〜今月から自由詩をおとどけします〜
「座 礁 船 〜北朝鮮より」
かつてそこには日本人がいた
入植者ではない 外地に生まれ育った人々
しかも日本人であることを極端にこばむ人々
ときをへて 場所をたがえて
彼らの一部や今 座礁した船のなかに
船底にうづくまり 下船をこばみ
食糧も水も尽きがちななか
ひたすらに暗い船底で
ぢっと
ときの流れる音を聞いている
なにものかがそっと船に縄を結び
引き上げようと試みるものの
ひたひたと浸水の水がおしよせ 重油は流れだし…
彼らを新しい船に乗せること
それは説得でも強制でもなく
ただ北風のなかから 太陽のもとへと歩みでる
その歩みを
おおいなるてのひらで包みこむということ
それは遠い日
この国を良き国にと啓蒙を試みた日本人の
古い祈りにつらなっていた
(02.12)
「海 鳴 り 〜中華人民共和国〜台湾海峡より」
その国の雄叫びは
国をまとめよ 対岸の島も得よとの雄々しい叫びは
はるか100 年の昔 その大地を 無数の靴跡に踏みにじられた
悲鳴がこだましているのだろうか
それともむやみな革命のはてに
飢え死んだ人々の
中有(バルドウ)からの合唱なのか
まるで海鳴りのように
幾重にも響きあい
東アジアの大気をゆるがす
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