月刊モダネシア-TOPに戻る
新・アジア考 ネット自由詩 日韓交流 新刊紹介 既刊紹介 連載紹介 Profile

『さいはての極楽』ミャンマー風物誌11

境内はアミューズメントスポット

 ミャンマー最高峰のパゴダ「シュエダゴン」
*ヤンゴン市内の人気パゴダ

 ヤンゴンに数ある中でもお勧めは、最高峰の“しゅえだごん・ぱやー”とイラワジ河畔の“ぼうたたうん・ぱやー”、さらに超美男の涅槃仏(←私好みのタイプ) を誇る“ちゃうったーじー・ぱやー”、世界の平和を祈願して建てられた“がばーえー・ぱやー”、そして忘れちゃいけない市街地の中心“すーれー・ぱやー”である。

 “すーれー・ぱやー”はヤンゴン市内の超ど真ん中に存在する。しかもメインストリートの中心にずどーんとそびえ建っているのだ。そのまま大通りをつっきる者は、わざわざパゴダを回りこまなければならない。回るつもりがいつのまにか境内へと流れてゆき、「ちょいと涼みに」とばかりに、ひんやり冷えたタイルに座りこむ人も少なくない。私も暑期の日射しにやられて大通りを一気に歩きとおせずに、途中地点の“すーれー・ぱやー”についつい避難してしまった。そこはさながら灼熱の街のオアシスである。祈る人以上に憩う人が多いかもしれない。

*息抜き・境内の変わりモノ

 ここで少々肩の力を抜いて、境内のかわいいヘンナモノを楽しんでみよう。なんと“すーれー・ぱやー”では、数珠!の無料レンタルサービス実施中なのだ。仏像の脇にある柵には、いくつか木製の数珠がかけてあり、誰でも気軽に利用できる。私の目の前でも少女がそれを手にとって、ひと玉ひと玉たどりながら熱心に祈り始めていたことがあった。

 仏前からパゴダの周囲に歩をすすめると、奥の方に祠が並ぶ。一見、普通の祠なのだが、中をのぞくと「…はっ…」びっくりした、やせこけた像がましますのである。おそらく悟りを開いて仏陀になる前の、シッダールダ王子だろう。荒修行のせいで頬はげっそりあばら骨もうき出ており、服もぼろぼろだ。そこまでリアルに再現しなくても…というほどすさまじい。

 他に、パゴダの周囲には小型の鐘がある。これを年齢の数だけつけば天国に行ける!とのことで、私はこん棒を手にかんかんかんかんかんかん…と律儀に当時、二十数回ならしてみた。ちなみに70歳のご老人は7回に省略してよしとしたようである。その鐘の付け根部分にご注目。なんだか妙に嬉しそうな表情で、天の生き物がわらわらと群れているのだ。あっ狛犬…じゃなくて“ちんてぃ”だとか、半人半鳥“がるー”だとか、謎のイキモノがひかえており、うれしい。

 しかしもろもろの「境内の変わりモノ」のなかで私がナンバーワンにあげたいのが、「まわる、さいせんばこ」である。まずはバージョンその1「托鉢タイプ」。基本型。お願いごと別に銀の鉢がターンテーブルに乗せられており、電動式でぶんぶんまわる。(←目もまわる。酔いそう。)そこに折りたたんだ紙幣をそーれっ!と投げて、入ったら大当たり、願いも叶う、おめでとう!!

 その鉢が8つ据えられている場合もある。すなわち8曜日分、占星術にちなんでいるのだ。自分の誕生曜日の鉢がわざわざ据えてあれば、さいせんの1円や2円もあげたくなるというものだ。鉢たちの中央には置きものが添えられる。たとえばミニチュアのパゴダなど。(“ちゃいかうっ・ぱやー"にて)。

 さらに最高にグレードアップすれば、賽銭箱の中央にすえられるのはパゴダでなく龍じゃあ!真っ赤な舌に白い牙、しかも2匹もとぐろをまく(“ちゃうったーじー・ぱやー"にて)これが機械じかけでぐおんぐおんと音をたててまわるのだから、ちょっと怖くもある。(←きっと夢に出るぞ。)龍(“ながー”)は8曜日のうち土曜の守護動物。他の動物については各容器の前に絵柄入りで示されている。しかもただの鉢ではなく、蓮の花びらを形どっているじゃないか。というわけでバージョンその3は“めくるめく8曜日版”だった。(←でもこれって、仏教じゃないんだっけ?) ともかくこれならば、みなさん気軽に功徳を積めそうだ。




                                (つづく)


バックナンバー;

10「癒し&ヒーリング」
9「お供えグッズ」
8「功徳システム」
7「出家の日々」
6「ぼうさまワールド」
5「東南アジアの巻きスカート」
4「男性向け『ろんぢー』再び」
3「女性向け定番ファッション」
2「熱帯アジアの着物」
1「着るアート、腰巻きタイトスカート『ろんぢー』」

(『豊饒の楽土』中国東北部風物誌)
9「瓜の実るころ /東北部」
8「快餐£華ファストフード/大連」
「北方の真珠≠ニいう名の都市の象徴・中山広場/大連」
「老虎灘という名の楽園 /大連」
「大連賓館、歳月(とき)を超えて /大連」
「東北部の窓口・大連客船ターミナル /大連」
「水晶、ガラス、クリスタル/大連」
「蛇の島 〜まむし王国 /旅順」
1 「戦跡 〜あれから100年 /旅順」

                        PageTop

  Mail   アジア好きのための掲示板 Copyright(C) 2001-2002 Mizuho Asna