1998年1月16日 後楽園ホール  全日本プロレス


 1時過ぎに後楽園に行くと、ねの字さんが素晴らしいところに新聞紙敷いて いてくれた。ビールを飲みながら開場を待つ。そんなうちにヒロケソ君やオバ ケさんも姿を現した。しっかし、だるいなあ。風邪が治りきってない。
 開場とともにダッシュ。無事、バルコ最前列を奪取。しかし、すごい入りだ ね。後楽園あたり簡単に完売しちゃうあたりがメジャーなんだろうな。FMW の開場で見かけるお姉さん方もちらほら。ハヤブサ出場であわててダッフィー に2万円払って入場したようだ。パンフに出ているカードではアジアタッグ選 手権は第4試合に組まれていたが、試合開始前に試合順が変更となり、第5試 合に繰り上がった。あたりまえ。いくらなんでも、キマラVSウルフの前って のはないだろう。なんと試合開始予定時間よりも2分も早く試合が始まったぞ ! これもメジャーの底力なのか(笑)。


第1試合 丸藤正道 VS 橋誠

 前に来た時と同じカード。隣のねの字さんが「これは要するに本間VS源之 助だな」とつぶやく。インディーに例えないと理解できないらしい。
 いかにも人気を集めそうな丸藤より橋に声援が集まるのは何故だ。丸藤はほ っといても心配ないってことか。前回、軽業を見せていた丸藤だが、今日はグ ラウンドで落ち着いた試合運び。橋に逆エビで固められるシーンもあったが、 橋の左足に攻撃の的を絞った丸藤が試合のイニシアティブを握る。膝へドロッ プキックを入れて、膝十字固め、膝の裏側に足をあてがう変形のロック(写真)。 15分は短く、前回と同じ時間切れ引き分け。試合後、橋は足を引きずってい たが、若手時代からこんなに関節攻撃するのはどんなもんかな。痛々しくてね え。あと、橋の試合の組立ては妙にインディーっぽい。ビデオ見てるんでしょ う、あなた。


第2試合 渕正信、菊地毅、永源遥 VS ラッシャー木村、百田光男、浅子覚

 馬場(巨人)がいてこそのファンタジーだろう。元々、ファミリー軍団対悪 役商会は好きじゃないのだが、見るべきものがあるとすれば、それは馬場の超 人性に他ならないわけで。馬場がいない今、退屈な初っ切りってところか。品 がなくて、捻りもない。早く終わらせてくれることを願うばかりである。
 菊地はどうしてこんな風になってしまったのだろう。ポジションの話ではな い。外見の話だ。ひどく気持ち悪くなった。妙に太り、赤ら顔で、眼がイッて いる。攻撃のたびに嫌な唸り声をあげる。実験にしくじった人造人間のような 奴になってしまった。何があったんだ。

 


第3試合 馳浩 VS 垣原賢人

 心情的に、垣原を応援したのだが。グラウンドで完全に馳に握られている垣 原。こういうこと言うのはフェアじゃないかもしれないが、Uインターやキン グダムって、いったい何やってたんだ。田村と並ぶ若手エースだった垣原。キ ックボクシングじゃあるまいし、打撃だけでやってたわけでもないだろう。グ ラウンド最強のイメージがあったU系出身者が新日の選手に手も足も出ない。 UWFって本当に月1の楽なプロレスでしかなかったんだろうか。もちろん、 プロレスってイメージ産業だから、あの時はあれで成功していたわけだ。でも、 化けの皮が剥がれてしまった今、UWFって言葉に何の幻想も見ることはでき ない。
 本当に垣原、弱い。いいとこなし。ケンスキーを倒した回転膝十字固めもロ ープに逃げられると、サソリ固めやジャーマンでお茶を濁して、後は馳の裏投 げからノーザンライトのフルコースでピン。刺激のある面白い試合と言うこと もできるけど、垣原側から言えば、情けなさ過ぎた。馳については前から嫌い なので、何も言うことなし。

健介を倒したこの技もすでに
消費し尽くされたか
フィニッシュ


第4試合 ウルフ・ホークフィールド VS キマラ

 和み系ね。ウルフ、見るからにダメ外人度高そう。試合のセンスはともかく、 ペイントのセンスは何とかした方がいい。キマラのペイントは好きだったんだ けど、なんでやめちゃったのか。靴まで履いてるし。でも、裸足ってのもなん か生理的に怖い。相手に足踏まれたとき、すごく痛そうで。本当に、足の小指 を家具の角にぶつけた時とか、なんであんなに痛いんでしょうね。
 ウルフがダイビング・ボディプレスで勝った。


第5試合 本田多聞、泉田純 VS ハヤブサ、新崎人生<アジアタッグ選手権>

人生のこんな姿も珍しい気が。やればできるのだ。人生、大流血。ハヤブサも心配そうだ

 1時タッグを解消していたハヤブサと人生だが、ここにきて急転化の再合体、 ハヤブサの全日再登場となった。ハヤブサが2冠王座を失って身軽になったこ と、そして現代的な感覚の持ち主である三沢が全日を動かし始めたことも無関 係ではあるまい。FMWの中での対戦相手がやや固定化している現在、ハヤブ サが新しい戦いに交わっていくことは非常に好ましい。我々がハヤブサに見い 出している可能性からすれば、アジアタッグというタイトルはやや軽い印象を 受けずにいられないが、歴代のチャンピオンに力道山や猪木も名を連ねるこの 王座にハヤブサと人生といった現代のスターの名が刻み込まれることには、な んともいえぬロマンを感じるだろう。全日のタイトルを他団体の選手が取るこ との難しさを考えれば、王座奪取に成功した場合、これは紛れもない快挙であ り、インディーの選手に対する偏見を変えることのできる大きな出来事である。 まして、相手は全日のポリスマンと噂される本田と泉田なのだ。
 歓声の中を登場したハヤブサと人生。ハヤブサは11月の文体以来のファイ ヤー模様のコスチュームである。この1番に賭ける意気込みが伝わってくる。 人生と本田でスタート。アマレスの実績でははるかに本田が上だが、人生は本 田のバックを取り、腕を固めて、攻め込んでゆく。ハヤブサに代わり、泉田と のロープワークから、1回転ドロップキック。代わった本田をグラウンドの体 勢でヘッドシザーズで固め、動きを止めていく。
 人生と泉田の局面。泉田のモンゴリアンチョップをガードした人生に、泉田 は意表を突いたヘッドバット。これが入ってしまう。額を割って大流血の人生。 完全なアクシデントだが、手を弛めない王者チーム。2人で交互になおも頭突 きを打ち込んでいった。ふらふらになりながらも、頭突きを打ち返してゆく人 生も見事。大変なハートの持ち主である。実際、このアクシデントが以降の試 合の流れを決定づけてしまったのだが…。本田が大きな体でSTFに固め、人 生のスタミナをゆっくり奪っていく。なんとかロープに逃れた人生に大きな拍 手が起きる。
 ハヤブサのスライディングキックで鉄柵の向こう側に転げ落ちた泉田、ハヤ ブサはロープに飛び乗って鉄柵越えプランチャ! ものすごい大歓声が起きる。 ハヤブサも膝を痛めたようだったが、泉田をリング内に戻し、スワンダイブ式 のギロチンドロップ、ニールキック、フィッシャーマンバスター。

ヘッドシザーズに本田の顔はみるみる赤くなった体格を生かしたラリアット

 本田がラリアットでハヤブサを吹っ飛ばし、パワーボムの体勢に抱え上げた ところ、ハヤブサはウラカン・ラナに切り返す。ハヤブサと人生の合体フェー スクラッシャーから、ハヤブサのトペ・アトミコ、人生のダイビングヘッドバ ット、ハヤブサのブファドーラと次々に空中弾が本田を襲う。人生が拝みショ ルダーアタックから拝みパワーボムの体勢に入るも、なかなか持ち上がらない。 コーナーのハヤブサが手を叩くのに合わせて観客が手拍子で声援を送るも、体 格差か逆に肩車で持ち上げられてしまう人生。王者組は技の合間にも頭突きを 入れていく。
 コーナーからの隕石を狙った泉田を雪崩式フロントスープレックスに切って 取ったハヤブサ。ファイヤーバードスプラッシュであと一歩まで追い込むも、 本田のカットに遭う。グロッキー状態の泉田を本田がコーナーまで引きずって、 強引にタッチ。人生が輪廻から極楽固めを決め、カットに入った泉田にも曼陀 羅捻り。さらにハヤブサが場外の泉田にプランチャを見舞う。しかし、泉 田に捕まったハヤブサがカットに入れないうちに、本田のゆっくりと投げるジ ャーマンスープレックス3連発が決まり、人生が3カウントフォール負け。王 者組初防衛に成功。満足に立てない人生をハヤブサが肩で支え、王者チームと 挑発し合う。もう一回、と言っているようだ。
 負けた悔しさよりも、FMWとはまた違った激闘に爽快感を覚えた。これが 新日であれば、スター性のある選手はどんどん上で使うんだろうが。この日本 で一番古いベルトに標準を合わせて、全日の同世代の選手と戦うのも、また悪 くない。通路からじっとこの試合を見つめていた三沢。観客の大きな反応。必 ず再戦があるだろうという期待を持って、とりあえず気持を収めた。

*全試合終了後、2・13後楽園ホールで再びアジアタッグを賭けた再戦を行 うことが発表された。

懐かしのダブルフェースクラッシャーハヤブサのフロントスープレックスは初めてだ


第6試合 大森隆雄、高山善廣、ゲーリー・オブライト VS ジョニー・エース、バート・ガン、ジョニー・スミス

 前の試合の興奮と敗戦の落ち込みもあって、ほとんど見てません。ちらっと 見た時は大森がコーナーポストに登って、まるで冗談のように何度も足を滑ら せていました。元気な時に見たら、なんておいしいレスラーかと感心したでし ょう。またちらっと見たら、アックスボンバーとかやったり、サポーターをず り下ろしてからニードロップやったり、なかなか「観客を意識する」というこ とがわかっているレスラーですね、彼は。後は火でも噴いてほしいものです。 ライダーポーズもアリね。


セミファイナル 三沢光晴、小川良成 VS ベイダー、マウナケア・モスマン

   ベイダー、技なんていらないな。あの体が無闇に振り回すパンチだけで説得 力ありすぎ。こんなのに向かっていく三沢はご苦労だわ。マンネリも行き着く ところに来ていた全日に新しい風を吹き込んだっていうか、ほとんど暴風雨。 これを横に置いといて、川田の3冠挑戦もないだろう。
 金髪になったモスマンはオカマっぽくて、なんかいやらしい。押されっ放し の日本組だったが、最後は三沢のエルボーを受けて、小川が4の字ジャックナ イフでモスマンを押さえ込んだ。

肉の山相手に・・・猪木を失神させたこともあって・・・
気を使ったジャーマン(笑)


メインイベント 小橋健太、秋山準、志賀健太郎 VS 川田利明、田上明、井上雅央

 志賀が大きくなっていたので、驚いた。ヒロケソ君のヴァイオで速報打って いたので、試合は見ていません。この前もそうだったけど、志賀の教育マッチ って言われてもなあ…。また今度ね。


 メインが終わった後、2・13ファン感謝デーでアジアタッグの再戦が行わ れることが発表された。全日にしては素早い対応である。見ていた三沢にとっ ても感じるものがあったに違いない。もっさり中堅のプライドなんて守ってな いで1発で渡せ!という暴言も吐きたくなるが、次やれば取れるだろうという のが今日の印象か。というわけで、試合後の祝勝会は2・13に延期。インデ ィーのレスラーがメジャーのリングで生え抜きを追い越すことがいかに難しい か。新日は切るときも早いけど、行けるときはどんどん行ける。全日は堅い。
 今回、印象に残ったことは全日の後楽園に集う人たちのマナーの良さ。変な ヤジを飛ばしたりせず、声を出し手を叩いて選手を応援し、前向きにプロレス を楽しんでいる。こういう観客の中で試合ができる全日の選手は本当に幸せだ。 ファンの反応が大きいので、ハヤブサや人生もすごくやりやすそうに見えた。
 深夜3時過ぎまで飲んで、サウナASUKAに泊まる。どこぞの雑誌のK記 者が寝ていた。フライデーに橋本VS小川戦のイカす記事が出ていたらしいけ ど、まだ読んでいない。目が覚めると、日曜日の昼だった。


HOME