メキシコシティーに「精液銀行」設置
     2月19日、メキシコでは初めて厚生省に対して「精液銀行」が正式に登録され、業務を開始した。

     この精液銀行は、それぞれの理由により子供に恵まれない夫婦や女性たちにメキシコ人の精液を4千ペソ(約4万円)から5万ペソ(約50万円)で提供しようという目的のもと創立された。

     「我々は人類生殖に携わっている医院で、過去に厚生省に正式に登録した精液銀行というのは、我々の前には存在しなかった。」

     「アイデアとしては、メキシコ人提供者によるメキシコ人の精液を扱ったメキシコで最初の精液銀行を作りたいというところから始まった。これまでに、メキシコでも精液を扱う病院はあったが、それらの精液はアメリカやカナダから輸入されたものであった。しかし、メキシコではアングロサクソン系や黒人の精液ではなく、同じメスティーソ(白人とインディオの混血)の精液を希望する人々が数多くいる。そのような人々の期待に応えたいと思い、創立した医院である」と今回厚生省に正式に登録を行った医院の院長は語る。

     厚生省発表のデータによると、メキシコでは17%の夫婦が不妊が原因で子供ができない状態にある。そのうち33%が夫の方に問題があるケースとなっている。

     そのような夫婦にとっては、養子縁組又は精液提供が、子供を持つ唯一の選択肢となっている。

     「一年前からこの精液銀行設立のために準備を始め、今日やっと業務開始に至った。今日の時点ですでにメキシコ人の精液は提供できる状態にある。しかし誤解されたくないのは、決して、外国から輸入された精液が役に立たないと言っているのではなく、我々の精液銀行に限っては生理学的にメキシコ人の精液しか扱っていないということである」と先の院長は述べる。

     専門家によると、メキシコでの精液の需要というのはかなりあり、さらに、未婚の女性からの需要が8%を占めるという。

     また、アメリカ、カナダ、スペインなどすでに多くの精液銀行が存在する国と同様、このメキシコにできた新しい精液銀行でも、提供者となりうる人すべてに厳しい検査を実施していくことを保障している。

     「精液の品質に対しては厳格に保障していかなければならない。我々は国際的に定められている基準に則って審査していく」

     「まず、精液の提供者は匿名でなければならない。さらに、国際規約では50歳の男性の精液までが使用可能とされているが、我々の精液銀行では35歳までと年齢を制約している。検査の方法としては、まずすべての提供者から初めのサンプルを採取し、品質などを詳細に検査し、さらに一つ一つ染色体についても調査を行う。また、家族に遺伝性の病気や伝染性の病気を持っているものはいないかどうかなども調査する。伝染性の病気とは、例えば肝炎、エイズ、梅毒他などである」と専門医は説明する。

     提供された精液がすべての検査に対し陰性の結果が出た場合、再度提供者から別のサンプルを採取し、それを6ヶ月間保存しておく。6ヶ月の後、その二回目に採取したサンプルに同様の検査を行い、その結果陰性となった場合には、晴れて提供可能と見なされる。

     「大切なことは、すべての提供者のうち、たった14%が品質的に問題ないとされる精液であるということである。彼らだけが精液を提供するに十分な質を備えているということになる。」と付け加える。

     一方、精液銀行は、精液を提供してくれた提供者には貢献料ということで、一回の提供に対し500ペソ(約5千円)を支払うことにしている。





*今日のスペイン語*

    semen  : 精液

    esperma  : 精液

    concebir  : 受胎する、妊娠する

    perteneciente a〜   〜の所有の、〜に(所)属する

    donante  : 提供者

    anglosajon  : アングロサクソン族

    etnia  民族、種族 

    adopcion  : 養子縁組

    fisiologica  : 生理(学)的に

    riguroso  : 厳格な、厳しい

    anonimo   匿名の

    minuciosamente  : 詳細に

    cromosoma  : 染色体

    hepatitis  肝炎 

    sifilis  梅毒 




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