* CAH用語解説 *



★グルココルチコイド
糖質コルチコイドのこと。副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンのうち、
糖質代謝に関係し、肝グリコーゲンの貯蔵、タンパク質、脂質からの糖質の
生成などの作用を促進する一群の化合物をいう。
この作用を持つステロイドは、コーチゾン、(コートリル、コートン、など)などがあ る。

★ミネラルコルチコイド
鉱質コルチコイドのこと。電解質ホルモン。
副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンはアルドステロンで、
電解質作用があるのでミネラルコルチコイドと呼ばれている。
電解質作用を有しているステロイドは、アルドステロンの他、
活性が低いがDOCがある。DOCはアルドステロンの生合成過程の一物質である。

★アルドステロン
副腎皮質から分泌される代表的電解質ホルモンである。
作用の主な物は、腎尿細管への作用で、NaやClの再吸収、kの排泄。
これらは、レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系で行われ、
レニンの分泌が亢進すると、アルドステロンが亢進する。

★コルチゾール
副腎皮質から産生されるステロイドホルモンの一種。
ストレスから生体を防御し、タンパク質の糖質への転換、脂質代謝に影響を与える。

★副腎不全(副腎クリ−ゼ)
潜在性の副腎不全のある場合で、それにストレスが加わったとき、
また感染や副腎出血で絶対的な副腎皮質ホルモン不足の時にも起こる。
症状は、急性に進行する場合が多く、初期症状として食欲不振、悪心嘔吐、
腹痛、下痢などで始まり、血圧低下、低血糖、低ナトリウム血症
ついにはチアノーゼ、意識障害でショックに陥り、治療しなければ全例が死亡する。

★骨年齢の測定
成長率と同じように、コントロールの指標として通常1年に1回、
手首部分のレントゲンをとり、骨の成熟度を測定する。
ただし、順調な成長発育をしている場合、骨年齢はあまり問題にしなくてよい。
骨年齢は実際の年齢より+2SD以上でないことを目標とする
(SD=標準偏差)

★性ホルモン
性ホルモンには男性ホルモンと女性ホルモンがあり、すべてステロイドホルモンであり、
種々の機能を持つ多数のホルモンが含まれている。
睾丸、卵巣の他に副腎から分泌されるホルモンであるがその作用によって次のように分類される。

1)男性ホルモン: テストステロンが主なものであって、睾丸の細胞によって合成されるが、肝、副腎皮質、前立腺、骨格筋もテストステロンの合成を行いうる。
このほか、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステネジオンも睾丸から分泌され る。副腎皮質からはデヒドロエピアンドロステロンとアンドロステネジオンが主とし て分泌される。

2)女性ホルモン: 卵巣ホルモンと黄体ホルモンに区別される。卵胞ホルモン (エストロゲン)はエストラジオール、エストロン、エストリオールが主なものであ る。主として卵巣から分泌されるが、そのほかにも副腎皮質、睾丸からも分泌され る。エストリオールは、前二者の代謝産物である。黄体ホルモンは主としてプロゲス テロンである。黄体、胎盤、睾丸によって分泌される。
すなわち、人において、これらの性ホルモンは決して男性または女性に特有な物では なく、いくつかの性ホルモン産生組織によって男女両性で生成されており、量的な差 があるにすぎない。


★非古典的CAH 、古典的CAH
先天性副腎皮質過形成の分類の方法の一つで、古典型は、出生後まもなくわかったタイプ。
非古典型は、少し大きくなってからわかったタイプです。
いつぐらいからを言うのかよくわからないが、思春期で発見される人、学童期で発見された方など。
今、日本ではスクリーニングの徹底で、古典型と非古典型の区別が付きにくくなって います。

古典型副腎皮質過形成(Classical Congenital Adrenal Hyperplasia/Classical CAH)
塩喪失型副腎皮質過形成(Salt Wasting Congenital Adrenal Hyperplasia/SWCAH)
単純型副腎皮質過形成(Simple Virilized Congenital Adrenal Hyperplasia/SVCAH)
非古典型副腎皮質過形成(Non Classical Congenital Adrenal Hyperplasia/NCCAH)
遅発型副腎皮質過形成(Late Onset Congenital Adrenal Hyperplasia/LOCAH)


南山堂刊「医学大事典」
稲毛康司「先天性副腎過形成症の長期管理の注意点」『小児内科』2001年12月号
参照