月刊モダネシア-TOPに戻る
新・アジア考 ネット自由詩 日韓交流 新刊紹介 既刊紹介 連載紹介 Profile
新・アジア考

Vol.67
「お得意様の新顔・中国
 〜アジア大往来時代その2」

                                   


*中国人客はお得意様

 近年、大陸中国人の海外旅行者は年間3100万人となった(2005年)。

 台湾行きは「近くて遠い」制限付きのものであるものの、逆にはるか遠くヨーロッパへ向かう中国人旅行者は急増している。EUの調査によれば、その数100 万人を越えるという。主な渡航先は、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス。この顔ぶれ、80年代バブル時代の日本人の旅行先を彷彿とさせる。その後、団体旅行客は韓国人に変わったと思いきや、今や中国人の時代である。彼らが落とす利益は4。5 億ユーロ(2005年)。もはや中国人はヨーロッパ観光地のお得意様になったと言えよう。

 中国人のほうは太っ腹で、海外旅行全般の予算は平均6000元(約9万円)。しかも物価が違う、バスに1元で乗ることができる中国についての話なのだ。さらに予算が1万元(約15万円)を越える人は65。4パーセントという数字もある(2006年)。私などが「ヨーロッパ旅行は航空券込みで10万円、アジア行きは5万円で抑える」ときばっていたのとは対照的だ。傾向としては、パックツアーに参加しない、自由旅行者が増えているという。

 ヨーロッパばかりでない。中国人による東南アジアへの旅行も増加しており、フィリピン行きが前年比18パーセントを記録したこともあった。(2006年10月)。フィリピンへの入国者の国籍として中国は、韓国・米国・日本に次ぐ4位となっている。

 また同じ東南アジアのマレーシアは中国人旅行者を誘致するため、さまざまな工夫をこらしている。というのも特に旧正月の時期は毎年4万人近い中国人がやってくる。マレーシアには同じ中華系である華人が多数、在住するため、言語や食事の面で中国人旅行客が不自由をしないためだ。優遇策としては、中国人旅行者向けにサマーキャンプやホームステイ・プログラムをおこなったり、観光省のホームページに中国語版サイトを作ったり。国際空港での中文放送や表記を加えたり。中国人ツアーの好みに合わせたスケジュール作成や宿泊先提供、みやげの割引など。様々な努力がみられる。観光親善大使に、華人アーチストの光良を選んだのも、無関係ではないだろう。彼の言葉が印象的だ。

「音楽は国境がないので……」

              (07/05 )

              (つづく)

※写真;旧北京国際空港。ここから彼らの旅が始まる

*参考文献;詳細はこちら




バックナンバー

66「近くて遠い・遠くて近い
 〜アジア大往来時代その1」
65「ブログによる世界変革〜アジアIT社会その9」
64「ブログによる意識変革〜アジアIT社会その8」
63「ネット世代のムーブメント〜アジアIT社会その7」
62「ブロードバンド世界一をめざして〜アジアIT社会その6」
61「無線LAN世界一の都市〜アジアIT社会その5」
60「東アジアの奇跡の果実〜アジアIT社会その4」
59「どうせやるなら3.5世代方式〜アジアIT社会その3」
58「ステイタス・シンボルから必需品へ〜アジアIT社会その2」
57「携帯普及率はひそかに世界一〜アジアIT社会その1」
56「それぞれのアジア〜アジアの精神的範囲」
55「ゆとりのくに〜台湾の都市風景」
54「アジアへのアプローチ3 〜東アジア共同体時代への対応」
53「アジアへのアプローチ2 〜フロンティアの消失?」
52「アジアへのアプローチ1 〜ブーム式の消費」
51「共存のすべ、協調性のひとびと 〜東・東南アジアの共通性3'」
50「共存のすべ、協調性のひとびと 〜東・東南アジアの共通性3'」
49「集住のすべ、集団主義のひとびと 〜東・東南アジアの共通性3」
48「集住のすべ、集団主義のひとびと 〜東・東南アジアの共通性2」
47「水と緑の大地 〜東・東南アジアの共通性1」
46「アイデンティティーとしてのアジア 〜アジアの魅力」
45「ヒトの往来、モノの交流 〜お隣のアジア人」
44「留学生10万人時代 〜お隣のアジア人」
43「等身大へのしたて直し 〜アジア現代文化らしさの萌芽3」
42「大いなる風景のなかで 〜アジア現代文化≠轤オさの萌芽2」
41「アジア現代文化≠轤オさの萌芽」
40「特効薬としてのアジア」
39
「亜洲(アジア)とともに、アジア人として」
38「上海と台北 〜ふたつのパワースポット」
37「共通アイデンティティーの獲得」
36
「折衷≠ニいう才能〜汎アジア表象文化の萌芽3」
35
;「タイムラグののち花開くもの〜汎アジア表象文化の萌2」
34「グローバル画一化とのせめぎあい〜汎アジア表象文化の萌芽1
33「受信から発信へ〜アジア都市表象文化のなかで3」
32「「国境を越えた、現代文化の相互作用〜アジア都市表象文化のなかで2」」
31「越境放送の力〜アジア都市表象文化のなかで1」
30「ネットワーク型の交流 〜アジアのリーダーシップとは」
29「共生・繁栄の試み 〜東アジア共同体1」
28「アジアのグラデーション  〜東アジア共同体1」
27「アジア文化のメジャー化 その1 〜日台交流その2〜」(アジア)
26「南隣とのおつきあい」(台湾)
25「オーガニックなエイジア」(アジア)
24「精神世界≠フ母なる大地」(アジア)
23「解決のキーを秘めた大地」(アジア)
22「今だからできること」(アジア)
21「自律の“背筋”としての機能」(アジア)
20「等身大でいられるのなら」(台湾と大陸中国2)
19「プラスサムの追求」(台湾と大陸中国1)
18「護りのちから」(北朝鮮2)
17「マインド・コントロールとメディア・コントロール」(北朝鮮1)

PageTop

  Mail Copyright(C) 2001-2002 Mizuho Asna