アジア風物誌37 内モンゴル編14
「昭君墓 〜おしどり夫婦は和平シンボル」
夫婦円満ぶりは後世まで名高い
「昭君墓」の境内には、門の先に「王昭君」夫妻の像がたたずんでいた。颯爽とマントを背後になびかせた騎乗の姿が。彼女をたたえる詩の碑の奥に、階(きざはし)が墓の丘の頂きへと続いている。
和親を求める異民族にとついだ女性、王昭君。彼女は当初、三年もの間、後宮にいながら皇帝に会うことすらなかった。そのまま異民族に送られることとなった直前、初めて彼女を見た皇帝は、その美しさに驚き、惜しんだという。こうして匈奴と呼ばれた民族の王・呼韓邪単于のもとに嫁ぎ、「寧胡」正夫人の名を賜ったという。実際に彼女が嫁いだ60年間、漢と匈奴は平和な関係を保ち、国境付近の経済・文化も発展をみたという。後宮にうずもれるよりは、異民族のただなかにおどりでて−−そのまま和親のシンボルとして尊敬を受け、歴史に名を残してしまった。彼女の心意気にあっぱれ!である。
言い伝えによれば、当時、昭君の死をいたみ、内外の農民や牧民たちが仮葬のこの地に次々に土を盛ったという。今でもなぜか、晩秋、草木の枯れる頃、墓の上の草だけは青々とおい茂るという。そのためこの墓は別名を「青塚」と言われているそうだ。
バックナンバー;
(内モンゴル風物誌) 13「フフホト(呼和浩特) 〜北のはての青い街」
12「ナーダム 〜男子三技、民族の祭典」
11「相撲 〜死人すら出た無制限自由型」
10「寝台列車 〜眠りの密集」
9「砂漠 〜4A級の砂丘、45度」
8「ラクダ 〜キャメル毛布どころか砂漠の舟」
7「馬頭琴 〜草原のチェロは亡き愛馬」
6「酒〜モンゴルウォッカに馬乳酒」
5「乳製品 〜白い食べ物、神聖なもの」
4「羊 〜全国から広く世界まで」
3「羊肉料理 〜日本進出の味」
2「蒙古馬 〜大草原のトレッキング」
1「草原 〜天の神さま、地の神さま」
(ミャンマー風物誌)
14「八曜式占星術の世界にようこそ」
13「誕生曜日と八方位の相関」
12「曜日に司られた人生」
11「境内はアミューズメント・スポット」
10「癒し&ヒーリング」
9「お供えグッズ」
8「功徳システム」
7「出家の日々」
6「ぼうさまワールド」
5「東南アジアの巻きスカート」
4「男性向け『ろんぢー』再び」
3「女性向け定番ファッション」
2「熱帯アジアの着物」
1「着るアート、腰巻きタイトスカート『ろんぢー』」
(『豊饒の楽土』中国東北部風物誌)
9「瓜の実るころ /東北部」
8「快餐£華ファストフード/大連」
7「北方の真珠≠ニいう名の都市の象徴・中山広場/大連」
6「老虎灘という名の楽園 /大連」
5「大連賓館、歳月(とき)を超えて
/大連」
4「東北部の窓口・大連客船ターミナル /大連」
3「水晶、ガラス、クリスタル/大連」
2「蛇の島 〜まむし王国 /旅順」
1 「戦跡 〜あれから100年 /旅順」
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