このページは、私(おと)の独断で作っております。これを真に受けて、承認が遅れても当方は一切関知致しませんよ。(笑)

eCTDは作れないが、リーフ・ファイルくらいは自社で

eCTD仕様のWordテンプレートを作ろう

見出し設定

「見出し」スタイルとは

 「見出し」とはなんぞ?と思われる方のために、完成形を見ていただこう。

 このファイルで、「1. 緒言」とか「3.1. 材料」とか書いてあるのが「見出し」だ。見た目は「MSゴシック」+「Arial」フォントを使って、サイズを12 ptにしただけのようだが、実は「見出し」スタイルを使うと色々便利なことが出来る。

 ここでも、CTDとeCTDの仕様を見てみよう。薬食審発第0701004号の別表には、いたるところに「目次」の表現が出てくる。目次は、文書の構成だけでなく、内容の概要を知るために大いに役立つものだ。目次が、「一瞬で作成できる!!」と言ったら試してみる価値はあるのでは。

 もう一つ、薬食審発第0527001号を見ていこう。

 

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緒言
様々なモジュールで提供される文書は、ICH CTD の規定に従う形で配置すること。さらにナビゲーションの提供方法にも一貫性があること。各文書の中では、目次から全ての表、図、刊行物、付録へのブックマークやハイパーテキスト・リンクを提供すること。

 

 「目次から全ての表、図、刊行物、付録へのブックマークやハイパーテキスト・リンクを提供すること。」つまり、目次とブックマーク(しおり)を作らなくては行けないことと、目次からそれらがリンクしていなければならないのである。これを、「見出しを使えば、一瞬で作成できる!!」と言ったら。そのくらい重要なものだ。

「見出し」に使う書式

 見出し設定は、以下に従いたい。

1. 日本語用のフォント(T): MSゴシック
2. 英数字用のフォント(F): Arial
3. サイズ(S): 12 pt
4. 左インデント 0字
5. 見出しレベル 1〜9まで設定し、自動連番は使用しない
6. 次の段落スタイル 標準で次の段落と分離しない

 まず、フォントは目立たせたいためゴシック系を使う。「MSゴシック」+「Arial」フォントを使って、サイズを12 ptとしよう。目立たせるためには[太字]を使うのも考えられる。しかし、日本語用フォントの太字の使用は禁止だ。それは、以下の通知による。

 

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PDF文書および画像の作成方法
PDF 文書の作成では、紙の文書を最も良く複製できる方法を用いること。紙の版とPDF 版の文書が同じであることを保証するため、文書はPDF 版から印刷すること。

 

 日本語フォントの太字は、太く見せるために画面や印刷の際に少しずつずらして3回書いているらしい。一方、PDFは太く見せるために、文字の輪郭を同じ色でなぞっているらしいのだ。太く見せる方法が違うので「紙の版とPDF 版の文書が同じであることを保証」出来ない。見た目でも、PDFの太字は、ほとんど太く見えない。余談であるが、英数字の太字は使用可能だ。数字が1〜10、アルファベットが24文字、特殊文字を入れてもその数はたかがしれている。漢字の比ではないので、それぞれのフォントに太字、イタリック体(斜体)を持っている。Arialの[太字]とすると、ArialではなくArial-Boldというようなフォントが選ばれるらしい。

 左インデントは「0字」。これは好みにもよるだろう。もし、第3部を書こうとすれば、「3.2.P.2.1.1 原薬(品名、剤形)」で見出しレベル6が最大だろうか。見出しレベルに応じて、1文字ずつ左インデンをずらしていくと、見出しの開始が5文字ずれる事になる。5文字ずれた見出しに、全くずれない本文を合わせると逆に読みにくくなるだろう。見出しに合わせた本文スタイルを作ることも出来るが、見出し1用、見出し2用などそれぞれに設定するのは煩雑だし、書く人も困るので、今回は全く左インデントは設定しない方針にした。

 見出しレベルは、後で出てくるがあらかじめ設定してある見出しレベルが9なので、全て設定することにした。また、これもPDF化の際のしおりの関係で、見出しレベルに自動連番は使用しないことにした。自動連番を使うと

1. 見出し1
1.1. 見出し2
1.1.1. 見出し3
2. 見出し1
2.1. 見出し2
2.2. 見出し2
2.2.1. 見出し3

など、頭の番号が自動的に入る。この機能は、見出し番号を間違える事がないので便利だし、見出しスタイルの間違いの発見にも役立つ。しかし、PDFにしてしおりを作成したとき、自動連番で生成した番号は、しおりに反映しないのだ。自動連番にして、PDFしおりの見出し番号を手入力するか、Word文章作成時に見出し番号を手入力しておくか、これは各社まちまちだろう。全て完成してQA確認を受けたとき「ここに句点がないよ?」の一言で、Wordファイルを修正してPDFにするだけか、Wordファイルを修正してPDFはいるのしおりを直す方が良いのか? 今回は、前者の方が良いかな?と考えている。

 前置きが長くなったが、ここからが本論だ。

「見出し1」の設定

 まず、Wordを立ち上げて、保存して置いた”eCTD_template02.doc”を開く。ツールバーに、図15のようなスタイルを選ぶ場所があるだろう。任意の行で、そこから[見出し1]を選択してみよう。そうすると、文章中の選んだ行が、設定したスタイルに自動的に変更される。

図15 スタイルの選び方

 それでは、スタイルの設定をするために、前のページと同じように[書式(O)]-[スタイル(S)]を選び、[変更(M)]をクリックしてみよう。

図16 見出し1のスタイル

 説明のところを見よう。見出し1は、標準のスタイルを基準にして、それと違う箇所は「+」以下に書いてある。

  日本語用のフォント(T): MSゴシック
  英数字用のフォント(F): Arial
  サイズ(S): 12 pt
  次の段落スタイル: 標準で次の段落と分離しない

 このまま使えるということだ。「次の段落スタイル(S):」は、「見出し1」を書いてenterキーを押した時、次の段落が「標準」スタイルになるという設定だ。「見出し1」の次の段落は、必ず「見出し2」になる場合は、ここを「見出し2」に設定するが、標準が無難だと思います。後の設定にひびくので・・・。

 「次の段落と分離しない」は、見出し文がページの一番下に来てその本文が次のページに来るような場合、見出し文を次のページに移動して本文と分離しないようにする設定だ。

 OKを押して、次は見出し2の設定だ。

「見出し2」の設定

 テンプレート”Normal.dot”は、あらかじめ使える(ない)スタイルを準備している。「文字/段落スタイルの設定」の画面で、左下の「種類(L)」を[すべてのスタイル]に変更してみよう。すると、あらかじめ設定済みのスタイルが現れる。見出し2以降は、ここからスタイルを選んで、必要な修正を加えることにしよう。

 

図17 文字/段落スタイルの設定の使用法

 「スタイル名(S):」から[見出し2]を選ぶ。

図18 変更前の見出し2

 このままでもOKなのだが、少し後のことを考えて修正しておこう。[変更(M)]をクリックする。

図19 基準にするスタイル(B)の変更

 基準にするスタイルを「標準」から「見出し1」に変更する。そうすると、説明が「見出し1+レベル2」になる。基準は「見出し1」で、異なる箇所はレベル2という説明だ。見出し3以降も同じ説明になるように設定していく。

「見出し3」以下の設定

 

図20 見出し3の基準にするスタイル(B)の変更

 見出し3では、基準にするスタイルを「見出し1」に変えると、インデント:左4字が設定してあるので、これを元に戻す必要がある。[書式(O)]-[段落(P)]を選んで、[インデントと行間隔]のタグの左インデントの幅と「0字」に設定する。

図22 見出し段落の設定

 見出し4の基準にするスタイルに見出し1を適用した後、説明は「見出し1+フォント:太字, インデント左4, レベル4」となる。太字を標準に直す必要があるので、[書式(O)]-[フォント(F)]からスタイル(Y)を「標準」に変更して、図22と同様に左インデントを「0字」に戻す。

図23 見出しフォントの設定

 以下、基準となるスタイルを「スタイル1」にした場合の基のスタイルは、以下に示した設定値なので、これをすべて「見出し1+レベルX」の説明となるように修正する。

見出し5=見出し1+インデント左8, レベル5
見出し6=見出し1+フォント:太字, インデント左8, レベル6
見出し7=見出し1+インデント左8, レベル7
見出し8=見出し1+インデント左12, レベル8
見出し9=見出し1+インデント左12, レベル9

 以上の設定で出来た見本がこれだ!

 ちょっとつまった感じで見づらい。そこで、見出しの上下に少しスペースを空けてみよう。見出し1を選んで、スタイル設定の段落を以下のように変える。何故「見出し1」だけ修正するのか?。それは、「見出し1」を基準にしているからだ。

図23 段落前後のスペース

 間隔の段落前(B)及び段落後(E)をどちらも「0.5行」に設定する。これで、完成だ。またまた、ファイルを”eCTD_template03.doc”として保存しておこうか。

見出しスタイルの使い方

図24 見出しスタイルの使用方法

 スタイルの使い方はすべて同様な方法だ。まず、文章を書いて、その行(段落)にカーソルを持っていき、ツール・バーのスタイルから必要なスタイルを選ぶと、その行(段落)がそのスタイルになる。または、書く前にその行(改行マーク)を、そのスタイルに設定して置いて書き始める。

 このテンプレートで作った文章が、このページの最初に示したPDFだ!!