで公道を走ろうとすれば忽ち、他車と衝突事故を起こすか、ルール違反で逮捕されてしまうのである。インターネット情報ハイウェイでも似たようなことが言える。
単独では速くてもエミュレータ上では速度が落ちる、もしくはコンバータで変換したりするのに手間どってしまうようでは、グループネット上ではせいぜい秒単位のその速さは差し引きゼロになって相殺されてしまうかもしれない。
都市渋滞の交通機関でもマラソンリレーでもそうだが速さを問題にするにしても、あくまでもネットワーク社会においてマークされる総合的・結果的な速さの方が重大であって、マシン単独での速さは決定的なファクターとはなり得ないのである。
逆に、特別に周囲から孤立隔離されたレース場でならいくらフォーミュラカーが早く走れるからといって、見世物になる以外一般市民の実生活には関係のないことである。
つまり芸術作品はもとより、一般家電製品においてすら電源さえ統一仕様であれば周囲から孤立していてもどうということはないが、規格外で孤立したメディア、通信機器、サーバ、クライアントPC(始めインタラクティブ製品)マシンは単なる粗大ゴミであるか、公道を走れない車を所有することなのだ。
リムネットの「メンバーズガイドブック」は冒頭にこんな警句が引用されて始まっている。
「ネットワークに繋がっていないパソコンは、ジャングルの中のスポーツカーと同じだ」
家電は電気を20世紀産業社会のエネルギーとして消費しエントロピーを結果的に上昇させるだけなのに対して、コンピュータは電気をほとんどすべてデジタル情報のメディアとして使用する21世紀情報社会のネゲントロピー(反エントロピー)創造マシーンだという差違が、この特徴を生むのである。
ビデオであれ高品位(プラズマ)TV、DVDであれメディアには、統一規格と互換性が絶対必要条件である。その中でも最高の地球規模統一規格が要求されるのが「メディアのメディア」というべきマルチメディアPCである。
そして誰かがやらなくてはならないこうした統一規格互換性を実現出来るのは、MS-DOS搭載に始まったIBM PC/AT互換機であって、決してMacではないことは間違いないところなのだ。
Macは、‘Tempo’と呼ばれていたOS8からAllegroを経て、WindowsNTCairoに対抗する秘密兵器‘Rhapsody’と開発環境Blue&Yellowboxへ至る革新的構想を発表しているものの、私の勉強不足もあるとは思うが、今一つNTのような着実な実績の積み上げとイメージが湧くような具体的内容に乏しいきらいは拭えない。
またその役目を果たすのは当たり前の話だが、NECのPC-9800でもない。
NECは先ごろ'9710月1日、PDP(プラズマディスプレィパネル)関連特許を持つ富士通25型200W‘98予定を押さえ、PDP薄型次世代プラズマTV(PX-50V2、50型700W厚さ97mm;270万)を発表したばかりだが(後記)。同じ10月1日、日立も負けじと41型PDP開発を発表している。
PCディスプレイにもできるプラズマTVについてはNECが'97年2月に「プラズマX」(型名PDC-42V1)を発売、この12月から'98年2月長野オリンピックにかけ矢継ぎ早に、42型(厚さ89mm)、33型(ディスプレイ)、50型新モデルPXシリーズ発売予告し業界トップを狙っている。
当面放送はNHKのアナログハイビジョンが現実的だが世界のメディア王L・マードック=ソフトバンクのJ-Skynet
Bなど民放も加わった21世紀にはデジタルHDTVへの移行が必然的なものとなろう。アナログで行くNHKのハイビジョンも、VHSに対抗してβ方式に固執しDVDでも苦杯をなめたソニーの二の舞を演ずることはないとは言い切れない。
(後記)
この9月24日World PC EXPO開催中の幕張で 「大手企業のAT互換機の指名買いでこれまで売るのに苦労してきた」NECが、次期主力製品を9800から、新しいPC97、98規格32bit対応PC/AT互換機(?MS-DOSは作動せず完全なAT互換とはならない独自路線との感触もあるが、MSでもDOSは順次WindowsNTファミリーオンリーに移行する予定なので、ほとんど互換機と言って良いだろう)であるPC98-NXシリーズへと3:7の割合でシフトして行くことを発表した。
NECのDOS/V市場参入で、最も影響を受けるのは、「一太郎」(ATOK)をだしている日本のワープロシェアだ。ここでも、DOS/Vキイボード世界標準のワープロMS Word(MS-IME)が待ち構えているからだ。
問題にもされず、寂しい限りなのがMac付属の日本語入力システム「ことえり」。いくらCG、DTPが良いといったところで、大半のユーザーにとって最も使用頻度の高いアプリは言語環境である。
3D CGミドルレンジには、LightWave3Dが入り、Adobe PageMakerと並ぶDTPソフトの一角、Quark Xpressすら今度はWindows版を投入したことによって、Macのその牙城も亡びつつある。このDTPにおけるMSの後発性は、単なる誤算なのではなく、明らかに、Macが採用したPostScriptを稼動速度の面で嫌ったためであるとも言われた、その巻き返しが今来たのである。(後記)
そもそも、Macお得意の‘PostScript’色合わせ‘Color
Sync’でもそうだが、印刷した時の効果のみを考え、DTPと印刷出版業界の意向に縛り付けられているようなコンピュータは、その折角の新しい通信創造ツールとしての世界デジタル情報革命の可能性を殺し、既存の便利な電気印刷機械になり下がり兼ねないということに気づくべきである。
既存のメディアで立派に出来ることを、新しいメディアにそっくりそのまま代行、再現させることは、コスト面を除けばその必要も意義もなく、また事実上実現不可能である。既存のツールの物真似させて、やっぱりこれじゃぁね、と新しいツールを無視しようとするのは元々職人が無い物ねだりを言うに等しく、本質的に後ろ向きな思考なのである。
例えばCERNにおけるwwwとHTML(Hyper Text Markup Language)開発のきっかけとなった‘ハイパーテキスト’、3Dゲーム、シュミレイションのような新しいデジタル新しいメディア、ツールにしかできない独自の方向、独自な味を開拓することこそが、時代を動かす原動力になるのである。
印刷出版のプロが繰り出すグーテンベルグ以来の‘紙とインク’のアナログ業界要求に、PCを、便利なお助けAIDマシンとして合わせるべき奉仕の時代は終わっているのだ。www上に生息することで、そのために開発されたリンクが生きているヴァーチャルな‘ハイパーテキスト’を「紙の上に」印刷しようとしてどうするのか?
そういう意味で、私は現在に至るまでプリンタの必要を認めないし、実際に購入していない。年賀状を紙に印刷するくらいなら、HTMLメールを送れば済むことである。
勿論、既存メディアを補助するという機能は残るだろうが、それは、ごく一部だけで主ではない。TVというメディアが、舞台、映画から独立し独自の方法論とコンテンツ、CMという経営戦略を開発してきたように、PCも21世紀には既存のメディアから、それらを含みつつ完全に独立するのである。
***
ゆくゆくは「事実上、国内で15年間にわたって販売され、標準機となっていたPC-9800シリーズは姿を消していくことになりそうだ。」「インターネット・エクスプローラ4.0やウインドウズ98の機能の一部をNECの新製品上で発表していく」(スティーブ・バルマー、米マイクロソフト上級副社長)予定と言われている。
この転身は上記のマルチメディアプラズマTV普及戦略とも深く関わっているだろうことは間違いないと思われる。マルチメディアにおいて、自社独自の規格に拘ることはメリットが無いばかりか、自殺行為にも等しい行いだからである。(後記)
年が明けた'98年1月28日、NECは3月期決算見込みを下方修正すると発表した。'97年10月に社運をかけて発売したPC-98NXが振るわなかったことが最大の原因とされ、当初予想より売上高が900億円減少(うち、800億円がPC)、さらにDRAMなど半導体、液晶など電子デバイス市況の下落などが追い討ちを掛けた格好だ。NECにとって第3四半期(10-12月)の落ち込みを挽回することはできないダメージだったようである。
「周辺機器の接続などユーザーに対してPC98-NXを浸透させるのに時間がかかったのが理由」(松本滋夫常務)であり、「結果的に従来のPC-98からPC98-NXの切り替え時期が最悪のタイミングで行われた」とも言われている。(後記)
このNEC
PC98-NXシリーズの'97年度実績について
98/3/4毎日Daily Mail Computing
「アキバに吹く不況風、小売店再編も」 3大電気街の97年販売状況は2ケタ減の不調
から以下の一節を引用する。
NECの新世界標準機は失敗?
メーカー別のシェアの変化を見ると、「上位の苦戦」、「下位の追い上げ」、そして「アップルのちょう落」の3つがキーワード。昨年まで10万台を超える販売台数を誇っていた上位4社はいずれも前年実績を下回った。落ち込みが少なかった富士通が実売台数を下げたにもかかわらず、シェアが上がっていたことが、市場全体の落ち込みを現している。
中でも、米本社の経営危機説が伝えられたアップルは、販売台数が前年の3分の2に激減。デザインなど「プロフェッショナル分野に重点を置く」(原田永幸アップル社長)という方針変換はあるが、この減りかたは消費者のマッキントッシュ離れが鮮明になったということでもある。
さらに長年続けた独自規格の「PC-98」から、新世代標準機「PC98-NX」に路線転換したNECの落ち込みも目立つ。特に「PC98-NX」の登場した昨年10月以降の3カ月間のNEC機の秋葉原の売り上げは前年同期比42%減だった。
マルチメディア総研は「PR効果の不十分さや販売現場での理解不足が要因」と分析するとともに、「従来のAT互換機と異なる新世代機」という売り方の失敗を指摘。これを裏付けるものとして「NECは2月からPC98-NXに『AT互換機』と銘打ったPRを始めた」ことを挙げている。
PC98-NX登場は、流通サイドでは97年最大のビッグニュースだった。期待をかけたものの、当初の目論見が崩れ、PC98-NXの"(現段階での)失敗"はNEC自身の決算、電気街にも大きく影響したと言えそうだ。
[3大電気街のメーカー別売上げ台数とシェア]
メーカー名 97年 96年
NEC 213(30.1) 273(33.1)
富士通 128(18.1) 139(16.9)
日本IBM 91(12.9) 112(13.5)
アップル 89(12.5) 133(16.1)
東芝 55(7.7) 46(5.6)
シャープ 32(4.8) 29(3.6)
コンパック 22(3.2) 20(2.4)
その他 77(10.9) 73(8.8)
合計 710(100) 827(100)
(単位・千台。カッコ内はシェア・%)
***
Macの長所と言われて久しい特許権を持つソフトにおける独創的な芸術家、孤高の職人気質は、インターネットコンピューティングのような地球規模通信メディアの世界においては残念ながら、アナクロニズム的なマイナス要因としてしか働かないのである。
MSの今回の提携劇の一番の狙いは、このMacの特許の壁をこじ開けるための布石だという見方も出来る。
それではMacは、公道を走れるようにしたうえで、ドイツのポルシェやイギリスのロールスロイス、イタリアのフェラーリのような希少価値に的を絞り、その国独自の文化を背負った芸術品、超高級車を目指せば良いのだろうか?
ディズニーや、コカコーラ、リーバイス、マクドナルド、ナイキのようなアメリカンドリームを象徴する世界ブランドとして?
確かにMSとの今度の提携でその方向に動き出し、Macが、一度は所有してみたいPC界のオートクチュールデザイナーズビンテージブランドとして生き残る可能性がある。
極めて大雑把に表現するならばWindowsを購入するのは、他の目的を実現するための手段・単なるツールとしてだが、Macを買うのは、ズバリMacを買うことが目的だからだといえるかもしれない。
Macでなくては味わえない、えも言われぬGUIフィーリング「あの味」を得るためならば、ハンバーガーと同じくMac以外の選択肢は始めから除外されてしまうのはむしろ当然であってここでの議論の枠を超えたトートロジーである。「曰く言い難い」というのはそういう事である。
しかしそうなると問題はPCだけに限られたことではない。
真っ赤なフェラーリを買いたい人は何がどうあっても真っ赤なフェラーリでなければならないのである。Macハンバーガーとか特定のラーメン屋を選ぶのや煙草の銘柄と同じユーザー個人の側の嗜僻の問題となる。
だからこそ、ブランドのないPC/AT互換機の世界では「互換機」と命名され、どれも同等に扱われるマシンを、Macの仲間内では本家ブランドに対し「クローン」と称し、Appleも一度は広めそうになったOSライセンスを慌てて取り戻すようにして元のMac一社独占体制に舞い戻ったのであろう。
社会問題となるまで依存症にならない限り、それを非難したり止めさせる権利は何人といえども持ち得ないとはいえ、しかし嗜僻はインターネットのような公共の場での議論の対象ではない。仲間内のファンクラブで秘密会ででもやればいいことである。
実際Macファンは「Macファン(マニア)」としか呼びようがないのであるが、DOS/Vファンというのは存在しない。DOS/Vではそれを言うならFM-Vファン、Aptivaファンと一段下のレベルの、実際上はどうでもいい話になってしまうのである。
しかしMacファンはどうでもいいどころではない。Appleが倒産したら逃げ場はないのだ。
では機能面の速度についてはどうだろうか。
今期発表になったPower PC 350MHz搭載のMacマシンは、インテルのCISCチップであるPentiumMMX勢をぶっちぎりクラス世界最速をマークしたという。
しかし周波数だけを言うならば「準DOS/Vマシン」を構成出来るDECの同じRISCの64bit Alphaチップシリーズは既に一年前の時点で('96/7)500MHzをリリースしていたのである。これは当時の世界最速HPのPA-8000を抜き去ったと言われる記録だった。コスト面でも当時既にこのAlpha300MHz、366MHzを搭載しているWindowsNTマシーンがそれぞれ60万、80万を切る定価で発売されていた。それでも高すぎて私には買えなかったが。
そして'96の今ごろにはMSが将来の64bitアーキテクチャNT5.0Cairoを構築するため当面DECのAlphaチップ採用を発表し、‘WinDEC’連合の誕生かともてはやされていたのである。
DECの運営するインターネット検索エンジン‘Alta Vista’は、登録内容はともかく超高速で鳴るが、まさにその速さはこのVLM〔Very Large Memory〕6GBメモリ搭載の64bitAlphaを10個並列させて得られたものだという。実際にはDigital Unix等の64bitOSと組み合わせることによって、64bitCPUは最大10GBというメモリを載せることが出来るのである。
'97年10月9日発表によると、日本DECが'97年12月から出荷する、625MHzの「Alpha21164A」を搭載した超高速UNIXサーバの最高峰「Alphaサーバ8400 5/625」はCPUは最大14個、メインメモリーはなんと最大28GBまで増設できるという6800万円の怪物マシンである。(後記)
ここにMSが(‘WinDEC’連合を組んでまでも)64bitWindows
NTSweeperがサーバ界の巨人UNIX及びUNIXを基本プラットフォームとするJavaのSun
Microsystemsに立ち向かおうとする余地(?)が――特にイントラネットやSOHO向けサーバーに存在する。
実はSOHOイントラネットのような分散ビジネス環境にWindwsNTはDCOMサーバとして対応開発され浸透していく可能性がある。 たびたび引用される「インターネットのことは忘れろ」という言葉は、この可能性にMSが懸けつつあることを示唆しているものと言えよう。
DECのCEO R・パルマーが、MSが如何に批判されようとも勝利するとしてWindowsNTに賭けているのはそこである。
その頃のモトローラが供給するPower PCは604e 200MHzが最速であった。
迎え撃つインテルの主力もいずれPentiumMMXとPentiumU‘Klamath’から‘Deshutes’(あと二つの中継ぎ‘Katmai’及び‘Willamette’も予定)を経て最低でも500MHzで稼動するP68と言われる新世代64bitチップ(IA-64);HPと共同開発のコードネーム‘Merced’へと'98年後半から'99年を目処に移行する。
インテルは'98年1月26日、333MHzで稼動する0.25ミクロンプロセスで製造した初のPentiumUいわゆる‘Deschutes’の出荷を10万円を切る価格で開始した。これを受け、日本でもNEC、エプソン販売、エプソンダイレクト、コンパック、日本ゲートウェイ2000、デルコンピュータ、アキアの各社が27日、同CPU搭載PCを一斉に発表した。
Slot1と0.25ミクロンへの移行はこれで加速するだろう。
10月15日毎日Daily Mail ComputingによればインテルとHPは、13日から16日までの4日間、米カリフォルニア州サンノゼで開かれているマイクロプロセッサ・フォーラムで、開発中のインテル初の64bitチップ Mercedに採用される新技術「EPIC(Explicitly Parallel Instruction Computing)」に関する発表を行った。
インテルではEPICによって、現行のRISCアーキテクチャー、CISCアーキテクチャーを超える性能を実現できるとし、さらに、Mercedではクロック数も1000MHz以上に引き上げられる予定である。しかしこのIA-64ラインは、あくまでもサーバとハイエンドワークステーション分野での話で、一般PC市場ではここ当分は(2003年?あたりまで)改良型PenteiumUなどのIA-32と言われる32bitCPUが続投することになろうというのだ。
「Mercedの出荷開始は1999年だが、2001年には2倍の性能の第2世代のMercedが予定されている。アメリカのコンピューターメーカーの、デル、IBM、コンパックなどが既にMercedの採用を表明している。IBMとHPは、それぞれのUNIXでもMercedをサポートする予定」というからその各社動向は目が離せない。そして早ければ、'98の夏、おそくともこのMerced出荷開始'99年までには、現在でもβ評価版が出ているWindows NT5.0の正式版が市場に投入されているはずである。OSのメインストリームはやがて消え行くWindows95-98ラインから、ゲームにおいてすらWindowsNTベースにシフトしてこよう。(後記)
実際、次の報道はこの見方を裏付けるものと言えよう。Windowsという OSそのものが、来るべきデジタル分散環境&電子マネー社会に対応したセキュリティを備えた新しいOS NTカーネルに載せられるというのは、かなり以前から漏れて来ていた話である。
98/3/26 ZDNet News Microsoft,NTとWin 98の融合などのOS戦略発表
Microsoftは,フロリダ州オーランドで開催のWindows
Hardware Engineering Conference(WinHEC)で,ソースコード基盤統一計画の一環として,Windows
98とWindows NT 5.0の融合化をさらに押し進めていくプランについて説明した。また,「PC
99 Design Guide」の発表,初の64ビットNTツールの提供,「Chrome」と呼ばれるWindows用マルチメディアコンテンツ作成技術(3月24日の記事参照)の紹介などを行った。WindowsとNTの両プラットフォームのさらなる融合の証として,NT
5.0の携帯パソコン用新機能が紹介された。バッテリやフロッピーのホットスワップやホットドッキング,PCI-to-CardBusブリッジのサポートなどで,これらはNT
4.0には見られなかった機能である。(ボールド引用者)
(後記)
聞くところによると、こう書く以前の10月8日には、5月から半導体訴訟合戦に明け暮れる上記2社のうち、DECが開発したRISC Alphaチップ事業の一部や技術の一部をインテル側に売却またはライセンスするという話が伝わってきていたのだ!えーー!?
「これはDECが提訴した際に一部米メディア間で、「DECの提訴の目的はAlphaチップ事業をインテルに高く売りつけること」などとの憶測が飛び交ったこともあり、和解に向けた両社の交渉の中でAlphaチップが大きなウエートを占めていることがうかがわれる。」毎日Daily Mail Computingというものだ。(確定した最新情報は10月28日付け)
こうなると、いわゆるサーバ向け64bit市場は、WintelDEC、HP連合対UnixJava Sunmicro,MIPS(?),というかなり鮮明な色分けになってきたのではないか。
7億5000万ドル以上をDECに支払うという情報まで流れ、どこまで本気なのか、う〜む、MSとAppleのまさかの提携以来3月と経たないうちにこの変わりようだ。とにかくこの提携が周辺各社へ業界を再編成する規模の大激震を及ぼす何らかの引き金乃至震源地ともなっているのではないかと予想される。
PC業界の一歩先は何でもありの大闇夜で、ますます分からなくなって来た。より詳しくはZDNet News Page One参照。(後記)
そして、'98年1月26日今度はコンパックが、コンピューター業界史上最高といわれる96億ドルでDECを買収することで合意したという報道が入った。何だと!
'97年、大型コンピューターのタンデムコンピューターズと合併したばかりだというコンパックは、これにより売り上げが400億ドル以上の米IBMに次ぐ世界第2位の総合コンピューターメーカーへとのし上がることになった。
さらに、'98年1月6日には、DECがアメリカのシークエント・コンピューター・システムズと共同で、64bitUNIXの開発を発表していたのだ。1月9日付け毎日Daily Mail Computingによると、
64ビットOSであるDECのデジタルUNIXをベースにして、インテルが開発中の64ビットCPU「IA-64」上で稼動することを前提に、ウインドウズNTと高い互換性を持たせたOSとなる。
新OSの開発発表に合わせDECは「今後、デジタルUNIXの名称を代えていくことになる」としており、今後新OSがDECの主力のOSになっていく。新OSはDECの「デジタルUNIX」とシークエントの32ビットOS「DYNIX/ptx」の中核技術を統合したもので、従来のデジタルUNIXなどとの完全互換性や、DECのAlphaチップ上での動作などを保証している。
ものだという。(ボールド引用者)
これは、32bitではなく64bitUNIXにおいてこそ勝利があるとしていたDECの意志の実現であると共に、'95年にDECが提携していたタンデム社、MS WindowsNTとのクラスタリング技術における戦略とも符合するものだ。
そしてここに、’98年1月26日、MSから、UNIX上で優勢なCORBA(Common Object Request Broker Architecture)の対抗馬 としてのCOMをライセンスしたという、SMと並ぶサーバーのシリコン・グラフィックス(SGI)とアイオナ(Iona)社の動きが対応する。
PCやローエンドのサーバーを受け持つコンパック、ハイエンドサーバーにはDEC Alpha、Digital UNIXさらにその上位に位置づけられる超並列サーバーは旧タンデムと、この合併吸収によりサービス、販売路線も含め一手に既存サーバ市場へ乗り込む体制固めの鍵を握ったコンパックの動きは、特にUNIX帝国への切り込み方如何によっては今後のネットワークにおける台風の目となろう。
さらに'98年1月30日には、このコンパックが、これまでMac、IBM、DEC等を販売してきたキャノンとPresario独占提携販売を結び、3%と伸び悩んでいた日本PC市場へ本格的に食い込んでいく覚悟だ。キヤノン販売の滝川精一会長によれば「当社はアップルを長い期間売ってきた。アップルから『手を引く』とは言わないが、当社扱いの製品の中でコンパックが増えていくことになるだろう」。
コンパックは、'98年3月27日大塚商会と流通組み立てで提携したと報じられた。
'98年1月29日市場調査会社のインターナショナル・データ(IDC)発表の、'97年度サーバーOS調査によれば、WindowsNTが、クラスタリングやスケーラビリティーの面で弱みを抱えるものの、前年比80%の伸びを記録、出荷数も130万本でトップに立ったと伝えられた。依然ハイエンドで支持されているUNIXは、例年並みの安定した伸びを維持したが、OS/2とNetWareは減少している。
ここにMSが(‘WinDEC’連合を組んでまでも)64bitWindows
NTSweeperがサーバ界の巨人UNIX及びUNIXを基本プラットフォームとするJavaのSun
Microsystemsに立ち向かおうとする余地(?)が――特にイントラネットやSOHO向けサーバーに存在する。
'98年1月30日、この見方はMSとDECがWindows NT及びそのサーバ製品に関し提携したことで一層確実なものになった。同日付け毎日Daily Mail Computingによると、
NTのサポート体制に1600人という世界最大の要員を抱えるDECはこれをさらに'99年までに3000人に増員するほか、販売面では「NT」、「SQLサーバー」、「エクスチェンジ」、「サイトサーバー」、「インターネット・インフォメーションサーバー」の共同販売を行う。
ハードウエア面では、DECが大規模メモリー(VLM)と32および64のアルファチップを搭載したSMPサーバーを99年初めに出荷▽NT5.0とSQLサーバーを搭載した64ビットシステムを協力して開発▽クラスタリング機能を強化し、技術をマイクロソフト・クラスターサーバーに提供−−などの内容。
このほか、マイクロソフトはアルファベースのサーバーを今後も継続的にサポートするほか、DECはマイクロソフトのサーバー製品を強化するソフトウエアを提供するなど、広範囲にわたる提携が発表された。
DECは26日に米コンパックとの合併を発表したばかり。27日にはウインドウズNT対応のサーバーの新製品をインテルベースのもの6機種、DECのアルファベースのもの3機種を一斉に発表した。DECはこれまでUNIXサーバーにも力を入れてきたが、コンパックとの合併を機に、NTサーバーに大きくシフトしていきそうだ。
***
これによって、WintelDECompaqの4社連合は完全にUNIXに対しサーバ市場NT攻勢を掛けようとする体制固めを行ったことになる。
そして通信回線速度は10Mbps単位、メモリは64bitベースVLM、GB単位;CPUの速度はGHz単位で表示されるのが一般的になる21世紀には、使用目的やコストパフォーマンスを離れて単純なCPUだけの速さ比べに一喜一憂するのは――特にビジネスシーンでは――ますます大人げない態度と思われるであろう。
'98年3月ドイツ、ハノーバー開催の展示会「CeBIT'98」でintelのユー副社長が予測したところによると、今から15年後の2011年ころには、CPUの性能は「クロック周波数10GHz、10億のトランジスタを集積し、毎秒1000億の命令を実行するようになる(現行Pentium
Pro 200MHzの250倍)」とのことだ。
特に、DOS/Vでは、CPU一つ取っても、単なる速度だけでなく、ユーザーに、標準のPentium始め、ハイエンドのAlpha、コストパフォーマンスのCyrix、AMD等と複数メーカーラインナップから選択出来る権利が与えられている事のほうが遥かに重要である。
('97マイクロプロセッサー・フォーラム報告毎日Daily Mail Computing10月15日付け)
いずれにせよ、マシンのような商品に実用的機能以上の付加価値として精神性を求めるのは始めから子供っぽい呪物崇拝に基く所有幻想以外の何者でもない。300kを越す能力を持つポルシェでさえ、50k制限のある圧倒的多数の公道では最も安価な大衆軽自動車と同じ速度で走るしかないからだ。
PCにステイタスシンボルを投影したり、ファッションブランド所有価値を見出したりするのは金持ちの道楽以外には現在ですらナンセンスなアナクロニズムである。
実用機能と必要な能力が安価に購入できる、ユーザーのクリエイト=コミュニケイト補助ツールとして割り切るべきPCは、車より、そうした所有精神性を求めることの不毛、不合理が、デジタル通信衛星から電波に乗って各ユーザーPCに必要なOS、ソフト、情報が空から降ってくる21世紀にはさらに目立ってくると言えよう。
おそらく今後の3Dゲーム市場は、Macの出る幕はなく、どちらにせよQuake等で良く知られたゲーム専用エンジン搭載DOSあるいは一般には改良され速度を上げたDirectX+Windows(NT)勢がコンシューマゲーム機のなかに侵入してくるであろう。インターネット対戦もできる最新ゲームソフトがデジタル通信衛星から直接家庭用端末シールドPC=マルチ(プラズマ)TVに電波でダウンロードされ、決済は電子マネーで支払われる事になる日も近い。その時ゲームを受け、決済も可能にするセキュリティを備えたプラットフォームになりうるのはまたもや、インターネット通信戦略を欠いたMacではなく、DOSやI・Eしか有り得ぬことは明白である。
これはゲームだけに限られた指向ではない。単にゲームが一般のPCソフトやハード革新普及の先陣を切ることが多いというだけだ。なぜならば、ゲームの本質は‘シュミレーション’であり、万能シュミレーションこそコンピュータの本質だからである。Mac十八番の静止画像のCG制作よりも、ハイエンドサーバ機による科学技術計算を含めて、瞬時に画像をアニメイトさせるリアルタイムシュミレーションディスプレイ表示こそがPCの本領なのである。そしてこの道を進んでいるのがDOS/V機なのである。
将来は、どのマシンどのソフトでもこうした形で衛星ネットワーク送受信、電子マネー決済が行われるのはごく普通になるだろう。
一台のコンテナマシンに複数のOSが空から降ってくるような時代に、Macマシンだ、いやWindowsマシンだと争うこと自体が意味を成さなくなってくるのである。そもそも今回の提携がきっかけでMacとWinOSを目的に応じ一台のマシンで併用するようになるハイブリットOS時代が来るかもしれない???
いわばMSはこれらの会社、メディア、ソフト、プログラムとは根本的に一つ上のレヴェルに君臨し規格統合するネット管理者的存在(喩えAppleサイドから悪の帝国、‘Big Brother’と言われようが)となるのである。MSの統合、傘下のもとにこれらの会社の個性が生かされ、そのなかから一つを選び出すのはエンドユーザーの指向と意志にかかるという時代になるのだ。
Mac擁護論者の中には今度のI・E4.0への変貌及びMacへの浸透を、悪賢いMSが金に任せて他社から買い漁った(MS、ビルゲイツ悪の帝国論)既存ローテクの寄せ集めとして軽く見る向きもあるが、このネットワーク環境の世界制覇は、人類史上続いてきた貨幣経済構造のかつてない大変革に繋がるものであることを忘れている。
この変革は、金融ビックバン後に続くであろう金融、証券、流通市場リストラ電子商取引(電子マネー)貨幣経済大変革のみに止まらず、ネットワーク直接民主主義の実現に象徴される地方自治、政党政治・行政改革より更に本質的構造的統廃合を含む官僚行政再編成大変革、プラズマTV、電話、映画ビデオ、新聞、書籍、マスコミ、図書館、学校、研究機関を統廃合する通信教育文化社会マルチメディア大変革へと一度始まったら必然的に全世界へ波及して行かざるを得ない第三の波なのである。
特にこれから必要とされ、伸びることが確実視されているのは、決してCG、DTP、学校のような過去から踏襲されている美術、印刷、教育分野ではなくて電子商取引ビジネス情報化社会に不可欠な次のような主として3つの全く新しい公共情報サービスセキュリティ分野なのである。
さらに広く、これはゲームについても言える。単にゲームが一般のPCソフトやハード革新普及の先陣を切ることが多いというだけからではない。なぜならば、ゲームの本質は‘シュミレーション’であり、万能シュミレーションこそコンピュータの本質だからである。Mac十八番の静止画像のCG制作よりも、ハイエンドサーバ機による科学技術計算を含めて、瞬時に画像をアニメイトさせるリアルタイムシュミレーションディスプレイ表示こそがPCの本領なのである。そしてこの道を進んでいるのがDOS/V機なのである。
@個人識別IDテクノロジー (電子マネー経済:Yahoo!Japan デジタルマネー、東京都立大学経済学部大森ゼミ
声紋、指紋、筆跡、眼球虹彩網膜、頭骨形状、顔面3D、DNA照合などをセキュリティ度に応じ複合的に組み合わせて個人を識別する。
電子商取引実証推進協議会(ECOM)内本人認証技術及び本人認証の概要
これについては'97年10月3日、指紋照合を中心とした「生体特徴照合技術」(バイオメトリックス)市場におけるNECとアメリカロッキード・マーチン社との技術提携が報じられた。
NECは世界各国の警察機関に「自動指紋照合システム(AFIS)」を提供、ロッキード・マーチン・コーポレーションは、米国連邦捜査局(FBI)のために、技術的に世界で最も進んだ自動指紋照合システムを開発しているトップ企業である。
軍事、警察犯罪、政府機密関係等に限られていたこの技術は、おそらく始めは電子マネーカードにID識別チップが組み込まれ(スマートカード)、既存クレジットカード、プリペイドカード等の暗証番号制と併存、乃至共有という形で一部交通、金融、デパート、スーパーコンビニ流通、通販等に使用範囲を限定され普及するだろう。
この個人識別の確立が、特に日本の戸籍、印鑑、氏姓身分制、米穀縄張り年貢税制に存在根拠をおく農奴管理古代律令制官僚行政を根本から崩壊廃絶に導き、変革し、地方自治体の直接民主主義を実現させる原動力となることは疑いの余地が無い。
国家公務員を始めとする官僚は、特にもったいぶった許認可権に基づく単純事務処理、判子行政をするだけならば真の国民の公僕servantとしての地位を、不正も腐敗も隠蔽偽装工作もしない super serverに真っ先に取って代わられる最大のリストラが生じると予測される職種である。退職金と天下りを目当てに徒食を決め込む者は今から首を洗って覚悟を決めておいた方がよかろう。
アメリカのアクセス・コントロール社が12月19日発表した、ネットワーク用指紋ID認証システム「ネットシールド(Netshield)」は小型の1000dpiの高精度指紋スキャナーによって読み取った指紋のデータをベクトル暗号化してサーバに送り、登録してあるデータと照合、ネットワークへのログイン時に本人と確認する未だ初歩的なもの。Pentium系CPU+Windows95、NT
or Netwear4.11以上で稼動するこのシステムは、1000ドルを切る低価格で、銀行、ゲーム、ホテル業界などを目掛け普及させる計画。
毎日Daily Mail Computing12月22日付け
日本のタブレット市場の最大手ワコムも、'98年3月13日、アメリカクレジット会社と共同で個人の筆跡・筆圧による本人認証システムを開発中であることを明らかにし、今後本格化する個人認証市場に、サイン方式で参入標準化を狙う意欲を見せた。
実験されているのは、署名時の筆圧や動きを記憶させておく個人専用の電子ペン、本人確認に使うタブレットとICカードを併用する方式だという。
いずれにせよ、Windowsという OSそのものが、来るべきデジタル分散環境&電子マネー社会に対応したセキュリティを備えた新しいOS NTカーネルに載せられるというのは、かなり以前から漏れて来ていた話である。
この他、'98年1月には対するJavaサイドには、クレジットカードのVISAインターナショナルがSunのJavaカード採用を明らかにしたという電子マネー界の大きな動きがあった。
また、電子マネー経済への移行の波の速度は、北浜の大阪証券取引所がコンピュータシステム完全導入を発表した'97年11月6日から、魚、青物市場から取り入れられ永年の日本証券界の伝統であった「手振りサイン」で取引する「場立ち」「仲立ち」制度の廃止、全員解雇が実行された12月8日までの一月余りによって、遺憾無く発揮された。
この波は、同じ速度で全国に波及しよう。
話は違うが、'97年空前の観客動員数を記録したスタジオ ジブリ製作「もののけ姫」は、その華やかさとは裏腹に、楽屋裏を覗けば、未だに、親方=子方の職人徒弟制の残る年功序列低賃金、微妙に異なった数千色の専用絵の具を使うアニメセル筆書き手作業に支えられていると聞く。
既に若い才能は、フリー契約、実績能力賃金に移行しつつあるCGデザイン、ゲームソフト業界に吸収され、日本のアニメ業界で下積みから叩き上げ生きて行こうとする跡継ぎが現れない状況である。安価な韓国製のアニメ台頭にも押され、スタジオ ジブリとしてもコンピュータアニメイションシステムに移行するこれが最後の作品であるともいう。この話題については
稲増龍夫のTVの裏話し 第14話・97.10.13 「アニメバブル」を検証する
を見て欲しい。
アニメにおいても先進国アメリカではもちろん、最初の完全3DCGアニメ映画‘Toy Story’から、日本でもTV放送されている極めて精細な‘Beast Wars’まで日本の到底及びのつかないスピードでアニメのコンピュータ省力化コストダウンは進んでいる。
コンピュータネットワークでも可能な領域に自らの全存在を掛けているような業種、地位に、21世紀に生き残り戦略を立てたその組織からある日突然「解雇通知」が舞い込むことになろう。責任を問うというのでも、誰が悪いのでもないのだが、「その存在、ポストが、組織にとって雇う必要がなくなった」と言われるのである。
会社組織には、合理化リストラの過程において必要がなくなった従業員を随時解雇する権利があり、「要らない」と言われているのに「雇え」というのは脅迫か、タカリである。
人間国宝にでもなって国家の手厚い保護を受け細々と生き残るのでもない限り、手振り、と手書きの職人世界の保守継承でどうやって、21世紀のコンピュータネットワーク社会競争に打ち勝っていけるのだろうか。
日本の電子マネーへの取り組みについて、民間の現場からの悲観的な観測は
NHK Enterprises 21 ネットワークジャングルの
デジタルガレージ伊藤穣一インタヴュー:日本の電子マネー実験は失敗する(97/12/21収録)
にある。
ここのBBSも NHK教育「金曜フォーラム」98/3/27放映デジタルネットワーク社会番組への意見でもりあがっている。
A暗号化・情報セキュリティテクノロジー(インターネット選挙 政治)
ネット上に流れる情報を解読、改変、コピー流用することを許可の無い部外者には不可能にする。特に一般に普及すると期待されているのが、作成と解読にそれぞれ異なったキイを使用する「公開鍵暗号」といわれるシステムである。
スタンフォード大学のDiffie&Hellmanによって開発されたこの方式は、作成用の暗号キイはネット上に公開しておき、この公開鍵で作られた暗号情報を解読する時には、内部ユーザーだけが秘密に管理所有する別途解読復号キイを用いることで通信の秘密が護られる、というもので従来の慣用暗号方式である同一秘密キイ暗号より多対多の公開ネット通信用に適していると言われる。
また特にソフト情報セキュリティにおいては、MSは既にべリサイン社と提携、'97年インターネット上におけるActiveX、JavaVRML等用ダウンロード技術CAB及びデジタル署名技術MS Authenticode(ActiveXを受け取る時に現れる認定証)をI.E3.0で投入して着々と実績を積み上げてきている。 (IE4.0で問題になったセキュリティホールの発覚は、この技術のミスであろう)
IE4 .0付属で無料配布されて評判の高いメーラー‘Outlook Express’には、無料でここまで?と言うような「デジタル署名」及び「暗号化」機能が既に標準装備されている。セキュリティを気にかけるほど内容のあるやり取りをしない巷のメール利用者には余り注目されてはいないが・・・。
前出の、東京都立大学経済学部大森ゼミ内に公開鍵暗号方式とその逆の応用としてのデジタル署名について
この技術を成熟させ、例えば、始めに登録しておけばプラグインアプリやドライバの繁雑なヴァージョンアップをユーザーも知らぬ間にサーバに自動巡回して行うよう設定することによって、常に最新の状態に更新維持管理するZAWがイントラネットに所属しない全くの個人でも可能になる。〔既にそれに近いソフトが市販されているが、これからブラウザやNT、Windows98,Terminalの中に標準で装備されよう〕つまりプッシュサービスのOSソフト版である。
IBM系列のアメリカ
チボリ・システムズは、自社
電子商取引管理システム「クロスサイト(Cross-Site)」にマリンバのプッシュ技術「カスタネット」を採用、'98年9月ころまでにネットワークを使ってアプリケーションを配信し、自動的に更新する機能を提供すると発表した。また、クロスサイト自体も、カスタネットを使って自動更新されるようになるという。毎日Daily Mail Computing'98/3/13
より重要なのは、この技術の社会的認知は、電子マネー利用の成功実績を踏まえ、直ちに、経済から政治へと波及するだろうと見られる点である。すなわち、インターネットによる直接民主主義選挙の実現である。
@のID認識でもそうだが、インターネットが国家による軍事利用危機管理体制から開発され始められたという誕生の由来は、暗号技術でも生きている。日本は真珠湾攻撃の暗号をアメリカに解読された経歴を持つことから見てもこの方面の世界をリードするような発展ができるのか?
従来蓄積してきた軍事暗号技術とスタッフを、平和民間利用に転換することでこの方面で成長が期待されるのは、戦火の渦中をくぐり抜け生きてきた中東商人のいるイスラエルのような国だとも聞いている。
Bマルチメディアデジタルデータベース、公共サービスネットワーク構築 (マルチメディア 社会)
電子図書館等に代表される、過去の文化遺産、あるいは現情報のネット上での情報公開共有化。これが進まないとインターネットは何時まで経っても「収拾のつかないカオスとポルノとジャンク情報の山;まさにエログロナンセンスの極致」と言うことになり、投資家スポンサーやユーザーから見捨てられかねない。
既存の地方にある自治体、図書館、新聞社、放送局、書店、郵便局、学校、宗教施設等は、独自のサービス情報が引き出せるスーパーサーバを備えた地域中核マルチメディアセンター(いわゆる地方拠点)へと変身しなければ、21世紀に存続できなくなろう。
特に、全国紙新聞社、大手大衆雑誌出版社、年賀状郵便事業など、紙を大量に消費する旧世代メディア産業には木材資源の枯渇化、価格高騰に伴ないデジタルコストダウン化しない限り滅亡せざるをえないメディア資源そのものの持つ限界、臨界点がすぐそこに迫っている。
特にMSが‘Encarta’の成功及びマルチメディア用の画像データ著作権取得へと動き出している百科辞典、大型事典メディアは紙で出版供給されるのは今世紀限りである。国語辞書、地図等もその後を追わざるをえないだろう。
また、インターネットマルチメディアデジタルコンテンツのさらなる発展にとって、どうしても越えなければならないのが、言語という壁だ。しかし、この問題も、自動翻訳解析技術の発達と、サーバ、通信速度の超高速化によって、いかなる言語でも瞬時にブラウザに母国語翻訳表示する実用機能が搭載されることで解決するのは夢ではない。
現在でもIE4.0は既に多言語表示に対応し、英語を、そしてそれのみを標準国際語とする20世紀特有の言語帝国主義観念から一歩踏み込んでいるのである。こうしてネットワークの発達は日本の言語教育界を変革し、特に島国英語コンプレックスさえ過去の遺物としていくだろう。
さらに、インターネット電子マネーの発達に伴ない、もう一つ言語の他に、商取引においてアメリカドルに植民地化される怖れが出てきたのが、日本の「円」である。もちろん、言語で見たように、ドル建てサーバの世界制覇はそう簡単には進まず、却って通貨統合を目指すEU、あるいはASEANのように複数のネットワークブロック電子マネー経済世界が形成されるとも言えようが、バブル崩壊下の現状にある日本への無邪気な電子マネー経済の導入は、それを妨げる要因をほとんど消滅させつつあるのではないか。
ローカルPCのデスクトップが、I.Eコンテナの導入によりシームレスに各サーバと結ばれることようになれば、必要なプログラムを提供してくれるサーバの助けを借りてデスクトップ上で何の違和感もなくユーザがインタラクティブな共同作業をすすめることができるのである。
文字通りアラジンの魔法のランプさながら、巨大公共スーパーサーバがそれを呼び出す端末ローカルユーザーのservantとしてあたかもそれらのデータがユーザー個人のリソースであるかのごとく奉仕する時代がくるのだ。
この場合PCクライアント側の3〜4GBを越えたハードディスク容量競争は従来のようにさほど価値を持たなくなってくる。作業に必要なファイル、(フリー)ソフトはその都度光速でサーバからデジタル衛星回線で引き出し、一時的にローカルディスク乃至メモリに記憶するだけで良いとなると常駐ソフト用ハードディスク容量の必要性が相対的に減るのである。
その代わりメモリ容量がマルチタスク用に最低でも64bitベースVLM〔Very Large Memory〕2GB(WindowsNTでは現在でもサポート)は普通とされるかもしれない。
DECの運営する検索エンジン‘Alta Vista’は、超高速で鳴るが、まさにその速さはこのVLM6GBメモリ搭載の64bitAlphaを10個並列させて得られたものだという。実際にはDigital Unix等の64bitOSと組み合わせることによって、64bitCPUは最大10GBというメモリを載せることが出来るのである。
ここにMSが(‘WinDEC’連合を組んでまでも)64bitWindows
NTSweeperがサーバ界の巨人UNIX及びUNIXを基本プラットフォームとするJavaのSun
Microsystemsに立ち向かおうとする余地が――特にイントラネットやSOHO向けサーバーに存在する。
しかもメモリハードはかなりコストダウンが進んでいる分野なのでこの方向が十分発展する素地はできている。ここにソフトバンクがメモリ企業を買収しておいた意味がある。
さらに、ソニーと富士写真フイルムは10月14日、毎分3600回転200MBの大容量を持ち、しかも2HD、2DDと互換性がある3.5インチフロッピーディスクシステムを共同開発したことを発表した。
期待のスーパーディスク(LS-120)(120MB;0.68MB/s)、Zip(25〜100MB;1.4MB/s)と比べてもそれぞれ数倍、従来型フロッピーディスク(FD)と比較すると60倍の速度となる200MB;3.6MB/s新コンパクト外部記憶メディア「HiFD」の登場である。
DVDのような最低でも一メディア5GBを越す大容量外部記憶装置の普及コストダウンもこの傾向に拍車を掛けるはずである。
社会的にはマルチメディア主体者の維持管理問題、特にリソースにおける知的所有権、著作権の問題をクリアしなければならない。そして無料公共データ・サービスと、専門的な知的著作権のある有料コンテンツとを明確に分ける何らかの世界基準の必要が高まるだろう。
有料化する場合でもいきなり自由市場というわけには行かないだろうから、情報の商品価値を電子マネーでどのように客観的に値踏みしランク付け決裁するかが問題になる。
そしてまた、そのマルチメディア推進活用のためにはNTT等電話回線及びプロバイダの通信回線費のこれまでにないコストダウンが要求される。
現在の日本の課金レベルでは、インターネットと、デスクトップとのシームレスな関係を、費用を気にせず接続しっぱなしにして楽しめるのはアメリカだけということになる。日本では、ぶちぶちと、その都度回線を切断して使用しない限り、とんでもない額の請求書が月末に廻ってくるからだ。
終日使用で月額固定2000〜3000円位で済むアメリカ最大手AT&T並みに引き下げられなければ、日本の企業、ネットユーザーの大半は規制緩和に伴ない、NTTから、海外から進出してきたこれらアメリカAT&T、イギリスのBT等いち早く世界戦略を展開している通信会社に奪われてしまうであろう。
'98年2月5日、AT&Tにつぐ第2位の地位を獲得した合併を昨年したWorldComが自社通信設備を保有して事業展開する「第一種電気通信事業」の認可を郵政省に申請、国内と国際通信サービスを日本で提供すると発表した。またイギリスのブリテッシュ・テレコム(BT)およびカナダのテレグローブも近く一種免許の取得を申請する予定といよいよ、外資通信事業の日本上陸進攻が音を立てて開始された。
最終的には、ASCIIの経営する‘aif’(HotCafe)で既に東京近郊において実現しているような、スポンサーCMあるいはプッシュサービスをつけることによる民放TV並みの、プロバイダ料を含めた完全無料化が望まれる。但し残念なことだが、経営上の収支が取れずASCIIのプロバイダ事業は、AIX、このaif共に終了してしまうようである。
'98年1月24日をもって終了するAIXのユーザーには、Panasonic Hi-Hoへ継続して乗り換えるようアナウンスが行われている。私自身、'96年の4月ころには、AIXを有力プロバイダ候補の一つとして考えていたことも有り、もしあの時、Rimnetでなくこちらに入っていたらと思うと複雑な心境だ。
そこへ、12月25日またまた、老舗の大手ASCIIが、'98年1月に95億7000万円の第三者割当増資を受けることを条件にCSK=セガグループ傘下に入るという業界再編のニュースが入った。'98年3月期には151億円の特別損失を計上するとも言われ、経営はかなり切迫していたらしい。
プロバイダ事業からの突然の撤退、EYE-COM廃刊騒動に象徴される雑誌経営の思わぬ不調など、心配していた矢先のこの知らせだ。重なるように起ったPC業界の売り上げ低迷、山一破綻に伴なう銀行貸し渋りの影響も加わったのかもしれない。
'97年5月に今をときめくバンダイとの合併交渉に失敗したセガとしては、ここで、ダービースタリオンなどで当てているASCIIのゲーム、撤退したとはいえこれまで蓄積したネットワーク事業ノウハウを取り込み、不調を一気に挽回したいところだ。
10月9日、MSはWindows98に、WavePhore社のインターネット放送技術WaveTopを取り入れると発表した。毎日Daily Mail Computingによれば「地上波テレビの電波やケーブルテレビの回線の”すき間”を使ってインターネットのコンテンツを家庭まで放送する技術で、ユーザーは、プロバイダーや電話会社に料金を払わなくても情報を得られる」初めてのCM付きインターネット無料放送が、電波を受信出来るアメリカ99%の家庭向けに'97年12月から開始の見込みである。(後記)
'98年1月8日から開催されたCESでは、オラクルの子会社NCIがIntelのIntercastを使ったTV電波の‘すき間’データ通信機能を、NCに搭載することを発表した。これによって、NC一台でwwwとTVを同時に受信できるようになる。
'98年4月8日、IntelはMSとPCにおけるインタラクティブTVを実現させる統合プラットフォームつくりで合意し、 WebTVfor
Windowsの中にIntelのソフト、Intercastが組み込まれWindows98内に統合されサポートされる見込みである。データ放送をTV番組とは独立の存在として考え、独自のWeb情報をWaveTopが提供するWeb TVに対し、Intercastは、TV番組と直接結びついたHTML情報をTV局側が送信するという違いがある。この意味については、上を参照。
NHKはデジタルマルチチャンネルに突入しているという時代に、実際は見ていなくても――見ているものと見なし――TV受信機のある世帯すべてから受信料を徴収しますなどと一人暮しの年寄りや過疎地、遠隔離島相手にした戦後混乱期の公共放送めいた浮世言を21世紀にも繰り返すようでは、アナログのハイビジョン放送はもとより、局そのものが廃止される可能性がある。
現在ですら、地震情報のときくらいしか若年層は見ないというスポットCMを流すことによって、NHKは、次世代から見放されつつあることを自ら認めているのである。だれが地震災害情報の時だけのためにNHKと受信契約を結ぶだろうか。神戸大震災のときでも既にインターネットやパソコン通信が活躍したと聞く。 (‘Inter-Volunteer Network’ここの神戸大学情報論専攻学生による災害時における市民への情報提供に対する情報通信システムの役割 が具体的 )
こういう危機管理を問われる民間災害においてこそ、ライフライン防衛を担う中枢としてインターネットは利用され真価が問われて行くべきであって、対核戦争を危惧する国家だけのために存在しているのではない。
小包は民間宅配便に、電報、郵便はP-メール、D-メール、E-メールに取って代わられている(つつある?)郵政省は現在の行革で民営化を辛うじて逃れ既得利権を守り切ったとしても、情報化社会に対応した独自のマルチメディアサービスを打ち出さない限り既存の郵政族議員、官僚を養う一人暮しの年寄りや過疎地、遠隔離島相手にした郵便貯金、簡易保険事業サービスだけでは到底持たないだろう。
業種を問わぬ規制緩和、自由化により これらの郵政分野に、全国津々浦々に展開する旧米穀雑貨個人商店、地方ガソリンスタンド、ガス灯油業者、コンビニチェーン、農協、生協等協同組合、JR駅などがインターネットオンラインを構築しコストを下げた取り次ぎ代理店として次々参入してくると考えられるからだ。
極端な形では、地方商店の取り次ぎコンビニ化がさらに進むと、MSが考えているように自動販売機&ATM業界が大再編されて、Windows CEやHYDRA WindowsTerminalによるThin Clientインターネット総合取り次ぎ無人(Dumb)端末機市場を形成するかもしれない。
これの原型ともいえるコンビニLawson のマルチメディアステーション Loppi(MMS)は、流通業界端末の先端を切るものである。
一人暮しの年寄りや過疎地、遠隔離島相手にしたいのならこういう社会弱者にこそ、下記にあるラリー・エリソンの「オラクルの約束」のように、無償で一人一台NCのような双方向簡易端末を贈呈するべきである。
実際、富山県婦負郡には山田村という、'95年から470全世帯に(TV電話付きも含む)ビギナー向けMac PCを村予算で貸与配置(富山の置薬の伝統?)しダムを造るより余程低予算で地域振興活性化が出来ると胸を張る村民2200人の村がある。ここでは65歳以上人口が25%を越えている。
(その概要は地域振興整備公団地方拠点振興部長 岡林 哲夫個人HP「中庭から」による 「山田村(富山県)の情報化について」「同(2)」に詳しい。村のHPトップリンク;村を訪れた大学生有志による「電脳村ふれあい祭」からもリンクしている)
こうした過疎地こそネットワーク環境の整備に伴ない行政事務の完全地方分権、直接民主主義、、及び一極集中型会社組織の解体、移転分散、テレワーク、在宅勤務、独立自営ベンチャーSOHO〔SmallOffice、HomeOffice;自由業の多いLondonが元で、現在‘Silicon Alley’として名を馳せているNY Soho地区;とのひっかけ〕化、交通流通の簡素化、通勤地獄の解消、土地住宅価格の沈静、低落安定の恩恵にいち早く与れる場所なのである。
実はSOHOイントラネットのような分散ビジネス環境にWindwsNTはDCOMサーバとして対応開発され浸透していく可能性がある。 たびたび引用される「インターネットのことは忘れろ」という言葉は、この可能性にMSが懸けつつあることを示唆しているものと言えよう。
族議員・官僚が福祉医療介護通信インターネットボランティアネットワークでも構築組織する力量さえ見せれば、全国に2万4千600もの郵便局を過疎地に存続展開しておくより遥かに安価なコストで従来より行き届いた公共サービスが可能となるのではないか?
国家公務員を始めとする官僚は、特にもったいぶった許認可権に基づく単純事務処理、判子行政をするだけならば真の国民の公僕servantとしての地位を、不正も腐敗も隠蔽偽装工作もしない
super serverに真っ先に取って代わられる最大のリストラが生じると予測される職種である。退職金と天下りを目当てに徒食を決め込む者は今から首を洗って覚悟を決めておいた方がよかろう。
新幹線、航空機、高速道路など物流、輸送、交通移動手段土建産業は前世紀の遺物となって衰退し、物と人が移動する代り、電波に乗って情報が商品として光速でネット間を移動し電子マネーで決裁する情報産業社会の時代になるのである。
MSの動きはクリントン政権ゴア副大統領時代から始まった「情報スーパーハイウェイ構想」によるアメリカ国家の、対ソヴィエト宇宙開発競争に継ぐ威信を掛けた世界戦略に連動したものともいえる。
さらに上にも挙げたが、インターネット電子マネーの発達に伴ない、もう一つ言語の他に、商取引においてアメリカドルに植民地化される怖れが出てきたのが、日本の「円」である。もちろん、言語で見たように、ドル建てサーバの世界制覇はそう簡単には進まず、却って通貨統合を目指すEU、あるいはASEANのように複数のネットワークブロック電子マネー経済世界が形成されるとも言えようが、バブル崩壊下の現状にある日本への無邪気な電子マネー経済の導入は、それを妨げる要因をほとんど消滅させつつあるのではないか。
今度の提携でビル・ゲイツが一番喜んだのが無償I・EのMacデフォルトバンドル条項だとも伝えられているのは、そこである。アメリカはおろか21世紀世界ネット市場が丸ごと手に入る値段としては1億5000万ドルは安い買い物ではないか。
Macの得意とする美術、デザイン、CG、CAD、DTP、教育はその地球人類大変革の足元にも及ばない、せいぜい3%内外の限られた少数分野として、「情報スーパーハイウェィ」からある程度取り残された公園、飛び地乃至オアシスのようなスタンドアローン、ニッチ環境でしか残る余地はないであろう。
Newtonが失敗した原因のひとつは、AppleがNewtonをMacやDOS/Vマシンのアクセサリとしてではなく、スタンドアローンの機器として発想した、そのコンセプトの誤りによる。
ASCII DOS/V ISSUE'98年6月号‘PC Technology UPDATE’by Michael Slater (ボールド引用者)
こうした捉え方は結局、未来のPCネットワーク社会構想へと我々を導く。すなわち、将来PCがどのような形になろうとも、社会から孤立(スタンドアローン)したものは滅びざるをえない。MSはそれを最も意識したからこそ成功して来たし、これからの成功もそれに懸かっているといえる。
つまり高度なインタラクティヴグループウェアネットワークを必ずしも不可欠としない相互に孤立した分野なのである。グーテンベルグ以来の‘紙とインク’書物テキストが解体するという‘ハイパーテキスト’時代にそもそもDTPする必要があるのかとも言える出版概念の崩壊する変革規模のことである。
そもそも、Macお得意の‘PostScript’色合わせ‘Color
Sync’でもそうだが、印刷した時の効果のみを考え、DTPと印刷出版業界の意向に縛り付けられているようなコンピュータは、その折角の新しい通信創造ツールとしての世界デジタル情報革命の可能性を殺し、既存の便利な電気印刷機械になり下がり兼ねないということに気づくべきである。
既存のメディアで立派に出来ることを、新しいメディアにそっくりそのまま代行、再現させることは、コスト面を除けばその必要も意義もなく、また事実上実現不可能である。既存のツールの物真似させて、やっぱりこれじゃぁね、と新しいツールを無視しようとするのは元々職人が無い物ねだりを言うに等しく、本質的に後ろ向きな思考なのである。
例えばCERNにおけるwwwとHTML(Hyper Text Markup Language)開発のきっかけとなった‘ハイパーテキスト’、3Dゲーム、シュミレイションのような新しいデジタル新しいメディア、ツールにしかできない独自の方向、独自な味を開拓することこそが、時代を動かす原動力になるのである。
印刷出版のプロが繰り出すグーテンベルグ以来の‘紙とインク’のアナログ業界要求に、PCを、便利なお助けAIDマシンとして合わせるべき奉仕の時代は終わっているのだ。www上に生息することで、そのために開発されたリンクが生きているヴァーチャルな‘ハイパーテキスト’を「紙の上に」印刷しようとしてどうするのか?
そういう意味で、私は現在に至るまでプリンタの必要を認めないし、実際に購入していない。年賀状を紙に印刷するくらいなら、HTMLメールを送れば済むことである。
ただ、家庭とか学校教育、遠隔地、(飛び地)離島、老人福祉医療のような比較的周囲から孤立した環境に、NC連合とMacの500ドルネットワークコンピュータが、スーパーハイウェィに繋がるための、限りなくTVに近くつきあいやすい家電PC(Dumb)として入り込む余地は十分にある。
ハードディスクが無いあるいはミニマムなだけ安価で、少々の乱暴な操作ではハングアップもせず、壊れにくく流行遅れにもなりにくい耐久消費材並みのPCが、そう高度なことはできなくとも本格的なスーパーハイウェイビジネスに移行する前の公共的教育練習機、もしくはデータベース情報を受ける機能を主とした大衆的インタラクティブネット(Dumb)端末として、主に家庭、学校そして上に挙げたように障害者、老人、遠隔地等の福祉、医療、通信を市場として導入されるかもしれない。
要するに、Macには、今後、デザインなど「プロフェッショナル分野に重点を置く」(原田永幸アップル社長)という方針変換が示すように極端に高級専門ブランド化するか、あるいは、逆に極端にNC的に大衆(Dumb)簡易化するかのいずれかで生き残るという、コミュニケイションツールとしての世界標準分布から漏れた個性的商品に残された両極端の分化サバイバル戦略が見込まれるのである。
この点については、'98年1月26日及び28日の毎日Daily Mail Computing「ネットワークコンピュータに未来はあるか」(上)
新ターミナルに追い上げられるNC構想 (下) 2分するネットワーク管理者の評価
を参照されたい。
また、同サイト 98/3/16「ネットワーク・コンピュータの将来」
特定分野から浸透するか?
98/3/17「軽量端末市場をうかがう九つ頭の蛇」
全容を現すMSのウインドウズターミナルサーバー
のような記事も是非。「九つ頭の蛇」とは、一つで個々のクライアントに同時に対応する喩えによりギリシャ神話からその名を取られたMSのNT5.0アドオン機能サーバHydraのことである。さらに、同日付け
98/3/17「軽量クライアント市場好調」のゾナリサーチ調査記事によれば、
・・・97年の世界の軽量クライアントの出荷台数は34万7917ユニットで前年比34.7%増の好調な伸びを記録。特に非ウインドウズ端末からウインドウズアプリケーションを利用する「ICA」を使った軽量クライアントが全体の48.4%を占めていた。Java機能を持つものは17%、ブラウザーを組み込んだものは26.2%だった。
ICA(Independent Computing Architecture)は、米シトリックスが開発したプロトコルで、非ウインドウズ端末からサーバーのウインドウズアプリケーションを動かせる。シトリックスの「ウインフレーム」に採用されている。
軽量クライアントの伸びの理由として、サン・マイクロシステムズのJavaステーションなどの"純正"ネットワーク・コンピュータ(NC)の登場、マイクロソフトのウインドウズターミナル、ネットPCのサポート発表など、を挙げている。
ゾナは「昨年の調査結果は、Javaによる軽量クライアントよりもウインドウズアプリケーションにアクセスできる軽量クライアントを選択する方がはるかに多数派であることを示している」とコメントしている。
(後略)
(ボールド引用者)
また、この調査結果について
以前,一部に「ネットワークコンピュータ(NC)の台頭はMicrosoftを死滅させる」という見方があったが,どうやら「NCの生死を握るものがWindows」という状況になりそうである。・・・
というZDNet News98/3/17付けNCの生死を握るWindows?を見よ。
シトリックスの「ウィンフレーム」拡張については、毎日Daily Mail Computingの次を参照。
98/3/7ウインフレームに、マック、UNIX用を追加
米シトリックス(Citrix)は5日(米国時間)、プラットホームを問わずにウインドウズのアプリケーションを利用できる軽量クライアント/サーバーソフト「ウインフレーム(WinFrame)」用クライアントに、マッキントッシュ用とUNIX用を追加したと発表した。
ウインフレームはウインドウズNT上で動作するサーバーソフトにクライアントからアクセスして、クライアントの種類を問わずにウインドウズのアプリケーションが利用できるソフト。ほとんどの処理をサーバー側で行うため、クライアントマシンの能力は要求しない。また、環境やアプリケーションをサーバー側でまとめて管理できるという利点もある。
これまで提供されていた、ウインドウズ3.x/95/NT、DOS、Java用のクライアントに加え、マッキントッシュ用およびUNIX用のクライアントが無料でダウンロードできるようになった。UNIX用は、DECのDigital UNIX、HP/UX、IBMのAIX、SGIのIRIX、サンのSolaris対応のものが用意されている。
***
そして、ここに前掲引用の98/3/12MSのJ/DirectによるJava取り込み戦略が加わる。
現実的にJavaの実行環境の圧倒的多数はパソコンであるため、「J/Direct」を使った高速なJavaプログラムがウインドウズとマックOSで動作するようになれば、開発者は「J/Direct」を選択するようになりそうだ。Javaをウインドウズ専用の開発言語として取り込み、自らのコントロール下に置こうというのがマイクロソフトの狙いとみられる。
これが将来のネットワークコンピューティングにおいてどういう意味を持つか言うまでもあるまい。(後記)
'98年1月8日から開催されたCESでは、オラクルの子会社NCIがIntelのIntercastを使ったTV電波の‘すきま’データ通信機能を、NCに搭載することを発表した。これによって、NC一台でwwwとTVを同時に受信できるようになる。
未確認だがAppleは独自で起死回生MacOS搭載の700〜800ドルNCを開発準備中であるとも聞く。internet@ASCIIによればそれは、AppleマザーのGossamer〔繊細な[かぼそい,はかない]もの.もしくは薄物の意〕を採用し、1GB HDD付き、266MHz Power PC 750で動作する800ドルMacになるという。OSさえ安定していれば後継に私も欲しいくらいだ。またこれにはMSもWindows CE+HYDRA Thin Client Windows Terminalによって対抗する。(後記)
事実コンパックの「ネットPC」発表のあった同じ日の'97年9月22日毎日Daily Mail Computingによれば、
米オラクルのラリー・エリソン会長兼CEOは、、全米の学校にネットワーク・コンピューター(NC)を導入するための支援として、全米の財政的に苦しい学校に対する「オラクルの約束(Oracle's
Promise)」と名付けられた1億ドルの寄付を公表した。初めに、カリフォルニア州内の100校に対してNCを設置する予定だという。
なかなかやるなという感じである。もちろんこれはMacだけに有利な動きとも限らないが、ここにデータベース分野でだけはMSをへこましてやろうという、Oracleの託宣がある。但し、このラリー・エリソン会長じきじきでの記者団を前にしてのアメリカNCデモでは起動すら失敗し散々な結果に終わったらしい。鼻息だけに終わるか?(後記)
その後に入ったJava関連のニュースを貼り付けておく。
98/4/3毎日Daily Mail
Computing昨年のNC出荷台数は期待はずれ
米市場調査会社、データクエストが発表したネットワークコンピュータ(NC)の出荷実績によると、1997年の全世界での出荷総数は14万4040台で、パソコンに代わる低価格のコンピューターとして大きな話題になったにもかかわらず、実際には伸び悩んでいたことが分かった。
データクエストはこの理由として、市場への出荷の遅れ、主要メーカーが関心を失ったこと、パソコンの価格が低下したこと、の3つを挙げている。実際の製品が出る前に、あまりに期待された新技術がしばしば陥る「幻滅」という運命をたどってしまったと見ている。(後略)
98/4/3毎日新聞 サンとIBMが共同でビジネス用JavaOSを開発
米サン・マイクロシステムズと米IBMは1日(米国時間)、共同で「ビジネス用JavaOS(JavaOS for
Business)」を開発、協力してマーケティングしていくと発表した。NC用JavaOSを拡張し、業務用アプリケーションを実行する機能と、サーバーサイドでの管理機能を強化する。
ビジネス用JavaOS開発の目的は、NCをどのようなハードウエア/ソフトウエアプラットホームにでも接続し、管理できるようにすること。逆に言うと、これまでのNCは、各社が独自にOSを開発していた結果、接続性や互換性に問題があった。
このビジネス用JavaOSは、保険の請求処理や銀行などの定型業務を念頭に開発される。効率を上げ、多くの言語のサポートと、新しいデバイスドライバーを簡単に追加できる仕様とする。軽量クライアントだけでなく、「キオスク」と呼ばれる街頭用の端末や、券売機などのリモートターミナルも対象にする。
このビジネス用JavaOSは今年中ごろをめどにNCメーカーに提供される予定で、IBMは1999年初頭に自社のNC、ネットワークステーションのハイエンドモデルに搭載する。また、サンも既存のJavaステーションのOSを、NC用JavaOSから1年かけてビジネス用JavaOSに移行する。
98/4/9毎日Daily Mail
ComputingサンがJavaを世界の教育機関に無償提供
米サン・マイクロシステムズは8日(米国時間)、Java開発環境の教育ライセンスを設定し、教育機関などに無償で提供すると発表した。利用できるのは、営利を目的としない全世界の教育機関で、高校、短大、大学などの学生や教官が、教育や研究目的に利用する場合に限る。
***
以上のような理由により、今現在でも一年前に私が記した事情は更に一層強まったと言わざるをえない。というのは私は障害者、老人、遠隔地等の福祉、医療、通信を当面は必要とはしていないからだ。
数年あるいは数ヶ月使用して、その力に飽き足らなくなったらそのマシンをどんどん他のメーカー、最新バージョン、別のオプションでカスタマイズすればよいのである。マザーボード、CPU始めすべてがパーツに分解されブランドマシンの自己同一性というものが存在せず、日夜競争原理が働いて最新技術が安価で複数メーカーから入手できる
PC/AT互換機の世界ならそれが出来る。
年代物の完成PCをレアなビンテージ物として扱う中古市場は(「Macお宝鑑定団」があるようなMac以外は)今後も現れる可能性はないというべきではないのか。分進秒歩して止まず現役として「使わなければ」もしくは「使えなくては」ただの箱にすぎないPCにおいては、無形のソフト、情報はもちろんのこと、物質ハードとしてすらも所有価値、インテリア(?)骨董財産価値は存在しないのである。
但しインターネット上でPCオークションを行っているオリコのページ‘Auction Market Japan’があることを発見。一度ご覧あれ。自社製品のGateway Auctionもある。(後記)
また、