トップ > SF > トリのために > 第49稿「『EVER』」



「ただいま」何も言えない俺がいて

どこに行っていたの?
なんで行っていたの?
そして、戻ってこれたのは?

どこか遠くに行き失せて
そっと口から漏れたのは「おかえり」


「第49稿:『EVER』」


ラボがそこにはいた。


本当にただ、ラボと話をしながら食事をするのが何より楽しみだった。
それが何より楽しくてたまらなかった。

恥ずかしさを感じた。
口に出すのを。
そろそろ食事の用意でもしようか?
子供みたいにウキウキしていたから。
なんだか甘えているみたいな感じだった。
その時間に対して。
本当に大切な時間だった。

時は切り裂かれる。

別れは絶対。
いつまでも同じ時には止まっていられない。
たとえどんなにいとおしいものでも。
最後はすべて失って終わりなのか?
そうじゃないと俺は信じたい。


胸の辺りまで髪のまっすぐ伸びたラボは
目が痛くなるほど真っ白なワンピースを着ていた。
そして、手に西欧の美しい彫刻品のような白い銃を持っていた。

「今は何も聞かないで」
「真実が語られる時はもうすぐだから」

「わかったよ」

「これを持っていて」
ラボはそう言って俺の手にその白い銃を手渡すと、俺の顔を覗き込んだ。

ラボの目は赤く光っていた。
「もし、何も信じられなくなった時は」
「これを使うの」
「それで一番憎いと思った奴を撃つのよ」

「俺はそんなこと」
ラボは首を横にふった。
そして俺の手をそっと握った。

「わかったよ」
「一番憎いと思った奴を撃つよ」
ラボはうなずいた。
悲しそうにうなずいた。



俺たちはその後、いっしょに食事をした。
二人の作りだされた笑顔はあの頃にはもう戻れないということを意味していた。

だけど俺は信じる。
また新しく時間を作り出せることを。
大切な時間を。
何しろ、ラボは俺のもとに帰ってきたのだから。


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