1.プロフィール
現在小学校1年生になる女の子が21水酸化酵素欠損症です。
兄弟は、小学校6年生の兄と5歳の妹がいます。
二人目がなかなかできなくて、2年間の不妊治療の末、やっとできた子供が副腎過形成でした。
そして3人目を妊娠したのは、第二子がまだ9ヶ月の時でした。
もともと、子供ができにくい体質だったこともあり、3人目は予期せぬ妊娠でした。
以前から、女の子に起こりうる、特有の症状は、胎内治療によって、ある程度防ぐことができるということを聞いていましたので、
とりあえず、妊娠が判明した時点で(妊娠6週)デカトロンの服用を開始しました。(デカトロン0.5mgを一日2錠)
器官の発生の時期から、できるだけ早くデカトロンを飲むことが
大切で、この薬に関して躊躇する余裕はありませんでした。
2.胎内治療を決意するまで
3人目は生みたいけれど、もしまた同じ病気だったら・・・と随分悩みました。
おなかの中の赤ちゃんが病気の確率は4分の1。
そしてその子が女の子となると、確率は8分の1。
母親が薬を飲むことによって、防ぐことが出来るのであれば
なんとしてでも防いであげたいと思う一方で、胎児が病気でなかった場合、どういった副作用があるのか、気になりました。
確率で言うと8分の7は、この治療は不要なのですから。
そして、あとで後悔することのないよう、できる限りのことをしようと決心しました。
@ まず、家族全員の遺伝子診断をして、この病気となる遺伝子の型を調べる。
(何種類か病気の遺伝子があるそうです)
A 絨毛検査で胎児の遺伝子を調べる。(12週)
B 羊水検査で性別、染色体異常を調べる。(15週)
3.遺伝子診断でわかったこと
私はこの検査さえすれば、すべてがわかると信じていました。
ところが、結果は胎児は女の子。染色体異常なし。
主人の方の病気の遺伝子(もっともポピュラーなものだそう)を持つ。
私の方は、不明。もともと病気の遺伝子を持っていなくて、突然変異で組換えが起こったか、
まだ判明していない、病気となる遺伝子を持つのかもしれない。
つまり、胎児が病気かどうかは判断がつかないという曖昧なものでした。
私はこのような結果がでることは、想定していなかったので、かなりショックでした。この時、すでに20週。
不要かもしれないデカトロンを出産まで飲み続けることには抵抗を感じていました。
(この時点までで、私への副作用らしきものは特に感じませんでしたが・・・)
4.臍帯血検査
それからというもの、偶然、集めていた病気の資料のなかに、出生前診断に関するものをみつけ、
まさに藁をもつかむ気持ちでその大学病院を受診しました。
(当時住んでいたところから、新幹線で2時間の距離でした。)
その当時の小児科の遺伝の先生は、紹介状もなく、いきなりやってきた私を暖かく迎えてくれ、
出来る限りのことをしましょうと励ましてくださいました。
そして、すぐに産科の先生を呼んで、臍帯血検査(胎児のへその緒の血液)を翌週にも行う段取りをしてくださったのです。
検査結果
●羊水の数値 7.1 ・・・ 保因者である可能性
(3.6・・・正常。〜30・・・患者)
●さい帯血の数値 18.7 ・・・患者ではない可能性が強い
(胎児の血液データはいまのところなし。
28週の未熟児の患者のデータ・・・50
患者の赤ちゃん・・・100を超える)
以上のことから、保因者の領域ではないか という結論でした。
この時点で、デカトロンの服用は中止しました。
そして、予定日より1ヶ月早く、次女を出産。
体重 1900gの未熟児でしたが、現在に至るまで、特に問題もなく元気に育っています。
未熟児で生まれてきたことと、胎内治療についての因果関係は不明です。
妊娠後期に引越しをしてちょっと無理をしてしまったのも一因ではないかと思っています。
5.今後に期待すること
胎内治療体験談といっても、私の場合、幸いなことに胎児は患者ではないことがわかり、途中で治療は中断されました。
胎内治療を始めた人のうち、最後まで治療を続ける方は、8人に一人ということになります。
胎内治療がどれだけ効果があるのかというデータはとても貴重です。
効果があまりなかったという場合でも、もっと早い時期に治療を開始できていれば、また違った結果が得られたかもしれません。
私が胎内治療を体験してから、すでに6年がたちました。
当時は主治医の判断だけで、受けさせていただいた治療ですが、今では倫理委員会を通さないと できなくなったそうです。
遺伝子診断をして、両親の病気の遺伝子が確定されている場合でなければ、難しいでしょうということでした。
多くの方の情報がまとめられ、安心して胎内治療が受けられる環境に早くなって欲しいと願ってやみません。