凍てついた空気が、チクチクと肌を刺す。 でも、そんなこと気にならないくらい、今ドキドキしてる。 澄んだ空気を胸一杯に吸い込んで、深呼吸。 待ち合わせは、童実野公園。 a.m.6:00に、いつものベンチで。 まだちょっと早いけど。 この時間が俺はとても好きだ。 現れるのを今か今かと待ている時の緊張感とか、ドキドキ感。 どんな格好で来るのかなとか、またかっこいいンだろうなとか。 考えてると、心拍数が上がっていって、寒いとか気にならなくて。 俺は一人、頬を赤らめて、気が付かないうちに緩んでしまう顔を維持することさえ忘れてしまう。 遊戯、早く来ないかな・・・・。 ■ラヴァーズ・キス クシュン。 一つ小さなくしゃみをして、鼻の頭を指先で少しだけ擦る。 朝の冷たい空気が鼻腔を刺激するのかムズムズして、なんだか落ち着かない。 遊戯に合う前に、鼻の頭が真っ赤になったらイヤだな。なんてそんなことを思う。 いつも合ってるし今更カッコつけても仕方ないんだけど、やっぱり好き人には良いところを見て貰いたいって云うか・・・。 うわっ。好きな人っだって。 改めてそう思うと、またドキドキ感が増してくる。 ドキドキ。 ソワソワ。 遊戯まだかな。 俺はベンチにちんまりと座って、辺りをキョロキョロと見渡す。 もうすぐ、6時なのにな。 早く合いたいのって、俺だけなのかな? ただの一分でも長く遊戯に合っていたいのに。 遊戯は、違うのかな? 遊戯の現れる方向を見つめたまま、不意にそんな風に思うと それが真実なような気がして、ちょっとさっきまでの高揚感が萎れたのを感じる。 肩を落とし、溜息混じりにぼそりと呟く。 「本当は迷惑なのかな・・・?」 「何が迷惑なんだい?城之内君。」 声と共に、後ろから俺の両頬が冷たい掌に包まれる。 「ひっ・・・ゃ・・・・。」 吃驚して、首を竦めてその冷たさから逃れる。 「おはよう。城之内君。」 遊戯はそのまま後ろから俺を抱きしめてくる。 「ぁっ・・・。遊戯。どうっ・・・。」 どうして、そんなところにいるんだよ。 お前が来る方向はあっちだろ? そう言いたいのに、首筋に感じる遊戯の気配が気になってなかなか声にならない。 「どうして、こんな所にいるか聞きたいんだろ?」 俺の耳元でくすくすと笑って、遊戯は意地悪くそう聞いてくる。 俺は言葉には出来ないからコクコクと頭を縦に振った。 「本当は君が来る前に来てたんだ。」 思いも寄らなかった言葉に、目を瞠る。 「後から来た君がさ、ここに座って俺を待ってる姿があんまり可愛いから ずっと見てた。」 随分身体が冷えちゃっただろ?ごめんな。 そう言って遊戯が冷たい唇を首筋に落とす。 触れられた瞬間電気が走ったみたいに、そこから熱が体中に広がってくる。 「ずっと・・・いたのか・・・?」 「ああ。ずっと君を見てた。君が俺を待ってソワソワしてるのも、 赤くなって俯いたりしてたのも。」 俺を思って、城之内君がドキドキしたりソワソワしてくれてると 思ったら凄く嬉しかったぜ。 そう言う遊戯の声は本当に嬉しそうで、少し恥ずかしい。 チュ、チュ。と首筋を吸われ、寒さに悴んだ耳朶を冷たい唇で甘噛みされる。 それから、そこを口に含まれると、熱いネツに溶けてしまいそうになる。 冷え切っていた身体が、遊戯によって段々と熱せられる。 熱い鼓動。 その全ては、遊戯が俺にくれるモノ。 そうして、唯一俺が遊戯にあげられるモノ。 それ以外はいらない。 そっと、遊戯の指先が俺の火照った頬に添えられて、遊戯の方に向けさされる。 ヒンヤリとした指先が気持ちよくて、薄く瞳を閉じる。 フワリと羽根の触れるような感触が唇に降って来て、そっと閉じた瞳をあける。 遊戯の瞳とぶつかって、どうしたらいいのか分からなくて急いで俯いた。 「なんで俯くんだい?」 俺は君の顔が見たいのに。どうしてそんな意地悪するんだ。 俯いた俺の頬にキスの雨を降らしながら、遊戯はまたそんな恥ずかしいことを云う。 もう、本当に勘弁してって感じ。 遊戯のことは本当に大好きだけど、好きすぎてまともに顔さえ見られなくなっちまう。 「だっ・・・だって、誰かに見られてたら・・・・」 苦し紛れの言い訳。そんなこと遊戯だって分かってるだろうけど。 「大丈夫。誰もいないぜ。」 視線だけ動かして横目で遊戯を見ると、それを待ってたように、目元にキスを一つして 吐息に乗せて、甘いこと破を紡ぐ。 「だから、もっとお互いを感じあえるキスをしよう。 恋人同士がする、素敵なキスを。」 ◇余談。 「城之内君、そう言えばさっき、何が迷惑だっていってたんだい?」 「え?」 「ほら、一人でベンチに座っていたとき。」 もう既に遊戯で頭がいっぱいになってた俺は、そんなことすっかり忘れてた。 特になんでもないと思ったから素直に、 「遊戯があんまり来ないから、俺と付き合ってるの、迷惑なのかなって・・・」 そう言ったら、最後まで言い終わらないうちに遊戯が口を開いた。 「って、そんな風に俺のこと思ってたんだ?」 あれ?なんだか、急に機嫌悪くなった? 思いの外、低い声でそう言われて驚いて遊戯を伺う。 俺、何かまずいこと云った? ドキドキしながら、じっと遊戯を見つめていると、遊戯はふっと笑って 「今日は学校には行かせないぜ!!」 と宣言した。 え?何々?!何がどうしたって?! 「君はまだ、俺がどれだけ君に夢中か分かってないみたいだから これから実施で教えるぜ!!!」 「こ!!!これから?!」 マジかよぉ〜。そう愚痴ると、城之内君は俺のこと嫌いなのか?って反に云われて。 それって、卑怯だろ!! そんなこと言われたら、俺は首を縦に振るしかなくって・・・・。 その日俺と遊戯は仲良く学校を休んだ。 ::::END:::: **comment** ハイ!!何とか今日のアップにこぎ着けました!!ウヒヒ。 うちの闇様はどうしてこう、恥ずかしい方なのか。 ちょっと死にそうです。(苦笑) |