ミュータント・メッセージ (角川文庫)



ミュータント・メッセージ (角川文庫)
ミュータント・メッセージ (角川文庫)

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考える事得るモノ

アボリジニの中のほんの一部分 、一面なのかもしれないけれど

自分について自然、生命について何かしら感じ取れる作品だと思います

シャンとした気持ちになれる。
精神性という意味での人の生き方を教えられた本

『物事を捉えるときに「正誤」や「善悪」という判断で捉えるのではなく、「それがどういう意味をなしているのか」「どう感じられたか」という捉え方で見ることがとても大切だなんだ。』と感じている方なら、この本の中にちりばめられている「人としての生き方」のエッセンスに感動し、自己を省みるきっかけにすることができるのではないか。と思います。
個人的には日々たくさんの物に囲まれている私が、自分にとって「本当に必要なもの」を選択すること以上に「いらない物事に首をつっこんで、警戒したり不安がったりしている」ことに、無駄なエネルギーを使ってしまうジレンマから抜け出すコツを教えてくれる教則本。という感じです。
今エコロジーという言葉や取り組みがたくさんありますが、この本の中にある人の生き方やかかわり方は「相互間の不信感や虚無感などの不必要なエネルギーへ浪費しないという、意識的なレベルでの最高のエコロジー」につながるとも感じました。
この意識改革のレベルとして、考えを残して行きたいというのが、個人的な感想です。
深刻な矛盾

 この作品を読むことによって得るものがある人は多いと思いますし、フィクション・ノンフィクションに関わらずその内容、表現によって人に何かを考えさせられるパワーを持った作品かもしれません。ただ、その手法として、架空の存在ではない現実に生活と文化を持ったアボリジニの人を題材として用い、彼らの姿を歪曲して、もしくは一面的な描写しかせず、それによって多数のアボリジニの人の感情と尊厳を現に傷つけています。それでもなおノンフィクションであるということを言い張り、読者の彼らに対するイメージを固定し続けるのは、あまりに非礼・非道であると言えます。特に人・自分自身・生命・自然・地球・聖なる一体に対する善意や敬意をもつことが大根本となっている(と私は思う)この本において、その出発点がそのことと180度異なる姿勢から生まれているということは、とても作品は作品、著者は著者として割り切れるレベルのものではない、致命的な矛盾だと思います。
 この本によって現実に傷つけられている人が多数いることに目を向けず、自分自身が作品から感じたことだけを延べそれを良しとする人は、結局のところこの作品で述べられているアイデアから根本のところを学び、実践できていないということになります。しかしそのアイデア自体もその表現方法に大いなる自己矛盾をはらんだものであります。
 人とはそもそも矛盾をはらんだものであり、文学とはその矛盾との葛藤を描いたものだという一つの見方は成り立つと思いますが、この作品における「矛盾」はそういったレベルで片付けられるものではないでしょう。そのことと内容を含めて、人間自身と社会のありようについての考察を促す本ではあると思いますが、その背景に目を向けず「小説として読み私は得るものがあった」との感想しか持たないのはあまりにナイーブに過ぎると私は思います。
あなたはどのように感じるのでしょうか?


著者のマルロ・モーガンが120日間のアボリジニ部族とともに砂漠を歩いた旅の記録です。

《あなたがた読者にひとつだけ言いたいことがあります。楽しければそれでいいじゃないかと

いう人々もいます。あなたがそのひとりなら、どうぞ本書を楽しんで読み、いいパフォーマン

スを見たあとのように立ち去ってください。あなたにとってこれは純粋なフィクションであ

り、本代に見合う元はとれるはずです。

それとは逆に、あなたがここに書かれたメッセージに耳を傾けるタイプなら、それはあなたの

心に強くひびくでしょう。》とあります。


著者の書かれているとおり、フィクションとして読んでも充分に楽しめます。

しかし、現在の堕落した私たちの文明に対する警告として読むと衝撃の内容です。

あなたは、読み終わった後、どのような感想をもつのでしょうか?

この本からどんなメッセージを受け取るか?

現地のアボリジニ協会から非難されているそうですが、それがイコールこの本がインチキ本という事なのでしょうか?そもそも、本書に登場する伝統的な古来からのライフスタイルを頑ななまでに守っているアボリジニと協会でデスクワークをしている現代的なアボリジニの間に意識の隔たりがあっても不自然とは思えません。

少なくとも私は本書からネガティブな印象を得ず、正しいメッセージを受け取ったと思っています。



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