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バグパイプ(Bagpipes)というと、すぐに思い浮かぶのは、タータンチェックの民族衣装のスカートを穿いた男性が、頬を膨らませ(時には行進しながら)演奏するあのスコットランドの民族楽器としてのイメージです。
しかし、世界には何十種類というバグパイプが存在している事実は案外知られていません。
アイリッシュ・ブームのお陰で、アイルランドのバグパイプ「イーリアン・パイプ」は比較的知られてきましたが、その他のヨーロッパの国々、北アフリカ、中近東からインドあたりまでの地域についても、その土地土地で演奏されている固有のバグパイプがあります。
バグパイプの歴史は古く、昔の書物や絵画にも多数登場します。
有名なところでは、P・ブリューゲル、H・ボッシュ、A・デューラー、M・プレトリウスなどの絵画や銅版画に、かなり細部にわたって描き込まれたバグパイプの絵があります。
これらのバグパイプは、いわゆるスコットランドのハイランドパイプとは全く別の種類のもので、おそらく音色や音量も、そして音楽的世界も異なっていたと思われます。
ただ残念なことに、これら中世・ルネサンス期のバグパイプは現物が存在していないことです。
18世紀のフランス宮廷で流行したミュゼットは、比較的良い状態で博物館に保存されているものもありますが、バロック期よりも前のバグパイプについては、オリジナル楽器がないので、正確な複製品(コピー)を作る方策がないのです。
しかし、現在も民族楽器として存続しているバグパイプを参考にしたり、絵画を元にして、ある程度、歴史的バグパイプを再現することは可能です。
このような「古楽器としてのバグパイプ」を、Atelier
de la
cornemuse(近藤治夫バグパイプ工房)では製作しています。
例えば、ブリューゲルの絵をもとにしつつ、現在のフランドル地方で使われている民族楽器を雛形にして製作した古楽バグパイプは、スザートやファレーズ、ジェルベーズのダンスリーを演奏するには最適で、当時の音楽にかなり近いものを演奏できる可能性があります。「ルネサンスの響き」とでも言うべきものが、現在でも楽しめるのです。
私の工房では、このような「古楽器としてのバグパイプ」を製作していますので、スコットランドのハイランドパイプが欲しい方には、私の作るバグパイプは向かないと思います。
私の作る古楽バグパイプは、ハイランドパイプに比べ、メンテナンス、演奏面などいろいろな点で、扱いやすい楽器です。
日本では、ハイランドパイプのイメージがあまりにも強すぎるため、(他の種類の)バグパイプが実は案外演奏しやすい楽器であることが見落とされているように思えます。
バグパイプはもっとポピュラーになってよい楽器だと思い、Atelier
de la
cornemuse(近藤治夫バグパイプ工房)では、演奏しやすく親しみやすい楽器を製作するように心がけています。
もし、古楽バグパイプに興味を持たれましたら、ぜひお問合せ下さい。
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