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水面に浮かぶ泡のように。
ただ流されて消えてしまう儚いモノなのか。
「 くだらないですね、貴方という存在は。 」
少年はその存在に言われた。
二つの影は動かず、されど背景は目まぐるしく移り変わる。
「 原則、その世界は日々崩れている。 それを打ち壊して何がいけない? 」
少年は微笑んでいる。
真正面に立つ存在は表情に暗い影を浮かべ、自嘲的に笑い出した。
その姿は一瞬霞んで見えた。
「 問題はそれじゃない。 残されるモノの存在だ。 」
「 関係ない。 劣化コピーを消すのも仕事だ。 」
背景は流れる。
天気を、明暗を、清濁を、所を、温度を 所々次元を変更しながら。
「 幻影だろうが、劣化コピーの世界であるにせよ。 」
「 分かってる。 その世界にとってはそれが真実であり現実だろ? 」
「 考え直せ。 お前は無駄なことをしている。 」
「 ホントさ。 全てな。 」
時は流れ行く。
草木が発生し、成熟する。 咲き乱れ、枯れ落ちる。 枯渇し、砕け散る。
「 お前は。 」
「 黙れ 」
二人は黙る。
世界は沈黙し、場面は静止する。
「 彼の者は、それが望みだ。 」
「 ………………………………………… 」
「 死ね 」
無慈悲に少年は言い放つ。
対峙する者は、今度こそ完全にかき消えて無くなってしまった。
少年はそのデタラメな空間で指を弾く。
パチンと音が鳴り周りの背景にヒビが入り徐々に割れて落ちていく。
床は白く変色し、背景は黒ずんでいく。
ワイヤーフレームで囲まれた空間に少年は佇んでいた。
床は少年の立っている3×3のフィールドだけを残して全て消失した。
「 は、ははは。 く、くくくぅぅくくくくくはははは!!! 」
少年は狂笑を上げる。
そして言う。
「 残念だ。 」
「 実に残念だ。 」
『 全くだよ。 君は本当に。 』
「 自分自身が嫌いなんだ。 同じ時間の中で繰り返された千年間は、もううんざりだ。 」
『 まぁ、分からないでもないかな。 気づくのが遅すぎる気もするけどな。 』
「 警告か? 」
『 樂斗、君は。 』
「 存在を拒絶されているモノだ。 俺もお前もな 」
『 嫌いだよ。 お前のそう言うところ。 』
少年は指を鳴らす。
自分自身を周りの闇で、寸断する。 あるいは楔を打ち込んで裂き殺そうとする。
それでも少年は微笑んでいる。
死なないと分かっている。それでもいつか死ぬことを知っている。
「 無駄だ 」
「 無駄なんだ! なにもかも!! 一番知っているのは自分自身!!! 」
「 死にたい……… 朽ち果てて燃え尽きて それでも死ねない身体と時間の渦よ!! 」
『 無駄な願いだ 』
『 無駄な望み、成就され無き渇望。 それでも君は滅びを望むのかね? 』
『 泡沫のように、君に消えてもらっては困る。 』
『「 それでも 」』
『 (心のどこかで、己の死を望んでいるのもまた俺だ。) 』
「 (俺を、殺してくれ……………) 」
指を鳴らす。
少年の姿がかき消える。残された空間は収縮し漆黒の球になる。
それは、当たりの空間を歪曲させて飲み込まれてしまう。 別の空間へ。
少年の想いは重い。
霞のごとく、幻影のように。 始めからいないとされる存在だったら。
もしかしたなら……………
彼は、救われたのかもしれない。
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