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豊饒の楽土[中国東北部]風物誌 5
大連賓館、歳月(とき)を超えて /大連

中山広場に面した好ロケーション
広々としたフロアには、純白のテーブルクロス。ガラスばりの向こうには、中山広場がライトアップを受けて、燦然たる夜景を映す。しかも通常のレストランと大差ない値段で、夕食を楽しめるとは。お味以上に、雰囲気に酔いしれたのは、その場所が旧ヤマトホテルであるせいだろう。それにしても小娘がたった1人で良いのか、いったい。

賓客を出迎える豪奢なインテリア
1909年設立の名門ホテル。歳月を染みこませた外観、そのじっと押し黙るような姿とは裏腹に、ロビーに1歩、踏みいれば、最上級のシャンデリア、ルネッサンス式のオーダーに、金の縁どりが光る。青銅の暖炉のさびが唯一、年月をものがたる。この建物の設計者は、100
年後の日本人をも圧倒するデザインを創りあげていたのだ。

客室も含めて天井が高いのが特徴
たとえば現在、屋根には電飾のモニターが設置され、中山広場に夕涼みする市民たちを楽しませているように。または満鉄のマークが、上部のM部分の窪みに、ちょいと印を加えたのみで、再利用されているように。必ずしも過去が否定されるばかりではない。ヤマトホテルもまた、瀋陽(1927年設立)においては「遼寧賓館」、長春(1905年設立)では「春諠賓館」として、ときには近代保護建築物にすら指定されてきた。

ネオンの上の電光掲示板が、テレビ放送を映しだす 経営者は変われども、どうにかこうにかやってきた。
良い郷(くに)をという志は、時代をも担い手をも変えながら、ひきつがれてゆく。
*スポット・データ
「大連賓館」現在は三つ星ホテル指定/大連市中山広場4番/86-411-263-3111 /1泊シングル450 元(02年)/http://www.chinadalianhotel.com
バックナンバー;
4「東北部の窓口・大連客船ターミナル /大連」
3「水晶、ガラス、クリスタル/大連」
2「蛇の島 〜まむし王国 /旅順」
1 「戦跡 〜あれから100年 /旅順」

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