あとがき

復員したときから抑留時の日記を書いておきたいと思っていたが、あ れから50年近く経ってやっと書き終えた。 全く気の長い話である。 復員時のメモを見ながら、その時々の場所や環境の中に自分をタイム スリップさせて、ワープロを打っていると、どうしても亡くなった戦友 の顔を思いだしたり、ロ助の無謀な態度に改めて怒りを感じたりすると 、その時の情景が連鎖的に次から次へと頭の中を駈け巡って、なかなか 次へ進まず、結構長い年月を費やしてしまった。 ただ、私に少しだけ文学的な表現力と絵の能力があれば折々の状況や 景色をもっと忠実に描写ができたし、もう少し現実に近い様子を残すこ とが出来たのではないかと思っている。 いずれにせよ、自分の人生の中で未来永劫に忘れられない日記を書き 終えて、ほっとしている。

1995年3月

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