今や日本の人口の100 人に1人は外国人だ。案外あなたの近所にも滞在しているかもしれない。そんな彼らのナマの姿に、我々はどれほど注意を払ってきただろうか。また彼らの目に我々はどのように映っているのだろうか。
そこでこのたび、アジア系国費留学生の・つまり傍観者だが弱者でないという立場からの東京生活が、本作品にリアルに再現されることとなった。彼を通して・または鏡として、日本の対外国人スタンスや実質的な国際化の度合い、さらに日本の光と影がうかびあがる。また彼自身もお荷物ガイジン一般ではなく独立した人間としての、さらにアジアのパートナーとしての自らのありかたを模索し成長を重ねる。両国の間に立つ中途半端な “ ハ ー フ ” で は な く 、 “ ダ ブ ル ” と し て の 存 在 をめざして。
−(本文より)「日本人と外国人、“しきり”にわかれないため、わたし、日本のやりかたを学ぶ。プラス自分のやりかたも忘れない。すると両方マスターしてパワーアップ、二倍の“ダブル”、そう、新しく学ぶのは古いものを捨てるのではないでしょう? 最高の目標。あきらめたくない」
*テーマ
・物質・金銭的のみならず精神的な“日本の国際化”。これを留学生というアジア側の視点からとらえる。
−(本文より)「あれでは欧米が日本を低く見たことのマネになります。日本が今度はアジアに対してくり返す、劣等感が次々に引き継がれる、あなたは悔しくありませんか」
・留学生活を通じて少年が青年に自立してゆくさまと、成長するアジアの姿が重なりあう
−(本文より)「ならかわいそうな貧しい人を助けなくていいの?」「ちがう、自分が無力者として、上から施される哀れまれる存在になりさがってはいけない、という自らへの戒めだ」