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(2005.06.01)

[シネマジャーナル] [過去記事]

「愛心無國界演藝人大匯演」於政府大球場

1月7日記

 昨年末のスマトラ沖大地震、インド洋大津波の被害者救援のため、香港芸能界を挙げてのチャリティーコンサートが開催されました。エリック・ツァン、ジャッキー・チェン、アン・ホイが呼びかけ人となり、のべ200名以上の歌手らが参加したこのコンサートは、翌日行われたTVB「十大勁歌金曲」のステージ以上に見ごたえがありました。

 会場は銅羅灣の丘にあるサッカー場です。日本と比べて暖かいとはいえ、夜9時を過ぎると冷えてきます。体感気温15度ってところでしょうか。出演者も、最初はお揃いのトレーナーだけだったのが、次第に上着を羽織って登場でした。が、郭富城は最後までトレーナーのまま。さすがです。

 午後4時から11時までのイベントですが、入場そのものは無料ということもあり、午後2時前にはかなりの人が会場に列を作りました。7時間の間には客席に連帯感も生まれ、見知らぬ観客同志が写真を撮りあったり、住所を交換したりという光景も見られました。
 また、ステージの歌手がハンド・イン・ハンドをすると、隣の席の子どもが私の手を求めてくるので、ちょっとドキドキしながら両隣の人と手をつないだりしました。

 イベントの合間に、何度か募金箱を持ったスタッフが会場を回ります。募金をすると、蛍光棒やミニペンライトをくれます。それをステージに向けて振るのですが、悲しいことにペンライトの電池はすぐに弱くなります。2時間くらいしかもちません。
 台湾から参加のウー・パイが登場したのは、ちょうどペンライトの弱くなった時間帯だったので、客席にペンライトを点けるよう呼びかけても暗い灯りばかりだったのが悔しいところです。
それを見てか、再度スタッフが募金箱を持って会場を回ると、観客は再び募金をしてペンライトを手に入れ、終盤また客席はにぎやかになりました。

 ライブの大詰めにはBEYONDが登場し「海闊天空」と「AMANI」を歌ってくれて大感激です。他の歌手は皆、一曲づつしか歌っていないのですが、この選曲と演出で観客席は大変に盛り上がり、帰り際にさらに募金をする人が大勢いました。すばらしい締めくくりだったと思います。実際のトリを務めたのはアンソニー・ロンでした。

 主催者発表で2万人の観客と、TVの視聴者からの募金は、この晩だけで5億円近くになりました。ステージの模様は午後7時から11時までTVBで生放送され、また日本のスカパーをはじめ、世界40カ国でも放送されています。この日は台湾でも、また前日には北京でインド洋大津波のチャリティコンサートがありましたし、日本をはじめ世界各国で同様のコンサートが開かれています。香港では、クリスマス3連休中に起きた地震で被災された方が多かったことから、早いタイミングでの大規模なコンサートになったのでしょう。
 また、エリック・ツァンの名司会ぶりに、一昨年、SARSの最中の金像奨授賞式も思い出されました。

 最後になりましたが、この地震と津波で亡くなられた方々のご冥福を祈ります。ご家族や生活の基盤をなくされた方、とりわけ孤児となってしまった子供たちのことを考えながら、今回の香港便りを締めくくります。


『カンフーハッスル』香港公開初日レポート

大ヒット!

 初日、12月16日の夜10時のチケットを買うために、その4日前に九龍湾のシネコン(UA)へ行った時点で残り3枚でした。8時前に始まる回は、とっくに売り切れ。この劇場では朝9時30分から2つのスクリーンで14回も上映してるし、5分と離れていない他のシネコン(BC)でも、今日は15回上映。新聞でザッと数えただけでも37の劇場で上映しています。
 すごいのは沙田のシネコン(UA)で、おそらく4スクリーン使ってると思うんだけど、朝から深夜まで、35回上映!冬休みも始まって大入りでしょう。日本で言うなら「寅さん」です。笑いのツボも。私は日本で言うなら“ファンタ”のノリで、例えば最初のほうなら、仕立て屋の親父が天井の竿のリングを腕にジャラジャラとはめるときや、3階から奥さんに突き落とされる元華の、テントにぶつかって落ちる見事な様に「おぉーっ!」と声が出るのですが、地元の人は元華が頬にキスマークを付けてもらうところで「バカだねぇ」クスクス...。尻出しクンが登場するたび「ちーしん」が聞こえてきました。
 この一日で何万人の人が『カンフーハッスル』を観たことでしょうか。季節感のない香港でも、やっと年末らしさが出てきました。って、お正月映画が始まると年末って、フツーの人と微妙に感覚が違うかもしれませんが。

 で、ヨカッタ〜!
 サッカーの場合は、私自身がW杯が始まってから初めてTVでサッカーの試合を見た「にわかファン」(それでもW杯の試合は生を見に行ったミーハー)だったから、どうしても「こういうモノかなー」っていうノリの悪さがあったの、正直なところ。でも、功夫となったら全然、話が違う。特に私が知ってる功夫といったら、ほとんどが映画を通しての功夫な訳だから、それを映画で幅広く再構築してみせてくれて大喜びです。
 もうね、斧もってる人を見ただけで『プロジェクトA2』を思い出しちゃうでしょ。で、斧の扱いが上手くて、でも斧や銃が素手に負けるのはお約束。「如来神掌」とか、昔のアクション映画の出し方も良いけど、映画が誕生する以前のメディアも意識してるよね。
 あの琴の弦から飛ばされる剣というか“気”の塊とこちらの槍が正面からぶつかる様は『不射之射』の大元になる邯鄲の昔話まで遡れるし、「西遊記」だって最初に文字で書かれたときから功夫小説だったんじゃないかと、今日の『カンフーハッスル/功夫』を観て思いました。
 さらに良いのは交差点の信号機の掌モニュメント!「写真」や「映画」の誕生する以前に功夫を表現したらこうなる、という現代アートまで取り込んだような。
「ありえねぇ」シーンの連続なんだけど、それが古来からのカンフー映画。ニュートン力学ではなく、カンフー映画力学に基づいた世界ですね!

『カンフーハッスル』に関する記事はシネマジャーナル63号に掲載されています。
『カンフーハッスル』の上映情報はこちら