<検査時期>
絨毛採取は、妊娠中期に実施される羊水穿刺法に比べて妊娠の早い時期に行うことができるが、外的刺激が胎児奇形発生の誘因となり得る器官形成期が過ぎてから行うほうがよいとされている。
事実、器官形成期間内、すなわち妊娠8週以前に行われた絨毛採取では、出生児に四肢切断といった高度の奇形が高頻度で発生したという報告がある。
また、妊娠12週を過ぎると絨毛膜有毛部は胎盤の形態をとり、子宮腔内の一部に限局するようになるので採取器具が届かないような事例も増えてくる。
これらの点を勘案すると、絨毛採取時期は妊娠9一11週という限られた期間となる。
出生前診断を希望する妊婦にとって、早期にできるということは、胎児が異常であるかどうかといった不安状態に置かれる期間が短くてすむ点では有利であるが、妊娠早期に行われるので流産率は高く、妊娠の安定した中期に行われる羊水穿刺より危険であるとの評価がなされている。
<採取ルート>
絨毛採取部位である絨毛膜有毛部に達するには経腹壁的ルートと経頸管的ルートがある。
ともに超音波ガイド下に採取器具を挿入する。
<危険性>
流産率は、熟練した施設で約2%と報告されている。羊水検査と比べて,流産率が高い.
<適応と禁忌>
絨毛検査の適応は原則的に羊水検査と同じである。
しかし、羊水穿刺と比較すれば手技的に困難であるうえに、頻度的に絨毛採取後の流産率も高いことから、受診者の強い希望がない限り遺伝的にハイリスクの症例が選択されて施行されている。
さらに、最近では羊水中の胎児浮遊細胞からDNA抽出が比較的容易に行われるようになっており、健常な胎児を検査のために流産させてしまう危険性を考慮すれば、絨毛検査の適応は非常に限られたものになる。
絨毛採取の禁忌は、膣炎・頚管炎などの炎症、切迫流産徴候のある妊婦である。