人工島

| 1990年6月 | 策定された県総合基本計画に「大型観光船ふ頭の整備等」 |
| 91年3月 | 県・鹿児島市共同で「鹿児島港ウオーターフロント開発基本計画」を策定。「人工島方式」を含めた開発手法を提言 |
| 93年4月 | 県地方港湾審議会が鹿児島港港湾改訂計画を了承。中央港区で人工島計画が具体化 |
| 6月 | 国の港湾審議会計画部会が鹿児島港の港湾改訂計画を了承 |
| 96年6月 | 鹿児島市議会が全会一致で人工島建設推進を決議 |
| 98年4月 | フロンティアランド事業新規採択 |
| 同 | 県が漁業補償金16億円を支払う |
| 10月 | 「人工島を考える県民の会」発足 |
| 99年1月13日 | 牛根漁協など3漁協が県知事に人工島建設中止を要請 |
| 1月22日 | 県が24.7ヘクタールだけについて県知事に公有水面埋め立て免許出願 |
| 3月17日 | 県議会が人工島関連予算を賛成多数で可決 |
| 18日 | オンブズマン鹿児島が県幹部らに、漁業補償金約16億円の返還を求めて監査請求 |
| 25日 | 鹿児島市議会が人工島への同意意見書議案を除き、沖防波堤建設の市負担金を含む予算案を可決 |
| 4月16日 | 人工島を考える県民の会が「国の埋め立て認可が出る前に漁業補償金を支払ったのは違法」として県知事に補償金約16億円の返還を求めて監査請求 |
| 5月13日 | オンブズマンが起こした漁業補償金返還の監査請求を県監査委員会が棄却 |
| 18日 | 県平和運動センターなどが「錦江湾に人工島なんていらない県民の会」結成 |
| 19日 | 県中小企業団体中央会が人工島建設促進を緊急決議 |
| 20日 | 市民グループでつくる「鹿児島人工島裁判協議会」が工事差し止めを求めて提訴 |
| 26日 | 鹿児島県商工会議所連合会が本年度の陳情課題の一つとして「人工島の整備促進」を採択 |
| 28日 | 鹿児島市議会建設委員会が人工島関連議案について継続審議を確認。県は回答期限を延期 |
| 6月3日 | 市民団体メンバーが漁業補償金の文書について「開示が遅れ、公費差し止め請求権を奪われた」として、県知事を相手どり損害賠償請求を起こす |
| 7日 | 6月定例市議会が開会 |
| 17日 | 市議会建設委、集中審議へ |
| 18日 | 建設委結論でず市議会15日間会期延長 |
| 7月5日 | さらに3日間再延長 |
| 6日 | 市議会建設委、同意議案を可決 |
| 9日 | 市議会本会議、同意議案を可決 |
| 13日 | 鹿児島県、建設省に人工島埋め立て申請 |
| 8月29日 | 市民団体、建設の是非問う県民投票条例請求へ署名運動開始 |
| 9月14日 | 運輸省、埋め立て免許を認可 |
| 9月16日 | 知事、公有水面埋め立て免許を県に付与 |
| 10月16日 | 人工島・市民投票の会、条例制定へ署名開始 |
| 11月2日 | 経済団体などが建設推進求める署名運動へ |
| 11月10日 | 県、護岸工事の一部を入札 |
| 11月13日 | 鹿大教授らが予定地で珍種ゴカイ発見と学会発表 |
| 11月15日 | 県、公募により名称を「マリンポートかごしま」と決定 |
| 11月26日 | 県民投票条例制定知事に本請求 有効署名数16万534人 |
| 11月30日 | 経済団体など 推進署名「総数82万人」と発表 |
| 12月1日 | 県民投票条例案 知事、反対意見付け提案 |
| 12月14日 | 予定地で今度は新種イソギンチャク発見 |
| 12月15日 | 県議会企画建設委、県民投票条例案を否決 |
| 12月17日 | 県議会最終本会議、県民投票条例案を否決 工事契約4議案可決 |
| 12月24日 | 市民投票条例求制定鹿児島市に本請求 有効署名数4万4937人 |
| 12月26日 | 人工島着工 鹿児島港中央港区で起工式 |
| 2000年1月13日 | 市民投票条例案 鹿児島市長、反対意見付け提案 |
「人工島・市民投票の会」(蔵元淳代表)は24日、鹿児島県が鹿児島市沖に計画する人工島(マリンポートかごしま)建設の賛否を問う市民投票条例制定を本請求、同市はこれを受理した。市長は受理日から20日以内に議会を招集し、自らの意見を付けて条例案を提案しなければならないため、年明けの1月10日すぎに臨時議会を招集し市民投票条例制定議案を上程、審議される見込み。
合同委や特別委案も/議運委
マリンポートかごしま(人工島)建設の是非を問う市民投票条例案を審議する鹿児島市議会臨時議会の13日開会を前に7日、議会と住民グループが審議や採決方法をめぐって動き出した。議会運営委員会は上程後の条例案の付託先を審議したが合意を見いだせず、11日の再審議を決めた。市民グループはうやむや決着をさせまいと、47人の全議員に公開質問状を手渡した。
議会運営委員会は、市民投票条例案の審議手順として(1)赤崎義則市長の提案理由説明を受ける(2)個人質疑を行う(3)議案を委員会に付託する―ことを確認した。
しかし、付託先について「市民投票条例案を総務局が取り扱っているため、総務消防委員会にしては」との意見が出た。これに対し、審議が建設局などにも及ぶことが予想されることから「総務消防委を窓口にすると、問い合わせに時間がかかり、審議が円滑に進まなくなるおそれがある」として、建設委を含めたり、特別委員会を設置したりする審議方法も検討すべきとの意見が相次いだ。
委員会は休憩をとって、再度付託先を決めようとしたが、意見がまとまらなかった会派があったため、散会した。
「うやむや許さない」/市民団体
市民投票条例の制定を求めている市民グループ「人工島・市民投票の会」(蔵元淳代表)は、全市議に制定への賛否と、議決時の表決を起立か記名投票にすることへの賛否を問う公開質問状を手渡した。回答内容は、近く公表する予定。
公開質問状は、「人工島建設は、市民の意見が分かれる基本的政策問題」と住民投票で賛否を問う意義を強調したうえで、(1)条例制定への賛否とその理由(2)採決する際の起立表決・記名投票への賛否とその理由―の2項目を質問し、11日正午までの回答を求めている。また、議員の態度が市民にわからない無記名投票を行わないことなども求めている。
同会は「人工島建設については、市民の意見が大きく分かれている。市民投票で、市民の意見を聴く考えが議員にあるのかどうか、明らかにしてほしい。回答内容は、できれば13日の招集までに公表したい」と話している
鹿児島県は26日、鹿児島市沖に計画しているマリンポートかごしま(人工島)の起工式を同市東開町の鹿児島港中央港区木材整理場で開いた。出席したのは運輸省や建設省、県、同市などの行政、議会、経済団体関係者ら約140人。建設の是非をめぐり、県民世論を大きく分けた人工島計画は県総合基本計画に構想が盛り込まれてから約10年で着工となった。今後、護岸工事に取りかかり、埋め立てを含めて10年程度での完成を目指す。
護岸工事を請け負う建設企業体(JV)4社は27日から、現地とは別の場所で護岸本体となるコンクリート製のケーソン製作に取りかかる。護岸の基礎部分となる捨て石投入など現地での本格工事は年明けになる見通し。
起工式で須賀竜郎知事は「マリンポートかごしまは、南の拠点鹿児島にふさわしい大型観光船ふ頭などの国際交流拠点、広域防災拠点の整備、土石流土砂の安定処分を目的とする21世紀の県勢浮揚に必要不可欠な事業。今後も行政、民間が一体となって早期整備に全力を傾注したい」とあいさつした。
引き続き、大西洋逸・県商工会議所連合会長が「官民挙げ一丸となって促進に取り組んできた。関係者の感慨もひとしおだと思う。鹿児島の発展に極めて重要なプロジェクトであり、子孫への貴重な財産にもなる」と述べた。
起工式では基石投下式と呼ばれるイベントもあった。会場近くのふ頭沖合約500メートルに停泊していた起重機船(300トン)のクレーンから、須賀知事らの合図とともに紅白に彩られたコンクリート塊2個(各2・3トン)が海中に投げ込まれた。
人工島は全体計画が67ヘクタール。そのうち同日着工されたのは7万トン級の大型観光船が接岸できる専用ふ頭、国際会議場、マリーナ、離島急患搬送用ヘリポートといった土地利用計画が決まった24・7ヘクタール分。事業費は400億円以上。
人工島をめぐっては県議会が17日、工事請負契約議案を可決するとともに、建設の是非を問う県民投票条例制定議案を賛成少数で否決した。鹿児島市議会には1月中旬にも、同様の趣旨の市民投票条例制定議案が提案される見込み。
この日は、人工島港湾負担金を含む補正予算などを27日の市議会最終本会議で諮る鹿児島市からは、藤崎和久助役が出席。招待されていた小宮邦生議長は欠席した。小宮議長は「補正予算の結論が出ていない段階で出るべきではないと判断した」としている。
鹿児島県が人工島(マリンポートかごしま)埋め立て護岸工事の安全祈願祭と起工式を行った26日、建設の是非を問う住民投票条例制定を目指し運動を続ける市民グループは、抗議行動などはしなかったものの、県の”強硬姿勢”に不快感をあらわにした。
県議会が先の12月定例会であらためて人工島建設に「ゴーサイン」を出したとはいえ、鹿児島市議会で、港湾負担金をめぐる採決や年明けに市民投票条例案の審議を控えている。
「人工島、県民投票の会」の川路孝代表委員は「12月定例県議会の集中審議でも、われわれの問い掛けに、議会も当局もほとんど答えてはくれなかった。この日の着工も、がむしゃらに建設にまい進する県の姿勢が浮き彫りになった形。人工島問題はまだ終わっていない。今後は鹿児島市議会での論議に注目したい」と話した。
24日、鹿児島市長に市民投票条例制定を本請求した、「人工島・市民投票の会」の内田伸子さんは「県は着工したと言って区切りを付けたいのだろうが、多くの県民・市民は県の強硬姿勢に納得しないだろう。27日の市議会最終本会議で、市の負担金を含む予算案が否決されれば県はどうするつもりなのか。市民投票条例案も来年1月に上程される。市長が付ける意見と市議会の動向に期待したい」とした。
マリンポートかごしま(人工島)建設の是非を問う市民投票条例案の付託先が決まっていなかった鹿児島市議会は17日、議会運営委員会を開き、小宮邦生議長の判断で特別委員会を設置し、19日の本会議で付託することを決めた。定数、構成などは18日に議運委を再開して決める。
同日も「過去に市民投票条例案を審議したことがある」として総務消防委員会への付託を求める自民、自民黎明などと、「広く各会派が参加できる」特別委員会での審議を求める共産党などの間で意見がまとまらなかった。このため、民政会が「今までの協議をふまえ、議長が決断しては」と提案した。
約3時間の休憩を経て、小宮議長は「各会派の考えは一定の評価ができ、理解もしている。だが、総合的に考えると、特別委員会を設置しては」と提案、理解を求めた。自民、自民黎明も「議長の判断は重く受け止める」などと了承し、委員会は全会一致で特別委の設置を決めた。
同日は19日の本会議で6人が個人質問することも確認した。
正副委員長の人選をめぐって丸1日審議に入れなかった鹿児島市議会の人工島建設に関する市民投票条例審査特別委員会は21日続開し、委員長に藤田太一委員(民政会)、副委員長に森山清美委員(社民)を選び本格審議に入った。参考人聴取を24、25日に行うことを念頭に、「人工島・市民投票の会」の蔵元淳代表ら直接請求の代表者4人と、水生生物が専門の鹿児島大学理学部の佐藤正典助教授、建設推進派グループの「21世紀の鹿児島を創る県民の会」の代表者に出席を求めることを確認した。
委員長人選では、委員が複数いる会派から選ぶことで調整が進み、午前中に決定した。
招致する参考人に行う質問の概要を協議し、直接請求の代表者には条例制定の動機や条文で「投票日の20日前までに投票日を告示しなければならない」とした根拠、佐藤助教授には建設が鹿児島湾の環境に与える影響、同鹿児島を創る県民の会の代表者には、マリンポート建設のメリットを主張するパンフレット作製の経過、署名集めの方法などを質問することを確認した。
その後条例案の審査に入り、委員から「これまで人工島審議をしてきた建設委、都市整備対策特別委で、質問に対しまだ回答が示されていないものを整理して」など、資料要求が相次いだ。市当局が「資料の作成に時間がかかる」としたため、24日午前10時に再開することにした。
鹿児島市議会臨時会の市民投票条例審査特別委員会(藤田太一委員長、委員11人)が、実質8日間およそ20時間に及ぶ審議の末、人工島建設の賛否を問う市民投票条例案を否決した31日。条例制定を求めた「人工島・市民投票の会」(蔵元淳代表)のメンバーらは「疑問点があるのにどうして市民の意見を聞いてくれないのか」と不満をあらわにした。採決は賛成少数だったが、多くの委員は「計画には問題も残る」。一方、建設を推進する立場の経済界などは「常識ある判断」と採決結果を評価したが、「県民、市民への説明は十分だったか」と、計画の進め方に対する反省の声が聞かれた。
午前10時すぎ。約30人の傍聴者や委員外議員、テレビカメラの列が委員席を取り囲むように並ぶ重苦しい雰囲気の中、藤田委員長の「意見の開陳を願います」の声で特別委の意見まとめは始まった。
七会派の委員が意見を述べる約30分の間、賛否の理由に傍聴者はメモを取りながら聞き入った。通常の挙手ではなく、委員の申し出により起立表決で採決。同10時50分ごろ、同条例案に賛成し起立した委員が3人にとどまった瞬間、傍聴席の賛成派市民からはため息が漏れた。
委員長あいさつが終わり閉会すると、「市民をばかにするな」と傍聴席からやじ。直後に報道陣に囲まれた蔵元代表は「市民の意見を聞かなくていいという議員がこれほどいることにがく然とした。4月の市議選はもちろん、12月ごろの市長選まで運動を継続させたい」と、顔を紅潮させて語った。
市民投票条例請求代表者の内田伸子さんは「自民や市民クラブが、埋め立てについて市議会の議決を得ており、二者択一方式では民意を反映しきれないことなどを反対理由に挙げたが、とても納得いかない」。1日も欠かさず特別委を傍聴した同市吉野町の和田清さん(67)は「これまで指摘された57項目に加え、特別委ではさらに疑問点が明らかになった。どうして市議会は不透明な計画をストップできないのか」と話した。
また、「人工島、県民投票の会」の川路孝代表委員は「問題点が次々出てくるのに、今の市議会は市民の声すら聞こうとしない。徳島市のように、議会勢力が逆転すれば市民投票条例案が可決される可能性もある。市議選では人工島問題を争点にしたい」とした。
一方、特別委を傍聴した人工島に賛成する団体職員男性(35)は「最終本会議は残っているが、議会で最終的に決めたことを(人工島整備に向け)粛々と進めてもらいたい」と話した。
鹿児島市議会臨時会は2日最終本会議を開き、鹿児島県が同市沖に建設中の人工島(マリンポートかごしま)計画の是非を問う市民投票条例案を賛成17、反対29の賛成少数で否決した。約1年間に及んだ市議会での人工島問題は大きなヤマを越えた。県議会も昨年12月、直接請求に基づく県民投票条例案を否決。住民の意思を直接問いたいとする人工島建設反対派の試みは、相次いで議会の壁に阻まれた。
本会議では、人工島建設に関する市民投票条例審査特別委員会の藤田太一委員長が審議経過を報告。討論には条例案賛成、反対両派から8人が立った。
賛成派は「人工島計画に住民、市民の意見が反映されておらず、民意を問うのは必要」「工事契約手続きに不明な点がある上、十分な環境アセスがない」など、市民投票の意義と人工島の問題点を強調、市民投票の必要性を訴えた。
反対派は「県議会でも議決を経ており、団体意思は形成されている。あえて市民投票が必要とは考えない」「60日間の周知期間は、市民が賛否を判断するには不十分」と主張した。
起立表決による採決では社民(4人、議長除く)、公明(5人)、共産(3人)、民主党と自由連合に所属する民政会の4議員、小川美沙子議員(無所属)が賛成した。
同条例案は、人工島建設に反対する市民グループ「人工島・市民投票の会」が昨年12月24日、約4万5000人の市民の署名を付し、赤崎義則市長に対し直接請求していた。
2日あった鹿児島市議会臨時会の最終本会議で、人工島(マリンポートかごしま)建設の賛否を問う市民投票条例案が先の特別委員会に続き賛成少数で否決され、傍聴席を埋めた賛成・反対両派の市民は、それぞれの思いで採決の瞬間を迎えた。議会終了後会見した「人工島・市民投票の会」(蔵元淳代表)は、「人工島問題は終わっていない。4月の市議選では条例に賛成する候補の過半数当選を目指したい」と運動の継続を訴えた。
最終本会議は午前10時に開会。傍聴席は約100人の市民でほぼ満席になり、特別委員会の委員長報告や賛成・反対双方の立場で登壇した8議員の討論に耳を傾けた。午前11時50分ごろ、起立表決で採決。条例案に賛成の17人の議員が起立した瞬間、報道陣のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、傍聴者は静かにこれを見守った。
傍聴した同市吉野町の公務員中村忍さん(56)は「条例案に反対した議員の主張には、人工島に対する将来的な展望が欠けていた」。同じく公務員の川迫光人さん(50)は「4月の市議選では、市議選の結果議会勢力が逆転した徳島市のように、市民本位の候補を選びたい」と話した。
建設推進の団体職員男性(31)は「これでひと区切りついた」。「人工島は県のために必要」という会社員男性(49)は「否決という結果はよかった。ただ、住民が参加し公共事業の進め方を決めようとすること自体は良いことでその流れは進むだろう」とした。
蔵元代表らは「間接民主制を盾に反対した議員は認識不足。4年前の選挙では各議員が人工島を公約や争点に据えたわけでもない。市民の税金を使う事業の是非について、市民の声を聞いてほしいという当然の要求を聞いてくれない市議は、厳しい審判を受けることになるだろう」と強調。独自候補擁立を視野に入れながら、条例に賛成する立候補者の支援を検討していくことを明らかにした。
着実に事業推進
須賀竜郎鹿児島県知事の話
鹿児島市議会が熱心に、慎重に審議した結果であり、とやかく申し上げる立場にない。(人工島については)いろんな論議をへたうえで県議会が最終的に判断している。私としてはそれに基づいて事業を着実に推進していきたい。
市民投票条例案が賛成少数で否決されたのを受け、計画推進の各会派は一様に安堵(あんど)の表情をみせた。一方、反対の各会派は「一定の議論は尽くした」としながら「今後の議会審議や4月の市議選に向けて再度争点に」と巻き返しを図る。
「(否決されたことは)非常に遺憾。市民と行政の意思がこれだけ離れている以上、市民の信を問うことは当然」。入佐敦子・社民党市議団長は条例制定賛成の理由をあらためて強調した。公明党市議団の中園義弘団長も「世論を二分する市政の課題だけに、市民の声を反映する機会を確保したかった。否決は残念でならない」と話す。
人工島に関する鹿児島県の手続きの不備を一貫して指摘してきた共産党の平山孝・市議団長は「埋め立て、上物建設とも将来展望がない人工島計画を見直す努力を続ける。4月の市議選に向けても積極的に行動する」と今後に備える。委員外議員として特別委に参加した無所属の小川美沙子議員は「公共事業の見直しの制度もあるので、あきらめずに運動を続けたい」と語った。
一方、ほっとした表情を見せたのは下村祐毅自民党市議団長。「署名の重さは謙虚に受け止め、人工島建設の賛否を抜きに論議した」と強調し、「既に県議会、市議会を通して意思決定がなされており、民意が反映されていないとは考えない」と反対の理由を説明した。
鶴薗勝利・自民黎明市議団長は慎重審議の結果であることを前置きし、「これまでの判断を覆すだけの材料がなかった」。市民クラブの竹之下隆治団長も「大切な問題を投票にかけるには、条例の周知期間が短すぎる」と従来の考え方を繰り返した。無所属の満吉生夫、大園盛仁両議員も議会などの審議を通し、民意が反映されているとの立場で反対に回った。
ただ、賛成、反対両会派とも「問題をここまでこじらせたのは、疑問点に誠実に答えようとしない県の姿勢」という認識では一致する。本会議の討論では自民党があえて「これまでに回答のない問題は、あらためて県に真摯(し)に対応するよう要請する」と強く批判した。会派内が賛成、反対に別れた民政会の古江孝団長も「県の姿勢が変わらないようなら、市負担金を含む今後の予算審議などで、市議会としての対応を考えないといけない」とくぎを刺した。
「人工島・市民投票の会」(蔵元淳代表)は5日、役員会を開き、4月の鹿児島市議会議員選挙に向けた運動方針について話し合い、人工島問題を争点に市民投票条例に賛成する候補の過半数(定数50)当選を目指すことを確認した。
先の市議会臨時会で同会が提案した市民投票条例案に対する各議員の賛否を明確に色分け。立候補を表明している新人を含めた全立候補予定者の、同条例に対する考えをビラにして13日に市内全域で配布の予定。
蔵元代表は「人工島問題は終わっていない。市議選では条例賛成派候補の26人当選を目指し、議員発案で吉野川可動堰(せき)建設の是非を問う住民投票条例を成立させた徳島市に続きたい。今年予定される鹿児島市長選、県知事選でも人工島問題を争点にしたい」と話した。
運輸省が進めている鹿児島港中央港区の沖防波堤工事で、本体部分となる鉄筋コンクリート製ケーソンの据え付け作業が18日までに、本格的に始まった。同防波堤は、県が建設中のマリンポートかごしま(人工島)などに接岸する船舶の航行の安全を確保するためのもので、人工島関連工事としては初めて現地に施設の一部が姿を現した。
同省第4港湾建設局鹿児島港湾空港工事事務所によると、沖防波堤は人工島(24.7ヘクタール分)の南側約900メートルに位置し、計画延長は約1250メートル。現地の基礎部分を含めた工事は1996(平成8)年度から始まっている。総事業費は200億円程度で、県や鹿児島市も負担する。防波堤全体の完成は着工から約10年かかる見通し。
ケーソンは長さ16.5メートル、幅9.9メートル、高さ22.5メートル。1函(かん)当たりの重量は約2800トン。谷山2区のフローティングドック(海上作業場)で製作した。今回、別の場所に仮置きしていたケーソンを作業船でえい航、現地に据え付けた。6月ごろまでに合計8函のケーソンを据え付ける予定となっている。
鹿児島市議会は18日、2000年第1回定例会(3月議会)を開会した。会期を3月21日までと決めた後、人工島建設に関する漁業補償の市負担分約8100万円を含む1999年度一般会計補正予算案など、議案13件を上程、赤崎義則市長が提案理由を説明した。
99年度一般会計補正予算案は、43億4728万9000円を追加し、総額2053億9620万6000円とする。65歳以上の第1号被保険者の保険料を軽減する国の特別対策に伴い、介護保険施行準備事業費として約33億円を計上した。
また、勤労者交流施設設置事業費として約11億1400万円を計上したほか、桜島の降灰除去事業費約九億6000万円を減額した。新年度予算議案などは28日の本会議に上程される見込み。