Vol.75
「韓流、台湾に至る 〜アジア芸能交流3」

*ヨン様パイナップルケーキと台湾歴史教科書のチャングム
じつは韓流とは日本固有の現象ではない。むしろ時系列的には大陸中国において、韓国ドラマ「秋の童話」がヒットをとばしている。香港においても、98年に現地タイトル「星夢情縁」が放送され、既に韓流が発生していたとされている。
それでは日本に続いて韓流が至ったのは。台湾の地である。台湾といえば名物にパイナップル・ケーキが挙げられるのだが、この地では訪台したペ・ヨンジュンの歓迎にと、ファン100 名が力を合わせて「ヨン様特製パイナップル・ケーキ」を約5000個も製造したというニュースがあった(2005年)。
そんな台湾では、大ヒットした『宮廷女官チャングムの誓い』が、台湾の歴史教科書に登場するまで至っているという。なんでも高校1 年生向けの歴史教科書の現代文化の部分に、韓流に関する記述があり、そこにドラマの主要人物の写真が掲載されたとのことだ(2006年)。チャングムの名は政治界まで至り、選挙運動中の女性国会議員候補が、「台湾国会のチャングムになる」と発言したこともあった。
なぜ韓国ドラマが中華圏でも人気を博しているのか。香港の大手メディアの分析によれば、儒教文化を共有しており、東洋文化らしい人間関係が共感を集めているためであるということだ。
*韓流と華流の融合
韓流は台湾の音楽業界にも至っている。
台湾のトップ・アーチストである王力宏(ワン・リーホン)(後述)が、2005年発売のアルバムのなかで、韓国の人気シンガー、ピ(Rain)とデュエットした曲を収録、合作が進んでいる。
合唱にとどまらず、ユニットまで構成してしまったのが、台湾のトップ・アイドル・グループ「F4」のヴァネス・ウー(呉建豪)(後述)と韓国のキムタクと言われるカンタだ。その名も「カンタ&ヴァネス」というもので、初めてのアルバム『SCANDAL』が2006年に発売されている。メンバーのヴァネスいわく、このプロジェクト、始めた理由は、「アジアをひとつにしたい」という志であったという。韓流と、後述する華流のパワーが響きあった果実と言えるだろう。これがめでたく成功を収め、台湾のアルバムチャート(台湾の人気ラジオ音楽ランキング番組、HIT FM「Hito排行榜」中国語チャート)で、発売初週、初登場でトップとなった。メンバーのカンタとしては、中国語圏で初の韓国人トップを記録することとなった。
韓流との合作は、台湾ばかりでない。日本においては先行すること5 年。エイベックス・トラックスが発掘した韓国人スターがいる。その名もBoA。2001年に日本でCDを発売して以来、次々にミリオンセラーを発表している。特に2003年には、韓国人歌手として初めて、「日本ゴールドディスク大賞」を受賞している。同年に出した2 枚目のアルバム『VALENTI』が、130 万枚に及ぶ売上げを記録してのことだ。また2005年に発表の、初のベストアルバム『BEST OF SOUL』も100 万枚を突破した。
日本で週間シングルチャートのトップテンに入ったアーチストとしては、BoAを筆頭に、リュウ・シウォンの他、KやSEVENなどの名が挙げられる。
(07/12)
※写真;ドラマの影響で韓国伝統文化への理解が高まっている
*参考文献;詳細はこちら
バックナンバー
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54「アジアへのアプローチ3 〜東アジア共同体時代への対応」
53「アジアへのアプローチ2 〜フロンティアの消失?」
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50「共存のすべ、協調性のひとびと 〜東・東南アジアの共通性3'」
49「集住のすべ、集団主義のひとびと 〜東・東南アジアの共通性3」
48「集住のすべ、集団主義のひとびと 〜東・東南アジアの共通性2」
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43「等身大へのしたて直し 〜アジア現代文化らしさの萌芽3」
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40「特効薬としてのアジア」
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36「折衷≠ニいう才能〜汎アジア表象文化の萌芽3」
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30「ネットワーク型の交流 〜アジアのリーダーシップとは」
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27「アジア文化のメジャー化 その1 〜日台交流その2〜」(アジア)
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25「オーガニックなエイジア」(アジア)
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