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豊饒の楽土[中国東北部]風物誌 8

「快餐」・中華ファストフード /大連

コーナーのせいろに耶麻と積まれた肉まん類
*アカシヤという名の店にて

 肉まんふうの皮の内には、かき卵のニラ炒めがたっぷりと込められている。サイドディッシュの豆炒め、このコクはどこからくるのか。炒めものを極めた文化のひとびとは、ありきたりの豆も肉をも、こうして極上の料理にしあげてしまうようだ。しかもレストランでない、ファストフードにおいてである。


メニューはそのほか、鴨の塩卵など
 この店はその名も「アカシヤ」、街路樹にちなんだもので、セルフサービスのカフェテリア形式だ。プラスチック・ケースの内には、ずらりと家庭料理が並び、せいろの中には肉まんが勢ぞろい。筆者のような外国人客たちも、漢字熟語のメニューに首をひねる必要はなく、好みの品を「それ」と指さし、目の前で盛りつけてもらえばいい。しかもたっぷりのひと皿でも100 円、おおかたのメニューはすべて20円そこそこなのである。


100円でおなかいっぱいに
*人海戦術のワザ

 物質的な豊かさを達成したこの街には、わずか徒歩10分の圏内に、4軒のファストフード店がひしめき、これに外資系の店まで加わる。従来、中華料理は作り置きがきかず、ファストフードには向かないと考えられていた。ところが保温・陳列技術の発達から、味わいは一段、落ちるにせよ、香港や台湾を発祥に、中華ファストフードの登場が可能となった。


「海鮮麺」の材料を指させば、奥のカウンターですぐに調理してくれる。左ができあがり写真
 いや、作り置きが向かないのであれば「いっそその場で作ってしまえ」−−とある店では、写真付のメニュー・プレートが、ずらりと並ぶカウンターの向こうは、そのまま厨房。そこかしこには、コックたちが大勢、スタンバイしている。カウンターで注文すれば、お会計の間に、もうできあがり、というわけだ。これも人海戦術の可能な国ならではのワザだろう。人件費の高い香港や台湾では、なかなかこうもいくまい……。


旧市街地・天津街をみおろす、好ロケーション
 ガラスばりの清潔のフロア、二階席から、天津街のそぞろ歩きの人波を見おろし、ふと思う。社会主義市場経済化による無国籍化を憂う必要はない。むしろ消費社会の枠組みに、民俗文化が花開きつつあると言えよう。なにせケンタッキー・フライドチキンが陣取る通りの反対側には、アカシヤという名の中華料理の快餐(ファストフード)が、きちんと向こうをはっている。しかも思いもかけず、地下にはネットカフェまで併設されているのだから・・・。





*関連スポット・データ
・「陽光快餐」海鮮麺6元、大排麺(肉入り麺)5元、各種肉まん、熱菜(温菜)、冷菜など/大連市天津街231 号/0411-230-2042 /6:30〜20:30







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