1998年1月2日 後楽園ホール  大日本プロレス


 観戦記、さっぱり進まないうちに次の興行が押しちゃう。思い切り手抜きね。


第1試合 茂木正淑 VS 葛西純

 今年一番始めに見るレスラーが茂木。これは良いことなのか悪いことなのか。 (^_^;厳しい攻めを見せた茂木が垂直落下式ブレーンバスターからジャーマン で若手の葛西に余裕を持って勝った。
 茂木はこのW★ING軍団再結成の流れに半ばなし崩しに巻き込まれている 状況を自分ではどう思っているのか、あるいは何も考えていないのか。W★I NGファン(notフリークス―週プロ用語)のHさんなど「スーパーJカップ に出たいがためにSPWFへ移籍した男」と、周囲の茂木を見る目は決して暖 かくはない。自分も茂木は何かと言えばライガーの名前を出すメジャー被れの インディー選手としてしか長い間認識しなかった。しかし、今や明らかにメジャー団体に茂木 再登場の余地はないだろう。ならば、憧れは憧れとして取っておいても、イン ディーこそ自分の死に場所と覚悟を決めての腰の据わった活動をするべきでは ないのか。あれ? この辺の感じ、男が結婚する時とかによく聞く言葉だよな あ。理想は大切にとっておくけど、現実もしっかり受け入れようってね。妥協 せざるを得なかった結婚相手や就職先でも、愛を注いで育てていけば、きっと 光り出す。W★ING軍団やSASUKE組といったおいしいところに積極的 に加わっていった茂木にはもう良い意味での開き直りが生まれているはずだ。 ライガーにはなれない茂木にも茂木なりの輝ける舞台があっていいだろう。ま して、アマレスの強豪としての下地もある茂木だからこそ。


第2試合 中野知陽呂、李由紀 VS 市来貴代子、白鳥智香子

 はっきり言って、今日の興行で私が一番関心を寄せていた試合。このカード が発表される前から、「中野と李って、キャラかぶってるよね?」とか話して いたら、タッグ結成だもの。で、並んでみたら、コスチュームや髪を合わせて きたこともあって、はまってるんだ、これが。一方、相手のお嬢様タッグもコ スチュームを合わせて、なかなか似たもの同士感アリ。何が良いって、両チー ムとも大と小が揃っているところ? 思い切り気まぐれなプロレスを見せてく れそうです、この組み合わせは。
 で、試合内容は期待に違わぬ低調ぶりだったが、俺が一番面白く感じたのも この試合であった。今日のベストマッチだ。李が市来の胸や背中をぼかすか蹴 りまくる。じゃ私も、とばかり中野が思い切り蹴ると、今までおとなしくして いた市来の表情が変わる。お前がやっていいなんて言ってないぞ、って感じ。 今日も1人で激情気味の市来の横で白鳥は淡々と不思議な試合展開を見せる。 市来、白鳥の合体竹刀殺法も初公開。ロープに振られた中野を2人同時に竹刀 で叩くのだ。しかし、市来も白鳥もお尻が小さいなあ。いかにもスポーツに向 かなそうなそのスレンダーな体型、何とも惹かれるよ。
 最後は中野が膝十字固めで市来を下す。試合後も中野の首に竹刀を突きつけ る市来。蛇のようなしつこさ、今日もステキです。


第3試合 星川尚浩、薬師寺正人 VS 藤田穣、日高郁人

 やたら長くてつまらなかった。JYBって何? ただでさえ退屈な新日ジュ ニアのプロレスをもっと小さな人たちがやってるだけなのか。会場にいるほと んどの人はやれやれって思っていたはずだ。大日本に集まるファン層の求める ものと明らかに違うことをやっているんだから。
 別に大日本の選手がストロングスタイルやっちゃいけないわけじゃない。だ からって、いきなり25分はないだろう。これは押しつけだ。席を立つ人が特 に目立ちました。
 ちなみに俺は客席にいるおばっち飯塚を眺めたりしていた。あれ? こっち に向かって、手を振ってるじゃないか! 俺かと思ったら、隣にいるネグロさ んでした。げらり。


第4試合
弁慶高木功
河原修 VS 「GK」
ファンタスティック川畑輝鎮

 ひゃあ。重い。長い。第2試合から、この試合まで、しょーもない試合がや たら長いんだから。で、この試合、巨人がたくさんいるってことだけが取り柄 だったような。高木と河原と弁慶で「チーム肉」結成希望。こんなのができた ら、W★INGなんて、吹っ飛んでしまうだろう。でかいことこそすべて(笑)。
 弁慶が川畑をボディプレスでフォール。


第5試合 アブドーラ・ザ・ブッチャー、ミスター源之助 VS 石川孝志、松崎駿馬

あのブッチャーだ凶器が出ると沸くのも時代の流れ

 「吹けよ風、呼べよ嵐」が後楽園に響く。かつてマンガの主人公にもなった あのブッチャーが、この後楽園に帰ってきたのである。相手は石川孝志。ここ は80年代の全日本プロレスか。今日最高の盛り上がりとなったこの一戦、上 機嫌のブッチャーが凶器で石川を流血させた揚げ句、エルボードロップ2連発 で石川をフォール。15年ほど前からブッチャーとやり合っている石川はまた もブッチャー越えならなかったようだ。石川がブッチャーを倒すのはいったい いつの日か。
 試合後も石川を突きまくるブッチャー。そこで流れたのはブッチャーが世界 で一番嫌いな曲「スピニング・トーホールド」(新間寿著「俺もたまにはエン ターテイナー」を読め)。テリー登場だ! ちょっとよれよれすぎる小鹿テリ ーが割れたビール瓶を手に救出に入り、ブッチャーと乱闘。これでブッチャー も額から流血する。これがなきゃブッチャーじゃない! 会場はセピア色の空 気に包まれた。

毒針@死語テリー・ファンクだ!


セミファイナル 竜司山川 VS アレクサンダー大塚

 また南側客席から現れた山川。「あけましておめでとうございます!」緊張 感、まるでなし。いいぞ。これは常に戦いの場に身を置いているルタ・リブレ の戦士、山川ならではの落ち着きではないか。
 うちら、アレクにブーイング。いんちき一家、帰れ。我々の打倒プロレスの 願いを背に背負った山川は路上の王ファスから受け継がれた喧嘩殺法でアレク に立ち向かう。ファス直伝のドロップキック、ルタ・リブレの秘技プランチャ。 しかし、アレクはジャイアントスイングなんて姑息な技を繰り出し、山川 の平衡感覚を狂わせてダウンを奪おうとする姿勢。卑怯だぞ! 勝てば何でも 良いのか! テッドが9カウントでカウント取るのをやめたから良いようなも のの、本当だったら、これで試合が決まっていた。テッド、ダメレフェリーだ と思っていたが、たまには仕事する。って、こんな糞レフェリー、絶対認めね えぞ、俺は(笑)。最後はアレクのドラゴンスープレックス。山川は「ずるい よ。大塚選手はプロレスラーでした。新たな標的を探します」。は?って感じ だが、その淡泊さ、良し。なかなか面白い試合でした。 


メインイベント
アンディ・デンジャーシャドウWX
ジェイソン・ザ・テリブル VS 本間朋朗
ウインガー怪覆面ゾロ

W★INGの魂は怪奇派ゾロとジェイソン

 今までのプロレス歴でほぼ一貫してアンチ・W★INGであり、第2次W★ INGや新生W★INGが潰れた時には快哉を叫んだ自分だが、いきなり「We are W★ING!」付きの「DANGER ZONE」が流れた時には鳥肌が 立ちそうになってしまった。嫌いと言いながら、第1次W★INGの旗揚げ戦 も見たし、第2次W★INGもたまに会場に行っていたわけで、少なくともそ の流れはプロレス誌やビデオで追いかけ続けていた。時間を経たものはすべて が仲良しになってしまう。かつて大ファンだった徳田光輝がいないことだけが ただ残念だ。そして、現れたのはジェイソンのみならず、4人とも怪奇派。松 永がレザー、岡野がフレディ、茂木がキーパーである。なるほど。W★ING の魂は怪奇派ってことか。
 と、盛り上がった気分も大日本軍のXが「怪覆面ゾロ」と紹介された段階で、 へなへな〜。ちょっと小鹿社長、勘違いし過ぎだろう。あんたのネタはW★I NGや大日本の若い力と絡んだって、仕方ないんだから。このかぶりもの路線 がこれ以上行き場のないところまで過激化してしまったデスマッチからの方向 転換を模索するものであることはわかる。しかし、それが必ずしも成功とは限 らないだろう。
 会場の雰囲気も熱くならないまま、乱闘だけがずるずると続く。デンジャー が本間の胸に五寸釘ブラシを押し当てると、それをジェイソンが上から踏みつ けるなど、ところどころでオッとなるシーンもあったが、それが会場全体に広 がることはなし。WXがステージ上からウインガーに見舞った有刺鉄線ボード へのパワーボムもそろそろ慣れが来たか。茂木キーパーがゾロから五寸釘ブラ シを奪うなど個人的にはおいしいとこもあって、最後は有刺鉄線を体に巻いた ウインガーがジェイソンに雪崩式ブレーンバスターの体勢で本間の上に投げら れて、そのまま本間をフォール。
 試合後、ブッチャー軍団も乱入。なぜか山川を袋叩きにする。お正月らしい てんこもり興行でしたが、全体としての印象は正直言って、いまひとつという感じか。特にメインで、テン ポの速いデスマッチに動けない小鹿が加わったことが失敗の大部分のような。 あまり面白くありませんでした。

五寸釘バットが刺さるWXロック


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