* 胎内治療ってどんなことをするの? *


★ 胎児治療〜効果と副作用 ★

妊娠が確認された時点から治療を開始する。器官の発生の時期から考えると、妊娠7週以前に投与を開始することが望まれる。しかし、妊娠9週で治療を開始しても効果があるという。
治療はデカドロンを投与すること。デカドロンは胎児の副腎由来のアンドロゲン産生を抑制し、アンドロゲンが女児胎児のみにおこりうる異常を阻止することにより、胎児治療の目的達成を期待しうるものである。
治療量は一般的にデカドロン20ug/kg/日(Pang , 1994)を試みる。1日1回投与ではなく、0.5mg ずつ3回とか0.5mg ずつ2回とかに分割して投与し、夜間のアンドロゲン分泌も抑制することが重要とされている。
デカドロン治療中の母体の食事治療として、糖尿病併発防止のために、摂取エネルギーを1800〜2000kcal/日の一定食とする。
妊娠中期には検査結果が判明する。男子と判明した場合と、胎児がCAHではないと判明した場合には、直ちに治療を中止する。
文献的に見ると、1.0mg/日では成功率が低く、羊水17OHP値が20ng/mlを超える例や成功率を高めたいときはデカドロン1.5mg/日か、それ以上投与する報告もある。
初回量を比較的多い量とすることは、胎生12週までに外性器形成が完成するので、妊娠第1期を十分抑制することになるので意味があると考えられる。
しかし、妊娠第2期を過ぎるころより、満月様願貌、肥満、糖尿病、高血圧などの副作用が出現してくる例がしばしば見られる。投与量を減量することで副作用は避けられるので、妊娠第3期は1.0mg/日を超えない方が無難である。
初回量のまま出産まで母体にも胎児にも副作用がなく、全量で治療を続行できた例では、女児胎児の症状は、正常になって出産する事が可能と考えられる。
しかし、母体に耐糖能異常が出現(HbA1c上昇)したり、妊娠第3期に上昇してくる血中E3(800pg/ml以上)が200から300pg/mlのままで上昇しなければ、胎児への影響も考えてデカドロンを0.5〜0.375mg/日に減量して様子を見る。それでも改善しなければ治療を中止することも考える。
母体の血圧上昇が著明となった場合には、高血圧性脳症や妊娠中毒症を警戒して、直ちに治療を中止する。
妊娠第3期は母体がさらにさらされることが十分予想される場合には治療を中止してよい。




★ 診断上の問題と注意点 ★

母体および胎児のチェックを頻回に行い慎重に行えば危険を回避でき、 結果的にも希望のもてる胎児治療と考えたい。